中国のサファリ 高まる存在感

2009/7/10(Fri)
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12分

最近のアフリカで注目されるのは中国の進出です。アフリカ大陸の貿易相手国として、中国は最近フランスを抜いて第2位に踊り出て、首位の米国にも迫る勢いを見せています。植民地時代のしがらみを引きずる欧米の使命感に基づく投資に比べ、ドライで実利主義的な中国のビジネスマンの投資は、現地のインフラに目に見える変化をもたらしています。中国人の集団定住計画も進んでいるようです。

しかし中国の存在感が高まることには、不安を感じる現地の人たちもいるようです。ワシントン在住のアフリカ政策アナリスト、ニー・アクエッタは、中国政府の非民主的な性格を指摘し、開発を急ぐあまり人権侵害には目をつむる中国型の開発モデルが、アフリカに持ち込まれるのを懸念します。アフリカの最優先課題は、開発よりもむしろ民主主義や人権の保護だと彼は言います。

一方、アフリカと中国に関する本を出したジャーナリストのセルジュ・ミシェルは、欧米諸国の援助が民主主義の推進をうたいながら、実際には十分な投資を行なわず撤退してしまうことをくり返し、アフリカの人々を失望させてきたことが、このような結果を招いたのだと言います。 (中野)

★ DVD 2009年度 第2巻 「アフリカ」に収録

セルジュ・ミシェル(Serge Michel)
フランスの新聞「ルモンド」の西アフリカ特派員。ミシェル・ビュレとの共著でChina Safari: On the Trail of Beijing’s Expansion in Africa(『チャイナ・サファリ 中国のアフリカ進出』)を出版した。

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字幕翻訳:大竹秀子/校正:関房江
全体監修:中野真紀子・付天斉