パレスチナ人俳優モハメド・バクリ ジェニン侵攻の記録映画の制作で被告席へ

イスラエル出身のアラブ人俳優モハメド・バクリ(ムハンマド・バクリー)は、テルアビブ大学で演劇とアラブ文学を学び、舞台俳優としてイスラエルとパレスチナで活躍し、また国内外の映画に多数出演し国際的にも知られています。彼が出演した1984年の映画"Beyond the Walls" (『壁を越えて』)は米国アカデミー賞の外国映画部門にノミネートされ、イスラエルを代表的する演劇人の一人として名声を築きました。しかし2002年、イスラエル軍がパレスチナ難民キャンプを軍事攻撃した直後、現地に入りって人々の証言を記録したドキュメンタリー映画『ジェニン・ジェニン』を制作すると、イスラエルのマスコミから猛烈なバッシングを受け、映画は国内で上映を禁止され、俳優の仕事も干されてしまいました。(19分)

ヒップホップと政治、差別用語と差別発言  マイケル・エリック・ダイソン教授が語る 前編

 戦争、暴力、公民権運動、そしてヒップホップ、ハリケーン・カトリーナから人種差別政策まで、マイケル・エリック・ダイソン教授は一手に引き受けます。この14年間に14冊の著作を出し、いずれもベストセラー。黒人向け月刊誌の米『エボニー』誌は、「最も影響力のあるアフリカ系アメリカ人100人」のひとりに彼を選出しています。ダイソン教授はつい最近、ジョージタウン大学の最高位の教授職に就任しました。バプテスト派の牧師の資格も持ち、アフリカン・アメリカン研究と並んで神学も教えています。最新、ヒップホップ論を出版しました。 番組前半では、ラジオトークショー・ホストのドン・アイムスによる差別発言事件、ジーナ高校の黒人生徒訴追事件、ハリケーン・カトリーナ後の人災など、最近の社会問題についてコメント。後半ではヒップホップという芸術様式における政治性、そのレトリックがいかに鋭く社会状況を反映しているかを、具体例を挙げて語ります。(26分)

ブッシュ家の崩壊  親子の確執につけ入り、過激信仰集団が権力の中枢を握って侵略戦争を開始

クレイグ・アンガー記者は新著『ブッシュ家の崩壊』で、ブッシュ政権下でネオコンたちがキリスト教右派と秘かに同盟し、イラク開戦に向けて好戦機運を煽った過程を検証しています。中東紛争は、イスラム対西洋の対立を軸としてとらえられがちですが、アンガーはそれに対して原理主義という別の視点から見てみようとする試みだといいます。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれに原理主義はあります。アンガーに言わせれば、ネオコン(新保守主義)も世俗的な衣をまとった原理主義です。啓蒙主義を経た近代社会とは相容れないこうした勢力の巻き返しが、現在の事態の大きな背景を描いていると彼は述べます。(30分)

「水色の約束」 モード・バーロウと水の正義を求めるグローバルな運動

水はタダでいつでも必要な時には永遠にあるものだと私たちは思っています。水はどこから来るのかを考えたことはありません。 「そんな時代は終わった」とモード・バーロウは言います。カリフォルニア州では20年以内に、ニューメキシコ州では10年以内に、今ある水を使いつくしてしまいます。米国では水の大きな供給源だった、五大湖やコロラド川でも水が不足しており、世界的に有名なナイル、黄河などの大河も水不足のため、川が海まで流れて行っていないことを皆さんはご存知だったでしょうか? 人間は水なしでは2~3日しか生きていかれません。その大事な水を軽んじてきた結果、いま私たちは人類の歴史で最大の危機に直面しているのです。原因は気候変動です。しかしそれ以上に、水の汚染と水管理の失敗により、水の本来の循環を止めてしまったことが大きな原因です。(19分)

「3兆ドルの戦争」スティグリッツとビルムズがイラク侵攻と駐留経費の真実を語る

ブッシュ政権はイラク戦争が米国の経済に悪影響を与えているという批判を否定していますが、米国きっての経済学者は、この戦争の経費は控えめに見積もってもすでに3兆ドルに達していると推定しています。ノーベル経済学賞受賞者で元世界銀行首席エコノミストのジョセフ・スティグリッツ教授とハーバード大学のリンダ・ビルムズ教授の共著による『世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃』で論じられている数字です。この2人の経済学者は、ブッシュ政権が常に戦費を過少に発表してきたと言います。さらには、国民から隠している非公表のウラ収支報告さえあるとさえ主張します。出版に際して、初めて行われた全国放送の著者インタビューをおとどけします。(43分)

マイケル・ポーラン アメリカ人の危険な食生活

「今日たいていのアメリカ人が口にしているものは食物ではなく、食物に似た工業製品だ」──マイケル・ポーラン教授によれば、米国の食生活を危機に陥れている元凶は2つです。第一に、自然の食品に付加価値をつけるため、高度な加工処理を行い、食物を工業製品化する食品産業です。思いのままに栄養素を強化し、いつまでも腐らない工業食品がスーパーの棚にあふれ、自然食品は手に入りにくい、ぜいたく品となります。第二に、食品そのものよりも、そこに含まれる栄養素が大事だと唱える「栄養学主義」です。これはイデオロギーであって科学ではないとポーランは批判します。科学的根拠の乏しい「善玉」「悪玉」のきめつけや、「栄養素」万能の食品評価などによって、食生活を歪ませていると。このような怪しげな科学に基づいて私達の食生活が変えられるのは恐ろしいことです。どうしてこんなことになってしまったのでしょう?ポーラン教授は、具体的な事例によってわかり易く説明してくれます。(36分)

あれから40年 1968年フランス5月革命

1968年5月はフランスにとって大きな歴史の転換点でした。学生と 労働者の抗議運藤の嵐が全国を吹き荒れ、その後のフランス社会を恒久的に変えることになりました。事の発端は、女子寮を訪問する権利をめぐる大学当局との衝突から、パリ大学のソの改革と個人の自由を求める運動へと広がり、3週間におよぶ大規模な抗議運動に発展しました。数十万人もの人々が街頭に繰り出し、警察の威圧的な対応に抗議しました。フランス労働者の3分の2にあたる1000万人が学生に連帯を表明してストライキを起こし、フランス史上最大のゼネストとなりました。<cite>The Imagination of the New Left: The Global Analysis of 1968</cite>(『(『新左翼の想像力 1968年の世界分析』)の著者ジョージ・カツィアフィカスに、フランス5月革命と、その影響の世界的ひろがりを聞きます。(14分)

拷問を容認させたブッシュ政権の法律顧問たち

2003年に作成された覚書が情報開示されたことから、ブッシュ政権による囚人の処遇や尋問の方法にメスが入りつつあります。機密扱いにされていたこの覚書には、司法省が国防総省に対し、大統領権限は囚人への虐待や拷問を禁じた数々の法律よりも優先すると、指示したことが示されています。(20分)

「命名のポリティクス」 マフムード・マムダニが語るダルフール

2007年5月末ブッシュ大統領はスーダン政府に対する新たな経済制裁措置を発表し、スーダン政府系企業31社を米金融機関から締め出しました。これは米国の団体「ダルフールを救え」同盟の広報活動の成果とされています。しかし、スーダン国内で活動中の援助団体からは反発を買っています。「ダルフールを救え」は現地の救援活動を危険にさらすような提案をする一方、集めた数百万ドルの寄付はダルフール難民のためには使われていないというのです。世界有数のアフリカ研究者、コロンビア大学のマフムード・マムダニ教授が、米国内のダルフール支援キャンペーンの問題点について語ります。(24分)

環境団体がG8首脳を非難 地球温暖化への取り組みが後退

7月に北海道で行われた洞爺湖サミットでは、主要8カ国の首脳たちは、世界全体の温室効果ガスの排出量を、少なくとも2050 年までに半減させる長期目標に合意しました。米国政府はこの宣言を大きな進歩として高く評価しましたが、環境活動家たちは中期的な数値目標が欠如していると批判しています。 地球温暖化は、食料および燃料価格の急騰など、他の世界的な大問題に密接に結び付いています。世界の重大なものごとを少数の国だけで決める非民主的なG8のシステムに反対して、北海道には世界各地から活動家たちが集まり、対抗アクションをとりました。何億ものお金をつぎ込んだ贅沢な会場の外で、反対の声を上げる人々に取材しました。北海道にきていた反グローバル家の代表的な論客ウォールデン・ベロー氏に、現地でお話を聞きました。(12分)

「プラン・メキシコ」麻薬撲滅に名を借りたNAFTAの軍事化

北米自由貿易協定(NAFTA)発効から15年、当初約束された経済繁栄とは裏腹にメキシコは米国に安価な労働力を供給する移民工場になっています。それに追い討ちをかけるように、ここへきてNAFTA軍事化の動きが顕在化してきました。ブッシュ政権が2008年6月に打ち出した麻薬撲滅政策「プラン・メキシコ」は、社会経済対策をおろそかにして軍事方面ばかりに力を入れています。初年度予算4億ドルの大半は、米政府と契約する傭兵会社とメキシコ軍の手にわたります。国境管理の強化は、麻薬と移民の流入を防ぎたい米国、武器流入を防ぎたいメキシコ側の共通の要求です。しかし、その裏には別の思惑もあるようです。(26分)

ブラックパンサー党シアトル支部設立から40年

40年前、米カリフォルニア州オークランドに本部を置くブラックパンサー党は、初の支部をワシントン州シアトルに結成しました。当時まだ19歳だったアーロン・ディクソンは、支部結成から4年にわたり支部長を務めました。現在はコミュニティ活動家、人権活動家として著名なディクソンに、人種的平等のための取り組みの過去と現在について聞きました。(9分)

アヴィ・シュライム イスラエルは「国家テロ」で和平を阻んでいる

2008年12月末に始まったイスラエルによるガザ攻撃は、1500万人を壁で囲い込んだこの世界最大の難民収容所に生活必需品の搬入さえも許さない非人道的な兵糧攻めを何ヶ月も続けた後に起こったものでした。英国オックスフォード大学で教えるイスラエル=アラブ問題の世界的権威アヴィ・シュライム教授に、ハマス政権のもとでガザが孤立するに至る経緯と、イスラエルが果たした役割を聞きます。2005年8月の「イスラエルの一方的撤退」とは何であったのか、ファタハとハマスの抗争にイスラエルや米国ははどのような役割を果たしたのか?(26分)

ソマリア沖のもう一つの海賊行為

ソマリア沖では長い間、国際社会が話題にしないもう一つの海賊行為が横行していたとケニア在住のソマリア人アナリスト、モハメド・アブシール・ワルドは言います。ソマリアで内戦と無政府状態がつづいているのをよいことに、ヨーロッパやアラブ諸国をはじめ世界中の漁船がソマリアの海で不法操業し、乱獲によって水産資源を枯らしてしまいました。おまけに、これらの漁船は置き土産として自国の産業廃棄物をソマリア領海に不法投棄して行きました。(16分)

ユタの大学生 原野を救うため飛び入り入札で権利買い占め 後編

米国土地管理局は2008年末、ユタ州南部に広がる連邦政府所有の原野における石油ガス採掘権の競争入札を断行しました。この売却には多くの環境団体が「石油ガス業界へのブッシュ政権最後の置き土産」と非難していました。こうした中、ユタ大学で経済学を学ぶティム・クリストファーは、たった一人で競売の妨害をこころみました。彼は入札会場に入り込み、入札に参加することによって多くの区画の値をつり上げ、結果的に2万2000エーカー(約8900ヘクタール)を落札したのです。(7分)

Googleブックサーチ訴訟の和解は裁判制度を利用した独占の正当化

米国の訴訟和解が日本の著者や出版社にまで影響することで日本でも少なからぬ反響をもたらしたグーグルのブックサーチ機能をめぐる裁判と和解について、一つの視点を提供するセグメントです。グーグル社は大学などの有名図書館が所蔵する膨大な数の書籍をデジタル化し、インターネット上で公開する壮大な計画を数年前から進めています。すでに700万冊以上が電子化されていますが、著作権が保護されている書籍の検索サービスについては、著作権者の権利を侵害するものであるとして米国作家組合や出版社協会を中心とする集団代表訴訟(クラスアクション)が起こっていました。今年4月に訴訟は和解に達しましたが、訴訟の性格上、著作権を保持するすべての人に影響を及ぼすことになるので、問題はさらに拡大しました。(25分)

ペルー警察、アマゾンのジャングルで先住民虐殺か

2009年6月5日早朝、ペルー北部のアマゾン県にあるバグア郡で、政府が進める採鉱と石油採掘計画に反対していた先住民の活動家たちと警官隊のあいだで衝突が起き、数十人が死亡しました。ペルー当局は外出禁止令を発令し、治安部隊がアマゾンの熱帯雨林に散在する都市をパトロールしています。ペルー当局は、警察官22人が殺害され、2名が行方不明であると発表しています。先住民側は、週末の衝突で子供3人を含む少なくとも40人が警察により殺害されたと語っています。アマゾン地域社会の発展をめざす先住民連合体AIDESEPの代表アルベルト・ピサンゴ氏には抗議行動を扇動した罪で逮捕状が出され、地下にもぐっています。(15分)

ゲイ人権運動の先駆者クリーブ・ジョーンズとワシントン行進

毎年10月11日は米国では「全米カミングアウトの日 National Coming-Out Day(全米カミングアウトの日)」とされています。もっとも、これはべつに政府が定めた記念日ではありません。米国のゲイ・コミュニティが、まだ自分をゲイだと言えない老若男女に「カム・アウトする(自分が同性愛者だと公言する)」ことを勧めようと定めた日です。今はゲイだけでなくLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)と総称される性的少数者全体のカムアウトを奨励する日として、この運動はカナダや欧州にも広がっています。(16分)

オバマ大統領ガーナへ サハラ以南のアフリカへ初の公式訪問

オバマ大統領は2009年7月にアフリカ諸国を歴訪しました。就任後初めてのサハラ以南への公式訪問です。最初の訪問国はガーナです。ガーナが選ばれた理由は、最近見つかった油田に関係していると言う人たちもいます。アフリカは米国の重要な原油供給元であり、国家情報会議(NIC)の報告書「チェイニー報告」によれば、2015年までには米国の石油輸入の4分の1が西アフリカ産になると予測されています。アフリカの人々の声を聞いてみましょう。(17分)

コンゴ内戦の性暴力とアフリカの「資源の呪い」 後編

アフリカの天然資源に利権を持つ米国企業のかかわり方に目を向けてみましょう。クリントン長官が訪問したアフリカ7カ国には同大陸の二大石油算出国であるナイジェリアとアンゴラが含まれるなど、資源国との関係強化が訪問の狙いであったと言えそうです。しかし、これらの国々は、豊かな天然資源のゆえに紛争や汚職が絶えない「資源の呪い」に取りつかれた国でもあります。(8分)
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