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『帝国の収穫』 フアン・ゴンザレスが詳細に描く米国ラティーノの歴史

2011/5/25(Wed)

フアン・ゴンザレスが著書Harvest of Empire: A History of Latinos in America(『帝国の収穫:米国のラティーノの歴史』)の全面改訂を記念し、米国のラティーノ系移民の歴史を語ります。ゴンザレスによると、2050年には米国に住む人の3人に1人がラティーノ系になると予想されています。1960年から2008年まで合法非合法合わせて4千万人を超える移民が米国に流入、その半数がラティーノ系だと言います。(15分)

米国ジャーナリズムの起死回生

2010/2/4(Thu)

独占構造で守られた日本の大手新聞とは違い、米国の新聞業界はビジネスモデルが破綻して退潮が著しく、廃刊や事業縮小が相次ぎ絶滅の道をまっしぐらです。2009年度には142紙が廃刊し、報道編集部の大幅縮小で出版・新聞業界で推定9万人が失職しました。こうした新聞業界の惨状を踏まえ、メディア改革運動の2人の旗手が新著『米国ジャーナリズムの起死回生-世界を再生するメディア革命』で、公益事業としてのジャーナリズムを公的な助成によって救えと提唱しています。とかく保護主義には手厳しい米国ですし、しかもメディアへの助成となると政府の干渉も心配です。でも歴史をひも解けば、南北戦争のころまでは報道出版事業の育成に手厚い保護が与えられ、教育や軍隊に匹敵するほどの予算が振り向けられていたのだそうです。どうしてこの歴史が忘れ去られたのか?(16分)

100のウィキリークスを:監視体制への対抗手段

2013/3/5(Tue)

内部告発者および内部告発を報道するジャーナリズム全体に対する委縮効果を狙った脅迫が激しくなっています。前代未聞ともいえる監視体制が敷かれていることが多くの人に知れ渡った今、監視されている私たちができることとは? (13分)

ネット時代の民主主義 オンラインの自由を求める世界的な闘い

2012/1/17(Tue)

「アラブの春」を機にインターネットは、解放をもたらす強力な力としてもてはやされるようになりました。けれども一方でインターネットは人々をスパイし、市民の自由を厳しく取り締まるためにも使われていることにレベッカ・マッキノンは警告を発します。よく取り沙汰される中国のような国にとどまらず、民主主義圏とされる欧米諸国でも、著作権保護と児童ポルノの取締を口実に検閲法が増殖し、ネットのブロッキングが人目につきにくい形で野放しに広がり、ネットの自由を次第に浸食しています。(18分)

【EXPRESS】 特別番組:トロイ・デイビス処刑の夜──無実の訴え 世界各地で高まる支援の声も空しく ジョージア州が死刑を執行

2011/9/22(Thu)

42年の生涯のほぼ半分を死刑囚監房で過ごしたトロイ・デイビスさんが、2011年9月21日午後11時8分、亡くなりました。死亡診断書に記された死因は、「殺人」。手をくだしたのは、ジョージア州。薬物注射による死刑が執行されたのです。デモクラシー・ナウ!では、2007年以来、無実を訴えながら3度も処刑寸前に追い込まれたデイビスさんの支援活動を克明に追ってきました。9月21日には処刑予定時刻の午後7時をはさみ、ジョージア州ジャクソンの刑務所敷地内で午後6時から8時まで特別番組の放送を計画していました。7時をまわった頃、歓声があがり、連邦最高裁判所が処刑延期を命じたと信じた人々は、喜びでわきたちました。しかし、これは誤報とわかり支援者たちは一縷の希望にすがりながら最高裁の最終決定を待ち続けました。、結局、6時間連続の生実況放送になった特別番組。翌朝の22日の番組で放送された、処刑の夜のハイライト特別レポートをお届けします。(39分)

FBIはアップルをひとかじり? 両者の最終対決を元CIAエージェントが語る

2016/2/25(Thu)

アップル社が米捜査当局からテロ事件の捜査に協力しiPhoneの携帯ロック解除を求められていると公表し、要請を突っぱねて断固抵抗する構えを見せました。この出来事は他のネット企業も巻き込んで、捜査当局との距離がどうあるべきかという重大な問題を突きつけることになりました。2016学生字幕翻訳コンテスト 課題5:「ネット企業は市民監視に協力すべきか?」の受賞作です。
(11分)

農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫

2008/5/6(Tue)

「世界的な食糧危機の今、買いだめするなら米よりモンサント株がお勧め」――何百万人もが飢餓に追い込まれる中、一部のアグリ企業は過去最高益をあげています。その筆頭がモンサント社、世界最大の種苗企業です。同社の遺伝子組み換え作物は、米国の食品チェーンにあふれており、次は乳製品を狙っています。あれ、モンサントって化学企業じゃなかったの? いえいえ、いつのまにかアグリビジネスに変身しているのです。しかし他人の迷惑をかえりみない強引で攻撃的な企業体質は、ダイオキシンやPCBを作り出した頃から変わっていないようです。バニティー・フェア誌の寄稿編集者ジェームズ・スティールに話を聞きます。(18分)

戦争税なんて払いたくない 連邦税の40%が軍事費に?

2007/4/12(Thu)

 今年の連邦税2兆ドルのうち約40%が軍事費に回ると、NGO「全米優先プロジェクト」が発表しました。イラクに費やしている戦費があれば、全米の高校生全員に大学奨学金を支払い、全米の港で湾岸警備費をまかない、そのおつりで国家の赤字を半減することができるとのこと。このセグメントでは、「全米優先プロジェクト」のパメラ・シュワルツ氏が、戦争がいかに税金の無駄遣いなのかをわかり易く例示し、更に、戦争に加担しないために納税拒否を行なっているルーズ・ベン氏が、戦争税拒否運動の今昔を語ります。(20分)

個人情報を収集し世界をコントロールする隠れた闘い ~ブルース・シュナイアー

2015/3/13(Fri)

エドワード・スノーデンの暴露により、米国政府が行っている大規模なオンライン上の個人情報の収集及び監視の実態は明らかになりましたが、企業による同様の行為はあまり知られていません。今回は、『データとゴリアテ』(副題:あなたの情報を集め、あなたをコントロールするための隠れた闘い)の著者で個人情報保護の専門家であるブルース・シュナイアーに聞きます。(16分)

ソマリア沖のもう一つの海賊行為

2009/4/14(Tue)

ソマリア沖では長い間、国際社会が話題にしないもう一つの海賊行為が横行していたとケニア在住のソマリア人アナリスト、モハメド・アブシール・ワルドは言います。ソマリアで内戦と無政府状態がつづいているのをよいことに、ヨーロッパやアラブ諸国をはじめ世界中の漁船がソマリアの海で不法操業し、乱獲によって水産資源を枯らしてしまいました。おまけに、これらの漁船は置き土産として自国の産業廃棄物をソマリア領海に不法投棄して行きました。(16分)

先住民活動家デニス・バンクス「同化政策は失敗」

2012/10/8(Mon)

アメリカ先住民の活動を第一線で支えて来たデニス・バンクスは、4歳で家族と引き離されて寄宿学校に入れられ、先祖の言語や文化を忘れさせる教育を受けました。この事業を主に担ったのはキリスト教の教会でした。言葉の喪失は文化の喪失、アイデンティティの喪失です。「新大陸発見」を「コロンブスの日」として祝い、町や村に先住民との戦争で手柄を立てた軍人の名をつけ、先住民の子供たちを家族から隔離して同化政策を施すー侵略者の言葉でしか語ることを許さない政策は米国に限った事ではありません。(15分)

『アメリカン・ドリームの裏切り』バーレット&スティールが新著を語る

2012/7/30(Mon)

ドナルド・バーレットとジェームズ・スティールは40年以上にわたりコンビを組んで調査報道を行い、ピュリッツァーはじめ数々の賞を受賞してきました。1991年に発表されたベストセラー『アメリカの没落』は邦訳も出ていますが、当時のアメリカの繁栄の陰でひっそり始まっていた異変、産業の空洞化と中流層の没落に警鐘を鳴らした名著です。20年後のいま、その続編にあたる、The Betrayal of the American Dream(『アメリカン・ドリームの裏切り』)が発表されました。

ケニア人作家グギ・ワ・ジオンゴとの対話

2010/9/13(Mon)

1938年生まれ。グギ・ワ・ジオンゴは「エンクルマ、ケニヤッタ、マンデラが政治で行ったことを文学でなしとげた3人の作家」のひとりといわれています。デモクラシー・ナウ!には、歴史の激動に身を投じ、あるいはまきこまれて生きた自らの体験を感性豊かなことばで紡ぎ出す詩人や小説家が時折、登場し、みずみずしいことばの力で ある日、ある瞬間をまるでいまここであるかのように感じさせてくれる「すごい」体験ができ、それがこの番組の決定的にすばらしい魅力のひとつなのですが、これもまさに、そう。

「革命は可能だ」 チュニジアの教訓

2011/1/18(Tue)

チュニジアは紀元前にはカルタゴと呼ばれ、地中海貿易で栄えました。16世紀にオスマン帝国の属州となった後、19世紀にはフランスの保護領となり、1956年にフランスから独立しました。独立後ブルギバ大統領の政権が30年間続き、1987年以降、ベン・アリ大統領の独裁が続いていました。そのベン・アリ大統領の長期政権を崩壊させたのはクーデターではなく民衆のデモでした。(8分)

NSAの内部告発者トーマス・ドレイクとオバマ政権による迫害 (1)

2012/3/21(Wed)

国家安全保障局(NSA)の内部告発者、トーマス・ドレイクに話を聞きます。彼はNSAの浪費や不適切な管理、憲法違反の疑いのある活動を報道機関に告発したため、当局の迫害を受けました。スパイ防止法に違反したとして起訴され、最長で35年の投獄という危機に直面しました。でも実際の起訴状にはスパイ行為の具体的な指摘はなく、政府の機密文書を自宅地下室に保管していたという微罪しかありませんでした。結局、この微罪をドレイクが認めるかわりに他の容疑はすべて取り下げるという司法取引が成立し、昨年2011年に裁判は結審しました。当時司法省の首席報道官だったマシュー・ミラーは今ごろになって、「起訴したのは勇み足だった」などと話していますが、明らかに司法を使った内部告発者への嫌がらせです。(12分)

米国の監視体制をあばいたNSA内部告発者エドワード・スノーデンが名乗り出る  インタビュー

2013/6/10(Mon)

米国政府が密かに行っている大規模な通信監視を暴露する内部資料が流出し、波紋を広げています。6月6日にはグーグル、マイクロソフト、アップルなど大手ネット企業9社の中央サーバーにNSAが直接アクセスして利用者の個人情報を入手する秘密プログラムPRISMの存在が明らかになりました。NSAの監視体制についてはこれまでも告発されてきましたが、動かぬ証拠となる内部資料がリークされたのは初めてです。マスコミも初めて大きく騒ぎ出し、ペンタゴン文書を超える破壊力を持つ米国史上最大のリーク事件です。6月9日、これらの内部資料を提供した人物が自ら名乗り出て、滞在先の香港のホテルでガーディアン紙のインタビューに応じました。エドワード・スノーデン氏は元CIA職員で現在はNSAのシステム管理者を務めるブーズアレン・ハミルトンの社員です。好条件の仕事と安楽な生活に恵まれた29歳の米国青年が、全てを投げ打って内部告発に踏み切った理由、そして名乗り出た理由をカメラの前で語りました。(15分)

ゆらぐ米国中心の中東地域体制 ラシード・ハーリーディ

2011/2/5(Sat)

コロンビア大学で中東現代史を教えるラシード・ハーリーディ教授が、エジプトとチュニジアの民衆蜂起が中東全体に与える影響について語ります。ハーリーディは2010年秋、米コロンビア大学が毎年開催しているエドワード・サイード記念レクチャー・シリーズで行なった講演で、「米国の中東政策を決定する政治プロセスがもたらす結果についての短期的な見通しは深い悲観論であり、パレスチナ・イスラエルの状況についても同様だ」と述べました。その数カ月後、エジプト蜂起がそれを変えることとなりました。アラブ諸国の中心的存在エジプトの既存体制が揺らぎ始めたからです。(13分)

『RBG 最強の85歳』ルース・ベーダー・ギンズバーグ最高裁判事の生涯を追う注目の記録映画

2018/12/27(Thu)

ルース・ベーダ―・ギンズバーグ最高裁判事はリベラル派のシンボルです。ラッパーの故ノートリアスB.I.G.(悪名高いビッグ)にちなんで、「ノートリアスR.B.G.」と呼ばれています。彼女が2018年末に入院したとき、過激な激励のツイートがあふれました。「RBGに私の肋骨をあげる。腎臓も肺もあげる。必要なら何でも。夫だって木曜なら貸すわ」。「私の肺をRBGにあげる。両方でもいいわ」。支持者がこんなに必死なのは、RGBが長生きすることが最高裁のバランス維持のため絶対に必要だと多くのリベラルが感じているからです。トランプ政権は就任当初から裁判所の右傾化をねらって、すごい勢いで保守派の裁判官を任命し続けています。総本山の最高裁の定数9人の判事のうち、すでに2人が保守派に置き換えられています。RBGの後任に保守派の判事が任命されれば、最高裁のバランスは決定的に変わってしまいます。(24分)

「イエスは何を買うだろう?」 ビリー牧師と無買聖歌隊の「買い物やめろ」伝道

2007/11/21(Wed)

米国では、年間で最も繁盛するクリスマス商戦の幕開けが11月第4木曜日の感謝祭です。商業主義にのっとられ消費の祭典と化したクリスマス・シーズンに向け、「より安くより沢山」消費せよという風潮が、間接的にアメリカ人の暮らしを蝕んでいるのではないかと問いかける新作ドキュメンタリーがニューヨークで公開されました。『イエスは何を買うだろう?』は、ビリー牧師と無買教会のゴスペル聖歌隊のアメリカ横断「買い物やめろ」伝道を追います。(23分)

シアトル市が最低賃金15ドルを採択 残る課題とは

2014/6/5(Thu)

米ワシントン州シアトル市議会は2014年6月、市の最低賃金を現行の9.32ドルから15ドルに引き上げる法案を可決しました。最低賃金としては世界でも最高水準となります。従業員が500人以上の企業は最短で3年、500人に満たない企業は7年の実施期間が与えられています。60%以上の引き上げとなる今回の法案が成立するまでの経緯をシアトル市議のクシャマ・サワントに聞きます。サワントは、最低賃金15ドルを公約に掲げて社会主義政党から立候補、2013年に当選しました。市議に就任するとすぐ「15ドル・ナウ」を立ち上げ、運動を率いてきました。(10分)

メディアは地球温暖化をどう伝えているか?

2007/9/6(Thu)

2007年9月に、環境ジャーナリスト協会がスタンフォード大学で第17回年次総会を開催しました。このセグメントでは、総会に参加した2名の著名な環境ジャーナリストに話を伺います。(9分)

急拡大する巨大メディア企業シンクレア キャスターに画一台本の読み上げを強要して批判殺到

2018/4/3(Tue)

「シンクレア・ブロードキャスト・グループ」と聞いてピンとくる人はあまりいないかもしれませんが、米国で最も有力な放送事業者の1つで、173の地方テレビ局を所有しています。これには大手ネットワークの系列局も含まれます。同社は、更に放送大手のトリビューン・メディアを39億ドルで買収することを計画。この計画は、米連邦通信委員会(FCC)による審査の対象となっています。(20分)

スラヴォイ・ジジェクとの対話 「あれから40年、我々は今?」 後編

2008/5/12(Mon)

スロベニアの思想家スラヴォイ・ジジェクはヨーロッパを代表する知識人の一人です。ラカンの精神分析を適用した文化評論で知られ、50冊以上の著作があります。2008年春ニューヨークで「"68年"より40年、われわれはどこにきたのか?」という講演を行った折に、デモクラシー・ナウ!のスタジオを訪れました。1968年の「プラハの春」について、ソ連の軍事介入は、実は天恵だったかもしれない、とジジェクは冷めた評価を下します。介入さえなければ本物の民主的な社会主義が開花したはずだと信じ、幻滅せずにすんだからです。ソ連の介入がなければ、改革は成功していたのでしょうか?新著『敗れし大儀を弁護して』を上梓したばかりのジジェクは、現在の左翼のありかたをきびしく問いただします。(37分)

ノーム・チョムスキー「これからどうなる?選挙、経済、世界」

2008/11/24(Mon)

オバマ政権の閣僚候補が発表されるにつれ、クリントン政権で金融規制緩和とタカ派外交を推進した中心人物たちの返り咲きが明らかになり、選挙で彼を支持した人々を困惑させています。ノーム・チョムスキーが大統領選挙後はじめて公の場に姿を見せ、バラク・オバマ勝利の意義と真に民主的な変化の可能性について語った講演をお届けします。(27分)

米国内の戦争: 9.11後の連邦補助金で警察が軍装備を購入

2011/12/27(Tue)

2001年の9.11以降、米国の警察組織に兵器のショッピング・ブームが起きたと言います。調査報道センターのジョージ・シュルツによると、爆弾探知ロボット、戦闘用ベスト、戦闘用ヘルメット、戦闘用盾、無人機に至るまで購入品目は多岐にわたります。ブームの背景には、9.11の再来に備えるためとして、国土安全保障省に創設された連邦補助金制度がありました。無人機はヘリと比べて安価であるため、いっそう普及が広まったと言われます。(18分)

ここまできた監視社会 学校が配るPCが生徒を自宅で監視?

2010/2/25(Thu)

生徒に支給したノートパソコンのカメラを使って自宅での行動を監視した疑いで、フィラデルフィア郊外の学校がFBIと連邦検察局の捜査を受けています。15歳の少年の保護者が学区を告訴したため事件が明るみに出ました。少年は部屋で飴を食べているところを遠隔操作で起動したウェブカムで撮影され、これをドラッグの服用と勘違いした学校側から注意を受けたというものです。(14分)

資本主義の問題に真っ向から挑むマイケル・ムーアの新作 『キャピタリズム~マネーは踊る』 前編

2009/9/24(Thu)

2009年9月末に米国で封切られたマイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』(原題Capitalism: A Love Story 『資本主義─ある愛の物語』)の標的は、世界を隅々まで支配する資本主義そのもの。資本主義は悪の制度で、その本質はネズミ講だと喝破するムーア監督はこの映画で、民主主義を形骸化させ政治と社会を牛耳る金融資本と、それに寄生する議会と行政に正面から切り込み、返す刀で、問題の本質から目を背け弱者に責任を転嫁することで権力に擦り寄る大手報道機関を切り捨てます。2008年、リーマンブラザーズ証券の破綻とAIG保険の経営危機に端を発した世界同時不況、それに続く巨額の公的資金による金融業界救済。「デリバティブ」や「クレジット・デフォルト・スワップ」など、専門用語の煙幕に隠れて行われた「略奪」を誰にでも分るように説明するという野心的な作品を通じて、21世紀のための新しい経済秩序が必要だと提言する、マイケル・ムーア監督に独占インタビューしました。(30分)

『シッコ Sicko』公開間近!マイケル・ムーアがカリフォルニア州議会に語る

2007/6/14(Thu)

 マイケル・ムーア監督の新作『シッコ Sicko』が、東京でも8月25日(土)に公開されます。アメリカの健康保険制度がいかに病的で狂っているか、ショッキングな実例が次々と出てくるこの映画。マイケル・ムーアは、アメリカでの映画公開を前に、そんな健康保険制度を変えるよう、ずいぶんと東奔西走しました。このセグメントでは、カリフォルニア看護師協会とカリフォルニア州議会に対して、マイケル・ムーアが行なった演説を紹介しています。(25分)

WikiLeaks: モンサントの遺伝子組み換え作物を拒む欧州に米国が報復を検討

2010/12/23(Thu)

ウィキリークスがリリースした外交公電によると、フランスがモンサント社の遺伝子組み換えコーンを禁止したことを受けて、ステイプルトン元駐仏大使は2007年、EUへの報復を米政府に要請していました。ゲストのジェフリー・スミスによると、ブッシュ政権時代、フランスだけでなく駐スペイン米大使もモンサント社の幹部からヨーロッパの政治状況の説明を受け、GM普及策を一緒に練っていたのです。ウィキリークスの公表により、モンサント社の世界戦略とブッシュ政権のむすびつきが確認されたわけですが、このような強引な販売戦略によりモンサント社は米国産大豆のほぼ100%、トウモロコシは約70%を占めたといわれます。(13分)

ヒップホップと政治、差別用語と差別発言  マイケル・エリック・ダイソン教授が語る 前編

2007/7/18(Wed)

 戦争、暴力、公民権運動、そしてヒップホップ、ハリケーン・カトリーナから人種差別政策まで、マイケル・エリック・ダイソン教授は一手に引き受けます。この14年間に14冊の著作を出し、いずれもベストセラー。黒人向け月刊誌の米『エボニー』誌は、「最も影響力のあるアフリカ系アメリカ人100人」のひとりに彼を選出しています。ダイソン教授はつい最近、ジョージタウン大学の最高位の教授職に就任しました。バプテスト派の牧師の資格も持ち、アフリカン・アメリカン研究と並んで神学も教えています。最新、ヒップホップ論を出版しました。 番組前半では、ラジオトークショー・ホストのドン・アイムスによる差別発言事件、ジーナ高校の黒人生徒訴追事件、ハリケーン・カトリーナ後の人災など、最近の社会問題についてコメント。後半ではヒップホップという芸術様式における政治性、そのレトリックがいかに鋭く社会状況を反映しているかを、具体例を挙げて語ります。(26分)

フランシスコ教皇が日本で核兵器の廃止を要求 米国ではカトリック反核運動家が収監に直面

2019/11/25(Mon)

2020学生字幕翻訳コンテスト  課題5:「ラディカルな核廃絶」の受賞作です。 広島と長崎を訪問したフランシスコ教皇は、カトリック教会の最高指導者として被爆者と対面し、核兵器の保有は人道に反すると宣言しました。折しも米国では、カトリックの平和活動家7人が量刑判決を待っています。2018年4月4日に米国政府を平和に反する罪で告発する訴状を持ってキングスベイ海軍潜水艦基地へ侵入した「プラウシェアズの7人」です。同基地には少なくとも6隻の核弾道ミサイル潜水艦があり、各々が20個のトライデント熱核兵器を搭載しています。カトリックの反核運動について「プラウシェアズの7人」の1人、マーサ・ヘネシーに聞きます。

拷問を容認させたブッシュ政権の法律顧問たち

2008/4/3(Thu)

2003年に作成された覚書が情報開示されたことから、ブッシュ政権による囚人の処遇や尋問の方法にメスが入りつつあります。機密扱いにされていたこの覚書には、司法省が国防総省に対し、大統領権限は囚人への虐待や拷問を禁じた数々の法律よりも優先すると、指示したことが示されています。(20分)

グアドループ労働者のゼネスト勝利 フランス本土にも影響

2009/3/27(Fri)

世界中で民衆が街頭に繰り出し、富の偏在と格差の拡大に抗議し、経済と労働の主権を求める声を上げています。そのなかでもおそらく最も重要な行動が、カリブ海のフランス領グアドループ島で起きました。(10分)

ブッシュ家の崩壊  親子の確執につけ入り、過激信仰集団が権力の中枢を握って侵略戦争を開始

2007/11/16(Fri)

クレイグ・アンガー記者は新著『ブッシュ家の崩壊』で、ブッシュ政権下でネオコンたちがキリスト教右派と秘かに同盟し、イラク開戦に向けて好戦機運を煽った過程を検証しています。中東紛争は、イスラム対西洋の対立を軸としてとらえられがちですが、アンガーはそれに対して原理主義という別の視点から見てみようとする試みだといいます。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれに原理主義はあります。アンガーに言わせれば、ネオコン(新保守主義)も世俗的な衣をまとった原理主義です。啓蒙主義を経た近代社会とは相容れないこうした勢力の巻き返しが、現在の事態の大きな背景を描いていると彼は述べます。(30分)

『誰が電気自動車を殺した?』 GMのEV-1の不可思議な消失

2007/4/13(Fri)

 低公害車の導入をめぐって米国では大きな論争が巻き起こっていますが、その渦中に置かれてきたのがジェネラル・モーターズ(GM)です。同社は1996年に電気自動車 EV-1をカリフォルニア州とアリゾナ州で提供し始めました。数百台の電気自動車が市中を走り始めましたが、やがてそれらはすべて姿を消してしまいました。Who Killed the Electric Car?(誰が電気自動車を殺した)は、この消失の謎を追うドキュメンタリー映画です。スタジオには監督のクリス・ペインを招き、映画の一部を紹介します。またロサンゼルスからの中継で元GM社員としてEV-1事業に携わり、後に同社を内部告発したチェルシー・セククストン氏の話を聞きます。(18分)

壊滅地帯 封鎖されたガザの経済

2009/4/6(Mon)

テロ封じ込めのためというイスラエルの封鎖はどんな影響を与えているのか、Democracy Now!のプロデューサーがガザ地区に入って経済状況をレポートします。イスラエルによる22日間の攻撃の後、ガザ地区の失業率、貧困率は世界でも最悪となっています。国際社会はガザ地区の復興支援に52億ドルの拠出を約束しましたが、イスラエルは4カ月が過ぎた現在もガザ地区の完全封鎖を解いておらず、再建しようにも物資がありません。2万軒以上の家屋が破壊され10万人が家を失ったというのに、セメントやガラスなどがまったくはいってこない状態です。(21分)

フリーダム・ライダーズ 人種隔離バスへの抵抗

2010/2/1(Mon)

公民権運動の歴史には、秘められた宝物がいっぱい埋まっているようです。今からちょうど50年前、公共交通機関の人種差別を撤廃させた非暴力不服従運動「フリーダム・ライド(自由のための乗車運動)」もその一つです。

南部では人種分離法によって、学校もレストランもトイレや乗合バスの座席も、はては救急車までもが白人用と非白人用に分けられていました。これに抗議するボイコットや座り込みが広がり、1960年末に連邦最高裁判所は南部の人種隔離法は憲法違反とする判決を出しました。でも南部はこれに従わず、差別の実態はなにも変わりませんでした。
その半年後、10人あまりの黒人と白人が一緒に南部行きの長距離バスに乗り込み、人種別の座席指定を公然と破ってみせました。(45分)

ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 3:ロバート・ウェスト

2007/7/2(Mon)

「ペンタゴン・ペーパーズ」とは、ベトナム戦争に関してアメリカ政府がどのように政策決定を行ってきたかを第二次大戦直後からの歴史をたどって分析した国防総省の7000ページにわたるベトナム機密文書の俗称です。そこには米国政府が不拡大を約束しながら、じつはトンキン湾事件をでっちあげて直接介入を始め、北ベトナムだけでなくラオスやカンボジアも爆撃して故意に戦線を拡大したことなど、歴代の政権が国民を欺いて"泥沼"の戦争に引きずり込んでいった経緯が如実に記されています。この最高機密文書の一部を、1971年6月13日ニューヨーク・タイムズ紙がスクープしました。 (15分)

オキュパイ運動の先駆け スペインのM15運動,占拠運動

2012/7/5(Thu)

2011年、世界中の広場や街頭を人々が埋め尽くし、不平等や民主主義を叫びました。ウォール街占拠運動の先駆けとなったと言われるのが、マドリッドのプエルタ・デル・ソル広場から始まったM15(5月15日)運動です。これが9月17日のニューヨークのズコッティ広場へ、10月15日の世界規模の街頭デモにつながりました。M15運動の記録に取り組むスペインの映像作家ステファン・グルエソに聞きました。

大学は行く価値があるのか? 新作映画が描く高等教育機関の持続不能の支出と学生ローン

2014/6/10(Tue)

米国の大学の学位取得のための費用は過去30年で1120%も高騰し、食品や医療、住宅など他の生活必需品の物価上昇率をはるかに上回っています。学生ローンの貸付総額は1兆2000億ドルにも達し、第二の住宅バブルとまで呼ばれて経済を脅かす要因になっており、それだけでなく国の教育制度そのものも脅かしています。( 9分)

ジョン・ピルジャー「リベラルな報道機関によるプロパガンダと沈黙、民主主義の圧殺」

2007/8/7(Tue)

 オーストラリア出身の著名なドキュメンタリー作家、ベトナムや東チモールやなどで数々の真実を暴いてきたジョン・ピルジャーは、2007年8月にシカゴの社会主義会議で行った講演で、企業利益を代弁する商業メディアの支配にいつにもまして痛烈な批判を浴びせています。その論調は、N・チョムスキー&E・ハーマンのメディア論を髣髴とさせます。「リベラル・デモクラシーは、しだいに企業による独裁政治の一形式へと変容しつつある。この歴史的な大転換が進むとき、外見を繕い真実を隠蔽する道具としてメディアが機能するのを許してはならない。メディアそのものが、大衆的な関心を呼ぶ緊急の大問題として論争にさらされ、直接行動のまとになるべきだ。「大多数の人々が真実を知らされず、真実という観念を奪われたなら、その時には"言葉のバスティーユ監獄"が襲撃される、と米独立革命の思想家トマス・ペインは警告しました。その時は、今です」(46分)

ウクライナは停戦へ NATOの東欧拡大は核戦争の脅威を高める

2014/9/5(Fri)

9月5日、ウクライナ政府は親ロシア分離派との停戦協定を交わしました。ウクライナ東部では6カ月にわたる戦闘で少なくとも2600人が死亡し、100万を超える人々が難民となりました。一方、欧米首脳は英国のウェールズでNATOサミットを開催中でした。数日前からウクライナの戦局は大きく反転し、分離派の反撃攻勢で政府軍は敗走し、唯一南部の要衝マリウポリのみを死守しています。NATOは危機に対応するため「即応部隊」の設置を決定しました。(17分)

テキサス州銃乱射で26人死亡 過激な銃ロビーと不十分な身元調査を嘆く

2017/11/6(Mon)

2017年11月5日に、テキサス州サン・アントニオの東にある小さな農村サザーランド・スプリングスの教会で銃乱射事件が起きました。この事件のデビン・パトリック・ケリー容疑者は、防弾チョッキとルガー社製の攻撃用「AR-15」(M16 5.56ミリ口径ライフル)を身に着けてファースト・バプテスト教会に侵入、少なくとも26人を射殺し、20人以上が負傷しました。被害者の中には妊娠中の女性や高齢者、14歳になる牧師の娘、複数の児童も含まれていました。ケリーは妻子に暴力をふるい軍法会議にかけられ、刑に服した経歴があるにもかかわらず、2016年4月にサン・アントニオのアカデミー・スポーツ&アウトドアズ店でルガー社製ライフルを購入しています。購入時に彼は身元確認の用紙に銃器購入の資格を失効させる犯罪歴はないと記入していました。(8分)

ブラッド・ウィル(1970-2006) オアハカで殺されたNYインディメディア活動家に捧ぐ 前編

2006/10/30(Mon)

 メキシコのオアハカ州では昨年6月14日、教員の座り込みストが大量の警官隊によって強制排除されたのをきっかけに、州知事ウリセス・ルイスの圧制に住民の怒りが爆発し、数ヶ月のうちに同知事の辞職を求める大規模な抵抗運動へと発展しました。10月27日の襲撃で殺された6人の中に、米国人インディメディア活動家ブラッド・ウィルがいました。ニューヨークではよく知られた活動家だった彼の訃報に、多くの仲間や友人たちが集まり、故人を追悼すると同時に、彼の死を更なる弾圧手段強化の口実に使おうとするメキシコ政府に抗議しました。デモクラシーナウは、この日の放送時間を丸ごと使ってブラッド・ウィルの活動家人生を伝えています。(11分)

法人利害の州議会内促進を秘密に行うALEC 州法の改訂のための年次総会

2011/8/5(Fri)

米国立法交流評議会(American Legislative Exchange Council)、通称ALECは、州議会にかけられる前の段階で、議員と企業が一緒に草稿中のモデル法案を検討する評議会です。超党派の団体を名乗ってはいるものの、その姿勢は明らかに保守的で、右翼団体と称されることも度々です。2011年度ALEC年次総会から寄せられる情報を元に、メディア民主主義センター事務局長のリサ・グレイブスがその実態に迫ります。(12)

ニューヨーク初のアラビア語公立学校にバッシング

2007/8/13(Mon)

アラビア語とアラブ文化の教育に力を注ぎ、ニューヨーク市初の公立アラビア語学校の設立に努めてきた教育者デビ・アルモンタザーが、開校を前に校長辞任に追い込まれました。ハリール・ジブラーン国際学園の設立計画には、右翼メディアや親イスラエル勢力から組織的な妨害運動が続いていました。今回の事件は、アルモンタザー校長がニューヨーク・ポスト紙の質問に答えて「インティファーダ」のアラビア語の原義は「払いのけること」だと述べたことに端を発し、校長はテロリズム支持者だとマスコミの集中非難を浴びせられたことが原因でした。事件の真相と、イスラム文化へのいわれのない中傷をめぐって2人のゲストに話を聞きます。(18分)

政府の学生ローンが若者を餌食に生み出す第二の住宅バブル

2013/8/20(Tue)

この夏、連邦政府が貸し出す学生ローンの金利をめぐって議会が紛糾しました。スタッフォード・ローンの金利低減措置が7月1日で失効するため、一部のローンでは金利が3.4%から6.8%へと2倍に跳ね上がり、何百万人の学生が負担の増加に直面することになります。この事態を緩和するための措置が議論され、8月になってようやく、2015年までは低金利に据え置くという超党派の法案が可決しました。しかし、これは一時しのぎにすぎず、長期的には返済の負担は増加すると予想されています。でもローリング・スト ン誌の政治記者マット・タイビによれば、政府系学生ローンに絡む本当のスキャンダルは、ローン金利の問題ではありません。本当に悪質なのはローン元本そのもの、つまり際限のない学生ローンの提供が招いた授業料の異常な高騰という、一種の学費バブルです。(17分)

息子は戦死、家は競売に 貸し手より借り手の救済を

2008/10/17(Fri)

ニューヨーク市のクイーンズに住むジョスリン・ボルテールは、45年前にハイチから移民し、働きながら大学を出て、こつこつ貯めた5万5千ドルを頭金に1987年に家を買いました。自分の家で子どもを育てるという、アメリカンドリームの実現でした。しかし20年以上も住んできたその家も、じきに競売にかけられる運命です。悪徳金融業者にひっかかり、抵当として差し押さえられるのです。失意の彼女に追い討ちをかけるように、長男がイラクで戦死したという知らせがとどきました。(5分)

石炭企業からの投資撤退 スタンフォード大学の決断

2014/5/7(Wed)

米カリフォルニア州の名門校スタンフォード大学が、学生主導の運動に賛同して、石炭生産会社への投資を停止すると発表しました。アメリカの大学の多くは、寄付金や収益の蓄積を“Endowment”(基金)として運用し、その運用益を大学経営に当てています。スタンフォード大学の運用額は、世界でも最大規模であり、その総額は187億ドル(約1兆8000億円)にも上ります。今回投資停止の対象となった具体的な金額は公表されていませんが、実際に化石燃料への懸念を理由に投資を撤退した主要大学はスタンフォードが最初であり、注目の的となっています。(11分)

中東の覇権争い:内戦化するシリア危機に対して国際社会は?

2012/2/7(Tue)

「アラブの春」がシリアで本格化したのはエジプトの蜂起から2カ月ほどたった2011年3月です。この時以降、シリア政府が民主化デモを武力で弾圧したというニュースがひんぱんに登場するようになりました。早期にNATO軍が介入したリビアとは違い、シリアへの軍事介入に対して国際社会は慎重な態度を取りました。

ポール・クルーグマン「さっさと不況を終わらせろ」 (1)いまは赤字削減より財政支出を

2012/5/17(Thu)

大恐慌以来の不況と言われる現在の経済状況の中、米国やヨーロッパでは、財政赤字や政府債務の大きさばかりが大きく取り上げられ、財政赤字削減の大儀のもと、多くの国で緊縮政策が採られています。ノーベル賞受賞の経済学者ポール・クルーグマンは、新著『さっさと不況を終わらせろ』で、低迷する経済状況での、財政赤字に対する過剰な反応は経済回復を妨げると論じています。(17分)

マイケル・ムーア 医療保険制度改革法案は「資本主義にとっての勝利」

2010/3/23(Tue)

オバマ大統領が内政上の最優先課題とする医療保険制度改革は、3月21日ついに下院で改革法案が可決されました。民主党は60年代の公民権運動以来の最大の社会改革と自賛しますが、他の先進国並みの公的医療保険制度を望んでいた米国民には、ひどい期待はずれでした。国民皆保険に近づいたとはいえ、政府が運営する公的保険はオプションとしてさえ導入されず、民間企業の提供する医療保険への加入を義務づけられるのです。映画『シッコ』で医療保険制度の欠陥を強烈に批判し、大統領選挙でオバマ候補を積極的に支持したマイケル・ムーア監督は、この結果をどう見るのでしょう?(30分)

ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で

2009/9/30(Wed)

プリンストン大学で宗教哲学とアフリカ系アメリカ人研究を教える有名教授コーネル・ウエストが、待望のメモワールを発表しました。表題は『ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で』。そこには、小学校をドロップアウトし監獄行きも時間の問題だった不良少年の時代から、心気一転して優等生に変身し、陸上に、音楽に、勉学に、生徒会活動にと多彩な才能を発揮したウエストの魂の軌跡がつづられています。その生い立ち、コミュニティ、宗教との出会い、人生における音楽の役割、オバマ政権への期待と失望、公的医療保険制度について、じっくり語ってもらいました。(32分)

ベトナム戦争の総指揮者ロバート・マクナマラ

2009/7/7(Tue)

2009年7月6日、ロバート・マクナマラが93歳で死去しました。1960年代にケネディとジョンソンの民主党政権で国防長官をつとめ、ベトナム戦争の遂行に中心的な役割を果たしました。フォード社の社長に就任したばかりのところを引き抜かれて政権入りしたマクナマラは、「ベスト&ブライテスト」と呼ばれたケネディ政権のエリート集団、超優秀で自信に満ちた高官の典型でした。後年に発表したメモワールの中で、ベトナム戦争を拡大し泥沼化させたことは誤りであったと述べ、自らの責任を率直に認めたとして話題になりました。しかし、それは本当に十分な反省だったと言えるのでしょうか?(23分)

イルカを殺すな! オスカー受賞映画「ザ・コーヴ」

2010/8/16(Mon)

映画が作られるきっかけとなったのは、イルカを捕獲して人工の水槽に囲い、人間の楽しみのために芸をさせることは、間違った愛情の注ぎ方だという、元イルカ調教師リック・オバリーの訴えです。60年代にはテレビ番組「わんぱくフリッパー」の調教師として活躍し、何頭ものイルカを飼育していましたが、キャシーと名付けられたイルカが囚われの環境に耐え切れなくなって"自殺"したのを契機に、イルカ解放活動家になったと語ります。イルカを友として愛し、人工飼育をやめさせるために世界を駆けめぐって活動してきたオバリーにとって、日本のイルカ漁は驚愕の「大量虐殺」以外のなにものでもなかったようです。

ゴールドマン・サックス VS ウォール街占拠 グレッグ・パラストが調査

2011/10/25(Tue)

ウォール街きっての有力銀行ゴールドマン・サックスが、ニューヨークの零細信用組合の募金イベントに脅しをかけたという事件。その裏には、受け取った公的救済資金を悪用して零細金融機関に圧力をかけようとするゴールドマンの悪巧みが・・・(13分)

ダーバン合意 約束を反故にして途上国に責任を転化する先進国の常套手段

2011/12/12(Mon)

ダーバン気候変動会議(COP17)は2日間の会期延長の末、法的拘束力のある唯一の条約「京都議定書」の延命(第2約束期間)が合意され、これに非加盟の国々や義務を負わない国々をも取り込んだ新たな枠組みの交渉を開始し、2020年の発効をめざすことになりました(ダーバン・プラットフォーム)。多国間の交渉による気候対策の枠組みづくりの重要な一歩と喧伝されますが、環境団体の多くは、これではまったく不十分だと非難します。国際環境団体フレンズ・オブ・ジ・アースのケイト・ホナーは、「富裕な国々が、これまでの約束をすべて反故にして責任を逃れるという昔からのパターンの繰り返しです。新たな協定の交渉のために10年近くも費やして行動が遅れ、それまでは低い目標に縛られます」といいます。そうすることで、問題を招いたわけでもないのに被害を受ける途上国に負担を押し付け、尻拭いをさせるつもりです。(16分)

1940年代グアテマラで米国人医師が梅毒感染実験

2010/10/5(Tue)

米国が1940年代のグアテマラで、ペニシリンの治療効果を調べる研究のために、現地人の兵士、囚人、売春婦、精神病患者ら約700人に対して故意に梅毒や淋病を感染させたことが、2010年秋に発覚しました。感染させられた人々が治癒したのか、あるいは少なくとも治療を受けることができたのかさえも、わかっていません。(18分)

ニューディールを支えた女性 ルーズベルト政権の労働長官フランシス・パーキンスの人生

2009/3/31(Tue)

現在の状況と1930年代との比較から、フランクリン・デラノ・ルーズベルト 大統領のニューディール政策が再び注目されています。金融業の規制や思い切った公共事業投資による需要と雇用の創出に加え、公的な社会保障のプログラムを導入したことも画期的でした。社会保障政策の検討にあたりルーズベルト政権内で最も影響力のあった人物は、米国史上初の女性閣僚であるフランシス・パーキンス労働長官だったと論じる本が最近出版されました。著者のカーステイン・ダウニーは、パーキンスの精力的な働きの原点にあるのは、1911年ニューヨークの工場火災で150人の子供たちが犠牲になった悲惨な事件だったと言います。(19分)

「聴くことは愛すること」普通の人の語りを記録する社会史プロジェクト

2007/12/3(Mon)

録音テープから、さまざまな年齢の人々、市民や移民の語りが聞こえてきます。祖母が子供のころの思い出を孫に語り、若い男性がガールフレンドにプロポーズし、兵士が戦争の体験を語り、父親が亡き家族の一員を思い返す・・・ごく普通の人々の会話に耳を傾ければ、彼らの人生にも驚くほど面白い逸話、知恵やポエジーがつまっているのがわかります。現在、こういった語りが何千と録音され、永久に保管されています。このすばらしいプロジェクトを思いついたのは、数々の賞を受賞しているラジオ作家デーブ・アイセイです。彼は2003年、オラール・ヒストリー(口述史)による全米規模の社会史記録プロジェクト「物語隊」(ストーリー・コー)を立ち上げました。全米各地に設けられた「物語隊」のブースに立ち寄った人々の会話の記録は、米国議会図書館に寄贈され、オーラルヒストリー資料として最大規模のものになりつつあります。(46分)

エイモリー・ロビンズ:原子力は気候変動を悪化させる

2008/7/16(Wed)

気候変動の顕在化で一刻も早く対策を迫られる中、クリーンなエネルギーとしてさかんに持ち上げられているのが原子力です。今年前半には原油価格が高騰し、石油輸入からの脱却が急務となる中、ブッシュ大統領もマケイン、オバマ両大統領候補も政策が一致したのは原子力発電の拡大でした。「欧米で最も影響力のあるエネルギー問題の思索家」と言われる科学者エイモリー・ロビンズに、この問題について聞きました。(16分)

イスラエルに対するボイコットは有効か?

2010/3/4(Thu)

イスラエルの非道を止めることができるのは外交や軍事ではなく、市民による非暴力の国際運動でしかないと、ますますはっきりしてきたようです。ガザ支援船や救援コンボイなどに加えて近年勢いを増してきたのが、イスラエルに対するボイコット運動です。
2005年パレスチナの市民社会を代表する諸団体が創始したBDS運動は、イスラエルに国際法を順守させるためのボイコット(Boycott)、投資撤退(Divest)、制裁(Sanction)を世界の人々に呼びかける非暴力国際キャンペーンです。かつて南アフリカのアパルトヘイト政策廃止を求めて大々的に行われた国際ボイコットと投資撤退の運動からヒントを得たものでした。いまやヨーロッパを中心に世界的な広がりを見せはじめています。でも米国では、ボイコットの有効性をめぐってイスラエルを批判する人々の間でも意見が割れています。チョムスキーのような辛らつな批評家でさえ、イスラエルに対するボイコットには懐疑的です。ボイコットは本当に有効な戦術なのか?BDS運動の創始者の一人で、パレスチナ出身の政治評論家オマル・バルグーティと、米国シャローム・センターの創設者で、反戦・公民権運動に長年かかわってきたアーサー・ワースコウ師の討論をお届けします。(23分)

「気づいていないから問題になっていない」 子ども向けメディアにおけるジェンダー格差

2007/3/8(Thu)

 映画『テルマ&ルイーズ』の主演女優ジーナ・デイビスは、子供向け番組におけるジェンダー格差に気づき、それをなくすのをめざして「シージェーン」というグループをつくりました。基金を集めて、子供向け映画・TV番組の中の男女別登場人物(動物を含む)を徹底分析した結果、一般映画の登場人物の75%が男性で、1990年から2005年に公開された上位100映画において、女性はわずか17%だったということがわかりました。女性登場人物の割合は、ここ15年間で進歩がほとんど見られなかったそうです。しかも、唯一出てくる女性キャラクターは、男性で成り立っている世界を滅ぼすための登場人物だったり、いなくなって初めてストーリーが始まるという設定だったり…。そんな例を面白おかしく混ぜながら、女優ジーナ・デイビスが、「シージェーン」結成の背景と目標を語ります。(メンフィスで行なわれたメディア改革会議での講演の収録です)(10分)

ホウラ虐殺で高まる軍事介入の要請に警鐘 シリア内乱の危機

2012/5/30(Wed)

5月25日シリア中部ホムス近郊のホウラで100人以上の住民が虐殺された事件を受け、米国や英国の11カ国がシリアから外交官を退去させました。被害者には子供も多く含まれ、国連・アラブ連盟合同特使としてシリアの停戦調停交渉にあたっているコフィ・アナン前国連事務総長は、「シリアは転換点を迎えた」と発言しました。この事件が報道されると、さらなる虐殺を防げと軍事介入を求める声に勢いがつきましたが、最近現地から戻った中東ジャーナリストのチャールズ・グラスは、現地の人々は大半が武力介入に反対していると、慎重な対応を求めています。(12分)

AP記事が暴露 米原子力規制委員会が業界と共謀して安全基準の緩和に動く

2011/6/24(Fri)

AP通信の連載企画記事“Aging Nukes”(老朽化する原子力発電所)(2011年6月20日から28日にかけて配信)は、業界となれ合い状態にある米国の原子力規制、放射性物質の漏出、漏出の実態調査の不備など、お寒い状況を明らかにしました。記事を執筆したジェフ・ドン記者が連載の渦中にデモクラシー・ナウ!に登場です。(14分)

ティキパヤで「気候変動と母なる大地のための世界民衆会議」開催

2010/4/21(Wed)

ボリビアで2010年4月に開催された「気候変動と母なる大地の権利のための世界民衆会議」の現地取材映像です。コチャバンバ近郊の小さな町ティキパヤに世界中から代表が集まっています。15000人が参加した20日の開会式は、アンデスの民族音楽や踊りが満載でした。先住民出身のエボ・モラレス大統領の開会宣言は、2009年12月にコペンハーゲンで開かれた国連気候変動会議(COP15)において先進国が有効な温暖化ガス削減目標を決められなかったことに憤慨し、汚染国が牛耳る国連会議とは異なる道を明快に打ち出すものでした。(6分)

ノーム・チョムスキー「ガザ危機へのオバマの立場はブッシュと同じ」

2009/1/23(Fri)

イスラエルの攻撃が続くなかで、バラク・オバマは沈黙を通していました。1月22日、就任以来はじめて国務省に出向いたオバマ大統領は、ようやく中東情勢に関する初めての発言を行いました。最初の言葉は、イスラエルの安全を守ることへの強い決意の表明でした。ガザからイスラエル南部に向けて無座別に発射されたロケット弾は非難しても、イスラエルの攻撃に対する非難はありません。ただしパレスチナ人の苦しみには同情を示し、ガザ地区への救援物資の搬入のため封鎖を解除すべきだとも言いました。マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー教授に話を聞きます。(26分)

ワシントンポストを買ったベゾスのアマゾン・ドット・コムはグローバル企業の象徴

2013/8/7(Wed)

ワシントンポスト紙がアマゾン・ドット・コムCEOのジェフ・ベゾス氏に売却されたことは、凋落が続く米国の新聞産業の転換点となるのかもしれません。2億5千万ドルという買収金額も、大富豪のベゾス氏にとっては資産の1%にもとどきません。米国を代表する有力新聞がポケットマネーで買えちゃう時代、言論もお安 くなったものです。文化も畑もまったく異なる国際ネット通販の創業者が、ワシントンポスト紙なんか買って何をするつもりか、いろいろ憶測を呼んでいます。 新聞事業の赤字体質は解消できるのか、大胆なオンライン化が突破口となるのか、などと。でも、もしかしたらベゾスさんは赤字のままでぜんぜん平気なんじゃ ないかしら。なにせ、ご本尊のアマゾン・ドット・コムが利益を出さない企業なのですから。(33分)

ウィキリークス:中南米での影響

2012/8/3(Fri)

スウェーデンへの身柄引き渡しに抵抗して英国の裁判所で闘ってきたジュリアン・アサンジですが、ついに司法の道は万策つきてエクアドル大使館に逃げ込んで亡命を申請しました。まっ先に浮かぶ疑問は「なぜエクアドル?」 人権保護の発達した欧米ではなく、政情の不安定な中南米の国を選んだのはなぜでしょう。その答えは、中南米諸国と米国との長年にわたる外交関係にあります。(18分)

チョムスキーとジン、異例の共同インタビュー ベトナムからイラクへ 前編

2007/4/16(Mon)

ボストン発のデモクラシー・ナウ!の特別配信です。アメリカの独立戦争が始まったレキシントンの戦いを記念して、マサチューセッツ州では4月16日が「愛国記念日」という祝日です。この日、ボストンに住む反戦運動の大御所ノーム・チョムスキーとハワード・ジンが、ふたりそろってインタビューに応じるという豪華な場面が実現しました。二日間に分けて放送された共同インタビューの第一弾では、ベトナム戦争とイラク戦争の相似点、イスラエル=パレスチナ問題について、長年アメリカの市民運動にかかわり続けた二人ならではの、重みのある発言が聞けます。圧巻はやはりベトナム戦争の体験です。番組中に語られるように、二人とも戦争当時ベトナムやインドシナを実際に訪れたことがあり、そこで目撃したものに大きな衝撃を受け、著作にも残しました。(37分)

殺される環境保護活動家たち 資源開発の裏側で起きていること

2014/4/16(Wed)

石油、天然ガス、鉱物、木材などの天然資源の開発を人間が追い求めるとき、その背後には多くの場合、そこで以前生活していた人が土地を追われるという構図があります。土地を求めるのは外資の大企業、そこに住む人々はほとんど情報を与えられないまま、小額の補償金をもらうか、ひどい場合は何の手当てもないまま強制移動させられる、というのがよく見られるパターンです。もちろん中にはそのような状況に抗議の声を上げ、必死の闘いを挑む人々もいました。しかし残念なことに、環境監視団体「グローバル・ウィットネス」が最近出した報告書によると、土地の権利を訴える環境保護活動家の殺害は、過去十年で急増しているとのことです。2012年の時点で、このような殺害数はわかっているだけでも2002年の3倍近い数でした。(9分)

スタンディングロック特集(2) 警察の過剰な取り締まりとアメリカ先住民へのシステマティックな差別の歴史

2016/11/24(Thu)

スタンディングロック特集の後半では、スー族でリーダーの一人、サラ・ジャンピングイーグル医師他への現地インタビューで、非常に多くの抗議者を微罪で連行・勾留し、全裸にして身体検査が行われていることが明らかに。このやり口は、法よりも尊厳の問題であり罪は深い。そのような屈辱的仕打ちは、少数民族に対する差別やヘイトが根底にあると指摘します。かつて受けた祖先の受難、虐殺と収奪の歴史におのずと思いが至ると言います。そのような過去の記憶と今もなお差別を受け続ける現実は、長く厳しい弾圧に耐える原動力となり、人権や環境正義の旗のもと「勝つまで戦う」というしぶとい抵抗となって人々の間に連帯と共感を生み、国際的ムーブメントを巻き起こしています。続いてアメリカ先住民の活動家であり、元米大統領候補にもなったウィノナ・ラデュークさんとタラ・ホウスカさんに話を聞きます。(20分)

米国大統領選:討論会で裏取引?

2012/10/16(Tue)

2012年後半、米国では大統領選、日本では政権交代となった衆院選と大きな選挙が続きました。2回目の大統領討論会の直前、オバマ・ロムニー陣営の間で討論に関する覚書が交わされているという暴露記事がタイム誌に載りました。「大統領討論委員会が主催する討論会以外の討論会には出席しない」「お互いに追加質問はしない」など、覚書には事細かにルールが決めてありました。(15分)

英国公務員が第二次大戦後最大のゼネスト

2011/11/30(Wed)

2011年には英国でも画期的な直接行動が行われました。夏場の大規模スト(75万人)に続いて11月30日には200万人が参加する戦後最大のゼネストが行われました。中心となったのは公共部門労働者の組合です。教職員や病院職員、清掃職員、消防士、国境警備員など約30の官公労組の連合が24時間ストを決行しました。公立学校の6割が休校となり、自治体職員の半分以上がストに参加、英国全土で1千件に上るデモや集会が行われ歴史に残るゼネストとなりました。転機を迎えた英国の労働運動と、メディアが果たしてきた抑圧t激な役割を取り上げます。(16分)

オバマの戦争 アフガニスタン干渉の過去、現在、未来 前編

2009/2/23(Mon)

ソ連軍のアフガン撤退から今年で20年。10年に及ぶアフガン占領を終えた直後にソ連邦は崩壊しました。米国のアフガン占領はすでに7年目です。「オバマの戦争」ともいわれるアフガニスタンへの軍事介入強化の是非をめぐり、5人のゲストを迎えて、歴史をさかのぼって徹底検証しました。(11分)

J・スティグリッツ オバマ政権の経済金融政策1年目を批評

2010/2/18(Thu)

7870億ドルの景気刺激策を導入してから1年、オバマ大統領はこの政策が米国を破滅から救ったと自賛します。でもノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・スティグリッツは、この刺激策は規模が不十分で減税に偏りすぎていたと批判します。新著『フリーフォール:米国、自由市場、世界経済の沈降』のなかで2008年の大恐慌の原因を分析し、野放しのマネーゲームによる損失を公的資金で補填する「損失は社会所有、利益は私企業が独占のえせ資本主義」を克服せよと呼びかけています。(33分)

アラブ世界の「民主化」を本当は望まない米国とNATO

2011/5/11(Wed)

米国のメディア監視団体FAIR(Fairness and Accuracy in Reporting)は大手メディアを25年にわたって監視し、少数者や反体制派の意見を排除しようとする報道に批判を加えてきました。ノーム・チョムスキーが25周年イベントに招かれ、アラブの春に対する欧米政府の反応、主要メディアの報道について話しました。

「ウォール街を占拠」ズコッティ公園から強制退去  

2011/11/15(Tue)

2011年11月15日未明、ニューヨーク市警は2カ月に及ぶ「ウォール街占拠」に退去を命じて強制執行し、ズコッティ公園内のテントや寝袋を解体、参加者たちが持ち込んだ物品を一切合財没収し、抵抗した70人以上を逮捕しました。デモクラシー・ナウ!のスタッフも夜中に駆けつけ、早朝まで現場にとどまり一部始終を映像に収めました。(21分)

地球を貪る資本主義を非難し 世界のカトリックに気候変動への決起を促す 「急進的」教皇フランシスコ

2014/12/31(Wed)

フランシスコ教皇は、自然保護を訴え気候変動への行動を促す画期的な「回勅」(教皇書簡)を準備です。これは教皇による最高形式の教示で、司教や司祭に送付され、彼らを通じて全世界のカトリック教徒に重く受け止められます。今年末にパリで開かれる国連気候変動サミットが真に効果のある対策を打ち出すものになるよう、世界規模で決起を促すものですが、世界のカトリック人口は12億人に達しますから、教皇の呼びかけはどんな環境団体のキャンペーンよりも遠大な影響力を持つでしょう。バチカンの改革者として登場し何かと話題を呼んできる教皇ですが、今回の回勅はとりわけ論争を招くかもしれません。(13分)

東ティモールの虐殺

2008/1/28(Mon)

1991年秋。インドネシア占領下に置かれていた東ティモールの首都、ディリは緊張につつまれていた。11月に予定されていた(旧)宗主国ポルトガルの議員団の訪問取りやめが10月26日に発表された。その2日後、議員団にインドネシア不法占領下の恐怖生活を訴えようと準備していた若者の一人、セバスチャン・ゴメスが、インドネシアの秘密警察に射殺された。11月12日、モタエル教会で行われたゴメス追悼ミサには数千人が参加した。人々はミサのあと、サンタクルス墓地に行進し、そこで解放を求める横断幕を掲げ、独立をアピールした。インドネシア軍が墓地を取り囲み、武器を持たない人々に向けて無差別発砲を開始した。発砲により、270人以上の人々が殺された。インドネシア軍はさらに、怪我人をトラックで病院に運び毒殺した。このとき、ポルトガル議員団の訪問予定にあわせて、ディリには外国のジャーナリストたちがいた。デモクラシー・ナウ!のエイミー・グッドマン、このセグメントに登場するアラン・ネアンと英国のマックス・スタールもやはりディリにいた。何人かのジャーナリストと人権活動家の協力により、虐殺の光景を納めたビデオが国外に持ち出され、西側のテレビで放映された。それにより、サンタクルス虐殺は世界に知られることとなった。(17分)

世界的な学校スト運動を触発した15歳の活動家グレタ・トゥーンベリに聞く―後半

2018/12/11(Tue)

2018年12月、第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)に参加するため、世界中からの政府代表がポーランドのカトビツェに集まっています。番組では、大人たちが二酸化炭素排出削減のために何もしないことを非難している15歳の気候活動家グレタ・トゥーンベリさんにじっくりと話を聞きます。彼女はスウェーデン議会前で気候変動に対する学校ストライキを行っていることで、国際的な注目を集めています。「私たちは私たち自身を今変える必要があります。なぜなら明日では遅すぎるかもしれないからです」とグレタさんは言います。彼女がたった一人で始めた学校ストは、今や世界規模の広がりを見せています。 (15分)

70億ドルの核備蓄追加予算

2010/2/2(Tue)

オバマ政権が議会に提出した2011年度予算案は史上最大規模の3兆8000億ドルですが、増えたのは軍事予算ばかりで、国内支出は軒並み削減です。そんな中で目を引くのが、核兵器関連予算の5年間で70億ドル超の引き上げです。
米国の核兵器を削減し「核なき世界」をめざすという2009年4月のプラハ宣言から大きく後退したように見えますが、数量の削減に伴う安全管理徹底と補修の費用のためだと説明しています。ニューメキシコ州ロスアラモス研究所の新たなプルトニウム生産施設の新設もその一貫です。サンタフェの州議事堂から話すニューメキシコ核監視団のジェイ・カグラン事務局長は、オバマ政権は条約の批准をたてに上院共和党議員に食い物にされているのだと言います。(10分)

米国 軍事分野の輸出規制を緩和 経済効果とリスクのバランス

2013/10/16(Wed)

米国の規制改革の一環として武器輸出の緩和が2013年10月から施行されました。この緩和の目玉は、国務省が許認可を管轄している武器品目を部分的に商務省に移し、輸出の推進を図ることと言われます。武器と汎用品の境界があいまいになるなか、米国の軍事技術がより多く売り出されることはどのような影響を及ぼすのでしょうか。(8分)

FCC ネット中立性の保護に転換 ケーブル業界の支配から「開かれたネット」を守る市民の勝利

2015/2/6(Fri)

2015年学生字幕翻訳コンテストで取り上げた課題の(1) 市民が守る「ネットの中立」の字幕動画です。
インターネットが企業利益の追求のために二層化してしまうところだったのを、それに反対する膨大な市民の声が止めました。「ネットの中立」という抽象的な言葉ではぴんとこないのですが、ことの重大性を普通の人々に周知させる努力がいかに重要かがよくわかります。 (12分)

本物のクライメットゲート:自然保護団体が最大汚染企業と結託

2010/3/9(Tue)

いくつかの主要環境保護団体が、身内から告発されています。地球を守るという使命を標榜しながら、その使命を裏切る不道徳な姿勢をとっているという非難です。ネイション誌の最新号で、英国人ジャーナリスト、ヨハン・ハリは次のように記しています。「我々が人類史上最大の環境危機に直面しているというのに、率先して危機回避に取り組むべき環境団体の多くが、世界一の環境汚染企業からせっせと金をかき集め、その見返りに科学的根拠に基づいた環境保護の主張を葬り去 ろうとしている。温暖化懐疑論者たちが大げさに吹聴するでっち上げの気候問題スキャンダルが渦巻いているが、こちらこそが本物のクライメットゲート (気候データ改竄疑惑)だ」。

アーロンシュワルツはなぜ死んだか?

2013/1/14(Mon)

オープン・インターネットの活動家アーロン・シュワルツが、2013年1月11日に自殺しました。わずか14歳でRSSの技術基盤をつくった天才プログラマーです。自由なインターネット空間を唱導してきた憲法学者ローレンス・レッシグとも親交が深く、著作物の有効利用のための承認制度クリエイティブ・コモンズの立ち上げや、オンラインのオープン百科事典ウィキペディアなどにもかかわってきました。(20分)

先住民作家ルイーズ・アードリックの独立系書店

2008/6/6(Fri)

第一作『ラブ・メディシン』で全米書評家連盟賞を受賞して以来、数多くの作品を葉表してきたアメリカの先住民系作家ルイーズ・アードリックに聞きます。彼女が家族と経営するミネアポリスの独立地方書店バーチバーク・ブックスは、先住民コミュニティを活性化する知的活動の場を提供し、集会場や展示場、サロンの役割もそなえたユニークな書店です。母方は先住民、父方は白人という異文化混合の家庭で育ったアードリックは、さまざまな文化の混合こそが現在の米国の姿なのだと言います。(9分)

DREAM法は数百万の若年不法滞在者の福音か、それとも新兵徴募装置か?

2010/8/20(Fri)

2001年に米上院に提出されてから10年、幾度となく審議されながら成立に至っていない通称ドリーム法案(The DREAM Act)について、2人の若者が討論します。ドリーム法とは、正規の書類をもたずに家族と共に米国に16歳未満で移民し、米国で教育を受けた若者に、条件を満たせば永住権を得ることを可能にする法案です。ドリーム法を推進する立場からはフロリダ州のギャビー・パチェコさん、ドリーム法が求める条件に異議を申し立てる立場からは、反戦イラク帰還兵の会元会長のカミロ・メヒアさんです。

エジプトのショック・ドクトリン? ムバラク後の経済危機と混迷の大統領選挙

2012/4/10(Tue)

エジプトで初めての民主選挙と言われた2012年5月の大統領選は、当初本命とされていた立候補者たちが次々と失格となりました。エジプトの報道でイジー賞を受賞したデモクラシー・ナウ特派員のシャリフ・アブドゥル・クドゥースが混迷するエジプト大統領選を語ります。(14分)

テキサス銃乱射事件 「何が白人男性を駆り立てるのか?」

2017/11/6(Mon)

2018学生字幕翻訳コンテスト 課題2:テキサス銃乱射事件 「何が白人男性を駆り立てるのか?」の受賞作です 米国での銃乱射事件は、その多くが白人男性によって引き起こされています。2017年11月6日のテキサス州サンアントニオ郊外の教会襲撃事件では少なくとも26人が死亡し、20人が負傷しました。その前月のラスベガス銃乱射事件ではコンサート客への発砲で、本人を含め59人が死亡し、527人が負傷しました。しかし、このような事件が「白人男性」の問題という角度から取り上げられることは、まずありません。もし犯人が黒人やイスラム教徒であれば、そのことはすぐに報道され、そうした彼らの属性が犯罪に導く要因であることが自明のことのように共有されます。しかし、白人が犯人の場合は属性は報道されず、事件の原因が白人であることに結び付けられることはありません。(7分)

東京五輪おことわり! 国内感染者急増で中止の声が拡大もIOCは耳を貸さず 儲けるのは誰?

2021/5/27(Thu)

日本では新型コロナ第4派で国内感染者数が急増しており、オリンピック主催団体に開催中止を求める声が強まっています。すでに一年先送りされた大会は、今年7月23日から始まる予定です。しかし日本のワクチン接種率はまだ3%以下にとどまり、先進国では最低レベルです。元五輪サッカー選手のジュールズ・ボイコフ教授は、国際オリンピック委員会(IOC)とホスト国との間で交わされる開催都市契約書が「極端に片務的」な内容であり、中止を判断する最終的な権限はIOCのみにあることを指摘します。(20分)

人と環境に迫り来る大規模経営の養豚、酪農、養鶏の脅威

2010/8/24(Tue)

米国では8月に、サルモネラ菌感染の疑いで5億個の鶏卵が回収されました。空前の卵パニックの影にひそむ大規模な畜産経営の問題について、『動物工場:人間と環境に迫り来る大規模経営の養豚、酪農、養鶏の脅威』の著者デイヴィッド・カービーと話します。カービーは様々な具体例をあげながら工業生産方式の畜産が作り出す甚大な環境被害と、公衆衛生の危機を警告します。規制の導入と強制力を持った行政の監督の必要性を訴える一方で、大規模畜産への間接的な助成をやめて小規模な畜産農家が存続していける競争環境を整えることも重要だと指摘します。

COP17 青年使節が気候正義を訴える人間拡声器のパフォーマンス

2011/12/9(Fri)

国連気候変動会議が開かれている南アフリカのダーバンでは、世界の指導者たちが温室化ガス排出削減のための法的拘束力を持つ協定にいつまでも合意できずにいることに対して、いくつもの抗議行動が行われています。青年使節団の代表としてCOP17で演説した米メイン州アトランティック・カレッジの学生アンジャリ・アパデュライは、「世界の過半数を代表して発言します。これは”声なき者たちの声”です。私たちは会議に招かれても、私たちの要求は取り上げられません・・・チャンスはあと5年なのに、皆さんは10年くれと言う。それを"意欲的"と呼ぶなんて、私たちの世代への裏切りです」と痛烈な批判を展開しました。(10分)

人体実験の暗黒の歴史 ナチからタスキギー、プエルトリコまで

2010/10/5(Tue)

医療の発展のためには人体実験にも必要悪の面もありますが、それを行うときには厳格な規制と医療倫理が要求されます。とくに披験者に対して、危険についての十分な説明をしたうえでの同意をとることは絶対に必要です。第二次大戦中のナチスによる生体実験や日本軍の満州第731部隊の行った実験への反省から、1947年のニュールンベルグ綱領は披験者の同意のない人体実験を「人道に対する罪」であると規定しています。しかし米国は、これをナチや日本軍のような野蛮な連中の行為であるとみなしたため、自国の医療研究の現場にそのようなことが起きるとは思ってもみなかったようです。医学史家スーザン・レバビーが、米国の内外で行われた人体実験の歴史について語ります。(16分)

ルワンダ虐殺に取り組んだ人権活動家アリソン・デフォージ

2009/2/16(Mon)

コンチネンタル航空3407便がニューヨーク州バッファロー付近で墜落した事故で、ルワンダ専門家として世界の第一線で活躍したアリソン・デフォージが亡くなりました。彼女は、ルワンダでのツチ人の虐殺開始から数週間後の1994年5月に、この虐殺をいち早く「ジェノサイド」と断言しました。1999年には、ルワンダ大虐殺の優れた報告書と評価されている著書『Leave None to Tell the Story:Genocide in Rwanda(誰ひとり生かすな:ルワンダ大虐殺)』を出版しました。長年活動を共にしてきたヒューマン・ライツ・ウォッチ代表のケネス・ロスに、彼女の思い出を語ってもらいました。(26分)

スティーブン・キンザー(2)マーク・トウェインと反帝国主義連盟の忘れられた歴史

2018/3/12(Mon)

元NYタイムズ紙海外特派員スティーブン・キンザーへのインタビューのパート2は、反帝国主義連盟の忘れられた歴史の話です。20世紀への変わり目の時期に米国の領土拡張政策は岐路を迎えていました。北米大陸の制覇は完了し、カリブ海や太平洋のスペイン領に触手を伸ばし、米西戦争中にプエルトリコ、フィリピン、グアムなどを占領しました。このとき海外領土を持つ世界帝国へと発展するか、それとも拡大はここで打ち止めにして、北米大陸内部の支配を強固にすることに専念べきか、選択を迫られたのです。海外への領土拡張に反対する勢力の中心となったのが反帝国主義連盟でした。(13分)

環境運動の火付け役レイチェル・カーソンと『沈黙の春』

2007/5/31(Thu)

1962年に出版されたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、環境保護運動の勃興をうながした名著として知られています。40年以上も前の科学書が、今も古典として読みつがれているのはなぜでしょう? 『沈黙の春』を書くにいたった動機や、この本の影響について、カーソンと同じエコロジストで作家のステイングレーバーに話を聞きます。(7分)

「ゴリアテ」─イスラエルで加速するレイシズム

2013/10/4(Fri)

ネタニヤフ政権下のイスラエル社会の変化について詳しく紹介するマックス・ブルーメンソールの新著Goliath: Life and Loathing in Greater Israel (『ゴリアテ-憎しみの国 大イスラエルでの生活』)が刊行されました。ブルーメンソールはネタニヤフ政権下のイスラエル社会について、「占領がイスラエル内に戻ってきた」と表現しています。西岸地区の過激な入植者たちがイスラエル内に戻ってデモや占拠を行い、イスラエル内に居住するアラブ系住民やアフリカからの移民とのあいだに大きな摩擦が生じているのです。イスラエルの新聞ハアレツ紙も アフリカ系移民に対する差別が加速していると伝えています。(12分)

チョムスキーとジン、異例の共同インタビュー ベトナムからイラクへ 後編

2007/4/16(Mon)

ボストン発のデモクラシー・ナウ!の特別配信です。アメリカの独立戦争が始まったレキシントンの戦いを記念して、マサチューセッツ州では4月16日が「愛国記念日」という祝日です。この日、ボストンに住む反戦運動の大御所ノーム・チョムスキーとハワード・ジンが、ふたりそろってインタビューに応じるという豪華な場面が実現しました。二日間に分けて放送された共同インタビューの第一弾では、ベトナム戦争とイラク戦争の相似点、イスラエル=パレスチナ問題について、長年アメリカの市民運動にかかわり続けた二人ならではの、重みのある発言が聞けます。圧巻はやはりベトナム戦争の体験です。番組中に語られるように、二人とも戦争当時ベトナムやインドシナを実際に訪れたことがあり、そこで目撃したものに大きな衝撃を受け、著作にも残しました。(16分)

「企業人格化」を否定するため憲法修正を推進する人々

2011/11/9(Wed)

米国では企業が個人と同等の権利を有するという「企業人格化」の概念が極端に解釈され、企業にも合衆国憲法第一条(表現、出版、集会結社の自由)が適用されるので政治キャンペーンにどれほどお金をつかっても制限できないとする最高裁判所の判決(シチズンズ・ユナイテッド判決)が2010年に下されました。これによって米国の選挙では企業の資金が絶大な力をふるうことになります。これに反対する活動家たちが、憲法修正を求める運動を始めました。新たな修正条項をつくり、「企業は人権をもたない。主権を持つのは人間であり、議会や政府には企業を規制する権限はある」と明記するよう求めるものです。(3.5分)

すべての人のためのニュース:米国メディアと人種の相関

2011/10/13(Thu)

デモクラシーナウの共同司会者フアン・ゴンザレスが、数年間にわたる調査を経てメディアに関する画期的な新著を共著で刊行しました。News For All the People: The Epic Story of Race and the American Media(『すべての人々のためのニュース 人種と米国メディアのかかわりについての壮大な歴史物語』)は、米国における人種偏見の持続にメディアが中心的な役割を果たしてきたことを検証します。 白人所有のメディアにはびこる悪質な人種差別に挑戦した黒人、ラティーノ、アメリカ先住民、アジア系アメリカ 人など非白人の先駆的なジャーナリストたちの生涯という、これまでほとんど語られることのなかった歴史を掘り起こします。(44分)

ラルズセックのサイバー活動家たち リーダーの裏切りで逮捕-アサンジ訴追への準備か?

2012/3/7(Wed)

政治にめざめたサイバー活動家たちが特定の政治主張を掲げコンピューターやネットを使った積極行動を行うハクティビズム(hacktivist)。これを一躍有名にしたアノニマスは緩やかに連帯した匿名の人々の巨大なネットワークです。そこから派生したコンピューターハッカーの集団ラルズセックは、企業や政党、政府に対する数々のサイバー攻撃で名をはせました。3月はじめ、このラルズセックのメンバーとされる5人の男性が逮捕・起訴されました。もっと大きな衝撃は、逮捕者たちの情報を警察に密告したのが、他ならぬラルズセックのリーダー、「サブー」と呼ばれる人物だったことです。匿名性を前提としたネットカルチャーの落とし子のような運動の脆弱性があらわになり、大きな打撃を与えました。サブーはなぜ仲間を売ったのか?今後のハクティビズムに与える影響は?

チリの経済学者マンフレッド・マックスニーフ:米国は「発展不全国」になりつつある

2010/9/22(Wed)

オバマ大統領の経済チームはウォール街出身者で固められ、ローレンス・サマーズが国家経済会議委員長を退いた後、後任に指名されたのはまたもや金融業界(ゴールドマンサックス)出身のジーン・スパーリングでした。こうした人々が舵を取る米国の経済政策の方向性とは対極にある、人間の尺度から考える経済学に耳を傾けてみましょう。チリの経済学者マンフレッド・マックスニーフは、人間の基本的なニーズに基づいた人間開発モデルで知られています。(19分)

イエメンの政権交代は「中途半端な革命」 サーレハ大統領の訪米の意図とは?

2011/12/27(Tue)

イエメンはアラビア半島の南端に位置し、サウジアラビアと接する共和国です。イエメンで民主化を求めるデモが発生したのは2011年1月、チュニジアのベン・アリ大統領の亡命直後でした。首都サヌアにある広場にはすぐに数万人規模のデモが行われるようになり、6月には大統領宮殿で爆発事件が起こりました。サーレハ大統領は重傷を負い、 サウジアラビアで手術を受けたと報じられています。湾岸諸国協力会議(GCC)はたびたび、サーレハ大統領に辞任をふくむ調停案を示していましたが難航 し、ようやく2011年11月に訴追免責とひきかえにサーレハ大統領は辞任に応じました。

グリーン・ニューディール 上院で否決 広がる運動を阻止する悪あがき

2019/3/28(Thu)

民主党のオカシオコルテス下院委員とマーキー上院議員が提出したグリーン・ニューディール(GND)決議案が3月26日、上院で否決されました。グリーン・ニューディールはオバマ以来の民主党の目玉政策の一つで、政府が再生可能エネルギーに大胆な投資をすることで多数の緑の雇用(グリーン・ジョブ)を作り出し、米国経済を2030年までにCO2排出ゼロに変えることを目指します。しかし、共和党が強引に採決に持ち込んだ結果、民主党議員はほとんどが棄権(賛否を示さない「出席」投票)、4名は共和党議員と共に反対票を投じました。グリーン・ニューディールは挫折したのでしょうか?(14分)

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 2

2007/9/17(Mon)

カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインが、話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)について語ります。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。 (17分)

NSAの内部告発者トーマス・ドレイクとオバマ政権による迫害 (2)

2012/3/26(Mon)

国家安全保障局(NSA)の内部告発者、トーマス・ドレイクに話を聞きます。彼はNSAの浪費や不適切な管理、憲法違反の疑いのある活動を報道機関に告発したため、当局の迫害を受けました。スパイ防止法に違反したとして起訴され、最長で35年の投獄という危機に直面しました。でも実際の起訴状にはスパイ行為の具体的な指摘はなく、政府の機密文書を自宅地下室に保管していたという微罪しかありませんでした。結局、この微罪をドレイクが認めるかわりに他の容疑はすべて取り下げるという司法取引が成立し、昨年2011年に裁判は結審しました。当時司法省の首席報道官だったマシュー・ミラーは今ごろになって、「起訴したのは勇み足だった」などと話していますが、明らかに司法を使った内部告発者への嫌がらせです。(12分)

NATOのリビア空爆は米軍のアフリカ進出への布石?

2011/11/1(Tue)

リビア最高指導者カダフィ氏の死亡をうけNATOのラスムセン事務総長は2011年11月、「民間人への脅威が存在しないことは明らかだ」としてリビア爆撃作戦の終結を宣言しました。カダフィ側の拠点に対する空爆は激化するいっぽうでしたが、「カダフィ氏の出身地シルトへの攻撃は熾烈をきわめ、多数の死者が出た」と政策研究所のフィリス・ベニスは言います。シルト住民のすべてがカダフィ支持者ではありません。ベニスは「NATO軍のリビア爆撃が民間人保護のためだったなどというのは事実に反する。シルトの住民は保護どころか爆撃の対象だった」と言います。(10分)

「潮目が変わる」組合つぶし法案の強行可決で高まる抗議のうねり

2011/3/10(Thu)

スコット・ウォーカー知事と共和党上院議員が反組合法案を不意打ちで採決したことに、大きな反発がおきています。ウィスコンシン州マディソン郡で労働問題専門のラジオ番組『ワーカーズ・インディペンデント・ニューズ』を放送している組合出身のベテラン記者フランク・エムズパック氏に、労働運動側の反応を聞きます。(8分)

ロッキーマウンテン・ニューズ紙が廃刊に

2009/2/27(Fri)

新聞業界は大手新聞の休刊や売却が相次ぐ米国の新聞業界で、2月末には米デンバーに本社を構える老舗ロッキーマウンテン・ニューズ紙が2月27日付けの発行をもって廃刊となりました。親会社であるE.W.スクリップス社が、売却先が見つからなかったため、創刊150周年を2カ月先に控える同紙の廃刊を決定したのです。(4分)

接続の自由:アーロン・シュワルツのF2C基調講演

2013/1/14(Mon)

2013年1月11日に自殺したサイバー活動家で天才プログラマーのアーロン・シュワルツは、著作権業界が推進する「オンライン海賊行為防止法案」SOPAの阻止を目指して、専門家だけでなく一般の人々のあいだにも反対の声を広めるのに大奮闘しました。ネットの力を結集して巨大産業が推進する協力な法案を廃案に追い込んだ素晴らしい運動の顛末について、昨年5月に開かれたF2C(Freedom to Connect)全国大会の基調講演で本人が語ります。(23分)

盗聴スキャンダルに揺れるマードック帝国 地道な調査報道の成果

2011/7/21(Thu)

2011年7月に英国を揺るがしたマードック帝国スキャンダル事件。だが、この事件が国をあげての調査と告発の対象になるまでには、3年間にわたる事件記者の地道な調査活動が必要だった。書かれた記事は、75本。英ガーディアン紙で仕事するニック・デイビス記者の快挙だった。(19分)

バーバラ・リー下院議員:終わりなき戦争を可能にしている9.11武力行使権限を撤回せよ

2016/9/13(Tue)

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「武力行使の白紙委任状」の受賞作です。

9.11同時多発テロ事件から15年の節目に、米国の戦争拡大と恒久化の端緒となった武力行使権限(AUMF)を振り返ります。9月11日の攻撃から3日のうちに米国議会がほぼ全会一致で採択したAUMFは、この攻撃の責任者と協力者に対する武力行使の権限を大統領に与えるものです。これにより米国はアフガニスタンを攻撃し、米国史上で最長の戦争の端緒を開くことになりました。

しかし、この決議はその後に拡大解釈され、9.11事件とはなんの関係もない国々への軍事攻撃を議会に諮ることなしに行う根拠とされることになりました。シリア、ソマリア、イエメンと米国の戦闘領域は拡大し、多くの国民はその事実さえ知りません。おまけに、国際テロ防止を口実に自国民の通信内容まで盗聴することが可能になっています。(10分)

【Express】ロバート・フィスク 「差しのべた手を握りこぶしに変えたオバマ」

2011/2/3(Thu)

著名な中東ジャーナリストが、カイロの現場から歴史的なエジプトの民衆蜂起を語ります。

ホワイトパワーUSA 増殖する右翼民兵組織

2010/1/11(Mon)

バラク・オバマの大統領就任から1年、米国では人種偏見にもとづくヘイトクライム(憎悪犯罪)や脅迫事件が急増しています。100年に一度の不況と高い失業率がマイノリティや移民への反感に油をそそぎ、いくつかの州で右翼民兵組織が勢力を広げています。彼らは、移民たちの流入によって自分たちがつくった国が乗っ取られる、このままでは白人は滅びる、白人の国を取り戻そうと訴える「白人ナショナリスト」たちです。白人至上主義グループの内部に入り込んだリック・ローリーとジャッキー・スーヘンによる映像ルポ「ホワイトパワーUSA」(米国の白人至上主義運動)のダイジェストをお送りします。(33分)

学生ローン危機に対するオバマ大統領の取り組み 返済条件の大幅緩和も焼け石に水?

2014/6/10(Tue)

第二の住宅ローン危機とささやかれる米国の学生ローン問題。学生ローンの残高は総額1兆2000億ドルに達し、住宅ローンを除けば最大の消費者負債項目になっています。2014年の卒業生は7割以上がローン利用者であり、卒業と同時に平均3.3万ドルもの借金を抱えています。思うような就職ができなければ、たちどころに返済に苦しむことになり、大きな社会問題となっています。(9分)

「アパルトヘイトではなく平和を」ジミー・カーター、パレスチナを語る

2007/9/10(Mon)

アトランタを訪れたエイミーが、ジミー・カーターに初めてインタビュー。ホワイトハウスを去った後のカーターは、「カーターセンター」を基盤に人道支援や民主的な選挙の推進などの分野で精力的な活動をつづけており、元大統領の立場を有意義に使った人権外交は現役大統領時代よりも高く賞賛され、2002年にはノーベル平和賞を受賞しています。今回のインタビューの目玉は、2007年に刊行された著書『カーター、パレスチナを語る アパルトヘイトではなく平和を』です。イスラエルがパレスチナ占領地への入植拡大を続けていることこそが中東和平を阻む最大の障害だと論じたこの本は、「アパルトヘイト」ということばを使ったことへの反発もあって、賛否両論の大論争を引き起こしました。本人に、この本を書いた動機や、パレスチナ問題解決の展望について、踏み込んで話を聞きます。(40分)

TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具

2012/6/14(Thu)

日本では昨年から危険な秘密貿易協定として大騒ぎになっているTPP。環太平洋パートナーシップとか環太平洋戦略的経済連携協定とかいろいろに呼ばれていますが、中身が分からないのに一旦参加したら抜けられないと言われる馬鹿げた国際協定です。米国でも一般には知られておらず、通商代表部が企業側と連携しながら進めているので国会議員でさえ内容を知ることができないのです。交渉の草案がリークされて、ようやく議論に上るようになりました。2011年3月に「知財関連の条項」がリークされたのに加え、今回(2012年6月)には「投資条項」の草案がリークされました。リーク文書を掲載している市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏は、「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」と断罪します。(19分)

チョムスキー:キャラバンは米国がつくり出した悲惨と恐怖から逃れてくる人々

2018/11/2(Fri)

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題4:「国境壁と移民」の受賞作です 中米から米国をめざして移動してくる難民集団(キャラバン)の数はどんどん膨れ上がっています。これに対しトランプ政権は彼らの入国を断固阻止すべく国境に兵士を派遣すると脅しています。トランプ大統領は、キャラバンには犯罪者や中東テロリストが潜んでいるなどと根拠なく言い放ちますが、難民たちの多くは女性や子供です。彼らが逃れて来たのは、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラといった国々で、いずれも長年にわたる米国の内政干渉の結果として社会の崩壊、テロと極度の貧困が蔓延しています。米国の外交政策の犠牲者といえる哀れな難民たちをテロリスト呼ばわりするなんて、なんとも下劣なふるまいです。(10分)

"アメリカでいちばん危険な男"ダニエル・エルズバーグとペンタゴン文書

2009/9/16(Wed)

ベトナム反戦運動のハイライトとなった歴史的事件を二つ特集しました。ペンタゴン・ペーパーズの暴露については、すでに一度紹介しましたが、今回はその中心人物ダニエル・エルズバーグを取り上げます。ランド研究所のトップアナリストが、政府に背き終身刑を覚悟で内部告発をした動機はなんだったのでしょうか?(29分)

新たな冷戦?ウクライナ政変の背景を探る

2014/2/20(Thu)

2014年2月、ウクライナのヤヌコビッチ政権が崩壊しました。前年11月、ヤヌコビッチ大統領は欧州連合(EU)との貿易協定を撤回し、EUと関係を深めたい親欧派による抗議デモが勃発しました。当初は市民による呼びかけだったデモは、たちまち数万人規模のデモになり、武装したデモ隊と治安部隊の衝突が頻発するようになります。2月20日、衝突は死者90人以上を出す大惨事となり、ヤヌコビッチ政権は崩壊しました。反体制デモの中心となった野党勢力には「自由(スヴォボダ)」などのネオナチ・右翼勢力も含まれており、この急進的な勢力が暴徒化したと言われています。(23分)

9.11のTVニュース・アーカイブ: 3000時間分の映像がオンラインで

2011/8/24(Wed)

テレビ報道は私たちの現実認識に大きく影響し、集団的記憶として刻み込まれます。でも、そうしたメカニズムは十分に解明されてきたとはいえません。実際に過去のTVニュースを参照して比較検証するためのツールがなかったからです。米国テレビ報道は私たちの現実認識に大きく影響し、集団的記憶として刻み込まれます。でも、そうしたメカニズムは十分に解明されてきたとはいえません。実際に過去のTVニュースを参照して比較検証するためのツールがなかったからです。米国では9.11同時多発テロから10年目に、インターネット・アーカイブ事業の先駆者2人が野心的なプロジェクトを立ち上げました。『9/11理解 テレビ報道アーカイブ』(Understanding 9/11: A Television News Archive)は、2001年の9月11日から15日まで放送された米国内外20局の延べ3000時間にわたるニュース映像を集め、さまざまな角度から検証できるように重層的にカタログ化して、インターネットで公開されています。(12分)

ベルタ・カセレス追悼 ホンジュラスで暗殺された先住民&環境運動の指導者

2016/3/4(Fri)

2016学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「軍事独裁は資源開発企業の天国」の受賞作です。
ホンジュラスの環境保護活動家ベルタ・カセレスが2016年3月に自宅で暗殺されました。彼女はホンジュラス先住民の土地への権利の運動を組織した中心的な人物でした。1993年に「ホンジュラス民衆と先住民の国民協議会(COPINH)」を仲間と共に設立しました。COPINHは何年も前から弾圧や殺害予告で脅されてきました。自分たちの生活を破壊する資源採鉱やダム建設に抗議して立ち上がったためです。カセレスは前年に、ゴールドマン環境賞という、草の根活動家を称え、環境分野では世界で最も栄誉ある賞を受賞したばかりでした。(15分)

地球工学は温暖化回避の切り札か、自然をあなどる愚策か?

2010/7/8(Thu)

気温上昇が自然の暴走にスイッチを入れる前に、地球を改造して温室効果ガス排出のレベルを低減しようとするもので、人工火山を作って大気を硫黄粒子で汚染する案や、海洋の肥沃化案、太陽光線を偏光させるアルミ箔を空に配備する案など、さまざまなアイディアがあります。しかし、地球工学への反対も高まっています。インド人環境保護主義者、科学者、哲学者、環境フェミニストのバンダナ・シバと、グウィン・ダイアーの熱のこもった討論をお届けします。

理不尽な男 ラルフ・ネーダー 前編

2007/2/5(Mon)

 民主党と共和党という二つ利権集団が、さほど違わない政策を掲げながら二大政党として君臨し、それ以外の選択肢を有権者から奪っているアメリカ。この状況に業を煮やして、第三の道を選択する機会を提供すべく、1996年に「緑の党」から立候補したラルフ・ネーダーは、アメリカの市民運動を基盤とする政治家として以来ずっと大統領選挙に出馬し続けています。(15分)

「ピンチはチャンス」ナオミ・クライン 巨大ハリケーン「サンディ」後の戦略を語る

2012/11/15(Thu)

2012年秋、ニューヨークを直撃したスーパーストーム・サンディ。環境と民主主義に関する新しい著書、そしてその映像版となるドキュメンタリー・フィルムを執筆・制作中のナオミ・クラインが、講演会後の質疑応答で「サンディ後」を語った貴重な映像です。世界的なベストセラーとなった主著『ショック・ドクトリン』で、経済や環境の危機に乗じて右派が展開する、民主主義を切り崩し権力を独占する戦略をみごとに分析してみせたクラインですが、実は危機の利用はもともと左派のお家芸だったと語ります。(7分)

バンダナ・シバ 第三世界への環境汚染アウトソーシングを批判

2007/9/14(Fri)

グローバリゼーション国際フォーラム開催のティーチイン「地球の3つの危機:気候変動、ピーク・オイル(安価なエネルギーの終焉)、地球資源枯渇」を前に、会議で発言する予定のデイビッド・コーテンとバンダナ・シバの話を聞きます。(17分)

コモーション・ワイアレス ネット接続を皆で共有し、参加型の民主主義を推進しよう

2013/3/5(Tue)

インターネットと民主主義の関係では心配な話題ばかりが続いていましたが、久びさにネットを民主化推進の手段として使おうという明るい話題です。ネットの監視や検閲への危惧が強まる中、今年のF2C(通信の自由)会議で、ユーザーの無線端末を直接つないだメッシュネットワークでプロバイダを介さずにネット接続を共有する”Commotion Wireless”が米国でリリースされるという報告がありました。エジプト革命の時にムバラク政権が反政府運動を弾圧するためネットを遮断するという暴挙に出ましたが、そのときに海外のネット活動家が迂回手段を提供して民主化運動を支援するという出来事がありました。ommotion Wirelessは、そのときの技術を受け継いでいます。(7分)

公共テレビの巨星ビル・モイヤーズ

2011/6/8(Wed)

アメリカの伝説的ジャーナリスト、ビル・モイヤーズが、民主主義擁護に賭けた気骨の生涯を語る特別番組です。モイヤーズはジョンソン大統領の若き報道官として1967年に公共放送法の成立を目撃し、公共放送の誕生に立ち会いました。ベトナム戦争が拡大していく中、ジョンソン政権内のハト派だったモイヤーズは「予算も労力も時間もすべてが戦争努力に吸い取られ」、公民権運動などジョンソンの国内でのせっかくの成果がいかされないことに失望。政権を離れ、ジャーナリストとしての活動を始めました。新聞を皮切りにテレビの世界にはいった彼は、放送ジャーナリズムの「第2世代のパイオニア」として、メジャーネットワーク局NBC、CBSのニュース解説者として活躍した後、公共放送局PBSでTV放送史に残る数々の名番組をプロデュースし、不動の地位を獲得しました。(30分)

Googleブックサーチ訴訟の和解は裁判制度を利用した独占の正当化

2009/4/30(Thu)

米国の訴訟和解が日本の著者や出版社にまで影響することで日本でも少なからぬ反響をもたらしたグーグルのブックサーチ機能をめぐる裁判と和解について、一つの視点を提供するセグメントです。グーグル社は大学などの有名図書館が所蔵する膨大な数の書籍をデジタル化し、インターネット上で公開する壮大な計画を数年前から進めています。すでに700万冊以上が電子化されていますが、著作権が保護されている書籍の検索サービスについては、著作権者の権利を侵害するものであるとして米国作家組合や出版社協会を中心とする集団代表訴訟(クラスアクション)が起こっていました。今年4月に訴訟は和解に達しましたが、訴訟の性格上、著作権を保持するすべての人に影響を及ぼすことになるので、問題はさらに拡大しました。(25分)

バラク・オバマと米国の外交政策の今後

2008/11/6(Thu)

2008年11月4日の夜、歴史的勝利が判明すると、次期大統領バラク・オバマに世界中から続々と祝辞が寄せられました。米国民のみならず世界の多くの人々にも、オバマ選出は時代の画期ととらえられました。しかし実のところオバマの外交政策の姿勢とはどのようなものなのでしょうか?また米国の外交政策の戦略ポイントに位置づけられる国々の住民は、新政権に何を期待しているのでしょうか?(46分)

イザベル・ウィルカーソン:米国を作り変えた黒人の大移動

2010/9/29(Wed)

1915年から1970年代半ばの約60年間に約6百万人の黒人が、米国の南部を離れて北部や西部に移住しました。20世紀はじめには、米国の黒人の約9割が南部で暮らしていたのに、大移住が終わる頃には南部に残っていた黒人は半数近くに減っていたといわれます。移住は公民権運動を生む土壌を作り、米国の政治と社会を変え、エキサイティングな都市の黒人文化を生み、世界的にも大きな影響が伝わっていきました。一国を変えた激動の大移動を3人の実在の人物を通してまるで大河ドラマのように生々しく描きつつ、社会と時代背景を際だたせる。イザベル・ウィルカーソンの新著『別の太陽のぬくもり("The Warmth of Other Suns”は水際だった筆力とダイナミックな構成力で大きな話題を呼び、2010年度全米批評家協会賞(ノンフィクション部門)を受賞。2010年の黒人関連ノンフィクションの最大の収穫のひとつと言われています。

コロンビア大学紛争から40年 当時の学生リーダー4人が振り返る

2008/4/25(Fri)

ジェームズ・クネン原作の映画『いちご白書』にも描かれ、一連の学園紛争の中でもとみに有名なコロンビア大学の学生ストを振り返ります。地元ニューヨークの大学であり、番組共同司会のフアン・ゴンザレスが当時の学生リーダーのひとりだったこともあって、同窓会的な雰囲気のなかで内輪の話がたっぷりと聞けます。(45分)

バングラデシュの工場火災跡からウォルマート・ブランドの服が

2012/11/27(Tue)

2012年11月24日、バングラデシュで起きた衣料品工場火災は112名の死者を出す大惨事となりました。労働者の逃亡を防ぐため出口にはあらかじめ鍵がかかっていたとみられ、死者のほとんどは工場内に閉じ込められて焼死、7階から飛び降りた人も多くいました。避難用の外階段はありませんでした。バングラデシュでは過去5年間、衣料品工場での火災による死者が700名を超えていると言われます。バ ングラデシュの縫製労働者の賃金は月4000円程 度で世界でも最低水準となっています。(31分)

巨大種子企業に立ち向かうカナダの一農民 農民の権利と種子の未来とは?

2010/9/17(Fri)

ドイツのボンに集まった約80人のライトライブリフッド賞受賞者たち中に、カナダの農民パーシー・シュマイザーの姿がありました。受賞理由は、生物多様性と農民の権利を守るための勇気ある行動、すなわち巨大バイオ企業モンサントに対して戦いを挑んだダヴィデのような行動です。その発端は、隣家が育てていたモンサントの遺伝子組替えナタネの花粉が風で飛ばされシュマイザーの畑に混入し、50年かけて改良を重ねた自家開発の品種品種を汚染した事件でした。取り返しのつかない損失に打ちひしがれるシュマイザーに追い打ちをかけるように、モンサントは自社のGM種子を無断で栽培したとしてシュマイザーを特許侵害で訴え賠償金を要求したのです。あまりの理不尽と傲慢なやり方が彼を奮い立たせ、農民の権利のための戦いが始まりました。シュマイザー夫妻の戦いの記録を通じて、モンサント社と遺伝子組換え産業の危うさが浮き彫りになります。

サイファーパンクス ジュリアン・アサンジが語るネットの自由と未来 (前半)

2012/11/29(Thu)

エクアドルに政治亡命を認められながらロンドンの大使館から一歩も出られないジュリアン・アサンジに、昨年末に行った長編インタビューです。クレジット会社との訴訟やブラッドリー・マニング裁判などについてのアップデートに加え、最近アサンジが他の大物ハッカーたちと共著で出版した電子本『サイファーパンクス』(Cypherpunks: Freedom and the Future of the Internet)の内容が目玉です。インターネットが自由と民主主義の拡大をもたらす夢のツールから一転して、国家が市民の一挙一動を掌握しプライバシーが完全に消滅する究極の監視国家をもたらす悪夢の発明に変質しつつある今、私たちはどのように個人の独立を守ることができるのか? 個人と国家のあいだのまったく新しい関係とは?そこで暗号化が果たす役割は?(18分)

『2つのハバナを生きた男』 キューバ革命闘士マックス・レズニックの波乱万丈な人生

2007/5/7(Mon)

 男は夢見ました。「東西どちらの陣営からも縛られないキューバをつくりたい」と。そのせいで、キューバのハバナでもマイアミのリトル・ハバナでも、たいへんな人生が待っていたのです…。ドキュメンタリー映画The Man of Two Havanas (『2つのハバナを生きた男』)が、NYのトライベッカ映画祭で上映されました。主役のマックス・レズニックは、カストロらと親しく、一緒に革命を成功させましたが、アメリカの経済封鎖などを機にソ連に助けを求めたカストロと対立して地下にもぐり、やがてアメリカに亡命しました。しかし、CIA支援の反カストロ勢力には加わらず、キューバ政府転覆を狙った彼らのテロ活動に公然と反対したため、雑誌社を11回爆破されるなど、マイアミの亡命キューバ人たちに命を狙われ続けました。(24分)

ブラックパンサー党の日系人幹部リチャード・アオキはFBIの情報屋だったのか?

2012/8/23(Thu)

リチャード・アオキは日系アメリカ人でありながらブラックパンサー党の初代メンバー。パンサーの武装化を手助けした人物として伝説的な存在です。また1969年にはアジア系アメリカ人の活動家としてカリフォルニア州立大学バークレー校でストライキを指導しアジア系アフリカ人研究学部の設立に大きな貢献をしました。その彼がFBIの情報屋だったという疑惑が浮上し、アオキを高く評価する人々を驚愕させました。(34分)

スラヴォイ・ジジェク:欧州で勢いを増す反移民感情・極右発言

2010/10/18(Mon)

「寛容」を誇ってきた欧州で反移民的な言論が勢いを増し、一般市民の常識の歯止めを壊してひろがろうとしています。たとえば、2010年夏、フランスのサルコジ政権は少数民族ロマの国外「追放」政策を打ち出し、欧州連合(EU)諸国から激しい批判を浴びました。10月になると、1960年代以来、外国人労働者を受け入れてきたドイツのメルケル首相が、同国は多文化主義の社会構築に「完全に失敗した」とし、移民にドイツ社会への統合を迫りました。さらに2011年2月には英国のキャメロン首相が同国で育ったイスラム教徒の若者がテロの土壌となっているイスラム過激思想に走っているとし、英国の移民政策の基本となってきた多文化主義の政策、すなわち「異なる文化が互いに別々に、社会の主流から離れて存在することを勧めてきた」英国の政策は失敗だった、今後は「寛容さ」ではなく、西洋の価値観を守り国家アイデンティティーを強化する「より積極的で強力な自由主義」が必要だとする見解を表明しました。2010年10月、メルケル首相発言直後に行われたデモクラシー・ナウ!とのこのインタビューで、スラヴォイ・ジジェクは、極右の反移民的な言論を許容し発言権を与えてしまった欧州社会を厳しく批判しています。

米政府の経済封鎖による打撃がベネズエラのクーデターの試みを後押し

2019/1/25(Fri)

ベネズエラでは今年1月、マドゥロ大統領の二期目就任からほどなくしてクーデタの試みが起こりました。1月24日に野党指導者のフアン・グアイド国民議会議長が、マドゥロの就任は正統性がないとして自ら臨時大統領を名乗り、米国は即刻グアイドを承認し、親米諸国もそれに続きました。しかし、グアイド議長の呼びかけに応じる国民は少なく、軍もマドゥロ支持を表明し、クーデターの試みは失敗しました。それでも主要メディアの注目と米国を後ろ盾にグアイドはマドゥロ政権への揺さぶりを続けており、こう着状態が続いています。(31分)

ハリケーン被災の病院で起きた患者の集団「安楽死」

2009/8/31(Mon)

2005年8月ニューオーリンズ市がハリケーン・カトリーナで被災してから4年がたちました。ハリケーン襲来の後には多くの悲劇が起こりましたが、その1つに関する衝撃の詳細が長期にわたる調査によって明らかにされました。ニューオーリンズ・メモリアル医療センター(New Orleans Memorial MedicalCenter)では、ハリケーンによる洪水で電力供給が停止し、その後の数日間で45人の患者が死亡しました。ニューヨーク・タイムズ紙日曜版の別刷り雑誌に掲載された、異例の長文報告「メモリアル病院 死の選択」(The Deadly Choices at Memorial)は、多数の患者が「安楽死」させられた顛末を詳述しています。調査報道NPOプロプブリカ(ProPublica)の記者で、2年半もの歳月をかけて徹底的に事件を調査したシェリ・フィンク医師に聞きます。(22分)

シンディ・シーハン 悲しみにくれる母から反戦運動のリーダーへ

2007/5/30(Wed)

 シンディ・シーハンは2004年4月4日に、当時24歳だった長男のケーシー・シーハンをバグダッド郊外サドルシティで亡くしました。ケーシーは軍用車のメカニックとして駐留していました。 息子を失ったあと、シーハンは戦争の正当性に、アメリカの親たちが若い子供たちを奪われることの正当性に、疑問を投げかけ、米政府の責任者との面会を求め続けました。 彼女が一躍マスコミの注目を浴びるようになったのは、キャンプ・ケーシーと名づけられたテキサスでの座り込み行動からです。テキサス州クロフォードの郊外にブッシュ大統領が所有する農場の外で、大統領との直接面会を求めて1ヶ月間の座り込みを行ったのです。大統領はイラクからの全面即撤退を主張するシーハンとの面会を拒否しましたが、このキャンプは全米、そして全世界から注目され、集まってきた賛同者とマスコミで日々膨れ上がり、シーハンを世界的な反戦リーダーに押し上げました。 (16分)

伝説の労働活動家シーザー・チャベスの日

2008/3/31(Mon)

伝説的な労働活動家で公民権運動の指導者シーザー(セサル)・エストラーダ・チャベスは、米国の農場労働者たちの組合を初めて結成し、軌道に乗せた人物です。米国の農場労働者はメキシコをはじめとするラテンアメリカ諸国からの出稼ぎが多く、劣悪な労働条件で働く季節労働者です。米国で大きなグループを形成しているラテンアメリカ系移民(ラティーノ)にとって、農場労働者は米国における自分達の歴史を象徴するものであり、彼らの人間としての尊厳の回復は、ラティーノ全体の地位向上と結びついています。(18分)

共和党のゴモラ 党を破壊した運動の内幕

2009/9/4(Fri)

50年前マッカーシー議員や極右団体から攻撃されたアイゼンハワー大統領は、「彼らはそんな資格も専門知識もないのに、ただ騒ぎ立てることで意見を押し通そうとする」と党内の急進派の台頭を懸念しました。今の共和党の状況を不気味なほど言いあてていると、マックス・ブルーメンソールは語ります。共和党はキリスト教右派に乗っ取られてしまい、アイゼンハワーの共和党はいまやサラ・ペイリンの党になったのです。

チョコレートのほろ苦い経済 児童労働廃止はかけ声倒れ

2008/2/14(Thu)

7年前、カカオ農園での過酷な児童労働廃止への努力を誓ったカカオ/チョコレート業界。けれども世界のカカオの4割を産する最大の生産国コートジボワールでは子供たちがいまも農園で働き、危険な作業に従事しています。児童労働を余儀なくする大きな原因は、貧困。圧倒的なパワーを裏づけに農民を支配し、カカオの積出港で買取り価格を抑えに抑えて巨利を得る穀物メジャー。この構造的問題を解決する取り組みが不足しています。前半のゲストはコートジボワールで現地取材しフォーチュン誌に「チョコレートのほろ苦い経済」という記事を寄稿したジャーナリストのクリスチャン・パレンティと「世界カカオ基金」のウィリアム・ガイトン理事長。後半では、フェアトレード・チョコレート「スィオ・チョコレート」の創立者兼CEOのジョー・ウィニーが、第三世界での体験をもとにチョコレート・ビジネスのもうひとつのあり方を話します。(24分)

あなたもISPになれる デジタル格差を埋める非営利プロバイダ創始の手引き

2009/4/8(Wed)

連邦通信委員会(FCC)は4月8日、米国の全家庭に高速インターネット回線を普及させる計画に着手しました。72億ドルの景気対策予算がブロードバンド推進にあてられ、特に地域社会を基盤とする団体が助成対象となります。これは住民型ワイアレス・プロバイダの創設に絶好の機会だと、ノースカロライナの非営利プロバイダMAINのウォリー・ボウエン氏は言います。大手通信事業者に支払われるサービス料金は中央に吸い上げられ、ウォール街の投資家を潤すだけですが、このデジタル支出の一部を押さえて地域社会に還元し、住民メディアを支援しようというのが、地元奉仕型の非営利プロバイダの発想です。プロバイダ収入を、非営利番組の取材や制作の費用に充てることも可能です。(10分)

「プラン・メキシコ」麻薬撲滅に名を借りたNAFTAの軍事化

2008/7/31(Thu)

北米自由貿易協定(NAFTA)発効から15年、当初約束された経済繁栄とは裏腹にメキシコは米国に安価な労働力を供給する移民工場になっています。それに追い討ちをかけるように、ここへきてNAFTA軍事化の動きが顕在化してきました。ブッシュ政権が2008年6月に打ち出した麻薬撲滅政策「プラン・メキシコ」は、社会経済対策をおろそかにして軍事方面ばかりに力を入れています。初年度予算4億ドルの大半は、米政府と契約する傭兵会社とメキシコ軍の手にわたります。国境管理の強化は、麻薬と移民の流入を防ぎたい米国、武器流入を防ぎたいメキシコ側の共通の要求です。しかし、その裏には別の思惑もあるようです。(26分)

TPP 新たなリーク文書で国民の健康と医療への企業支配強化が鮮明になり 米国内の反発が高まる

2015/6/11(Thu)

世界的規模で巻き起こる反対運動にもかかわらず、大筋合意に向け最終段階に入ったと言われる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉。厳しい守秘義務が課され、議員でさえその膨大な内容と全体像が見えないとされ、その全容はいまだ闇の中です。ウィキリークスがこじ開けた穴からのぞくしかありません。そのわずかなリーク内容が発表されるたびに、あまりの不公平な内容になぜこのような条約が締結されようとしているのかと、各方面から強い反対の声が上がっています。この協定が成立すると、参加12カ国で世界GDPの約40%を占める自由貿易圏が形成されると言われます。今回取り上げた番組では、パブリックシチズンのピーター・メイバードゥクと、ヒューマンライツウォッチのジョン・シフトンをゲストに迎え、ウィキリークスが最近公表したリーク草案、「法的・制度的事項」の透明性に関する章の付属文書を基に、TPPの医療・医薬品問題や人権問題への影響について語っていただきます。(21分)

フレッド・ハンプトンの死 FBIとシカゴ市警によるブラックパンサー暗殺

2009/12/4(Fri)

1960 年代末、社会正義を求める米国の市民運動は疾風怒濤の時期を迎えていました。リベラルな白人たちをもまきこんだ人種差別撤廃運動は1964年の公民権法制定で輝かしい勝利をおさめましたが、1968年のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺やベトナム戦争など米国社会が抱える暴力は若者の怒りと不満を掻き立てました。中でも都市部のゲットーでは差別され職も希望も奪われたまま貧困にあえぐ黒人の若者たちが暴動を起こし、警察の暴力に直面していました。自分たちが手にしてもいない米国の「民主主義」を海外にもたらすためベトナム戦争のもっとも危険な前線に真っ先に送られるという理不尽な矛盾も彼らの怒りをあおりたてました。(24分)

エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相 前編

2007/6/5(Tue)

 アメリカでは超ベストセラーなのに、なぜか日本では紹介されない本。どうみても日本人の興味を引きそうなのに、いまだに翻訳が出ないのが不思議なのが、ジョン・パーキンスのConfessions of an Economic Hit Man(『エコノミック・ヒットマンの告白』)です。グローバリゼーションの原動力となってきた、企業利益中心(コーポレートクラシー)の合衆国の世界支配戦略を、経済面で推進する勢力の深部で働いてきたと称する人物が、いかにこのシステムが第三世界の貧国を欺いて巨万の富をまきあげてきたかを内部告発。かつて英仏がしたような直接の軍事占領や植民地支配を伴わないアメリカ帝国の搾取構造が、ある意味、非常にわかりやすく説明されています。(30分)

核ホロコースト 増大する核兵器事故の危険性とその秘密主義

2013/9/18(Wed)

著書『ファストフードが世界を食いつくす』で有名なエリック・シュローサー記者の新著<cite>Command and Control: Nuclear Weapons, the Damascus Accident, and the Illusion of Safety</cite>(『指揮と統制:核兵器、ダマスカス・アクシデント、そして安全幻想』)によると、米国はこれまで何度も、すんでのところで自国での核爆発事故を避けてきました。それどころか、考えられないような単純なミスが原因で、戦争勃発まで間一髪の状態になったことすらあるのです。(16分)

マイケル・ポーランが語る遺伝子組み換え産業による食の支配─遺伝子組み換え食品の表示をめぐって

2012/10/24(Wed)

ジャーナリストでベストセラー作家のマイケル・ポーラン教授が再登場。カリフォルニア州で州民投票に掛けられた、遺伝子組み換え食品の表示を義務付ける「提案37号」を中心に、米国における食の運動とその周辺を語ります。食品の工業化の弊害を告発し続けるポーラン教授は、企業に与えられた「言論の自由」と産学官の「回転ドア」によって、モンサントやデュポンなど遺伝子組み換え推進派の巨大企業が二大政党とマスメディアを支配している構造を明らかにし、大金をかけて自然で健康的な食生活を維持できる富裕層と、選択肢を奪われて工業化された食を強制される圧倒的多数へ、食の階層化が進行することを強く懸念しています。

「命名のポリティクス」 マフムード・マムダニが語るダルフール

2007/6/4(Mon)

2007年5月末ブッシュ大統領はスーダン政府に対する新たな経済制裁措置を発表し、スーダン政府系企業31社を米金融機関から締め出しました。これは米国の団体「ダルフールを救え」同盟の広報活動の成果とされています。しかし、スーダン国内で活動中の援助団体からは反発を買っています。「ダルフールを救え」は現地の救援活動を危険にさらすような提案をする一方、集めた数百万ドルの寄付はダルフール難民のためには使われていないというのです。世界有数のアフリカ研究者、コロンビア大学のマフムード・マムダニ教授が、米国内のダルフール支援キャンペーンの問題点について語ります。(24分)

ボリビア改憲案に反対し 裕福な東部4県が自治宣言

2007/12/17(Mon)

 ボリビアの憲法改正プロセスは、反対派の妨害で長い間中断されていましたが、モラレス大統領と、彼の率いるMAS(社会主義運動党)は、ついに新憲法の草案を一時承認し、大統領に手渡す儀式を行いました。これを歓迎する西部高地の住民は数万人集まり、首都ラパスで行進を繰り広げました。一方、改憲に強く反対しているサンタクルス、タリハ、ベニ、バンドの4県は、自治宣言を行い、その「祝賀」を大々的に行いました。 (8分)

『戦争の身体』~(1) イラク傷痍軍人トーマス・ヤングの反戦運動を描く映画 

2008/3/25(Tue)

トーマス・ヤングが、退役軍人の日の前日、妻に看取られてひっそりと亡くなりました。イラクで負傷し、半身付随になりながらも薬物中毒から立ち直り帰還兵の反戦運動に身を投じた活動家です。彼を描いた2008年のドキュメンタリー映画Body Of War (『戦争の身体』)は大きな話題になり、他の帰還兵たちよりも脚光を浴びましたが、背後には同じような悲劇が無数に存在します。日々の生活の格闘から遂に力尽きるまでの彼の人生の軌跡は、9.11事件後の世界で戦争に突き進んだ米国の悲劇をきれいになぞっています。(31分)

ガザ解放船がキプロスを出航 イスラエルの封鎖を破れ!

2008/8/22(Fri)

漁船を改造した2隻の船が今日キプロスを出ました。目的地はガザです。イスラエルの封鎖に抗議し、ガザ解放を世界に訴えるため、17カ国から集まった40人以上の人々が乗り込んでいます。イスラエルは、ガザからは撤退したといいながら、国際赤十字や人道団体援助の立ち入りさえ許さない非人道的な封鎖をつづけているからです。イスラエルは彼等を海賊とよび、ガザに近づけば実力で阻止すると宣言しました。リバティ号とフリーガザ号の船上から3人の活動家の話を聞きました。(11分)

ジュリアン・アサンジが語る『ウィキリークス』

2010/12/31(Fri)

デモクラシー・ナウ!にとって、2010年は、ウィキリークスの年でした。デモクラシー・ナウ!では、米軍のヘリコプターの狙撃兵がイラクの民間人をまるでビデオゲームを楽しむかのように銃撃し、計12人を殺害したときに録画された2007年の生々しいビデオをウィキリークスが公開し世界を震撼させた2010年4月、当時ワシントンDCにいたウィキリークスの共同創設者で編集長のジュリアン・アサンジを中継で番組に登場させたのを皮切りに、6月の9万点以上に及ぶアフガニスタン戦争の米軍機密文書公開、10月の39万点余のイラク戦争に関する機密文書公開に際しても、主要メディアに先駆けて、ジュリアンをマークし本人や関係協力者の声を大きく取り上げ続けました。

「資本主義と気候の対決」ナオミ・クライン

2014/9/18(Thu)

ベストセラー『ショックドクトリン』から7年、ナオミ・クラインの待望の新著は気候変動の問題を支配イデオロギーの側面からとらえます。地球温暖化の真偽をめぐる論争は、純粋に科学的な関心に基づくものと思ってはいけません。少なくとも米国においては、懐疑派は共和党、肯定派は民主党と、支持政党によってきれいに分かれており、その本質はきわめて政治的かつ思想的な対立です。(35分)

エジプト モルシ大統領解任 ふりだしに戻った民主化への道

2013/7/16(Tue)

エジプト初の民主選挙で選ばれたモルシ大統領は2013年7月3日、軍部によって大統領を解任されました。アラブの春と呼ばれた2011年の民主化運動でムバラク大統領が追放されて2年。解任される直前の6月30日には、モルシ大統領の出身団体ムスリム同胞団の本部が襲撃されるなどエジプト全土でモルシ氏解任を要求する大規模なデモが起きていました。モルシ大統領の在任中、主要産業である観光が低迷、失業率も2012年末に13%を超えていたのに加え、政権に批判的な活動家やジャーナリストを逮捕するなど強権的な政策への批判が高まっていました。形の上では民主的な選挙で選ばれたモルシ大統領に期待した国民の不満は高まる一方でした。(21分)

ファタハとハマスの和睦で5年ぶりにパレスチナ統一?

2011/4/28(Thu)

2006年1月、パレスチナ立法評議会の選挙が行われ、イスラム主義政党ハマスが過半数の議席を獲得、パレスチナ解放機構(PLO)の中心勢力ファタハを下しました。しかしイスラエルの「生存権」を承認しない政党だとして、イスラエルはハマスとの交渉を拒否、ファタハのアッバース大統領は緊急事態を宣言してファイヤド内閣を西岸地区に発足させ、欧米主導の和平交渉からハマスは排除されました。カルフォルニア大学のサリー・マクディシ教授が、2011年4月に流れたハマスとファタハが和解したとのニュースについて話します。(13分)

メープルの春:ケベックが連帯の赤であふれた大規模学生スト

2012/5/25(Fri)

アラブの春から1年。公正で平等、真に民主的な社会を求める若者たちの運動は、カナダのケベック州に飛び火しました。きっかけは2012年2月、州政府が発表した7年間で75%の学費値上げ案。これに抗議して学生たちのデモや授業ボイコットが始まったのですが、紛争の火に油を注ぐことになったのは、与党自由党が成立させた非常事態法「特別法第78号」でした。「50人以上の集会やデモは8時間前に警察にルートを届け出なければならず、違反した団体は12万5000カナダドルの罰金を科す」。あからさまに学生や市民の運動つぶしの内容です。これには市民も怒り、スト100日目にあたる5月22日には40万人が州都モントリオール市内で抗議行動を行いました。学生ローンで赤字まみれになった学生たちへの連帯を示して、人々はシンボルの赤いマークを胸に着け、鍋釜をたたいて通りにくりだし政府への不満を街に響き渡らせました。赤い旗が翻る「メープルの春」が始まったのです。運動は緊縮財政と学生ローンに苦しむ世界の若者の共感を呼び、ニューヨークやパリでも連帯のデモが行われました。

ミシェル・アレグザンダー:現在の黒人大量収監のルーツは奴隷制度やジム・クロウ法に

2015/3/4(Wed)

☆ この動画は、「学生字幕翻訳コンテスト2015」の特別審査員賞の受賞者の作品です。

ミシェル・アレグザンダー教授へのインタビューの続きです。このセグメントでは、米国における黒人の異常な収監率の実態と、その裏にある歴史的な黒人労働力の搾取の問題に焦点を当てています。ファーガソンの住民の集団訴訟では、黒人を標的とした刑事司法システムを「現代版の債務者監獄」と呼んでいます。借金が返済できないと投獄され、働くか金を工面するかするまで収監されるという19世紀以前の制度が、現在の米国の刑事司法によって再現されているというのです。ほんの些細な違反をもとに黒人を検挙し、罰金→未納を理由に逮捕→実刑判決という流れでどんどん犯罪者をつくり出し、前科者の烙印を押して普通の生活ができにくくし、結局は刑務所を出たり入ったりの人生に陥れるという、いわば刑事司法による再奴隷化のシステムです。(16分)

NY市警に沈黙の抗議 マイノリティ市民の自由を奪う路上尋問

2012/6/19(Tue)

仕事や通学、何かの用事ででかけたり友人を訪ねたりの途上。そういえば、「ベンチにすわって星をながめていただけなのに」という若者の話も聞いたことがあります。突然、警官が現れて、お前は誰だ、ここで何をしていると問いただされる。ボディチェックされたり、拳銃をつきつけられることすら。なぜ?理由は、おそらくあなたが黒人だったりラティーノだったりするから。それだけで十分、あやしげな奴なのです。2011年、「ストップ・アンド・フリスク(stop-and-frisk)」と呼ばれるNY市警の「路上尋問」活動は約70万回、実施されました。(12分)

チャベス大統領の改憲案 国民投票で否決

2007/12/17(Mon)

アメリカのブッシュ大統領の圧力に負けず、中南米で左派勢力を広げる中心的役割を果たしてきたチャベス・ベネズエラ大統領。大統領の連続再選は1回までとしている現憲法に対し、任期の制限を撤廃する内容を含んだ改憲案を出していましたが、昨年12月の国民投票で、僅差で否決されました。チャベス大統領はこの敗北を受け、2012年に退陣すると発表しました。(13分)

『アメリカのファシスト』急進的キリスト教右派の政治的野望 前編

2007/2/19(Mon)

クリス・ヘッジズの新著は、ドミニオニズム(支配主義)運動と呼ばれる比較的新しいキリスト教右派を取り上げています。選挙における絶大な力を通して共和党に大きな影響力をふるうこの運動は、アメリカにキリスト教国家を打ち立て、絶対権力を握ることを目指しています。彼らがのし上がってきた背景は1920年代から30 年代にかけてのイタリアやドイツのファシズム草創期に酷似していると、ヘッジズは警告します。

ランダル・ロビンソン 「記憶」の力を語る

2012/1/13(Fri)

言葉 文化 ルーツなど、集合的な記憶は集団に力を与え、だからこそ、それを都合良く作り変えようとする動きは後を絶ちません。米国の黒人の場合は、奴隷にされ記憶をごっそり奪われるという体験を余儀なくされました。市民団体 「トランスアフリカ」の創設者、ランダル・ロビンソンの新作小説『マケダ』は、公民権運動の黎明期を舞台に人種隔離下のバージニア州 リッチモンドで一人の青年が盲目の祖母を通してアフリカにルーツを発見し大人になっていく追い、記憶の力を描きます。(10分)

再教育キャンプ、潜入と監視:中国政府によるウイグル人ムスリムの迫害

2018/12/6(Thu)

中国政府によるウイグル弾圧の実態を告発したルシャン・アッバースへの単独インタビューです。それによれば、中国西端の新疆ウイグル自治区では、住民の半分近くを占めるウイグル人や他のイスラム教徒への迫害が激化しており、失踪者が相次ぎ、推定200万人ともいわれる人々が強制収容されています。中国政府は2018年になって施設の存在を認めましたが、これは収容所ではなく「過激主義者」を再教育するための職業訓練センターだとしています。しかし、過密状態で劣悪な環境におかれ拷問も行われているという証言もあるようです。また、収容者の子供たちも強制的に孤児院に入れ、非ウイグル化教育を施しているようです。(29分)

コミュニティ・オルガナイザー達が共和党の攻撃に反論

2008/9/10(Wed)

バラク・オバマが米国大統領としてユニークなのは、彼の人種的な背景だけではありません。もうひとつ重要な点は、政界入りする前にコミュニティ・オルガナイザー(地域活動家)としてはたらいた経験があることです。コロンビア大学卒業後しばらくして彼はシカゴに移住し、教会関係のプロジェクトにかかわりコミュニティ・オルガナイザーとして3年間働きました。米国の草の根民主主義を支えるコミュニティーオーガナイザーとは、どんな存在なのでしょう?(9分)

ペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム機密文書)を世に出した3人の男たち 2:マイク・グラベル

2007/7/2(Mon)

「ペンタゴン・ペーパーズ」とは、ベトナム戦争に関してアメリカ政府がどのように政策決定を行ってきたかを第二次大戦直後からの歴史をたどって分析した国防総省の7000ページにわたるベトナム機密文書の俗称です。そこには米国政府が不拡大を約束しながら、じつはトンキン湾事件をでっちあげて直接介入を始め、北ベトナムだけでなくラオスやカンボジアも爆撃して故意に戦線を拡大したことなど、歴代の政権が国民を欺いて"泥沼"の戦争に引きずり込んでいった経緯が如実に記されています。この最高機密文書の一部を、1971年6月13日ニューヨーク・タイムズ紙がスクープしました。 (19分)

『地球が燃えている』 ナオミ・クライン(2) グリーン・ニューディールの提言

2019/9/17(Tue)

ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。 パート2は、グリーン・ニューディール(GND)の提言について。GNDは今や誰もが口にする流行語のようになりました。推進派も反対派も含めて、いろんな立場の人々がそれぞれのGNDを語っています。ではラインの主張するGNDはどんなものなのでしょうか?  それは地球の危機に見合うような規模の大転換を迅速に行うアプローチです。ただし、単なるエネルギー転換とCO2の大削減だけではなく、それと並行して現在の社会経済全体のゆがみを是正し、より公正なものにする方策を同時に行います。そのためには賢明な政治リーダーに任せるだけではなく、グラスルーツの運動による強力なプッシュが必要です。それによって現行の経済システムで搾取され虐げられてきた地域や人々に対する賠償と回復の手助けをするものでなければいけません。(11分)

ウィキリークスの背景には、ハッカー文化が

2010/7/27(Tue)

ウィキリークス創立者ジュリアン・アサンジはコンピュータ・ハッカーの出身です。7月に開かれた世界ハッカー会議(HOPE)でも講演する予定でしたが、当局の弾圧により出席を見合わせました。この会議では、ウィキリークスに機密情報を渡した疑いで逮捕された米軍兵士ブラッドリー・マニングを当局に通報したエイドリアン・ラモが、他のハッカーたちから「裏切り者」としてつるし上げを食らいました。HOPE会議を主催した通称"エマニュエル・ゴールドスタイン"から、ハッカー社会とウィキリークスの関わりについて興味深い話を聞きます。(17分)

カリフォルニア巨大刑務所システムの内情

2009/9/9(Wed)

カリフォルニアの刑務所には約16万人が収監されています。州の受刑者数は全米最多であり、収容施設の定員の2倍を超えています。しかし、カリフォルニア州は深刻な財政危機のまっただ中にあり、刑務所予算の削減も必至の状態です。刑務所の過密収容状態を問題視した連邦裁判所は2009年8月、カリフォルニア州に対し、今後2年で収容者の数を4万人以上減らすよう命じました。州知事による延期の嘆願も却下され、一部囚人の早期釈放を認める法案が提出されました。(9分)

公民権活動家ユリ・コウチヤマの回想 マルコムXとの友情、日系人収容所の経験

2008/2/20(Wed)

公民権運動の活動家で日系二世のユリ・コウチヤマさんが、2014年6月1日カリフォルニア州バークレーで、93歳で亡くなりました。第二次世界大戦中に日系人収容所に入れられ、米国南部の人種差別を目の当たりにしたことから政治活動にめざめたそうです。日系人への差別と黒人差別に共通するものを見出し、人種間の平等や社会正義の実現を求めて闘うようになりました。後に夫のビル・コウチヤマと共にニューヨークのハーレムに住みつき、黒人解放やブラックパンサーの運動を支援し公民権運動に深くかかわりました。

50年ぶりの米大統領プエルトリコ訪問

2011/5/25(Wed)

オバマ大統領は2011年6月、ジョン・F・ケネディ大統領以来、現職大統領としては50年ぶりにプエルトリコを公式訪問しました。2012年大統領選での本土ヒスパニック系住民からの支持を得るためとみられます。Harvest of Empire: A History of Latinos in America(『帝国の収穫:米国のラティーノの歴史』)の著者でプエルトリコ出身のフアン・ゴンザレスに聞きます。(7分)

追悼:マニング・マラブル、その生涯と遺作『マルコムX:創られた人生』

2011/4/4(Mon)

2011年4月1日、遺作Malcolm X: A Life of Reinvention(『マルコムX:創られた人生』)の発売数日前に亡くなったマニング・マラブル氏の功績と人となりを、学問と活動の分野で後輩にあたる知人2人が回想します。ジョージタウン大学の社会学者で、Making Malcolm: The Myth and Meaning ofMalcolm X(『マルコムXの誕生  マルコムXの神話とその意味』)の作者でもあるマイケル・エリック・ダイソンとマラブルの友人であり長年、労働・人種問題のアクティビストとして活動しているビル・フレッチャー・ジュニアが故人について語ります。(17分)

FRBの6000億ドルの追加金融緩和は通貨戦争の懸念を煽る

2010/11/5(Fri)

このところまた円高が進んでいます。円高のたびに国内産業の危機が叫ばれ、日本政府はバカの一つ覚えのように市場介入を行い、ため込むしか能のない米国債をますます増やしています。なんとも馬鹿らしいはなしですが、世界全体で見れば「通貨切り下げ競争」にふたたび火がついた格好です。かつては通貨切り下げ競争のような他国経済を犠牲にするやり方が第二次世界大戦につながったと言われています。ぶっそうな話ですが、マイケル・ハドソンによれば、いまや金融が戦争の新形態なのです。(18分)

タビス・スマイリーがオバマ大統領とキング牧師を徹底比較

2010/3/29(Mon)

黒人初の米国大統領バラク・オバマ政権が誕生してから1年あまり、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された4月4日を目前にした2010年3月29日にオンエアされたこのセグメント。米国の公共放送PBSでオバマ大統領とキング牧師を徹底的に比較した番組を制作したテレビ司会者で作家のタビス・スマイリーがゲストです(26分)

ブッシュ政権の拷問政策にオバマはどう対応すべきか? 後編

2009/5/20(Wed)

ブッシュ政権が残した大問題の一つは、拷問の合法化です。5月に拷問メモがオバマ政権の手で公開されたことを受け、パウエル長官の元側近が尋問はイラク戦争を正当化する理由をみつけるためだったと証言したり、拷問の合法化にかかわったブッシュ政権の法律顧問12名の弁護士資格を剥奪せよという運動が始まったりしました。米国の外でも、スペインのガルソン判事が同国の司法長官の反対を押し切ってグアンタナモにおける拷問の採用と、それを合法化したブッシュ政権の法律顧問に対する捜査を始めました。(14分)

ジュリアン・アサンジとスラボイ・ジジェクの対談 Part 1 ウィキリークスの理念と影響、マニング、米国での大陪審

2011/7/5(Tue)

2010年12月ロンドンの監獄からは保釈されたものの、以来ずっとノーフォークの邸宅に軟禁状態に置かれてきたジュリアン・アサンジが、スウェーデンへの身柄引き渡しに抗告する上訴審を間近に控えた7月2日、初めて公開の場に姿を見せました。スラボイ・ジジェクと長時間の対談を行い、司会はエイミー・グッドマンという、たいへんに珍しく興味深いイベントです。主催のフロントライン・クラブは、最前線で命を落とした戦争ジャーナリストを記念して設立された団体です。二時間に及ぶ興味深い対話を2回に分けてお送りします。(45分)

「貧困の終焉?」グローバル経済の収奪構造をえぐるドキュメンタリー

2009/11/10(Tue)

オバマ大統領は2009年秋の国連総会で「極貧の撲滅をめざす」と宣言しました。しかし国際通貨基金(IMF)や世界銀行の予測では、世界金融危機の影響で途上国では貧困に分類される人の数が5300万人も増加します。国連調査では人類の3分の1以上が1日2ドル未満で暮らしています。こんな状態で、どうやって貧困をなくせるのか?経済版「不都合な真実」と呼ばれる映画『貧困の終焉?』(The End of Povertty?)は、世界には十分な資源があるのに何十億人が飢えているのは、途上国から先進国に富が流れ続ける不正な収奪システムがあるためだと説明します(20分)

「味方がないのに真実を訴えるのは、学者として途方もない勇気がいる」 ホロコースト産業を批判するフィンケルスタイン教授に圧力

2007/5/9(Wed)

 政治学者ノーマン・フィンケルスタインは、イスラエルの政策に対する強烈な批判で米国では異彩をはなっています。2000年に出版した『ホロコースト産業』では、米国のユダヤ系支配層やイスラエルが、ホロコーストという民族の迫害の記憶を利用して、自分たちの利益を増進し、ユダヤ文化の伝統を損なってきたと論じ、痛快な批判を繰り広げました。第二次世界大戦中にスイスの銀行がユダヤ人の資産を着服したとして、ユダヤ系の団体が一斉に騒ぎ立て補償を求めた事件について、あれは何の根拠もないゆすりだったと暴き、アメリカの外では大ベストセラーになりました。デモクラシー・ナウ!にもしばしば登場し、イスラエル支持の論客と鋭い論争を見せていました。 (19分)

一国家それとも二国家? パレスチナ=イスラエルの未来に向けた新しい展望 前編

2006/11/28(Tue)

 2006年の秋、カーターはイスラエルの占領政策を「アパルトヘイト」という言葉を用いて批判する本を発表し、大きな論争を巻き起こしました。CNNテレ ビの「ラリー・キング・ライブ」にも出演して、占領の現状を率直に批判するとともに、この問題がいっさい報じられず、議論もされないことが、アメリカの大 きな問題だと指摘しました。(前半:12分)

マイケル・ポーランが語る遺伝子組み換え産業による食の支配─ニューヨーク市の甘味料入り清涼飲料水販売規制をめぐって

2012/10/24(Wed)

ジャーナリストでベストセラー作家のマイケル・ポーラン教授が再登場。カリフォルニア州で州民投票に掛けられた、遺伝子組み換え食品の表示を義務付ける「提案37号」を中心に、米国における食の運動とその周辺を語ります。食品の工業化の弊害を告発し続けるポーラン教授は、企業に与えられた「言論の自由」と産学官の「回転ドア」によって、モンサントやデュポンなど遺伝子組み換え推進派の巨大企業が二大政党とマスメディアを支配している構造を明らかにし、大金をかけて自然で健康的な食生活を維持できる富裕層と、選択肢を奪われて工業化された食を強制される圧倒的多数へ、食の階層化が進行することを強く懸念しています。

フルーツの政治学とミラクルベリーの秘史

2008/7/9(Wed)

モントリオール在住の作家アダム・リース・ゴルナーに、彼の新著について聞きました。本の表題は『フルーツ・ハンター 自然と冒険と商業と執着の物語』。 この本の取材でゴルナーは世界中を旅し、「果物の忘れられた歴史」を探ってきたといいます。彼が発見した彩り豊かでちょっぴり皮肉な「果物の地政学」をご紹介しましょう。(12分)

マイケル・ムーア自らを語る 映画づくりと政治活動(後半)

2010/7/5(Mon)

「ブッシュ大統領、恥を知れ」。罵りと同時にマイクがさがり始め、それまでの満場の拍手がブーイングの嵐にかわる。極めて異例のアカデミー賞受賞スピーチ映像がテレビを通じて世界中を駆け巡ってから、もう7年。1989年の劇場用長編ドキュメンタリー映画『ロジャー&ミー』による衝撃的デビュー以来、多国籍企業の専横と暴力信仰に代表される米国の政治文化と、強欲が支配する現代社会の在り方を一貫して批判し、次々と問題作を発表し続けている映画作家のマイケル・ムーアが、20年にわたる映画人生を振り返る特別インタビュー。

我々が投票したコミュニティ活動家はどこに?

2009/11/19(Thu)

経済破綻から1年を経て、米国では衝撃的な現実が生まれています。金融業界は過去最高益に湧き巨額のボーナスを支給していますが、飢えに苦しむ人々の数は政府予想を大幅に上回っています。食事に事欠いたことのある米国人は、2008年に5000万人に達しています。
このような経済恐慌を引き起こしておきながら銀行家に反省の色は見られません。ゴールドマン・サックス会長は、同社の高収益は自分たちの手腕が「神の御業」に達したからだと方言してはばかりません。「業界の高収益がむかつくのは金の出所が我々だからだ」とジャーナリストのロバート・シーアは米国の金融資本主義による国民からの収奪を手厳しく批判します。(15分)

ボリビア大統領エボ・モラレスに聞く 少数民族の権利、気候変動、イラク情勢、イランとの国交樹立、チェ・ゲバラの功績 前編

2007/9/26(Wed)

 ボリビア発の先住民族出身の大統領、エボ・モラレス大統領は、2007年9月、国連総会演説のために、NYを訪問しました。デモクラシー・ナウ!では単独のロングインタビューを行い、演説の内容、イランとの関係、民主主義のあり方などについて話を聞きました。 (30分)

反米すすむラテン・アメリカ 前編 チャベスからブッシュへ「アメリカ野郎 帰れ」

2007/3/12(Mon)

 今、中南米で異変が起きています。アメリカにNOを突きつける国が増え、しかも力をつけてきているのです。  アメリカは、1823年にモンロー主義をかかげて以来、ラテンアメリカを「アメリカの裏庭」として支配力を保持し、経済的にも政治的にも大きな影響力を持ち続けてきました。アメリカと親米政権の間で取り交わされてきた新自由主義経済の結果、激しい貧富の差が生まれ、深刻な問題となり続けてきました。そこに不満を募らせ、貧困層にも富を分配しようという勢力が出てくると、アメリカは「危ない共産主義国を民主化する」という謳い文句で反政府ゲリラを組織・支援し、経済封鎖も行なったりして、それらの勢力の抑制におおむね成功してきました。ところがここにきて、べネズエラが突きつけたNOを、アメリカが簡単には翻せない状況が起こっているのです。(15分)

警官か兵士か?ファーガソンで市民の抗議に地元警察は戦争なみの軍備で対応

2014/8/15(Fri)

ファーガソンは、大多数が黒人住民であるコミュニティを白人が圧倒的多数を占める警察が強権的に取り締まるという、火だねを抱えた街でした。そんな緊張をはらんだ背景で起きた事件で、人々の怒りの火に油を注ぐことになったのが、射殺事件直後の治安当局の対応でした。市民による抗議に軍隊なみの武装で立ち向かったのです。エリック・ホルダー司法長官は地元警察による「軍事装備と軍車両の配備」が「送り出すメッセージを深く懸念している」と述べました。しかし、ホルダーが口にしなかったのは、連邦政府が警察への軍隊装備の提供に一役買っていることです。(13分)

『汚い戦争』―世界に広がるオバマの戦争

2013/1/22(Tue)

10周年を迎えたサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門で初上映された映画『汚い戦争:世界は戦場だ』を制作した調査報道記者のジェレミー・スケイヒル氏と映画監督のリック・ローリー氏が、アフガニスタン、イエメン、ソマリアで拡大を続ける米国の秘密戦争について語りました。2期目を迎えたオバマ大統領は長期にわたる戦争を終結させると宣言したものの、国家機密特権や無人機爆撃を強化し、ブッシュ政権以上に戦争を拡大させた戦争政権だと語ります。

酷暑の地球 今後50年の生活

2011/4/15(Fri)

マーク・ハーツガードは1988年以降に生まれた世代を「酷暑の世代」(Generation Hot)と呼び、世界で20億人いるというこの世代が、灼熱の地球で生涯をすごさねばならない温暖化の被害者だといいます。1988年は、アメリカ航空宇宙局NASAのジェームス・ハンセン博士が、米議会で初めて地球温暖化が進行していると証言した年です。翌年エクソンなどの石油業界は地球気候連合(Global Climate Coalition)を設立、CO2排出規制に反対するロビー活動を開始し、地球温暖化を否定する論調が米国で増えていきました。1988年以来、20年以上がすぎ「異論を唱えるのは、FOXニュースか下院の共和党だけです」とハーツガードは言います。2011年4月にも、共和党が多数を占める米下院が、温室効果ガスを規制する権限は米環境保護庁にないとする法案を通過させたほか(上院で否決)、2012年度の気候変動予算をカットするなどオバマ大統領の環境政策の巻き戻しを図っています。

温室効果ガスは予想を超えた速さで増加中 新政権の対策は? 後編

2009/2/26(Thu)

ブッシュ政権の8年間、京都議定書も国際世論も無視して地球温暖化の現実から目を背け続けた米国も、オバマ政権の誕生でようやく排出量を規制する方向へと舵を切りつつあります。しかし、最近IPCCの第2作業部会共同議長に就任したクリストファー・フィールド教授は、IPCCの従来予測は1990年代の世界各国の排出実態を基に、その時点で設定された与件にもとづいて策定されたものであることを指摘し、2000年以降、全世界規模で温室効果ガスの排出が激増した今となっては、現実的な排出量増加曲線は予測幅の上限を遥かに超えていると警告しています。(16分)

「長き一夜」強制収容所の歴史と今日における他者排斥の風潮 アンドレア・ピッツァー (2)

2017/9/21(Thu)

強制収容所は植民地支配の一環として誕生しました。ピッツァーによれば、19世紀末、植民地の反乱に手を焼いたスペインがキューバ植民地に最初に導入しました。ゲリラ軍に利用されないように農村の人々を強制移住させ収容所に押し込めたのです。でも収容所の環境は劣悪で死者が続出しました、当時、米国の新聞はこの惨状を大々的に報じてスペインを避難し、米西戦争に向けて世論をあおりました。でも、スペインから引き継いだフィリピン殖民地では、米国自身が同じような強制収容所を建設することになりました。植民地の抵抗に悩む他の国々もこの手法を取り入れ、世界各地に広がることになりました。イギリスはケニアで、フランスはアルジェリアで、米国はベトナムで村人の強制収容を行いました。(9分)

パレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュ死去

2008/8/11(Mon)

パレスチナを代表する詩人、マフムード・ダルウィーシュが8月に亡くなりました。持病の心臓病の悪化のため米国で手術を受け、そのまま帰らぬ人となりました。遺体はパレスチナのラマラに運ばれ、ヤセル・アラファートに次ぐパレスチナで2人目の国葬が執り行われました。彼の死を悼み、パレスチナでは3日間の喪服期間が宣言されました。一介の詩人が、これほどまでに人々に敬愛され惜しまれるのはなぜなのでしょう? 「敗北したトロイの語り部になろうと決意した」というダルウィーシュが、パレスチナやアラブ世界全体にとってどんな存在意義を持ったのか話し合います。(28分)

テレビに映らないW杯 警察の取り締まり強化と強制退去

2014/6/16(Mon)

2014年サッカー・ワールドカップ(W杯)開幕日、リオデジャネイロ、サンパウロ、首都ブラジリアなどブラジルの主要都市でデモ隊と警察の衝突が起きました。警察が催涙弾や閃光弾を発射、実弾も使用されたもようです。ルセフ大統領は前日に「デモの権利は尊重するが、暴力行為は一切見逃さない 」と警告していました。背景には混沌としたブラジル経済がありました。ブラジルは1970年代に高度成長時代を迎えましたが、その後、不安定な時期が続きます。2003年のルーラ政権以降は堅調に推移していましたが、2008年のリーマンショックで大きく落ち込みます。しかし2010年に一時的に7%の経済成長率を示し、「エコノミスト」誌は「奇跡の復活」と報じました。ブラジル政府はこの復活を機に、ワールドカップサッカーと夏季オリンピックの両方を開催国し、大国の仲間入りを果たそうとしたのだとデイブ・ザイリンは言います。(17分)

ダニエル・エルズバーグ:内部告発者のテロリスト扱いに抗議

2010/12/31(Fri)

デモクラシー・ナウ!の2010年6月のインタビュー(「米軍内部告発者の逮捕、ウィキリークスは地下に潜る」)で、ダニエル・エルズバーグが、ジュリアン・アサンジは「逮捕以上の危険」「誘拐、特例拘置引き渡し、拷問、暗殺の危険にさらされている」と語った時には、まさか暗殺までは(?)とも思われたのですが、2010年秋以降のスエーデン司法当局を前面に立ててのアサンジ追撃には米国の陰も見え隠れし、1971 年、ベトナム戦争に関する国防総省の機密文書をリークした米国一有名な内部告発者ダニエル・エルズバーグの体験から出た警告の重みがずっしり感じられるようになってきました。

民主党は議事妨害を口実に公的医療保険の選択肢を法案から排除

2010/2/25(Thu)

オバマ大統領が最重要の政策課題として取り組んできた医療保険制度改革は3月末にようやく法案が通過しました。民主党は悲願の成就として自画自賛しますが、そこには国民の多数が望んだ「公的医療保険」は選択肢としてさえ含まれていません。オバマの選挙公約であり、多くの先進国であたりまえとなっている公的医療保険制度の導入が、どうして実現できないのか?議事妨害(フィリバスター)によって法案の通過が阻止されるため、上院では共和党に譲歩せざるをえないと民主党は弁明しましたが、ほんとうなのでしょうか?この法案を通過させるため2月末にオバマが開いた超党派の議員サミットをめぐり、グレン・グリーンウォルド弁護士が実情を語ります。(20分)

グアンタナモ米軍基地 テロ容疑者収容開始から6周年

2008/1/11(Fri)

米国がキューバのグアンタナモ基地に、「テロとの戦い」と称するもので捕らえた人々を違法に拘束し始めたのは、2002年1月11日のことです。この6年間に「敵性戦闘員」とされる800人以上の男性(未成年者も含む)たちが、訴追手続きなしで収監されています。グアンタナモ収容所には米国の法律もキューバの法律も適用されず、収容者は戦争捕虜としても扱われません。おまけに法による保護を奪われた収容者たちには、情報を引き出す手段として心理学や医療の力を借りた拷問が加えられています。グアンタナモ収監者の惨状について「憲法上の権利センター」代表のマイケル・ラトナーに話を聞きます。(20分)

移民法改革案「法律はいつも細部にワナがある」

2013/4/11(Thu)

二期目のオバマ政権で動き始めた移民改革法案 についてフアン・ゴンザレスが解説します。ゴンザレスは、この法案は21世紀の米国のありようを問うものだと言います。国内1100万人とも言われる無届移民に対して先行き不透明なオプションを提示する一方、国境警備の強化を柱とする法案は、すでに米国にいる低賃金労働者は確保しつつ移民の流入を制御する、一石二鳥を狙った法案ではないでしょうか。(9分)

マヌエル・セラヤ独占インタビュー(1)

2011/5/31(Tue)

2009年にクーデターで国外に追われたホンジュラスのセラヤ大統領が本国に帰還した時のインタビューです。ホンジュラスは1980年代、レーガン政権によるニカラグアのサンディニスタ政権転覆計画の拠点となり、中米ではコスタリカとならんで対米関係を重視する国とされていました。セラヤ大統領も就任当時は前体制を踏襲していましたが、2007年の原油高騰をきっかけにそれまでの親米路線を転換し、2008年、ベネズエラ主導の石油価格協定ペトロカリベ(Petrocaribe)と米州ボリバル代替構想(ALBA)に加盟すると発表 しました。(22分)

アラブの春で米国のイスラエル=パレスチナ政策は変わったのか?

2011/5/20(Fri)

Jストリートという団体を耳にしたことはあるでしょうか。このセグメントに登場するジェレミ・ベン=アミが共同代表をつとめる、米国の親イスラエルロビー団体です。米国のイスラエルロビー団体として有名なものとしては、AIPAC(アメリカ・イスラエル広報[公共問題]委員会)やADL(名誉棄損防止同盟)などがありますが、近年とみに会員を増やし、発言力を増してきたのがJストリートです。Jストリートの主張とはどんなものでしょう。

オバマ大統領がインドに売りにいったもの

2010/11/8(Mon)

2010年11月、オバマ米大統領は3日間をかけてインド訪問。目的は、「セールス」。折しも中間選挙で民主党が歴史的な大敗を期した直後。次期大統領選での勝利をあやぶむ声も聞こえるなか、経済成長著しいインドに対して米製品の輸出契約をどっさり結び、米国内の雇用を大規模に創出する。オバマは起死回生のそんなシナリオをぜひとも実現したかったに違いない。10日間にわたるオバマのアジア4カ国歴訪の皮切りとなったインド訪問には、ゼネラル・エレクトリックやボーイングなど米企業幹部が250人ばかりも同行し、米業界のインドへの熱い期待を裏付けた。米印「民主主義国」同士で連携し、もうひとつの新興大国中国の脅威を牽制する、そんな計算ももちろんあり、オバマは両国の「共通の利害と価値観」を強調し、最大限の愛想をふりまいた。 (26分)

タリク・アリ パキスタン民衆の勝利を語り、「社会主義の再考」を促す

2009/3/19(Thu)

パキスタンでは3月に政府が市民の激しい抗議運動に屈して、ムシャラフ元大統領の時代に解任された最高裁判所主任判事イフティカル・チョードリーを復職させました。チョードリ判事は司法の独立を貫き、法律を条文どおりに実行する数少ない判事として民衆の絶大な支持を受けています。判事の復権は民衆の勝利であると、英国の作家タリク・アリは高く評価します。しかし、そうした国民の祝賀ムードに水をかけるように、米国はパキスタンへの越境攻撃を行い、民間人9人が犠牲になりました。これは米国の手先とみなされているザルダリ現大統領の立場を危うくし、パキスタン軍も動揺させます。パキスタンが不安定化すれば、インドを含めた南アジア全体に影響が波及するきわめて危険なゲームだとアリは指摘します。(23分)

湾岸戦争と米国の戦争プロパガンダ機構の進化

2018/12/5(Wed)

米国の戦争プロパガンダを大きく進化させた、1991年の湾岸戦争をふりかえります。湾岸戦争は故ジョージー・H.W.ブッシュ大統領の負の遺産の一つです。形式的には1カ月で終結しましたが、米国のイラクへの攻撃は継続しています。50万人以上の子供が死んだとされる過酷な経済制裁のあげく、2003年に息子のジョージ・W.が再び軍事侵攻し、現在でも米軍や軍事請負業者が駐留しています。でも、湾岸戦争で注目されるのは、米国民に向けた大胆なプロパガンダです。ベトナム戦争の記憶がまだ残り、軍事介入に懐疑的な世論を転換させるため、ブッシュ政権は大芝居を打ちました。ナイラというクウェート人の少女を使って、サダムの軍の残虐行為を米国議会で証言させたのです。兵士が保育器の赤ん坊を殺したと証言したナイラは、じつは難民どころかクウェート大使の娘で、広告会社に振り付けされて真っ赤な嘘をついていたことが後に判明しました。しかし、当時はマスコミも国際人権団体も無批判にこれを喧伝し、軍事侵攻に議会の支持を取り付ける決め手となりました。

グルジア紛争はカスピ海のエネルギー資源をめぐる覇権争い

2008/8/15(Fri)

2008年8月、グルジア共和国で分離独立を主張する南オセチア自治州に政府軍が攻撃をしかけたことをきっかけに、ロシア軍がグルジアに侵攻し、双方の無差別攻撃により多数の民間人死傷者が出ました。南オセチアとアブアジアの2州は独立を宣言し、ロシアがこれを承認し国交を樹立すると、グルジアを支援する米国とロシアのあいだで緊張が高まり、グルジアのNATO加盟に向けた動きが加速しました。米国のエネルギー関連地政学の専門家マイケル・クレアは、この軍事衝突は、カスピ海地域の広大な埋蔵石油・天然ガスへのアクセスをめぐるエネルギー戦争なのだと言います。(16分)

ポール・クルーグマンの「リベラルの良心」 前編

2007/10/17(Wed)

著名な経済学者ポール・クルーグマンへのインタビューをお届けします。ポール・クルーグマンはプリンストン大学教授で国際貿易論の第一人者です。またニューヨークタイムズ紙の論説コラムニストでもあり、最近、『エディター&パブリッシャー』誌によって年間最優秀コラムニストに選ばれました。今日は彼の新著The Conscience of a Liberal(『リベラルの良心』)について、本人からお話を伺います。

チリ・クーデターから40年 ビクトル・ハラの遺族が米国で容疑者を提訴

2013/9/9(Mon)

2013年9月11日はもうひとつの9.11の40年目の記念日です。40年前のこの日、米政府が支援を受けた軍事クーデターにより、民主的に選ばれたチリ人民戦線政権のサルバドール・アジェンデ大統領は命を落とし、首謀者のアウグスト・ピノチェト(本来の発音は「ピノシェ」または「ピノチェ」)将軍による17年間の恐怖政治が始まりました。ピノチェトは左翼や労働運動、人権運動の活動家を徹底的に弾圧する一方、特にサッチャー英首相とニクソン・レーガン両米大統領の忠実な同盟者として極端な新自由主義「改革」を行い冷戦体制にあった西側諸国では「優等生」として称賛を得ました。クーデター直後に暗殺されたチリの伝説的な歌手ビクトル・ハラの妻でゲストのジョアン・ハラは、40年前にハラを殺害したとされる元軍人ペドロ・パブロ・バリエントスを米国で訴えています。バリエントスは在米歴約20年で米国籍を持っているため、ハラの遺族は国外で起きた人権侵害を米国の裁判所で審理することを認める連邦法に基づいて提訴しました。(24分)

オンライン海賊行為防止法(SOPA)は検閲か? ウィキペディアVS著作権同盟

2012/1/19(Thu)

何千というウェブサイトが24時間停止した18日の歴史的なオンライン上での抗議で、一組の反著作権侵害法案に対する議会での支持が弱まっています。米国外に拠点を持つウェッブサイトが、インターネットを使って、著作権のある作品を海賊版を作ることを防ぐためのものだとして、ハリウッドの映画会社、音楽出版社や主要な放送局は、同法案の成立を支持しています。(19分)

アラブ人作家2人の共同インタビュー アラブの春とイスラエル=パレスチナ

2011/4/27(Wed)

ジャーナリストで作家のルーラ・ジブリールと、エジプトの著名ブロガーのイサンドル・アル・アムラニが、アラブの春とパレスチナについて話します。エジプトの民衆蜂起のさなかに行われたこともあり、アラブの春への二人の期待が伝わるインタビューとなっています。(21分)

ペルー警察、アマゾンのジャングルで先住民虐殺か

2009/6/8(Mon)

2009年6月5日早朝、ペルー北部のアマゾン県にあるバグア郡で、政府が進める採鉱と石油採掘計画に反対していた先住民の活動家たちと警官隊のあいだで衝突が起き、数十人が死亡しました。ペルー当局は外出禁止令を発令し、治安部隊がアマゾンの熱帯雨林に散在する都市をパトロールしています。ペルー当局は、警察官22人が殺害され、2名が行方不明であると発表しています。先住民側は、週末の衝突で子供3人を含む少なくとも40人が警察により殺害されたと語っています。アマゾン地域社会の発展をめざす先住民連合体AIDESEPの代表アルベルト・ピサンゴ氏には抗議行動を扇動した罪で逮捕状が出され、地下にもぐっています。(15分)

バンダナ・シバ:1%の支配に反撃して6度目の大量絶滅を防げー(2)1%のマネーマシン

2019/2/22(Fri)

種子法の改定や水道ガス事業民営化推進など、日本でもグローバル資本主義の脅威が実感されるようになってきました。こうした動きと闘いづづけてきた大先輩、インドの環境活動家バンダナ・シバの発言に、いまこそ耳を傾けましょう。新著の紹介にからめて、彼女が30年ほど前に創始したナブダーニャ(9つの種)運動やモンサントがインドで引き起こした惨状、進化したグローバル資本主義の現状などが語られます。後半は、金融バブルで肥大した特許ビジネスの巨大企業が政治機構を支配して世界を破滅に導くことに対抗する手段としての食糧民主主義について。(15分)

一石二鳥のグリーンカラー経済

2008/10/28(Tue)

コミュニティ活動家のバン・ジョーンズ弁護士が、拡大する米国内の経済格差の問題と、地球の存続を脅かす長期的な環境破壊の問題を、同時に解決する一石二鳥の秘策としてグリーンカラー・エコノミー(環境保護と経済を融合させたシステム)を提唱します。(8分)

068Andou-課題3 刑事司法による黒人差別

2015/3/4(Wed)

試写用です

「ギリシャの民衆は欧州全体のために闘っている」タリク・アリ

2010/5/11(Tue)

ギリシャの債務危機がユーロ圏に拡大するのを防ぐため、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は救済措置に合意し、1兆ドル近い予算を組みました。これを歓迎して世界の株式市場は上昇しましたが、IMFとEUの融資はギリシャが財政緊縮作を取ることが条件です。ギリシャ政府は年金制度の大幅見直しを決定しましたが、国内の2大労組が反発し、5月第2週には10万人がデモに参加し、24時間のゼネストが決行されました。 金融業界は温存し、労働者や国民大衆だけを犠牲にした経済の立て直しをはかるリストラ政策は不当なものですが、不当なだけなく経済的な合理性もないと経済政策研究所のマーク・ワイスブロットは主張します。緊縮政策はギリシャ経済をさらに悪化させるからです。しかも、意図的に悪化させるのです。(14分)

南部奴隷蜂起を企てたジョン・ブラウン 『民衆のアメリカ史』朗読会より

2009/10/16(Fri)

150年前、奴隷制度廃止論者ジョン・ブラウンは、南部の黒人奴隷たちの決起を促そうとハーパーズフェリーにある連邦政府の兵器庫を襲撃しました。この企みは失敗し、ブラウンは絞首刑になりました 歴史家ハワード・ジンによる『民衆のアメリカ史』は、無数の声なき民の言葉によって米国の歴史をつづった古典的名著です。同書の朗読会から、ジョン・ブラウン本人のことばを聞いてみましょう。絞首刑を宣告したバージニア州の法廷におけるブラウンの最終弁論を、俳優ハリス・ユーリンが朗読します。それに続き、俳優ジェームズ・アール・ジョーンズによるフレデリック・ダグラスのスピーチの朗読もお聞き下さい。(5分)

飽食と飢餓 世界食糧システムの隠れた戦い 前編

2008/4/8(Tue)

4月頃から食糧価格の急騰で、ハイチやエジプトを始め東南アジアやアフリカの各地で食糧暴動が起こっています。世界銀行の推定では世界の食糧価格は過去3年で8割も上昇し、少なくとも33カ国で社会不安が拡大しています。国連世界食料計画は5億ドルの追加支援が必要と訴え、6月には国連主催の「食糧サミット」が開かれました。でも途上国の食糧暴動をテレビで眺める私達の食卓には、栄養豊富な加工食品が並んでいます。時間も手間もいらず、体によい食品のはずなのに、米国では病的な肥満が急増しています。しかも貧しい人々ほど肥満に陥りやすい。10億人が飢える一方で、8億人が肥満という現代世界の矛盾はどこから来るのでしょうか。少数の巨大食品企業が生産と流通を支配し、生産者価格を最低に押さえ込む一方で、大都市の貧しい消費者には高カロリーの工業食品を大量に消費させる現在の世界的な食品供給システムの矛盾に、ラジ・パテルが切り込みます。(11分)

沖縄の抵抗 米兵による暴行事件や環境破壊に立ち上がる住民たち

2014/1/16(Thu)

3日間にわたる東京からの特別放送、2日目には沖縄の基地問題がクローズアップされました。沖縄の米軍基地が引き起こす問題や沖縄の歴史については、米国ではほとんど報じられていません。この島に最初に米軍が足を踏み入れた第二次世界大戦中の出来事にさかのぼって、基本的なところから説明します。(20分)

メキシコ大統領選 旧支配政党PRIが復権か

2012/7/2(Mon)

2012年7月1日、メキシコで大統領と上下両院議員の選挙が実施され、大統領選では、制度的革命党(PRI)のエンリケ・ペニャニエト候補が勝利を収めました。国際選挙監視団などによる、大規模な不正選挙を告発する指摘をものともせず、1929年の結党後さまざまに名前を変えつつ2000年まで国政を独占したPRIの復権について、学生を始めとする広範な市民層が反対の声を上げる中、左派の民主革命党(PRD)の大統領候補であるアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドル元メキシコ市長は、選挙戦の後半で急速に支持を伸ばしたものの、2006年に続き苦杯を舐める結果となりました。開票作業が進むなか、メキシコ国立自治大学のジョン・アッカ―マン教授(ラテンアメリカ史)にお話を伺います。教授は今回の選挙結果が、2000年に制度的革命党から政権を受け継いだ右派国民行動党(PAN)と守旧派PRIによる政権たらい回しにすぎないと指摘し、PANのフェリペ・カルデロン現大統領の下で強引に推進され、膨大な数の市民を犠牲にし続けている米国による「麻薬戦争」戦略が継承されることを懸念します。一方で、学生たちの運動の中から世界中の「オキュパイ」運動に呼応する「私は132番目」運動が生まれるなど、民主的で清潔な政治を求める勢力も力を蓄えていることを指摘し、ロペスオブラドルに投じられた1500万に代表される民意が今後の強力な対抗軸になって右派の暴走に歯止めを掛ける可能性に期待を述べています。

労働組合や学生たちが合流 「新しい運動」の始まりか?

2011/10/5(Wed)

 「ウォール街を占拠せよ」(Occupy Wall Street)抗議デモは20日目に突入。ニューヨーク最強の労働組合のいくつかが今日、同市庁舎からこの抗議デモが陣取る金融街地区に向けてデモ行進を 行う予定です。また数千人とも予想されるニューヨーク市内の主要公立大学の学生たちも、授業料高騰に抗議する授業ボイコットを行うことで、側面支援をする ようです。一方、同様の「占拠」運動が米国中の都市に広がっています。4日には154組合9万人の労働者を代表する大ボストン圏労働協議会 (Greater Boston Labor Council)が「ボストンを占拠せよ」陣営への支持を表明しました。「我が国の権力の不均衡と我々の経済を台無しにしたウォール街の役割に光をあてた」というのが理由です。この「ウォール街を占拠せよ」運動が経済変革のための多様な草の根運動を誘発するのかどうか、今日は2人のゲストが議論します。ネイション誌の寄稿者でColorLines.comの編集主幹カイ・ライトは、同サイトで "Here’s to Occupying Wall Street! (If Only That Were Actually Happening)"(「ウォールストリートを占拠せよ」に乾杯!(それが実際に起きていればね))と題する記事を書いています。もう1人のアルン・グ プタはインディーペンデント(Indypendent)紙の編集者で、またThe Occupied Wall Street Journal (『ウォールストリートを占拠せよジャーナル』) という、同運動に連動した新聞の編集も行っています。同紙で彼は、”The Revolution Begins at Home” (アメリカで革命が始まった)と題する記事も執筆しました。

ナワル・エル・サーダウィ「私たちの希望は日に日に大きくなる」

2011/2/11(Fri)

長年女性の権利を訴えてきたナワル・エル・サーダウィがムバラク政権崩壊を熱く語ります。サーダウィは1931年、エジプトの小さな農村で生まれました。カイロ大学医学部を卒業、故郷の村で医者として働いた後、エジプト保健省に勤務。女性の権利を訴え体制批判を続けたため、保健省を解雇され、サダト政権下では政治犯として1981年に3カ月間投獄されました。発行していた雑誌や著作が発禁処分になるなどさまざまな抑圧を受けながらも生涯、フェミニスト、人権活動家として第一線にいます。

ナオミ・クライン&アビ・ルイス 労働者自主管理という解決法

2009/5/15(Fri)

『ショック・ドクトリン』の著者ナオミ・クラインと、彼女の夫で英語版アルジャジーラの報道番組司会者アヴィ・ルイスに、、アルゼチンでの生産設備占拠運動のひろがりを追う記録映画『奪取』(The Take)を制作した二人が、世界的に拡大中の労働者自主管理運動について報告します。(22分)

アシャ・ハジと女たちが作るソマリアの「第6氏族」

2008/12/24(Wed)

石油タンカーを襲う海賊の出没で注目を浴びるようになったソマリア。しかし、10年以上も無政府状態が続き、エチオピア軍が侵入してからの2年間は暴力行使が最悪の水準に達し、何百万人もの生活が脅かされていることは、ほとんど報道されませんでした。2008年のライトライブリフッド賞を受賞したソマリアの女性運動家アシャ・ハジは、「ここ2年の大きな危機にも世界は知らんふりで、ソマリアは人道主義の網の目から零れ落ちていました。いま世界が関心を寄せているのは、ソマリアではなく、ソマリアの海における自分たちの権利です。ソマリアの住民より、ソマリアの海が大事なのです」と言います。(19分)

近代オリンピック秘史と祭りをダシにする惨事便乗型資本主義

2016/6/1(Wed)

いよいよリオ五輪の開幕です。『悪魔と踊るブラジル』の著者デイブ・サイリンと『パワー・ゲーム オリンピックの政治史』の著者ジュールズ・ボイコフ氏をゲストに迎え、オリンピックの歴史にまつわる興味深い事実や変質について話します。近代オリンピックの父クーベルタンは「愛と平和と環境保護」という理念を掲げましたが、その一方で巧妙に仕組まれたショーであり、排除のゲームであるという側面も浮かび上がります。

オリバー・ストーンが中南米の政治変動に取り組んだ新作『国境の南』 後編

2010/6/21(Mon)

10月27日アルゼンチンのネストル・キルチネル前大統領が心臓発作で亡くなりました。90年代に極端な新自由主義路線を突っ走って経済破綻したアルゼンチンを、財政再建を迫るIMFの干渉をふり払った経済重視の政策で見事に立ち直らせた英雄です。訃報を受けて中南米諸国に大きな衝撃が走り、ブラジルのルーラ、ベネズエラのウーゴ・チャベス、ボリビアのエボ・モラレス、エクアドルのラファエル・コレア、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大など、南米諸国の大統領たちが、3日間の喪に服すと発表したそうです。中南米の指導者の間には今、1820年代の独立革命以来といわれる強い結束が生まれています。でも、この中南米の大きなうねりは、米国のメディアに無視されたり、歪曲して伝えられています。オリバー・ストーン監督の新作ドキュメンタリー『国境の南』は、南米6カ国の7人の大統領に直撃取材を行い、南米大陸を席巻する革命のほんとうの姿を伝えようとするものです。(15分)

ブラックウォーター創業者のムスリム撲滅の使命

2009/8/5(Wed)

Xe社と社名を変えてみても、ブラックウォーター時代の悪行は消せません。次々とスキャンダルが発覚していますが、今回は創業者エリック・プリンスの宗教的な背景に焦点を当てます。新興の民間傭兵会社ブラックウォーターが急速に勢力を伸ばした背景には、米国で隠然とした力を持つ急進的キリスト教右派の運動が大きく関わっています。
ブラックウォーター社の元従業員2人が2009年8月に連邦裁判所に提出した宣誓陳述で、エリック・プリンスが同社の犯罪を捜査するFBIに協力した人々の殺害に関与した疑いが浮上しました。イラク人殺しを奨励したという証言もあります。プリンスの直接犯罪関与についての内部の人間による初めての証言です。(15分)

「彼らの武器で戦っても、必ず彼らが勝つ」 創造的な平和運動をめざす"労働階級の英雄"ジョン・レノン

2005/12/8(Thu)

 「イマジン」「平和を我らに」などパワフルな反戦運動の"聖歌"をつくったジョン・レノンは、どんな人物だったのか?レノン暗殺25周年の2005年12月5日に放送された番組で、彼の政治性とアメリカの反戦平和運動における影響力をみなおします。ゲストは、FBIの「レノン文書」を追究し、映画「PEACE BEDアメリカVSジョン・レノン」にも資料を提供した歴史学者のジョン・ウィナー。レノンの反戦平和運動への積極的な関与が、アメリカ政府から国外退去命令を受けるまでに危険視された経緯を説明します。また、フォーク歌手ピート・シーガーが、レノンの歌がいかに大群衆を動かす飛びぬけた力を持つかを語ったテープや、ラディカルな活動家としてのジョンとヨーコについて、彼らと共闘した故アビー・ホフマンが語った貴重なインタビューも聞けます。 (39分)

NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 1: 受賞スピーチ「真の受賞者はスノーデン」

2014/4/14(Mon)

4月11日、米国のジョージ・ポーク・ジャーナリズム賞の授賞式がニューヨークで行われ、国家安全保障局(NSA)の監視に関する一連の報道で中心的な役割を果たしてきたグレン・グリーンウォルドとローラ・ポイトラスが揃って出席しました。内部告発者エドワード・スノーデンにインタビューするため香港に飛んで以来、初めての帰国です。二人の受賞スピーチをお聞きください。(10分)

テロ容疑者の罪状なき無期限拘禁は合衆国憲法に違反 国防権限法に差し止め判決

2012/5/17(Thu)

オバマ大統領が昨年末に署名した2012年度の国防権限法(NDAA)に連邦裁判所が違憲の判断を下しました。米国大統領に、テロ組織に関係していると疑われる人物を適切な裁判手続きを経ずに世界のどこでも逮捕して無期限に拘禁する権限を与える条項が入っているからです。これに対して民間の学者やジャーナリストから憲法違反ではないかとの訴えが連邦裁判所に出されています。原告団には、ノーム・チョムスキー、ダニエル・エルズバーグ、ナオミ・ウルフ、コーネル・ウエスト、クリス・ヘッジズら著名な人々も含まれています。番組では原告団の弁護士とクリス・ヘッジズを招いて、そのいきさつを聞きます。(13分)。

ギリシャ国民投票を妨害するEUの背後にはデフォルト回避に必死なウォール街が

2011/11/3(Thu)

2011年11月初旬カンヌで開催されたG20サミットの議題はギリシャ救済とヨーロッパ債務危機への対応でした。この直前にEUの救済措置を受け入れるかどうか国民投票で決めると発表したギリシャのパパンドレウ首相は、集中砲火を浴びました。国民投票で救済提案が否決しされればギリシャはデフォルトに追い込まれ、金融市場は大きなリスクに直面するからです。でも救済案を受け入れれば、ギリシャは今後長期にわたり緊縮財政と不景気が続き、公共財も天然資源も借金のかたにとられてしまいます。国の主権にもかかわるような大問題を国民投票で決めることの、どこが間違っているというのでしょう。国民の頭越しに政府間の話し合いで決めてしまいたいというEUのほうがよっぽど変です。(12分)

リビア脱出をはかる移民労働者たち

2011/3/7(Mon)

石油収入で潤うリビアには、さまざまな国から数百万ともいわれる外国人労働者が集まります。3月初め、紛争が激化するリビアから脱出しようともがく外国人労働者たちに、アンジャリ・カマトが取材しました。ベンガジの港には2週間で数万人の外国人労働者が押し寄せました。特にソマリアやエチオピアなど貧しく戦乱で荒廃した国々からきた人々には、自国政府の救援はもちろん安全な避難所もなく、リビア国内で急速に高まるアフリカ系移民に対する暴力におびえています。

チャルマーズ・ジョンソン死去 アメリカ共和国最後の日々

2010/11/22(Mon)

著名な国際政治学者で東アジア地域の専門家チャルマーズ・ジョンソン(1931-2010)が他界しました。11月20日午後、カルフォルニアの自宅で亡くなりました。享年79。現代の帝国としての米国による世界支配の姿を浮かび上がらせたもっとも重要な知識人のひとりです。最後のインタビューとなった、2007年のチャルマーズ・ジョンソンのインタビューから、一部を再放送しました。

シアトルの反WTO闘争から10年 前編

2009/11/30(Mon)

<前半>調査ジャーナリストのグレッグ・パラストは、ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部で、パスカル・ラミー事務局長に直撃インタビューを行い、WTOが過去10年の間にどれほど変化したか、また同組織にとっての優先事項がどう変わったかをさぐりました。米国発の金融危機がまたたくまに全世界に広がった「障壁撤廃」の破壊力を目の当たりにして、少しは反省したのでしょうか?

石油大手シェブロンはビルマ軍事政権との関係解消を

2007/10/12(Fri)

ビルマ(ミャンマー)は、鉱石や宝石、天然ガス、チークの森などの天然資源に恵まれており、ビルマ軍政はこれらの資源を積極的に開発・輸出して外貨を稼いでいます。中でも天然ガス輸出は重要な外貨獲得源となっており、数年前から天然ガスの輸出は同国の輸出総額の約25%を占めています。 ビルマ軍政はそうして得た資金を、国民の医療や教育ではなく、主に軍隊の存続と拡大のために使ってきました(ビルマ軍の兵士数は、1988年に18万人だったのが現在は45万人以上)。さらに、購入された武器はほとんどがビルマ国民に対して用いられ、ビルマ軍兵士が全国で無数の人権侵害を起こしてきました。これらの人権侵害は、軍政が開発を行う際に行われ、事業から得た収入がさらなる抑圧や人権侵害に費やされるという悪循環に陥っています。 (26分)

合衆国メディアの現状と問題点:メンフィスで開催されたメディア改革全国大会に数千人が参加

2007/1/12(Fri)

 今年1月に、テネシー州メンフィスで行われた「メディア改革全国大会」では、全米50州から数千人が駆けつけ、合衆国のマスメディアが直面する問題点と、変革のための提案を話し合いました。大会の発表者には、ビル・モイヤーズ、ジェシー・ジャクソン、ジェーン・フォンダ、ヘレン・トーマスなどが顔を連ねました。番組でも現地ロケを行い、何回かにわけてその様子を報道していますが、これはその第一弾です。(22分)

世界金融規制の撤廃を企むサービス貿易協定(TISA)の機密草稿をウィキリークスが公開

2014/6/20(Fri)

新サービス貿易協定(TISA)は、昨年からスイスのジュネーブで協議されているサービス貿易に関する多国間協定です。これまであまり知られていませんでしたが、6月19日にウィキリークスが金融関連部分(金融サービス付帯条項)の秘密の草案を公開>したことで関心が集まり、同月28日には日本の外務省も交渉の概要を公開しました。TPPは環太平洋の17カ国ですが、TISAにはEUの28カ国を含め約50カ国が参加し、世界貿易の7割を占める極めて重要な貿易協定です。でも例によって秘密主義で、参加国の国民は交渉の内容を何も知らされません。TISAの狙いはなんなのでしょうか?(8分)

CIA職員がイタリアで有罪に オバマ政権は拷問を免罪

2012/9/21(Fri)

2001年9月11日にNYの世界貿易センタービルが崩壊してから10年余がたちました。ウィスコンシン大学マディソン校のアルフレッド・マッコイ教授は、「この10年は米国の政治史において、きわめて異例な10年でした」と驚きをもって語りました。米国は、国際社会が禁止した拷問を、政府の正式な政策として採用したのです。もちろん拷問とはいいません。別の名前をつけたのです。「強化尋問テクニック」です。ブッシュ政権が打ち出したこの拷問政策を担ったのはCIAでした。米国の敵とされたアルカイダ要員は世界中にいます。そのため、米国は、米国が容疑者とみなした人物を尋問するために、グアンタナモ収容所あるいは拷問をしてくれそうな第三国に移送する必要がありました。そのための移送にも特別な名前をつけました。「特例拘置引渡し」です。(15分)

インドの活動家プラフル・ビドワイ:気候変動の政治学と危機に陥る世界

2011/12/6(Tue)

「汚染会議」とまで呼ばれた南アフリカ、ダーバンでの国連の第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP)。過去150年間にわたる最大の温暖ガス排出国である米国は、自国が参加すらしていない京都議定書で中国が発展途上国として規制を受けないことを交渉を遅らせる口実にし、交渉自らの排出量をしばることになる世界的な規制作りへの真剣な取り組みを拒みました。インドのジャーナリスト・評論家・平和運動家のプラフル・ビドワイ氏は、人口の55%が電気へのアクセスが無く、発展を必要とするインドのような貧困国を責め、これまで蓄積してきた排出量をほおかぶりしようとする米国の不正義を問います。「大気中に蓄積され、そこに残留し数千年の間地球を温暖化する、全ての温室効果ガスの4分の3は、北半球の先進国からの排出、米国はその4分の1以上に対して責任がある」のです。(13分)

バンダナ・シバとモード・バーロウ 母なる大地の権利を語る (アースデイ特番)

2011/4/22(Fri)

2011年4月22日、アースデーを記念する特別番組です。デモクラシー・ナウ!では、政治・経済のグローバル化とからんで深刻化する地球温暖化問題を熱心に追ってきました。2009年のコペンハーゲンでの国連気候変動サミット(COP15)、ボリビアで開かれた「気候変動と母なる大地のための世界民衆会議」、カンクン国連気候サミット(COP16)など節目の取材はもちろん、BPの石油流出、石油・天然ガス開発に関するタールサンドやフラッキングによる汚染、石炭の山頂除去採炭、ゾンビ原発の危険など。もちろん、日本の福島原発事故にからむ問題に熱心に追っています。バンダナ・シバとモード・バーロウという世界的に著名な2人の環境保護活動家が登場するこの「アースデイ特番」のセグメントも、まずはインド出身の活動家、シバさんへの、「日本の原発大事故はインドにどんな影響を与えるのか?」という質問から始まります。(33分)

気候変動で世界の寄生虫の3分の1に絶滅のおそれ 影響は甚大と米科学者

2017/9/11(Mon)

「現在進行中の気候変動によって、2070年までに地球上の寄生生物の約3分の1が絶滅する」との可能性を指摘した論文、"Parasite biodiversity faces extinction and redistribution in a changing climate"(気候変動により絶滅と分布の変化を迫られる寄生生物の多様性)が、査読付きの科学論文集Science Advancesに掲載されました。この論文の筆頭著者で、カリフォルニア大学バークレー校環境科学・政策・マネジメント学部の博士号候補生のコリン・カールソン氏、そして、ピュリッツァー賞を受賞した『6度目の大絶滅』の著者でジャーナリストのエリザベス・コルバート氏が今回のゲストです。カールソン氏は、12歳で大学に入学し、16歳までに生態学や生物学の学士号だけでなく修士号まで取得しています。2011年には、「人類史上最も聡明な16人の子ども」にモーツァルトやピカソらと共に名を連ねました。このインタビューが行われた当時は21歳です。(

食糧暴動で揺らぐムバラク体制下のエジプト

2008/4/16(Wed)

ムバラク政権の長期支配が続くエジプトで、事実上の最大野党はムスリム兄弟団ですが、同国は特定の階級や宗教に基づく政治集団を禁じているため、非合法集団とされています。ことし4月15日にムスリム同胞団のメンバー25人が、軍事法廷による実刑判決で収監されました。弾圧強化の背景には、息子に政権を譲るため政敵を極力排除したいムバラク大統領の意図が働いているようです。裏を返せば、長期の独裁政治に不満が鬱積して爆発寸前になっているのです。ここ数年反ムバラクのキファーヤ(もうたくさん)運動が高まってきました。ここへきて食糧危機がそれに重なり、社会不安が高まっています。カリフォルニア大学で客員教授をつとめるエジプト人ジャーナリストのホッサム・ハマラーウィに、ブログを中心とするエジプトの新しい民主化の動きについて話を聞きます。(12分)

NAFTAの20年で雇用流出 所得格差 環境衛生基準の劣化 なぜ阻止できなかったのか?

2014/1/3(Fri)

NAFTAは米国、メキシコ、カナダの3国間に結ばれた多国間自由貿易協定で、現在交渉中のTPPやTAFTAの原型といえるものです。締結に至るまでには、その経済的、社会的な影響をめぐって賛否両論の大論争が起こりましたが、多くの異論を押し切る形で締結され、1994年1月1日に施行されました。惨憺たる結果が十分に予想されていたのに、協定が成立してしまったのは何故なのか?これを検証することが、「NAFTAの強化版」(NAFTA on steroids)といわれるTPPやTTIPを阻止するために重要なヒントになります。(12分)

ネバダの空軍基地で無人機攻撃に抗議

2010/9/13(Mon)

2009年4月、米国ネバダ州にあるクリーチ空軍基地に14人の反戦活動家が集まりました。同基地はパキスタンとアフガニスタンでの米空軍の無人機プログラムの本拠地の一つです。米軍がアフガニスタンやパキスタンで行なっている無人偵察機による爆撃は米国内の基地から操作されており、ロボット化される戦争の象徴と言ってもいいでしょう。

ハイチ地震現地報告 震源地レオガンを行く

2010/1/22(Fri)

デモクラシー・ナウ!のスタッフは、震源地レオガンに向かいました。外国のメディアが入ったのはこれが初めてだったらしく、貴重な映像です。
被災者たちは口を揃えて、外部からの助けがまったくないと訴えます。医師も救援隊も到着せず、ヘリコプターが上空を飛んでも着陸はしません。瓦礫の下からは耐え難い死臭がただよい、住民たちは素手で亡くなった者たちを掘り出しています。(28分)

「癒える権利」運動:私たちは共に同じ戦争による被害者

2013/3/20(Wed)

「自分たちは共に、同じ戦争による被害者である」ー戦争中は、殺す側と殺される側に二分されていた元米軍兵士とイラク市民が、このたび手を携えて、「癒える権利」運動を立ち上げました。多くのイラク人、また退役軍人やその家族は、今も戦争の後遺症であるトラウマや身体的な傷に悩まされており、その影響は次世代である子どもたちにも及んでいます。また、バックに米政府がいるイラクの現政府が、国の天然資源を外国に売り渡していることも、イラク社会の復興を妨げていると運動は指摘しており、長期にわたる戦争の後遺症と、人々の癒える権利について、米国政府が事実を承認し、その上で責任をとることを要求しています。(14分)

【EXPRESS】タックス・ドジャーズ「1%のためにバッティング」

2012/5/2(Wed)

メーデーの行進に現れた野球チームにエイミー・グッドマンがインタビューしました。メーデーなのに、バナーには米国を代表する大企業のロゴがずらり。リーダーらしき男性が「僕らは1%のためにバットを振る」と胸を張る。なるほど、背番号は全員「1%」。真ん中の女性が持っているフラフープには「ループホール」という文字。何の抜け穴なのでしょう。(4分)

ブラックウォーター創始者がアラブ首長国連邦で「キリスト教十字軍」を創設

2011/5/18(Wed)

2007年イラクのニソール広場民間人銃撃事件など数々の不祥事を起こした民間軍事請負会社ブラックウォーター(Xe社に社名変更)創業者、エリック・プリンスが新事業をおこしました。スケイヒルによると、プリンスは部下5人がニソール広場事件で起訴された後、ブラックウォーター社を売却、2010年にアラブ首長国連邦(UAE)に移住しました。「インディ・ジョーンズのように歴史を教えたい」と言ったそうですが、移住後まもなく、アブダビのモハメド皇太子に事業をもちかけ、800人の部隊からなる「リフレックス・リスポンセズ」社(通称R2)を設立、UAE内外の治安維持にあたる契約を結んでいたことがわかりました。アラブ世界で巻き起こっている民主化運動がUAE内で起こった際の鎮圧も任務に含まれています。

オピオイドまん延の起原:20年前の情報隠蔽と製薬会社幹部の大罪を見のがす司法省

2018/6/1(Fri)

米国でのオピオイドのまん延は深刻で、昨年トランプ大統領は「非常事態」を宣言し問題解決に数十億ドルの予算を投入するとしました。それから半年以上が経過し、オピオイド依存症患者の数は大きく減ったといつものトランプ節で自慢げに語りますが、最新の統計ではオピオイド過剰摂取による死亡者数は2017年10月でまでの1年間ではむしろ増加しているとのことです。このことは平均寿命にまで影響を与え、50年ぶりに米国の平均寿命が低下するという事態にまで及んでいます。 今回の動画では、オピオイド系鎮痛薬「オキシコンチン」について取り上げ、『鎮痛剤:詐欺の帝国と米国のオピオイドまん延の起源』のバリー・マイヤーさんに聞きます。(28分)
 

ローリー・アンダーソンの新作「ホームランド」

2008/7/23(Wed)

パフォーマンスアーティストのローリー・アンダーソンとの会話をお送りします。70年代の前衛アートシーンに登場した彼女は独特な実験的スタイルで一躍有名人になりました。その後も優れたアーティストたちとの協力で数多くの作品をつくってきました。最新作はニューヨークのリンカーンセンターでお披露目された「ホームランド」です。最新作の意図について、アーティストとしての自分の役割について、またイラク侵攻後に「自分の国をなくした」と思う理由などを語りました。(8分)

左派シリザ党が歴史的勝利 ギリシャが最前線を行く欧州の反緊縮の闘い

2015/2/2(Mon)

1月末のギリシャの総選挙でシリザ党(急進左派連合)が勝利を収め、公約どおり「緊縮政策の撤廃」に動き出したことは、欧州各地にみられる左派の台頭を象徴するような事件でした。ギリシャの債務危機を巡っては、これまで何度か取り上げてきましたが、ユーロ圏諸国、欧州中央銀行、IMFの3者による救済パッケージには過酷な財政緊縮政策の実施が組み込まれており、債務を返済するために自国民の生活を破壊するような内容です。救済されるのは民間銀行なのに、そのツケは国民が負担する、例のパターンです。5年にわたって緊縮政策を続けた結果、ギリシャでは中産階級が激減し、既存の中道政党は右派も左派も支持基盤を失ったと、ゲストのパナヨタキス氏は指摘します。その結果、弱小政党だったシリザが有権者の反緊縮の声を代表する存在となり、政府に送り込まれたのだと。(18分)

政治を変える一票? 大統領候補の影に残虐行為の首謀者たちが

2008/1/3(Thu)

世界最高の政治権力者である米国大統領の選挙は、各候補の一挙手一投足が世界中の注目を浴びます。ブッシュ路線を継承し、必要ならイラクに百年でも留まることを主張するマケイン候補が既に共和党の指名を獲得したのに対し、民主党側は「変化」を掲げるバラク・オバマ候補と、「経験」を売り物にするヒラリー・クリントン候補が熾烈な予備選挙を続けています。日本でも選挙の一連の経緯はつぶさに報道されていますが、実はほとんど報道されないことがあります。当選すれば政権の中枢を支えることになる各候補の顧問団です。すでに大統領選から撤退した候補も含め、両党の「主流派」候補全員の顧問の経歴と政策を徹底検証します。(32分)

『アメリカのファシスト』急進的キリスト教右派の政治的野望 後編

2007/2/19(Mon)

ドミニオニズムは宗教運動としてよりも、ファシズム運動としてとらえるべきだとヘッジズは主張します。共和党=企業権益や保守層と、権威主義的な服従を要求するキリスト教右派の結びつきは、ファシズムに典型的な野合であり、ワイマール共和国で労働者や中産階級の没落を利用してファシストが台頭したのとおなじように、グローバリゼーションの進展で困窮に追いやられる労働者や中産階級の不満と怒りを、宗教的な救済でからめ取り、彼らの絶望を食い物にして絶対支配を打ちたてようとするのだと。 戦争請負企業ブラックウォーターや移民排斥問題などの背後には、この勢力の影がちらつきます。

1970年代のCIA告発者が語るスノーデン事件の「本当の問題」

2013/6/13(Thu)

エドワード・スノーデンによる国家安全保障局(NSA)の違法監視プログラムの暴露を受け、政府は火消しに懸命です。キース・アレグザンダーNSA長官が議会で証言し、NSAの通信データ収集によって数十件のテロが防止できたと主張し、監視活動についての国民への説明も大切だが一定の秘密は必要だと述べました。一方マスコミでは内部告発の信用を貶めようとするネガティブ・キャンペーンも始まっています。40年前に勇気をふるって政府機関の権力濫用を公表し、結果的に政府機関の権力濫用を食い止めることに成功した内部告発者クリストファー・パイルは、現在の事態をどう見ているのでしょうか?

新たな黒人隔離:カラーブラインド時代の大量投獄

2012/1/13(Fri)

人種差別が無くなったはずの米国。2人の活動家兼著述家、ランダル・ロビンソンとミシェル・アレグザンダーが、黒人のアメリカを語ります。(26分)

ギリシャとイギリスで数十万規模のストライキ 大胆な歳出削減と緊縮政策に抗議

2011/7/1(Fri)

2011年夏、英国では公共セクター職員75万人強が政府の推進する年金制度改革案に反対して24時間ストを決行しました。この年金制度改革は、財政赤字削減のため公務員年金の支給開始年齢を引き上げ、年金積立金を増額する一方、受給額は減少させるものです。労組側は、銀行が引き起こした経済・財政ききのツケを労働者に回すのはお門違いだと反発しています。英国全土の学校の3分の2がストで休校になり、学生も抗議行動に合流しています。(16分)

【Express】神保哲生レポート:原発事故に追われ津波被災者の救助がおろそかに

2011/3/17(Thu)

ビデオ・ジャーナリストの神保哲生記者が東日本大震災による大津波で壊滅的打撃を受けた気仙沼・陸前高田市の被災者の様子をリポートします

エクアドルのコレア大統領へのインタビュー

2009/6/29(Mon)

中南米の左傾化の一翼を担うエクアドルのラファエル・コレア大統領への単独インタビューをお届けします。2009年6月下旬、国連で行われた世界金融・経済危機と開発への影響に関する高官レベルの会合に出席するためニューヨークに滞在中のコレア大統領にお話を伺いました。 グローバル資本主義、マンタにある米軍基地協定の更新拒否、アマゾンに暮らす数千人の先住民が毒性の強い油井汚染に関して石油メジャーのシェブロン社に120億ドルの損害賠償を求めている訴訟、エクアドルとコロンビアの関係、そしてコレア氏のオバマ大統領に対するアドバイスを聞きました。(28分)

経済学者ジェフリー・サックス:米国の違法な経済制裁がベネズエラを荒廃させ4万人以上を死なせた

2019/5/1(Wed)

著名な経済学者のジェフリー・サックスが、ベネズエラに対する米国の経済制裁措置は「一般市民に対する集団懲罰」にあたり、国際法にも国内法にも違反すると論じてます。『集団懲罰としての経済制裁 ~ベネズエラの事例』という経済政策研究所の報告書での主張です。(10分)

党大会の因習を打破せよ 1.華麗なスピーチの陰で

2008/9/8(Mon)

2008年8月末から9月にかけて2大政党の全国大会が開催され、両党の大統領、副大統領候補が正式に指名されました。デモクラシー・ナウ!では2週間にわたる現地取材を行ない、華やかな党大会と聴衆を酔わせる流麗なスピーチの陰で、黙殺された抗議の声や問題点に焦点を当てました。2回に分けて総集編おとどけします。民主党大会では、選挙資金の問題に焦点をあて、議員たちが利用する豪華な特別室や密室パーティ、また反戦の公約を守るよう要求する反戦イラク帰還兵の会による抗議集会の模様をお伝えします。(21分)

黒人女性ブリー・ニューサムが南軍旗を自分の手で引きずり降ろした理由

2015/7/6(Mon)

2015年6月27日、晴れた空の下、サウスカロライナ州の州都コロンビアにある州議事堂に高々と掲げられていた南軍旗が黒人女性のブリー・ニューサムさんによって引き降ろされました。白人至上主義者である、ディラン・ルーフ(当時19歳)がサウスカロライナ州の黒人教会で銃を乱射し9名の尊い命が奪われるという残虐な事件が起きた10日後のことでした。彼女はなぜ、身の危険を冒してまで旗を引き降ろしたのか。(20分)

資源搾取はもう許さない ボリビアの鉱山スト

2010/4/20(Tue)

気候民衆会議が開かれる矢先に、ボリビアにある世界最大級の銀山で、亜鉛や鉛も産出するサンクリストバル鉱山で大規模なストライキが起こり、鉱山労働者たちが道路を封鎖して輸出がストップする事態が続きました。鉱山の所有者は住友商事です。会社側は地域の開発を約束したのに、電気も道路も電話も水道も実現しておらず、砂漠で大量の水を消費して住民の生活用水を奪っておきながら、水に対する税金は一銭も払っていないそうです。抗議行動の背景には重要資源を産出しながらほとんど利益を得てこなかった搾取の歴史への不満があります。ボリビアの鉱山の歴史を聞きます。(15分)

ガザ攻撃時のイスラエルの戦争犯罪 国連調査で明らかに

2009/9/16(Wed)

2009年9月、リチャード・ゴールドストーン判事が率いる国連の事実調査使節団が、3週間にわたるガザ攻撃における戦争犯罪について調査結果をまとめました。ゴールドストーン報告書は、イスラエル軍が民間人を故意に標的にしたことは戦争犯罪にあたり、おそらくは人道に対する罪にもなると結論しています。また、ハマス側の違反についても記しています。そして国連安全保障理事会はイスラエルとハマスの双方に対し、この嫌疑に関する徹底した自己調査に3ヶ月以内にとりかかるよう求め、従わない場合には半年以内に国際刑事裁判所に提訴すべきであると勧告しています。イスラエルの政策をきびしく批判してきた政治学者ノーマン・フィンケルスタインに、この報告書の重要性と限界を聞きます(15分)

「冬の兵士」集会:イラク・アフガニスタンの帰還兵が戦争の残虐さを証言 3

2008/3/18(Tue)

2008年3月半ば、米国の首都ワシントンDC郊外にあるシルバースプリング市で、米国史上2度目の「冬の兵士」(Winter Soldier) 証言集会が開かれました。主流メディアのほとんどが無視したこの集会の様子は、もっぱらデモクラシー・ナウ!や他の独立系公共メディアで報道されました。最初の「冬の兵士」集会は1971年にベトナム帰還兵によっておこなわれ、ベトナムにおける米軍の戦争犯罪を告発する証言を行いました。この伝統を受け継ぎ、今回はイラクとアフガニスタンからの帰還兵数百人が、米軍による戦争犯罪の実態を告発しました。「冬の兵士」の名前は、米国独立運動の思想家トーマス・ペインが、過酷な軍務を嫌って脱走した兵士たちを「夏の兵士」と呼んだのにちなみます。(16分)

ウィキリークスがTPP知財条項の草案を暴露

2013/11/14(Thu)

ウィキリークスが公開したTPP交渉の知財関連の章の草案をめぐるディベートです。TPP交渉の一番の問題は、なによりもまず秘密主義です。各国政府の交渉担当官の他には利権を持つ業界や企業の代表しか詳細を知ることができません。ウィキリークスによってようやく内容を知った、ということ自体が問題です。米国ではこれまでTPP交渉はほとんど注目されてこなかったのですが、これでようやくその危険性に対する関心が高まり そうです。ウィキリークスが取り上げたことで、その怪しさがいっそう強調されました。とくにアサンジの指摘によって、昨年春に大規模な市民運動の力で一気 に廃案に追い込まれたSOPA(オンライン海賊行為防止法案)やACTAからの継続性が強調されたので、ネット市民の警戒の目も一段と厳しくなるでしょ う。(21分)

アノニマス参上: ハクティビストの「名無しさん」がOpBARTを説明

2011/8/16(Tue)

デモを牽制するために地下鉄駅構内の通信網を遮断したBIRT(湾岸高速鉄道公社)の暴挙に対し、活動家ハッカー集団「アノニマス」が報復を呼びかけました。「BART作戦」(OpBart)と称する抗議行動の一環として、アノニマス活動家がBARTのウェブサイトに不正侵入し、顧客の名前と電話番号、パスワードなどを流出させました。正義感にかられた行動とはいえ、無関係の人たちの個人情報を勝手に公開することは正当化できるのでしょうか?BART作戦に参加した、ハンドルネーム“X”を名乗るアノニマスの一人にインタビューします。

フアン・コール エジプトの指導者は軍が決める

2011/1/28(Fri)

ホスニ・ムバラク大統領が去った後、エジプトの実権を握ったのは軍でした。軍政の強固な支配をつきくずすことができるかどうか、エジプトの民衆革命は正念場を迎えています。ムバラク退陣を求める大規模な抗議運動が全土に広がりつつあった頃、ミシガン大学の歴史学教授フアン・コール氏にエジプト情勢の背景について聞きました。(12分)

オバマ大統領ガーナへ サハラ以南のアフリカへ初の公式訪問

2009/7/10(Fri)

オバマ大統領は2009年7月にアフリカ諸国を歴訪しました。就任後初めてのサハラ以南への公式訪問です。最初の訪問国はガーナです。ガーナが選ばれた理由は、最近見つかった油田に関係していると言う人たちもいます。アフリカは米国の重要な原油供給元であり、国家情報会議(NIC)の報告書「チェイニー報告」によれば、2015年までには米国の石油輸入の4分の1が西アフリカ産になると予測されています。アフリカの人々の声を聞いてみましょう。(17分)

『地球が燃えている』ナオミ・クライン(3)グレタ・トゥーンベリの特異な能力

2019/9/17(Tue)

ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。 パート3は、グレタ・トゥーンベリについて。気候対策を求める運動に大きな弾みをつけた学校ストライキ「未来のための金曜日」を始めたスウェーデンの少女です。この運動は瞬く間に世界中の子供たちに広がり、2019年3月15日には世界130か国で160万人もが参加しました。自分たちの未来を消さないでほしいと訴える子供たちの声は、親たちの心に強く響きました。この運動をたった一人で始めたグレタには、ほかの子供たちにはない特別の才能が備わっていました。それは、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)です。物事を白と黒にきっぱり分けて見てしまい社交的なかかわりは苦手となる独特な脳神経の働き方が、こと気候変動に関しては正しく危機をとらえる超能力となったのです。(13分)

戦時下の性暴力に終止符を モニカ・ハウザー

2008/12/8(Mon)

もう1人のライトライブリフッド賞受賞者は、ドイツのモニカ・ハウザー医師です。婦人科医のハウザーは、戦時下の女性や女児に対する性的暴力を防止し、処罰するための活動に取り組むNGOメディカ・モンディアル(medica mondiale)の創立者です。ドイツに本部を置く同組織は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、リベリア、アフガニスタンなどの紛争地域で性暴力を受け、心の傷を負った7万人を超える女性たちを支援してきました。(12分)

ジョン・ピルジャー「大メディアの役割は人々の目をふさぐことだ」

2010/6/29(Tue)

アフガニスタン駐留軍を率いるスタンリー・マクリスタル司令官が、ローリング・ストーン誌に掲載された記事がもとでオバマ大統領に解任されました。側近たちと一緒になって大統領や政府要人らを笑いものにしたことが暴露されたからです。マスコミは現地司令官たちをかばい、記事を書いたマイケル・へイスティングス記者に激しい批判を浴びせました。「お国に尽くす軍人」が酒の席で口走った失言を暴き立てて、ジャーナリズムの"基本"を破り信頼関係をぶちこわしたと、袋叩きの様相です。しかしジョン・ピルジャーは、ヘイスティングス記者は本来ジャーナリストがやるべき仕事をしただけだと言います。(20分)

GMの金のなる木 ブラジルの森林から見るカーボン取引の矛盾

2009/11/5(Thu)

地球温暖化への対策が生み出した新手のビジネスに注目しましょう。温室効果ガスの排出削減の決め手とされるのは、「排出量取引」(キャップ・アンド・トレード)制度です。これは国や企業ごとに排出量の上限(キャップ)を定め、その枠を超えて排出してしまった分は、排出枠が余っている国や企業から権利を買い取る(トレード)仕組みです。ここから、CO2を吸収する森林がカーボン・ビジネスの鍵となる商品になりました。世界の温暖化ガス排出の大要因である伐採を防ぎ、森林を保護すれば、他のところで起きたCO2排出を相殺できるからです。企業は削減目標の未達分を、どこかよその森林の保護によって相殺することができます。でもその実態はどんなもので、森林地帯に住む人びとの生活にどんな影響をあたえているのでしょう?(14分)

メディア改革全国会議 電波を民主化せよ

2008/6/6(Fri)

6月6日から3日間にわたってミネソタ州ミネアポリスで開かれた第4回メディア改革全国会議には、全米各地から3500人を超えるメディア関係者や活動家が集まりました。米国では寡占化の進展とジャーナリズムの退廃に危機感を持つ人々が増え、独立メディアを中心に下からのメディア改革の機運が高まっています。ジャーナリストのビル・モイヤーズや作家のナオミ・クライン、元トークショー司会者フィル・ドナヒュー、映像作家ディーディー・ハレック、サイバー法学者のローレンス・レッシグなど著名人をはじめ数十人が講演し、多数のパネルやワークショップを通じて、メディアの統合に対抗し、電波を民主化するための戦略が話し合われました。会議を主催する「フリープレス」の共同設立者二人に話を聞きます。(25分)

奴隷とアイビーリーグ: 奴隷制度が支えた米名門大学の発展

2013/10/30(Wed)

今でこそアメリカの知と良識の府として尊敬を集めているアイビーリーグの名門大学ですが、創立期から19世紀半ばにいたるまで、アメリカの負の歴史にどっぷりと関わっていました。MITの米国史教授のクレイグ・スティーブン・ワイルダーの上梓までに10年をかけた労作、Ebony & Ivy: Race, Slavery, and the Troubled History of America’s Universities. (『エボニーとアイビー:人種、奴隷制、そしてアメリカの大学の問題ある歴史』)は、ハーバード、イェール、プリンストンを初めとする東部名門校が、奴隷貿易で財をなした実業家たちの富を財源とし、北米大陸はもちろん、西印度諸島のプランテーションで大もうけした人々の子供たちを学生としてリクルートし、大学としての基盤を築いていった歴史を跡づけます。

なぜ?停戦交渉が進む中で行われた2012ガザ爆撃

2012/11/16(Fri)

2012年11月イスラエルはガザへの爆撃を激化させ、14日にはハマス軍事部門指導者アフメド・ジャバリを暗殺しました。暗殺される直前、ジャバリは停戦交渉に応じる意思をエジプトを介してイスラエル側に伝えていたとガーション・バスキンが明かしました。和平交渉や停戦交渉が進み始めるとパレスチナに軍事攻撃をくりかえすイスラエル。バスキンは暗殺されたジャバリを「平和を望む人物ではない」と評しましたが、その言葉はイスラエル政府にもあてはまるのではないでしょうか。

大きすぎて投獄できない銀行 ウィキリークスへの攻撃

2011/10/26(Wed)

前のセグメントからの続きで、グレン・グリーンウォルドがウォール街占拠運動についてコメント。占拠の運動の推進力は、税金で救済された銀行の目に余るふるまいに対する怒りです。金融危機の原因は経済政策の誤りだったとしても、それを何倍にも増幅させて経済を破壊したのは金融業界の巨大な不正でした。それなのに銀行に対しては起訴はおろか犯罪捜査さえ行われません。一方、庶民は些細さな違反でも逮捕・投獄されるようになり、この40年間で米国の囚人の総人口に対する比率は5倍に跳ね上がっています。特権階級に対する司法と庶民に対する司法の差をこれほどあからさまに示すものはありません。しかも政府の金で救済された金融投資家たちは、その金を使って選挙に介入し、自らの特権をさらに固めているのです。

チョムスキー「米国にも民主化デモが必要だ」

2011/2/17(Thu)

ウィスコンシン州の反労働組合法制定をめぐって大規模な抗議運動がおきるなか、デモクラシー・ナウ!のスタジオを訪れた反体制知識人ノーム・チョムスキーが、最近のできごとを長期的な視点から論じます。第二次大戦直後から始まった米国の労働組合つぶしの動きの現在に至るまでの流れ、最近の米国で起きている故ロナルド・レーガン大統領の神格化、反テロ法とFBIによる強制捜査を使った政治活動家の弾圧など、さまざまな話題が取り上げられます。ウェブExclusiveからも、一部採用しました。

スタンディングロック特集(1) DAPLの警備員 「水の保護者たち」に犬をけしかけ唐辛子スプレーで攻撃

2016/11/24(Thu)

ノースダコタ州スタンディング・ロックでのアメリカ先住民とその支持者による原油パイプライン建設への抗議活動を特集で取り上げます。ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)の建設計画は、総工費38億ドルを投じ、日に50万バレルもの原油をノースダコタ州バクケン油田からサウスダコタ州とアイオワ州を通り、イリノイ州の製油所に送ると言う巨大プロジェクト。この建設計画をめぐり、建設ルート近くのスー族は、古くからの聖地や埋葬地が脅かされるばかりでなく、パイプラインから原油が漏れ出た場合、居留地の水源に打撃を与え、飲料水として利用するミズーリ川が汚染されることを懸念し、建設の中止を訴えています。この土地の地役権は先住民にあり、先住民の居留地を侵害しないことを定めた条約に違反していると彼らは主張し、自らを「水の保護者」と名乗り建設計画を中止させるため阻止行動を続けてきました。デモクラシーナウ!は早い段階からこの動きを報道してきました。10月にオバマ大統領が建設差し止めを命じる直前までの、初期の動きの総集編です。(13分)

アブダビがシティグループの最大株主に 石油高騰で金融危機に救世主

2007/11/29(Thu)

金融危機の急展開で米国やヨーロッパの金融システム全体が揺らぎ、大型救済措置でドルの凋落はもはや避けられないようですが、ドルの価値低下で気になるのがアラブ諸国の動きです。2007年11月27日、アラブ首長国連邦の中心国アブダビが米国の最大手銀行シティグループの株式75億ドル相当を買収し、同グループの最大株主となりました。米国の信用危機が進行し、景気後退に向かうことが鮮明になる一方、原油価格は高騰が続き、1バレルあたり100ドルが目前となっていた時期の動きでした。湾岸諸国からの投資は、経営不振に陥っている銀行への救済処置と見られていますが、その背景にあったのは、石油決済通貨であるドルの下落でオイルダラーが目減りするという事情でした。(14分)

公共支出の大幅削減にロンドンで50万人が抗議デモ

2011/3/28(Mon)

3月26日ロンドンで50万人を超えるデモ行進が行われ、戦後最大となる公共支出の削減に抗議しました。英国では昨年5月に13年ぶりの政権交代で保守党と自由民主党の連立政権が成立しました。新政権がまっ先に掲げた重要課題は、GNP比で1割以上に達した財政赤字への取り組みでした。そのために政府が打ち出した大胆な緊縮政策は、医療も教育も社会福祉もあらゆる公共サービスを縮小し、30万に及ぶ公共部門の雇用をカットするというものでした。デモの引き金となったのは、このような計画を進める一方で、法人税の減税試算が示されたことでした。問題は緊縮財政だけではなく、負担の不公平と極端な富の集中です。中流階級から下の人々には社会福祉の削減と増税が重くのしかかりますが、企業や投資家は税負担を軽減されるのです。大金持ちは税金を払っておらず、金融危機を引き起こして財政危機の原因を作った人々がますます富を溜め込む仕組みになっています。

アフガニスタンにはオバマが主張する軍事解決などない

2009/2/10(Tue)

オバマ大統領は就任直後から、アフガニスタンとパキスタンにまたがるアルカイダの「隠れ家」を取り除くことの重要性を強調し、アフガニスタンへの増派の方針を打ち出していました。2004年にアフガニスタン・イスラム国の新憲法が発布され、初の大統領に選出されたハーミド・カルザイは、ずっと米国の指令に忠実にしたがってきましたが、平和は実現したものの経済発展はほとんどありませんでした。その結果、この5年間でアフガニスタン政府は求心力を失い、その支配は首都カブールに限定され、他の地域は群雄割拠の状態です。せっかく開かれた国家形成の機会を見逃してしまった米国の失敗は、どこに原因があったのでしょう?(18分)

ナオミ・クライン『NOでは足りない』トランプのショック政治に抵抗するために(2) バーニー、コービン、革新候補を押し上げる下からの反乱

2017/6/13(Tue)

新著『NOでは足りない』の発売日にDNに登場したナオミ・クライン。底抜けで危険極まりない大統領が、あと3年は国家を壊し続ける見通しなのですから、多くの人は気持ちが重い。いや、わかりますよ、その気持ち。日本だってあと四年、少なくとも2年後の参院選まではまだまだ壊れ続けていきそうです。どうすればこれに抵抗できるのか、彼女が大急ぎで書き上げた処方箋は、米国人でなくとも大いに参考になります。ナオミ・クラインの新著『NOでは足りない』のインタビュー、パート2です。このところ幾つかの国の選挙で、従来の候補者とは違い明白な反緊縮政策を掲げた候補が、下からの民衆運動に押し上げられる形で予想外の大健闘を見せたことについてです。(14分)

カーライル・グループ 民間軍事諜報企業ブーズ・アレン・ハミルトン買収へ

2008/5/19(Mon)

カーライル・グループは未上場企業投資を専門に行う世界でも最大級の投資ファンドです。 一方、最もなぞに満ちたファンドでもあり、数々の政治家との深い関係から「元大統領のクラブ」と呼ばれていました。近年同社の取引に厳しい目が向けられてから、軍事契約数や問題の多い政治家との関係を減らす傾向にありました。しかしそのコースは変更されたと見え、今年5月には諜報コンサルティング企業であるブーズ・アレン・ハミルトン(以下ブーズ・アレン社)がその政府関連部門をカーライル・グループに売却すると発表しました(その買収は事実上7月に完了しました)。ブーズ・アレン社は民間の軍事諜報企業の大手であり、現在米国で進行中の「政府の諜報活動の民営化」の一端を担う企業で、米国の諜報活動において戦略的に重要な役割を負っています。(30分)

アン・ジョーンズが語る新著『終結しても終わらない戦争』

2010/9/30(Thu)

アン・ジョーンズは過去9年間の多くをジャーナリスト、写真家、人道支援活動家としてアフガニスタンで過ごし、戦争がアフガニスタンの女性に与えてきた影響に注目してきました。新著『終結しても終わらない戦争―紛争の見えない影響と女性』(仮題)で、たとえ武力の戦争は終わっても、女性にとっての戦争は決して終わらないと訴えます。

ブラックウォーターゲイト: イラク、アフガニスタン、ドイツの事件関与で非難の嵐

2010/1/8(Fri)

ブラックウォーター社がニュースをにぎわしています。この悪名高い軍事請負会社に関する新事実が続々と明るみに出ています。米国内で係争中のイラク民間人殺傷事件に関する一連の訴訟はむろんのこと、アフガニスタンやパキスタン、さらにはドイツでも彼らの違法な活動に関する疑惑が浮上しています。ジェレミー・スケイヒルと、米下院情報特別委員会の主要メンバーのジャン・シャカウスキー議員に話を聞きます。(19分)

イラク戦争4周年(2007年)の反戦大集会

2007/3/19(Mon)

 2003年3月19日(日本時間20日)に、米国はイラクに侵攻しました。5周年を迎えた今年、デモクラシー・ナウ!では、イラクとアフガニスタンで続く占領統治下で米兵たちが目撃した米軍の残虐行為を訴える、「冬の兵士」集会をリポートしました。 2003年3月19日(日本時間20日)に、米国はイラクに侵攻しました。5周年を迎えた今年、デモクラシー・ナウ!では、イラクとアフガニスタンで続く占領統治下で米兵たちが目撃した米軍の残虐行為を訴える、「冬の兵士」集会をリポートしました。いずれ掲載する予定ですが、まずは、昨年の3月17日にワシントンで開催された「イラク侵攻4周年」の大集会の模様をお伝えします。この集会では、氷点下の寒さをはねつけて数千人が結集し、ベトナム戦争の戦没者記念碑付近から国防総省までデモ行進しました。(19分)

ブラックウォーター 世界最強の傭兵軍の勃興 後編

2007/3/20(Tue)

 イラクでは現在10万人以上の「民間軍事会社」従業員が活動をしています。そのうちの多くの部分が、ひらたくいえば「傭兵」。頼まれればどこにでも傭兵を派遣する民間軍事産業は、9/11以降の政治情勢を背景にして大きく成長を遂げています。ブラックウォーターUSAは、そういった民間軍事会社の最大手、まさに「世界最強の傭兵軍」という呼び名がふさわしい存在といえます。ブラックウォーターが登場してきた背景と、戦争の民営化が巻き起こしている問題を、気鋭の調査ジャーナリスト、ジェレミー・スケイヒルが追いました。(18分)

オリバー・ストーンの「語られざる米国史」後篇

2012/11/26(Mon)

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(16分)

ウォール街の占拠を超えて

2011/11/16(Wed)

2011年9月17日に、一握りの人々がウォール街に近いズコッティ公園を「占拠」して以来、11月15日に警察の手入れで追い出されるまでの2ヶ月間、「ウォール街を占拠せよ」は、あれよあれよの勢いで盛り上がりました。国民の99%を犠牲にモラルを欠いた1%の投機家が仕切る米国の現状という認識のもと、経済的不公平に異を唱え、経済的困窮を訴える運動ではありましたが、その意義は経済闘争にとどまりません。テロ対策と経済回復の名のもとで長らく保守右派に牛耳られ、市民の多くの権利を犠牲にさせられてきた人々の堪忍袋の緒が切れたのです。不満を抱えているのが自分ひとりではないことに気付いた人々が、「占拠」の場に集まり、手作りの様々な貢献をして自分たちがほしい社会の雛型を作ろうとした。こうして、参加型民主主義に再び力がみなぎりました。このセグメントでは、2人のゲストがこの運動の戦略と成功について語ります。(24分)

ガザ支援船団に参加の米国船 ギリシャ当局の出航禁止に挑む 

2011/7/6(Wed)

「フリーガザ・ムーブメント」は、2008年以来、イスラエルによるガザ封鎖への抗議として、人道物資をガザに届ける航海に挑んできました。しかしイスラエルやギリシャによる妨害により2009年以降はすべて失敗に終わっています。中でも2010年に組織された「フリーダム・フロッティラ」は世界中から約700名が参加した大船団となりましたが、イスラエル軍が「乗客の中にテロリストがいる可能性がある」としてトルコ船を公海上で襲撃、9名の死者を出し、イスラエルとトルコの外交問題に発展しました。

ウィノナ・ラデューク 「インディアンの土地の軍事化」を語る

2011/5/6(Fri)

先住アメリカ人活動家で作家のウィノナ・ラデュークが新著The Militarization of Indian Country(『インディアンの土地の軍事化』)について話します。米国の発展は先住アメリカ人の土地を強奪して拡大してきた歴史であり、先住民のために残された居住区(リザーブ)にも、さまざまな形で軍産複合体が触手を伸ばしています。軍事基地や核実験場、石炭やウランの採掘場などがインディアンの土地を汚染し、米軍がVXガスを投棄した「VX湖」まであるそうです。(16分)

ジョン・キューザックが映画でおちょくるイラク戦争の腐敗とボロ儲け

2008/5/23(Fri)

ジョン・キューザックが自作の映画 War, Inc.(『戦争、請け負います』)について語ってくれました。近ごろのハリウッドがとんと扱わなくなった主題、つまりボロ儲けの手段としての戦争、傭兵問題、政治腐敗、そして米軍お抱えジャーナリズム等々を描いたコメディです。(16分)

ナオミ・クライン 金融救済で暴利をむさぼるのは誰?

2008/11/17(Mon)

11月15-16日ワシントンで開かれた緊急金融サミットには、世界20カ国/地域の首脳が集まり、金融危機や世界不況への対策を話し合いました。先進国が金融市場の十分な監督を怠ったことが、今回の金融危機を引き起こしたという認識が参加国のあいだで共有され、国際金融規制の強化をうたう共同声明が出されました。新興経済諸国の参加により従来のG7の枠を超えた画期的な方針が打ち出されることが期待されていましたが、結果はどうだったのでしょう?(30分)

マッチョな男像が横行する米国のゲーム界 女性蔑視への批判は命がけ

2014/10/20(Mon)

グローバル市場で年間百億ドル近い収益をあげるビデオゲーム業界。ヒット商品として脚光を浴びるのはバイオレンスあふれるゲームの数々です。実際には米国でゲームを楽しむ人々の4割以上が女性であるにもかかわらず、ゲーム業界は男の世界と位置づけられ、女性のゲームデベロッパーは3割に達しません。メディア批評家アニタ・サーキージアンは、米国の人気ゲームに登場する女性像を分析し、その多くがゲームの本筋に無関係な端役というだけでなく、ゲーマーの興奮をあおるためにレイプや殺しの対象として使われているという実態を指摘しました。(10分)

もう1つの9/11:1973年9月11日 米支援のピノチェトがチリの実権を握った日

2010/9/15(Wed)

チリで9.11と言えば、1973年の軍事クーデターを指します。米国の支援を受けたピノチェト将軍が、民主的に選挙で選ばれたアジェンデ政権を倒した日です。それ以降、チリでは独裁政権が反対派の誘拐や虐殺を繰り返して国民を恐怖に陥れ、その一方でシカゴ学派の主張に沿った新自由主義経済政策が徹底的に推進されました。このショックドクトリンの最初の「実験」は、その後、IMFの手動でバブル崩壊後の中南米全体に広がり、大多数の国民を困窮させて、現在の中南米のアメリカ離れの種を撒くことになりました。今ではそれが全世界に拡大していますが、今日の私たちが直面する問題の先駆けとなった事件として、チリ・クーデターの意義は一段と大きくなっています。(17分)

沖縄からグアム、ハワイへ 太平洋米軍基地の拡大に反対する国際的連帯の呼びかけ

2010/5/24(Mon)

普天間基地の移転先をめぐる騒動は、ついに鳩山首相の辞任へと発展しました。でも首相の辞任によって沖縄問題が解決したわけではなく、むしろ次期政権に引き継がれる大きな政治課題となります。なぜなら地元の合意がとりつけられないかぎり、新たな基地の建設は不可能だからです。「沖縄の痛み」に気がついたのなら、もはや一方的な負担の押しつけはできません。この問題に対する新たな視点が必要です。デモクラシー・ナウ!では、5月末の沖縄での大規模な反対行動にからめて、太平洋地域における米軍基地の展開と、それに対する民衆の反対運動をとりあげました。(27分)

インドネシアの元独裁者スハルトが死去

2008/1/28(Mon)

約1万7000の島からなり、世界第4位の人口(約2億5000万人)を擁する多民族国家インドネシア。石油や天然ガス、銅、スズ、ボーキサイトなどの豊かな天然資源に恵まれたこの国を32年にわたって支配したスハルト元大統領が2008年1月27日、病気で死去しました。多くのメディアが、スハルト元大統領の死に際し、その功績を積極的に評価する論調の記事を掲載しました。スハルトの永年にわたるインドネシア支配は、本当のところ、何をもたらしたのでしょうか。(19分)

「人殺しには手を貸さない」市民的不服従としての納税拒否

2013/4/15(Mon)

エド・ヒードマン氏が所属する「戦争抵抗者連盟」によると、米国在住者が収める連邦税の約半分が何らかの形で戦争に使われているそうです。元良心的兵役拒否者でもあるヒードマン氏は、自分が連邦政府に収める税金が戦争に使われることへの抵抗として40年間納税拒否を続けています。(12分)

「ウォール街を占拠」2週目に突入 非暴力デモで80人逮捕

2011/9/26(Mon)

とうとうウォール街にも「アラブの春」が飛び火。「ウォール街を占拠せよ」キャンペーンが始まって10日目の現場ルポです。9月17日以降、金融機関が集中するウォール街に数千人の若者が集まり、人間より利益を優先する拝金主義に抗議しています。24日土曜日には、デモ参加者80人以上が逮捕されました。現場にいた人々の証言では、非暴力のデモ参加者に対してNY市警がトウガラシスプレーを使ったり、髪をつかんで地面を引きずりまわしたりの暴行を働きました。「私たちを守るはずの警察が彼らを守っています。こんな不正に抗議しているのです」とデモ参加者の一人は言います。(6分)

経済学者ハジュン・チャン 通貨戦争と「自由市場のウソ」を語る

2010/11/19(Fri)

昨年11月、韓国で開かれたG20ソウル・サミットは、通貨切り下げ競争を回避し新興国への過度な資本移動に歯止めをかけるため各国が協調して為替レートの安定をめざすというものでしたが、オバマ大統領は韓国との自由貿易協定の実現も、中国との通貨摩擦の解消にも成果を挙げられませんでした。現在まで継続している通貨戦争と緊縮財政の問題について、ケンブリッジ大学で教える韓国出身の経済学者ハジュン・チャンが、わかりやすく解説します。(14分)

AIG救済はウォール街インサイダーによる連邦政府のっとり

2009/3/25(Wed)

政治評論家マット・タイビが、AIG救済問題の真相を追及します。タイビによれば、世界的規模の経済破たんと政府による救済措置は一種のクーデターです。金融業界は長年にわたり選挙を金で動かし、金融規制を骨抜きにしてきましたが、ついに今回の金融危機で、少人数のウォール街インサイダーによる政府の乗っ取りが完成したのだと言います。今回の金融危機で目立つのが、ゴールドマン・サックスの焼け太りです。AIG救済問題も、じつはゴールドマン・サックスの救済だったとタイビは言います。(20分)

米国人教授 ケンブリッジ・アナリティカが保有する自分の心理学プロファイルの開示を請求

2018/3/23(Fri)

2018学生字幕翻訳コンテスト 課題6:「個人情報ビジネス」の受賞作です。 ケンブリッジ・アナリティカ社の有権者プロファイリング事業をめぐるスキャンダルを取り上げます。5千万人以上のフェイスブック利用者の個人データが本人の許可なく収集され、大統領選挙でトランプ候補支持に動かすために利用されたのです。ケンブリッジ・アナリティカ社は億万長者のロバート・マーサー(Robert Mercer)によって設立され、トランプ大統領の元上級顧問でブライトバート・ニュース・ネットワーク会長のスティーブ・バノン(Steve Bannon)も同社幹部の1人でした。(12分)

ルゴ大統領 解放の神学、中南米と世界の現状と展望を語る

2008/9/23(Tue)

2008年9月に開幕した第63回国際連合総会に参加した各国首脳のうちで、もっとも任期の浅いのは、前月に就任したばかりのパラグアイ大統領フェルナンド・ルゴ氏でした。60有余年にわたる保守コロラド党の永久政権に抗し、解放の神学を掲げて先住民と農民と貧民の戦いの先頭に立った「貧者の司教」ルゴ氏が大統領になったことは、ラテンアメリカの独立と統一を夢見つつ志半ばで倒れた英雄シモン・ボリバルの時代から2世紀を経て、ようやく米国の支配から逃れ、独立した主権国家として歩み始めた、今日のラテンアメリカを象徴する事件でもあります。(15分)

変わりゆくキューバ (2) 先駆的な有機農法システムは米国アグリビジネスの参入で生き残れるのか?

2015/6/2(Tue)

キューバの話題の後半は、1990年代に始まって大成功を収めた有機農業に焦点をあてます。1990年代に実際にキューバに暮らし、研究を行っていた経験を持つ、キャサリン・マーフィをゲストに、世界でも稀に見る先駆的有機農業システムを作り上げたキューバの様子を、カレン・ラヌッチらの取材ビデオ(記録映画『ハバナからのポストカード』の一部)を見ながら考察します。人口約1,100万人のキューバはいまや主要な食品や農産物の有望な新市場として世界中の食品・農業の多国籍企業の市場参入のターゲットとなりつつあるのです。(15分)

全米にはびこる「ゾンビ原発」

2009/11/25(Wed)

環境に有害と見られてきた原発が、気候変動対策の選択肢として脚光を浴びています。オバマ政権は原子力発電所新設の助成に185億ドルの予算を組んでおり、2010年2月には合衆国では約30年ぶりになる80億ドルの債務保証を発表しました。合衆国では1979年にペンシルベニア州のスリーマイル島原発で2号炉が炉心溶融の大事故を起こし、これをきっかけに安全性に不安を抱く世論が高まり新規発電所の建設はストップしていたのです。2009年11月21日、このスリーマイル島原発で放射能漏れの事故が起こり、150人以上が退避する騒ぎとなりました。1970年代始めに建設された1号炉が、いまも稼働しているのです。しかし70年代の古い原発は設計耐用年数が40年程度であり、すでに寿命が尽きていると、ネイション誌のクリスチャン・パレンティ記者は言います。「でもゾンビは死なない、規制当局の怠慢のせいだ」。(9分)

メキシコの汚い麻薬戦争

2009/8/11(Tue)

米国にはびこる麻薬犯罪の元凶とされるメキシコの麻薬カルテル。麻薬カルテル撲滅に乗り出したメキシコ政府に、米国が毎年5億ドル近い犯罪対策支援をしています。しかし、メキシコ政府の犯罪対策は人権侵害がはなはだしく、それを理由に米国からの支援も一部が凍結されました。メキシコを訪問したオバマ大統領はカルデロン大統領の麻薬戦争への対応を称賛しましたが、メキシコの麻薬戦争の影響を取材してきたチャールズ・バウデン記者は、それはでたらめだと言います。(14分)

チャルマーズ・ジョンソン:復讐の女神ネメシス-アメリカ共和国の終焉 前編

2007/2/27(Tue)

 ギリシャ神話に出てくる復讐の女神「ネメシス」。おごり高ぶるナルシスに魔法をかけて自分自身に恋をさせ、湖に映った自分の姿を追って溺死させた話はあまりに有名です。元CIA顧問のチャルマーズ・ジョンソン氏は、そのネメシスに「アメリカ帝国」が狙われていて、このままでは立憲共和制が崩壊すると警告します。(29分)

アリゾナ州がエスニック教育をカリキュラムから排除 人種統合の歴史を巻き戻し

2011/12/29(Thu)

2010年5月米アリゾナ州では、外見などから無届の移民と疑うに足る理由があれば逮捕ができるとして波紋を呼んだ移民法に続いて、特定の民族を対象にした授業を禁ずる法律が成立しました 。「民族間の結束を強め、白人に対する敵意を助長させる」というのがアリゾナ州当局の禁止の理由でした。この法律は、メキシコ系・ラティーノ系の生徒が過半数を占めるツーソン学区で行われているメキシコ系米国人研究(MAS-TUSD)のカリキュラムを標的にしたものでした。公立学校の教職員や生徒が禁止に反発し、取り消しを求める訴訟を起こしました。(15分)

米国が隠したヒロシマとナガサキ

2011/8/9(Tue)

3.11の福島原発事故は、核エネルギーを安全に使いこなせるという原子力「安全神話」をくつがえしました。原子力の平和利用という謳い文句の下、放射能への恐怖を軽んじたのは日本も米国も同じでした。あまりにも残虐な武器の使用を正当化するために、被爆者の惨状を隠そうとする動きは、終戦直後から始まりましたが、さらに冷戦下の核軍拡競争と原子力発電推進の中で、米国は原爆の全貌を国民の目から隠しました。ウソで固めた核の時代が始まったのです。(26分)

35年の占領:西サハラ人の抵抗キャンプをモロッコ治安部隊が弾圧

2010/11/15(Mon)

2010年11月13日、スペイン・マドリードで、モロッコ治安部隊による西サハラでの弾圧に抗議して数千人規模のデモが行われました。なぜ、スペインで?国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの緊急事態担当ディレクター、ピーター・ブッカートと『西サハラ:戦争、ナショナリズム、出口の無い衝突』(日本語仮題)の著者でもあるスティーブン・ズーヌス・サンフランシスコ大学教授と、70カ国以上に承認されながら、35年にもわたり独立の悲願を果たせずにいる西サハラの知られざる歴史と現状を語ります。

インディアナ州兵 イラクでの化学物質被害でKBRを告訴

2008/12/4(Thu)

インディアナ州兵としてイラクに従軍した16人が、ヒューストンを拠点とする国防総省の契約業者KBR(Kellog Brown and Root's)を告訴しました。内容は、2003年イラクにおいて、兵士たちがKBR職員の護衛を任命されたとき、KBRは有毒化学物質の存在を知りながら、兵士らに警告せず、症状が出ているのに毒物に曝し続けたというものです。KBRの元親会社ハリバートン社は、チェイニー元副大統領が大量の株式を所有し、米軍のイラク侵攻後の復興事業を請け負い、大もうけしたことで有名です(19分)

デュポンとの闘い 化学大手がテフロンのフッ素化合物の世界的な健康リスクを隠蔽(前半)

2018/1/23(Tue)

2020年4月10日、沖縄県の米軍普天間飛行場から有害な有機フッ素化合物PFOSを含む泡消火剤が基地の外に大量に漏れ、11日には宜野湾市の宇地泊川や付近の住宅街に風に乗って泡が広がる事件がありました。改めてフッ素化合物の危険性と行政の対処が問われる事態です。これに関連する、2018年の動画を前半と後半に分けて掲載します。2018年のサンダンス映画祭で初公開された記録映画『既知の悪魔』は、テフロン加工に使用される有機フッ素化合物C8(PFOS/PFOA)の有毒性と水質汚染の広がりを解明するため、製造元のデュポン社を相手取って住民が集団訴訟を起こし、被害を賠償させるとともに、国内での製造と使用の段階的終了を約束させたいきさつを描いています。(17分)

ブロキュパイ運動 ユーロ圏の「緊縮政策の実験」を止めよ フランクフルトで数千人のデモ

2014/3/19(Wed)

2014年3月18日、ドイツのフランクフルトで数千人のデモが警官隊と衝突し、双方で数十名の負傷者が出ました。この行動を起こしたのは、この日に催された欧州中央銀行(ECB)の新しい本店タワービルの落成記念式典を阻止するブロキュパイ(Blockupy)運動の活動家たちでした。ブロキュパイは、多数の左翼団体や社会正義を求める団体の連合体です。彼らがECBを攻撃するのは、ユーロ圏で緊縮政策を推進する国際機構の中心だからです。この政策が欧州全体に貧困と失業をもたらし、特にギリシャなどの周縁諸国にひどい影響を与えていると、「ブロキュパイ」デモに参加したドイツ人の気候正義活動家タジオ・ミューラーは語ります。(9分)

ガザに向かう支援船団をイスラエル海軍が公海で襲撃

2010/6/1(Tue)

2010年5月31日の未明、救援物資を積んで封鎖中のガザに向かう6隻の民間国際支援船団フリーダム・フロッティラをイスラエル海軍が公海上で襲撃し、乗客10人以上が死亡し、数十人が負傷するという事件が起きました。船団には世界40カ国から集まった約700人もの活動家が参加し、国会議員や官僚経験者も乗船していました。特に激しい攻撃を受けたのは600人の活動家を乗せたトルコ船籍のマビマルマラ号で、死者はすべてトルコ人でした。(25分)

故郷を返せ!インド洋の米軍基地ディエゴガルシア島

2009/10/9(Fri)

グアム島と並ぶ、もう一つ基地の島ディエゴガルシアに目を向けましょう。チャゴス諸島はインド洋に浮かぶサンゴ環礁です。その中心の島ディエゴガルシアには、巨大な米軍基地があります。アフリカとアジアの中間にあるこの島は米軍の重要な戦略拠点であり、アフガニスタンやイラクの爆撃基地として、またCIAによるテロ容疑者の第三国での拉致監禁(特例拘置引渡し)作戦においても重要な役割を担っています。
この島に住民はいません。40年前この基地を建てたとき、島民はひとり残らず追放されたからです。(12分)

拷問と民主主義 後編

2008/4/15(Tue)

アフガニスタンとイラクの戦争を契機に米軍では拘禁者に対する拷問が広く行われるようになり、国際的な問題になっています。米政府の立場は、このような尋問方法は拷問にあたらないというものですが、今年3月、民主党が多数を占める連邦議会は水責め禁止の法案を可決しました。しかしブッシュ大統領はこれに拒否権を行使し、民主党は法案の再可決に必要な3分の2の賛成を集めることができませんでした。また4月には、このような尋問方法をCIAが採用することを当時の安全保障担当の政府高官が合議の上で許可したことを、承知していたと大統領自身が認めて物議をかもしました。民主主義のチャンピオンを自負する米国で、政府高官が率先して拷問を推進するという事態は、どう理解したらよいのでしょうか?リード大学で政治学を教えるダライアス・レジャリ氏に拷問の歴史と民主主主義の関係について聞きました。(15分)

帰還兵が語るイラク市民への攻撃 「自分が同じことをされたら反乱軍に参加するに違いない」 後編

2007/7/12(Thu)

 イラク戦争の最前線で戦っているアメリカ兵たちは、この戦争をどう思っているのでしょうか?アメリカの進歩的週刊誌『ネイション』誌が、ほぼ雑誌全体を使って兵士50名の証言を掲載し、話題を呼びました。DN!ではそのうち数名に直接インタビューして、兵士たちの生の声をお届けします。(後半14分)

米兵たちが東京電力を提訴 原発事故の被曝による健康被害を訴える

2014/3/19(Wed)

2011年3月、東日本大震災が起こった直後に、米軍は被災地での災害救助・救援・および復興支援を目的とした援助活動を開始しました。一連の活動は「トモダチ作戦」と命名され、2万人を超える将兵に200機近い航空機、また24隻の艦艇が送り込まれました。それから3年後、作戦に参加して果敢に活動した海軍兵士や海兵隊員が、救援活動中の被ばくを理由に、東京電力を相手取って訴訟を起こしました。(29分)

ユタ州に巨大監視センターを建設するNSA

2012/3/21(Wed)

国家安全保障局 (NSA)がユタ州の山間の町ブラフデールに巨大な情報監視センターを密かに建設中であることが、長年NSAの動きを追い続けてきたジェイムズ・バンフォード記者のスクープで判明しました。(11分)

シリア政府は国民に対する戦争を始めた アサド体制下の民衆弾圧

2011/8/15(Mon)

シリアの内外で民主化を要求して戦う人たちは、親子2代にわたるアサド政権の戒厳令に基づく独裁体制の下で、どのような人生を送ってきたのでしょうか。シリアの第一線の人権弁護士で投獄されていましたが今年になって釈放されたハイサム・マレフと、彼の息子で人権活動家のイヤス・マレフに話を聞きました。(16分)

マイケル・ムーア「米国は破産なんてしてない」 ウィスコンシン州労働デモで演説

2011/3/7(Mon)

 相次ぐ労働運動に対する攻撃に対抗して行われたウィスコンシン州のデモでの、マイケル・ムーア監督の応援演説を中継します。米国は破産などしておらず、数百人が人口の半分を合計した以上の富が、まともに税金も払わないわずか四百人の「ムバラク」の手中にある米国の社会構造そのものが問題だと明解に指摘し、「まともな仕事⇒まともな給与⇒生活のための消費⇒雇用」という実経済の循環を再建すること、「若い世代のための教育⇒新しい発想⇒起業・雇用促進⇒税収増」という財政の基本を取り戻すことこそが求められている、と力強く呼びかけます。(13分)

『仕事は報いてはくれない』

2021/2/17(Wed)

2021学生字幕翻訳コンテスト  課題3:「ギグエコノミー」の受賞作です。

新型コロナ感染症の拡大による経済危機で、何百万人ものエッセンシャルワーカーが、低賃金で不安定な労働条件の悪影響をもろに受けています。労働と経済的正義をテーマとするジャーナリストのサラ・ジャフィに、彼女の新著Work Won’t Love You Back:How Devotion to Our Jobs Keeps Us Exploited, Exhausted, and Alone(『仕事は報いてはくれない~~どれほど尽くしても、仕事は、私たちを搾り取り、疲れ果てさせ、孤独にする』)について話を聞きます。(9分)

ホワイトハウスのベテラン記者へレン・トーマスが語るブッシュ政権

2009/1/13(Tue)

ブッシュ大統領の最後の記者会見は、ホワイトハウス担当記者団との和気あいあいの雰囲気のなかで終了しました。質問の機会を与えられなかった最古参のヘレン・トーマス記者が切り込んでいれば、そんな馴れ合い的な雰囲気では収まらなかったかもしれません。ケネディ以降の9人の大統領すべてに質問してきた「報道界のファーストレディ」による鋭い質問を敬遠して、ジョージ・W・ブッシュは歴代大統領の慣行を破って長いあいだ彼女に質問の機会を与えませんでした。不遇の時期が続きましたが、いま去り行くのは大統領の方で、報道業界のファーストレディは健在です。さっそくオバマ新大統領にも、「中東の核保有国はどこか?」と鋭い質問をあびせました。(23分)

クリス・ヘッジズとロバート・ライシュ サンダース撤退後の選択肢について討論

2016/8/4(Thu)

2006年の米国大統領選の一般投票日が目前に迫ってきました。メディアはクリントンかトランプかという有力候補の争いばかりに注目しますが、不人気対決と言われるほど好感度の低いこの2人。第3の選択について十分な議論はなされたのでしょうか。クリントンが正式に党の大統領候補指名を受けた7月末の民主党全国大会初日、予備選でクリントンと指名を争ったバーニー・サンダースはクリントン候補の下に民主党の結束を呼びかける演説を行い、一部の支持者からブーイングを受けました。「政治革命」を掲げ、既存の政治や経済のあり方にノーを突きつけて支持を集めたサンダースが、既存権力の象徴のようなクリントンへの鞍替えを呼びかけたのですから、裏切り行為と受け止めた支持者がいて当然でしょう。サンダース支持者の次なる選択肢はどのようなものでしょうか。大会期間中、ジャーナリストのクリス・ヘッジズと、元労働長官でカリフォルニア大学バークレー校教授のロバート・ライシュが、この点について論戦しました。(34分)

見えない戦争 経済制裁措置によるイラクの破壊

2010/9/1(Wed)

7年以上に及ぶ米国の軍事占領は、イラクにさまざまな災禍をもたらしました。しかしイラクへの攻撃が始まったのは20年前、米国の主導で国連安全保障理事会がイラクに対する経済制裁措置を決議したときからです。1990年8月、サダム・フセイン大統領のクウェート侵攻に対して発動された厳格な経済制裁措置は2003年5月まで続きました。その後の軍事侵攻と占領の陰に隠れて見過ごされがちですが、この残酷な経済制裁措置はイラクの国民生活を徹底的に破壊した見えない戦争でした

エコノミックヒットマンが明かす世界金融市場崩壊の理由とやり直しの道

2009/11/10(Tue)

サブプライムローン市場の暴落、金融破綻、失業率の激増──こうしたことはみな、ジョン・パーキンスにとっては、なじみ深い光景です。ただし、かつては第三世界に特有の現象でした。パーキンスは、まさにその事態を引き起こすための工作を密かに仕掛けるエコノミックヒットマンでした。彼の新著は、金融市場を崩壊にもたらした原因を説明し、世界経済たて直しの処方箋を提案します。(14分)

イラク石油法は「強盗行為」 石油労働者組合の創始者が語る

2007/7/6(Fri)

 イラクは世界3位の石油埋蔵国です。日に200万バレル生産される原油は、昨年310億ドル、国家予算の93パーセントを生み出しました。この豊富な国家資源をどのように活用するか、その議論が、イラクの戦後の安定を妨げる原因の一つになっているようです。2006年に発足したイラク新政権は、ここ1年ほど、この石油資源開発の方向を決める新法案を可決しようと画策していますが、民族間対立、産油地域と非産油地域の国内格差など、国内のさまざまなグループの思惑が交錯し、なかなか成立にこぎつくことが出来ません。イラクの労働者組合の2人のリーダーが、この法案がイラク国民にとってどのような意味を持つのか、なぜそれに反対なのかについて話します。 (22分)

巨額の政治献金で公共政策をあやつる石油業界

2010/5/5(Wed)
http://www.democracynow.org/2010/5/5/bp_funnels_millions_into_lobbying_to

『石油の専制:世界で最強の産業』の著者アントニア・ユハスに話を聞きます。「石油産業界は、規制、制約、監視や法の執行などを逃れるためにを使い続けている。それは地球規模で他の産業に匹敵するものがないほどの大金である。」とユハスは書きます。「BPが近年の米国における2つの最悪爆発事故を起こした企業であることは、こんなことを許してはいけないということを示唆している。」

イラクで拷問を採用したことが何千もの米兵を死に追いやった

2008/12/3(Wed)

2年前イラクで尋問チームを指揮していた元米軍特殊諜報活動員が仮名の下に、米軍がイラクで行なった拷問による尋問の効果を疑問視する本を出しました。安全上の理由からマシュー・アレグザンダーのペンネームを用いるこの人物は、イラクで自分が指揮したチームは拷問を用いる代わりに、正統的な心理戦術による尋問方法によってずっと大きな成果を上げたと主張します。なかでも最大の功績はアル=ザルカウィをしとめたことだと彼は言います。(26分)

ビヨンセがスーパーボウルを席巻 ハーフタイムショーでブラックパンサーや「黒人の命も大事」に表敬

2016/2/8(Mon)

2月7日の第50回スーパーボウルをテレビ観戦した視聴者は1億人を上回りました。彼らはデンバー・ブロンコスがカロライナ・パンサーズを下した試合に加えて、スーパーボウル史上で最も政治的なハーフタイムショーを目にすることになりました。伝説的ポップ歌手ビヨンセが、ブラックパンサーや「#黒人の命も大事」運動に敬意を表したのです。バックステージではビヨンセのダンサーたちが拳を掲げ、1968年オリンピックでトミー・スミスとジョン・カルロスが行った「ブラックパワー・サリュート」を想起させるポーズをとりました。 2016学生字幕翻訳コンテスト 課題6:「スポーツと政治」の受賞作です。(7分)

ラージ・パテルが語る世界貿易機関の交渉決裂

2008/7/31(Thu)

2008年7月に開かれた、世界貿易機関(WTO)の拡大交渉(通称ドーハラウンド)は一週間で決裂しました。交渉が失敗に終わった理由の一つは、農業分野での調整が成立しなかったためです。インドや中国など途上国側が、自国の農業を安価な輸入品から保護する権利を主張したことが挙げられます。米国やヨーロッパから輸出される農産物は国内で手厚い保護を受けており、ダンピングのかたちで国際市場にでてくるからです。しかし米国は、あいかわらず市場解放要求の一点張りで、少しも譲歩しませんでした。決裂はここ3年間で3度目です。これはついに途上国政府の決然とした行動によって、WTO体制の行き詰まりが明らかになったことを示すのでしょうか、それとも?(17分)

ローレンス・サマーズ大統領経済顧問が “やっと” 辞任

2010/9/22(Wed)

「どうにもわからんのですよ」とロバート・シーアは首をひねる。ローレンス・サマーズが国家経済会議委員長辞任を表明した直後に放送されたこのセグメントで、シーアはそのニュースに「辞めてくれてありがとう」と言わんばかりの歓迎を示しつつ、だがそもそも「オバマ大統領はなぜ、サマーズ氏を登用したのか?」と首をかしげる。大統領予備選で「普通の人たちを無視し」「極端な規制緩和」を行い経済破綻の「元凶」となったとクリントン政権を批判したオバマが、大統領就任後、なぜ、クリントンの政策の考案者たちに経済運営を任せたのか?

イスラム世界と5つの戦争を遂行するアメリカ

2009/12/31(Thu)

2009年の最後の日、この一年のアメリカの戦争を振り返りました。オバマ大統領の就任とともに始まったアフガニスタン戦線の拡大、無人爆撃機によるパキスタン領内への攻撃、イエメンへの巡航ミサイル攻撃、ソマリアでの軍事作戦、そして相変わらず続くイラクの軍事占領。あらら気がつけば、いつのまにやら5つのイスラム国家と戦争が始まっています。(20分)

ボリビア大統領エボ・モラレスに聞く 少数民族の権利、気候変動、イラク情勢、イランとの国交樹立、チェ・ゲバラの功績 後編

2007/9/26(Wed)

 ボリビア発の先住民族出身の大統領、エボ・モラレス大統領は、2007年9月、国連総会演説のために、NYを訪問しました。デモクラシー・ナウ!では単独のロングインタビューを行い、演説の内容、イランとの関係、民主主義のあり方などについて話を聞きました。 (18分)

反米すすむラテン・アメリカ 後編 ブッシュ大統領VSウゴ・チャベス:米国のラテンアメリカ政策はどこへ?

2007/3/12(Mon)

 今、中南米で異変が起きています。アメリカにNOを突きつける国が増え、しかも力をつけてきているのです。  アメリカは、1823年にモンロー主義をかかげて以来、ラテンアメリカを「アメリカの裏庭」として支配力を保持し、経済的にも政治的にも大きな影響力を持ち続けてきました。アメリカと親米政権の間で取り交わされてきた新自由主義経済の結果、激しい貧富の差が生まれ、深刻な問題となり続けてきました。そこに不満を募らせ、貧困層にも富を分配しようという勢力が出てくると、アメリカは「危ない共産主義国を民主化する」という謳い文句で反政府ゲリラを組織・支援し、経済封鎖も行なったりして、それらの勢力の抑制におおむね成功してきました。ところがここにきて、べネズエラが突きつけたNOを、アメリカが簡単には翻せない状況が起こっているのです。(23分)

『戦争の身体』~(2) トーマス・ヤングのインタビュー 2008年3月

2008/3/25(Tue)

帰還兵の悲痛な境遇を体現する人物トーマス・ヤングが、退役軍人の日の前日、妻に看取られてひっそりと亡くなりました。イラクで負傷し、半身付随になりながらも薬物中毒から立ち直り帰還兵の反戦運動に身を投じた活動家です。彼を描いた2008年のドキュメンタリー映画Body Of War (『戦争の身体』)は大きな話題になり、他の帰還兵たちよりも脚光を浴びましたが、背後には同じような悲劇が無数に存在します。日々の生活の格闘から遂に力尽きるまでの彼の人生の軌跡は、9.11事件後の世界で戦争に突き進んだ米国の悲劇をきれいになぞっています。 後半部分です (18分)

真の公平性とは?メアリー・ロビンソンの提言

2012/12/4(Tue)

2012年、カタールのドーハで開かれた国連気候変動会議に出席したメアリー・ロビンソンは、「衡平性」(equity )を「不公平な事実を考慮すること」と説明しました。途上国と先進国の間に大きな差がある中で、公平に責任を負担し、恩恵を分けあうことを考えることは、気候正義(Climate Justice)を追求することでもあります。第三世界の資源を使って富を得た先進国は途上国に対して負債があるとする気候負債の考えも、衡平性(equity )を達成するための申し立てと言えるでしょう。(10分)

非暴力デモの鎮圧にトウガラシスプレーを使う警察に開発者が非難の表明

2011/11/29(Tue)

2011年11月、カリフォルニア大学ディビス校で座り込みデモをしていた学生たちに、警官がトウガラシスプレーを順番に噴射する映像が大きな話題を呼びました。トウガラシスプレーとは、標的にじかに噴射する催涙スプレーの一種で、トウガラシの濃縮成分が強い炎症を引き起こします。開発に携わったムラン・ロフマンが登場し、スプレーの使われ方に異議を唱えます。(14分)

チェルノブイリの大惨事:世界最悪の原発事故から25周年

2011/4/26(Tue)

今日4月26日はチェルノブイリ原子力発電所の事故が起きた日です。ちょうど一年前のチェルノブイリ事故25周年の検証番組をお届けします。当初ソ連当局は事故を隠蔽しようとしましたが、結局はチェルノブイリ周辺の5万人の住民を強制避難させることになりました。2004年にアカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞したディレオ監督のドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」が示すように近隣地区で生まれた子供にはいまも先天性の異常が多発しています。長期的にみたチェルノブイリ事故の影響による死者数には推計によって大きな開きがあり、IAEA推計では約4000人ですが、ニューヨーク科学アカデミーが2009年に掲載したアレクセイ・ヤブロコフらロシア人科学者の研究では100万人にのぼりますチェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト。(23分)

日用品の毒性規制の遅れが米国製品の市場を狭める

2009/2/24(Tue)

調査ジャーナリストのマーク・シャピロを迎え、おもちゃや化粧品など日常的に使用する製品に含まれる化学物質の人体や環境へ安全性の基準が緩められていることが、米国製品の国際競争力を失わせると論じる最近の著作について語ってもらいます。 米国では化学薬品や工業製品の安全性を守る規制が、企業ロービーの圧力によってどんどん緩和され、有名無実化しています。企業側の主張は、規制を緩和しないと競争力が損なわれるという、おなじみのものです。しかし、本当にそうなのでしょうか?(31分)

フリント市民は汚染水に高額水道料 ネスレは地下水を無料で汲み上げ

2016/2/17(Wed)

2017学生字幕翻訳コンテスト 課題2:「ミシガンの水戦争」の受賞作です。 2016年2月、水道水の鉛汚染で非常事態のフリント市を現地取材しました。市庁舎の裏では住民たちにペットボトル入りの飲料水が配られています。そこで配られていたネスレの「アイスマウンテン」は、フリントから車でほんの数時間のところにあるメコスタ郡の工場で製造されています。ネスレは毎分218ガロンもの地下水を毎日ミシガン湖に注ぐ帯水層から汲み上げていますが、その水に対しては一銭も払っていません。ネスレは無料で汲み上げた水をボトルにつめて世界中に販売していますが、その一方でフリントの住民は有毒物で汚染された水に米国で一番高い水道料金(おおよそ月に1万円以上!)を支払わされています。緊急措置として住民にネスレのボトル水が配られる光景は、新自由主義経済の矛盾の縮図のようです。(16分)

アルジャジーラが共和党候補を誘拐?

2008/7/31(Thu)

中東カタールのドーハに本部を置くアルジャジーラ・イングリッシュは、2006年に始まった24時間の国際ニュース放送です。英語の国際放送ではBBCやCNNに並ぶ最大級のもののひとつですが、米国での普及はすすまず、いまだにバーモント州バーリントン、オハイオ州トレド、ワシントンDCの3都市でしか見られません。 今年の選挙でもイスラムやアラビア語への偏見をあおるようなキャンペーンが目につきましたが、そういうエピソードの1つ、アルジャジーラが槍玉に挙げられた事件を紹介します。共和党から下院に立候補したイラク復員軍人アラン・ウェスト元陸軍中尉が、アルジャジーラのスタッフに誘拐されそうだとFBIに通報しました。(5分)

「偽善のサーカス」 ジェレミー・スケイヒル がパリのデモに参加した世界首脳の報道弾圧を批判

2015/1/12(Mon)

2015年1月7日、フランスの風刺週刊新聞「シャルリー・エブド」の発行元を複数犯が襲撃し、風刺漫画家らを含む12人を殺害して逃亡、アルジェリア系フランス人の容疑者兄弟2人は2日後に籠城先の印刷工場で射殺されました。これと並行して、8日に警官を殺害したとされるアフリカ系フランス人の別の容疑者が、翌日パリのユダヤ食品スーパーに人質を取って立てこもる事件が発生。警察の強行突入の際に犯人が射殺されただけでなく人質4人が死亡しました。いずれの容疑者もイスラム系の過激思想の影響を受けていたと考えられ、「アラビア半島のアルカイダ」との関連も取り沙汰されています。(12分)

ジョン・ロス「怪物 メキシコシティの恐怖と贖い」 

2010/4/27(Tue)

詩人で活動家のジョン・ロスがメキシコを語ります。ビート・ジェネレーションの文学活動に参加していたロスは青年時代にメキシコを旅し、山中の原住民と7年間生活を共にしたり、サパティスタ運動にもかかわっていた経歴の持ち主です。1985年のメキシコ大地震に遭遇したロスは、被災住民が主体的になって救援活動を行なうのを目撃し、やがてそれが政治的な大衆運動になる様子に感銘を受けます。メキシコ・シティに移住したロスは地域に根を下ろし、住民の集会に参加してきました。そこでは多くの重要な社会問題が活発に議論され、暮らしをよくする地域運動があるといいます。

上院のフィリバスター(議事妨害)ってなに?

2010/2/16(Tue)

オバマの「改革」がいっこうに進まない理由のひとつは、共和党の上院議員たちが議事妨害(フィリバスター)を乱発して上院の審議を麻痺させ民主党の法案をことごとく阻止しているという事情です。このフィリバスターはとはどんな制度か、なぜここへ来て急に頻用されるようになったのか?そしてスーパーマジョリティの確保が必要とされる根拠は? 名作映画「スミス、都へ行く」で主人公が果敢に試みたフィリバスターは、デモクラシー・ナウ!のファンであれば、かつてマイク・グラベル議員がペンタゴン・ペーパーズ(国防総省のベトナム機密文書)を上院の議事録に入れてしまう</a>という快挙をやったことで記憶にあるかもしれません。グラベル議員の回想を聞けば、そんな品の良いものでも、なまやさしいものでもなかったことが分かります。(15分)

「闇」へ 「対テロ戦争」の下の米国の虐待 前編

2008/2/1(Fri)

ドキュメンタリー映画作家アレックス・ギブニーの新作Taxi to the Dark Side(邦題=「"闇"へ」)はアカデミー賞のドキュメンタリー部門を受賞しました。デモクラシー・ナウ!では、アカデミー賞候補に選ばれた段階でギブニー監督をスタジオに招き、この作品についての思いを聞きました。

「ノーモア・デス」国境をわたる難民に、保護を与えるのは重罪か 前編

2007/4/23(Mon)

 メキシコ国境では合衆国で働くため密入国する人々が増加し、砂漠を越える途中で衰弱し、死に至る事故があとを絶ちません。アメリカ政府はこの惨状を放置し、彼らの「死」を無許可の移民をけん制する抑止力として使っています。それどころか、このような非人道的な政策に対抗して移民たちの救助活動にあたるボランティアたちを、密入国幇助として重く罰しようとさえしています。このような政府の威圧政策にも屈せず救援活動をつづけ、オスカル・ロメロ人権賞を与えられた2人の若いボランティアが、国境の惨状を報告します。(12分)

カトリック教会に巣食うファシスト 信徒虐待と解放の神学弾圧の関係

2013/2/28(Thu)

近年のカトリック教会はスキャンダルまみれで、同性愛者や女性の司祭を認めない偽善性に加え、幼児性愛嗜好の神父たちによって多数の被害者が出ていることがドイツやアイルランドや米国で暴露されました。ベネディクト16世は早いうちから事態を知りながら、犯罪者をかばって組織的なもみ消しを図り、それが被害の拡大につながったようです。イタリア人のあいだでも教会不信は頂点に達し、教皇の退位を求めるデモも起きました。長い歴史を誇る組織が、ボルジア以来といわれる途方もない頽廃に陥ったことには、なにがしかの説明がほしいものです。元カトリック司教マシュー・フォックスによれば、今日の惨状の原因は、がちがちの教条主義者ベネディクト16世が、ラッツインガー枢機卿と呼ばれていた時代に異端審問を復活させ、教会内部の異論を摘発し、排除したことにあります。

メディア改革全国会議 リストラの嵐の中でジャーナリズム、ブロードバンド、放送を考える

2011/4/8(Fri)

メディアの集中化が進み、報道分野でも大規模な人員削減が進行するなか、2011年4月にボストンでメディア改革全国会議が開催され、全米から2000人を超すメディア関係者や活動家たちが集まりました。おりしも2011年3月にAT&TのT-Mobile社買収が発表された矢先でした。(この買収に対しては司法省が独占禁止法違反で訴訟を起こしています。)さらにブロードバンド普及の立ち遅れなど、山積するメディアに関する問題を3人のゲストに聞きました。(27分)

2008年ムンバイ襲撃事件の中心人物デイビッド・ヘッドリーの謎

2010/11/8(Mon)

「米国テロリズム史でひさびさの危険で謎めいた人物」デイビッド・ヘッドリーに迫ります。2010年11月インドを訪問したオバマ米大統領は、160人を超える死者を出した2008年のムンバイ同時襲撃事件の中心人物ヘッドリーについて公式の場で一言もふれず、インド市民を失望させました。日本でほとんど語られることのない、デイビッド・ヘッドリーとは?

トーマス・ゲーガン 無制限の高金利が米経済を破壊してきた

2009/3/24(Tue)

オバマ政権は3月に金融システム回復のため、1兆ドル規模の不良資産買い取り計画を発表しました。以降、金融危機は落ち着きを見せています。しかし私たちは、危機以前と同じ金融システムに戻るべきなのでしょうか?米国ではカードローンやペイデイローンなどを通じて、長期金利が20-30%、短期金利は200-300%というすさまじい高金利が合法になっています。金融業のこのような高利率に比べて、製造業への投資は利益率5%がせいぜいです。こうした歴然とした利益率の差から、投資家は製造業への投資をやめて金融に投資するようになりました。資本が実体経済から金融セクターへとなだれをうって流出し、人々からカネを吸い上げる寄生的な金融経済が登場したと、シカゴの法律家トーマ ス・ゲーガンは言います。(22分)

「命のための行進」銃規制を求める生徒たちのスピーチ

2018/3/26(Mon)

2018学生字幕翻訳コンテスト 課題1:「立ち上がる高校生」の受賞作です。

フロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で2018年2月14日、元生徒が校内に侵入してAR-15ライフル(軍用自動小銃の民間仕様版)を乱射し、生徒や教職員17名が死亡する事件がありました。それから約1カ月後の3月24日、事件を経験した生徒らが主体となり、銃規制強化を議会に求める抗議行動が全米800カ所以上で一斉に催されました。首都ワシントンのデモ行進March for Our Livesには主催者発表で80万人が参加し、他にもニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなどでも大規模なデモが行われ、近年まれにみる大規模な抗議行動の日となりました。ワシントンの行動では、高校生たちが次々と登壇し自らの体験に基づいた悲痛で力強い訴えを行いました。スピーチの中から、この日の行動を組織する中心となったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生徒キャメロン・カスキーと、マイア・ミドルトンのスピーチを取り上げます。(8分)

ビル・モイヤーズ メディア改革の必要を語る

2008/6/9(Mon)

2008年6月ミネソタ州ミネアポリスで第4回メディア改革全国大が開催され、米国各地から3500人以上の人々が集まりました。主催はメディア改革推進団体のフリープレスです。無数のパネルディスカッションやワークショップが行われ、メディア統合が進む現状にどのように対抗し、放送用周波帯使用の民主化を実現するための方策を練りました。放送界の巨星ビル・モイヤーズが行なった、感動的な基調講演をお送りします。(41分)

「ナチスの医師たち」の著者ロバート・J・リフトンとの対話 (1) CIAの拷問に加担した心理学者の罪

2015/5/7(Thu)

米国の著名な精神医学者、ロバート・ジェイ・リフトンへのインタビューです。リフトンは、広島の被爆者に対するインタビュー調査とその精神的側面に光をあてた『ヒロシマを生き抜く─精神史的考察』の著者として知られています。長年にわたり、戦争をはじめとする極限的な状況における人間の心理について批判的分析を行ってきた研究者です。近著、Witness To Extreme Century : A Memoir (『極限の世紀の証言者 ~回想録』) では、これまでの自身の活動を、研究者としての学問的行為であると同時に、「証言者」としての行為であったと振り返っています。前半は、世界最大の心理学者の団体である米国心理学会(APA)がブッシュ政権の拷問採用に積極的に関与していたという最近発覚したスキャンダルをめぐり、専門家集団が非人道的な犯罪に加担する心理について語ります。(14分)

『監視国家アメリカの出現』 シェーン・ハリス新著を語る

2010/2/25(Thu)

ナショナル・ジャーナル誌の記者シェーン・ハリスは、過去四半世紀にわたる米国政府の監視プログラムを設計してきた人々に取材し、『監視国家アメリカの出現』を書きました。いかにして市民の監視が簡単かつ合法的にできるようになってきたのか、またそれが今やどれほどまでにオバマ政権の国家安全保障戦略の要になっているかを論じています。(9分)

資本主義の問題に真っ向から挑むマイケル・ムーアの新作 『キャピタリズム~マネーは踊る』 後編

2009/9/24(Thu)

2009年9月末に米国で封切られたマイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』(原題Capitalism: A Love Story 『資本主義─ある愛の物語』)の標的は、世界を隅々まで支配する資本主義そのもの。資本主義は悪の制度で、その本質はネズミ講だと喝破するムーア監督はこの映画で、民主主義を形骸化させ政治と社会を牛耳る金融資本と、それに寄生する議会と行政に正面から切り込み、返す刀で、問題の本質から目を背け弱者に責任を転嫁することで権力に擦り寄る大手報道機関を切り捨てます。2008年、リーマンブラザーズ証券の破綻とAIG保険の経営危機に端を発した世界同時不況、それに続く巨額の公的資金による金融業界救済。「デリバティブ」や「クレジット・デフォルト・スワップ」など、専門用語の煙幕に隠れて行われた「略奪」を誰にでも分るように説明するという野心的な作品を通じて、21世紀のための新しい経済秩序が必要だと提言する、マイケル・ムーア監督に独占インタビューしました。(15分)

ポール・クルーグマンの「リベラルの良心」 後編

2007/10/17(Wed)

著名な経済学者ポール・クルーグマンへのインタビューをお届けします。ポール・クルーグマンはプリンストン大学教授で国際貿易論の第一人者です。またニューヨークタイムズ紙の論説コラムニストでもあり、最近、『エディター&パブリッシャー』誌によって年間最優秀コラムニストに選ばれました。今日は彼の新著The Conscience of a Liberal(『リベラルの良心』)について、本人からお話を伺います。

マイケル・ムーア『シッコ Sicko』 続編 911救援隊員を連れてキューバのグアンタナモへ 前編

2007/6/18(Mon)

 東京での公開が始まった映画『シッコ Sicko』。アメリカの医療保険制度の病理を描いていますが、ここで扱われているのは、健康保険に入れない4000万人ではなく、健康保険に入って保険料を何十年も支払ったあげくに制度に裏切られる2億2000万人のアメリカ市民です。このセグメントでは、デモクラシー・ナウ!のアンカーウーマンであるエイミー・グッドマンが、マイケル・ムーア監督に50分間の単独インタビューをし、『シッコ』着想の背景、撮影をめぐるエピソード、アメリカ社会について考察などを聞いています。(30分)

イスラム学者タリク・ラマダン 中東に広がる反米運動を語る

2012/9/13(Thu)

一年ほど前、米国で作られた映画がイスラムを冒涜しているとして、北アフリアや中東に反米デモが広がりました。各国の米大使館が襲撃され、リビアでは大使など4人が殺害されました。「アラブの春」を経て、公正な自由選挙が実施され、その結果誕生したのはエジプトでもチュニジアでもムスリム同胞団出身の大統領でした。穏健派のムスリム同胞団の政府の下で反米運動が激化するのはなぜなのか?欧州の代表的なイスラム知識人タリク・ラマダンは、「アラブの春」以降の流れはイスラム主義をめぐる内部の葛藤や、複雑な経済利権の絡み合いなど、様々な要素を斟酌する必要があるといいます。(26分)

インターネットがあなたに見せないもの

2011/5/27(Fri)

インターネットの世界は急速なアルゴリズムの進化によってどんどんカスタマイズ化されています。同じ言葉を検索しても、結果は人によって異なります。特に指示を出さなくても、あなたの居場所やデフォルトの言語、これまでの検索やクリックの履歴をもとに割り出した、あなたにぴったりの候補が示されるようになっているからです。見たい情報がすぐ探せて、とっても便利? でも、もしかしたら省かれてしまった情報の中に探していたものがあったかも。知らないうちに、情報が選別されているのは困ったところもあります。おまけに、あなたの好みの情報(と機械が判断した)ものばかりを並べられては、同じ傾向の情報ばかりに取り囲まれてしまいます。知らないうちに見たいものばっかりを見せられていると、どんどん視野が狭くなって、結果的に判断を誤るかもしれません。(23分)

【Express】広島、被災地にすばやい救援体制

2011/3/17(Thu)

東京電力の福島原子力発電所の壊滅的な事故に対し、広島市と広島市民は迅速にサポートに動きました。広島平和文化センターのスティーブン・リーパー氏が紹介します。リーパー氏は「原発ルネサンスの最期を目撃しているようだ」と語ります。

教師や親たちがハンストを決行するロサンゼルスの学校

2009/6/10(Wed)

ロサンゼルスの学校では、助成金の削減や教職員の大量解雇に抗議するハンガーストライキに教師や親たち、地域住民が参加しました。この問題はカリフォルニア州の財政が破産寸前になっていることから、アーノルド・シュワルツェネッガー州知事が歳出削減のために教育関連予算を州全体で10億ドル近く削減する方針を定めたために引き起こされました。(8分)

世界的な学校スト運動を触発した15歳の活動家グレタ・トゥーンベリに聞くー前半

2018/12/11(Tue)

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題1:「気候アクション」の受賞作です 2018年に学生たちの気候ストライキに火をつけて世界の気候対策に大きな転換をもたらしたグレタ・トゥーンベリは、タイム誌で「2018年の最も影響力のあるティーン」に選ばれました。その後の活躍ぶりはよく知られるところですが、このインタビューは初めて国際的な舞台に登場したころの、15歳の少女の姿を伝えています。あどけなさの残る中で、自分の信念にかかわるところは実にきっぱりとした口調で、熟慮に満ちた真摯な返事を返しカリスマ性を発散させています。

ホワイトスペースを開放せよ 電波は誰のもの?

2008/11/4(Tue)

2008年11月4日、米国では大統領選挙と並んで、もう一つ民主主義にとって重要な投票が行われました。米連邦通信委員会(FCC)が、高速無線インターネット接続を広範囲に広げる決定を下しました。テレビ放送用の電波の周波数帯域のうち「ホワイトスペース」と呼ばれる空き部分を開放し、誰でも高速インターネット・サービスに利用できるようにしたのです。放送業界は過去70年近く、最も便利な周波数帯の利用をただ同然で独占してきました。情報の流通を独占することで大きな影響力も振るってきました。その既得権が脅かされるのであれば、どんな革新にも反対します。FCCは4年もかけて約3万人から意見を聴取し、技術的な検証もした末に、全会一致でホワイトスペースの開放を決定しました。(6分)

06Itou-課題6 政治とアート

2014/4/10(Thu)

試写用です

飽食と飢餓 世界食糧システムの隠れた戦い 後編

2008/4/16(Wed)

4月頃から食糧価格の急騰で、ハイチやエジプトを始め東南アジアやアフリカの各地で食糧暴動が起こっています。世界銀行の推定では世界の食糧価格は過去3年で8割も上昇し、少なくとも33カ国で社会不安が拡大しています。国連世界食料計画は5億ドルの追加支援が必要と訴え、6月には国連主催の「食糧サミット」が開かれました。でも途上国の食糧暴動をテレビで眺める私達の食卓には、栄養豊富な加工食品が並んでいます。時間も手間もいらず、体によい食品のはずなのに、米国では病的な肥満が急増しています。しかも貧しい人々ほど肥満に陥りやすい。10億人が飢える一方で、8億人が肥満という現代世界の矛盾はどこから来るのでしょうか。少数の巨大食品企業が生産と流通を支配し、生産者価格を最低に押さえ込む一方で、大都市の貧しい消費者には高カロリーの工業食品を大量に消費させる現在の世界的な食品供給システムの矛盾に、ラジ・パテルが切り込みます。(14分)

ヒップホップと政治、差別用語と差別発言  マイケル・エリック・ダイソン教授が語る 後編

2007/7/18(Wed)

 戦争、暴力、公民権運動、そしてヒップホップ、ハリケーン・カトリーナから人種差別政策まで、マイケル・エリック・ダイソン教授は一手に引き受けます。この14年間に14冊の著作を出し、いずれもベストセラー。黒人向け月刊誌の米『エボニー』誌は、「最も影響力のあるアフリカ系アメリカ人100人」のひとりに彼を選出しています。ダイソン教授はつい最近、ジョージタウン大学の最高位の教授職に就任しました。バプテスト派の牧師の資格も持ち、アフリカン・アメリカン研究と並んで神学も教えています。最新、ヒップホップ論を出版しました。 番組前半では、ラジオトークショー・ホストのドン・アイムスによる差別発言事件、ジーナ高校の黒人生徒訴追事件、ハリケーン・カトリーナ後の人災など、最近の社会問題についてコメント。後半ではヒップホップという芸術様式における政治性、そのレトリックがいかに鋭く社会状況を反映しているかを、具体例を挙げて語ります。(14分)

日本のショックドクトリン:原発事故から3年、国粋主義と軍国化にひた走る安倍内閣

2014/1/15(Wed)

1月に来日したエイミー・グッドマンと番組スタッフは東京からの3日間にわたる特別放送を行いました。その一部を字幕つきで紹介します。東京発の第1弾は、近隣諸国との関係を緊張させている安倍政権の右翼的政策について取り上げます。(11分)

ジョセフ・スティグリッツ:『世界の99%を貧困にする経済』

2012/6/6(Wed)

経済的な格差が、先進国の中で最大になってしまった米国。機会均等を誇っていたはずの国が、先進国の中で均等の度合いが最も低い国になってしまったのです。最新著『世界の99%を貧困にする経済』の中で、ノーベル賞受賞経済学者のジョセフ・スティグリッツは、経済格差が政治をゆがめ、民主主義をあやうくしている現状を指摘します。(35分)

「ズコッティ公園は次世代の抵抗運動の象徴」マイケル・ラトナー弁護士

2011/10/14(Fri)

 ロウワー・マンハッタンのズコッティ公園で、憲法上の人権センターのマイケル・ラトナー弁護士は、公園清掃を理由にしたニューヨーク市による「ウォール街占拠」抗議者排除の試みは表現の自由に対する違反であって、強行すれば大変な衝突に発展していただろうと話します。「違法性を別にしても、あまりにも大規模な群集ですから、流血の事態になっていたでしょう。この一帯に数千人の人が集まっており、労働組合の人たちもたくさんいるところに入ってこようなんて考えるのが間違いだ。公園の閉鎖なんて、うまくいくはずがなかった…もう大きくなりすぎた。この公園は次世代の抗議運動の永遠の象徴になりつつあるのです」。ラトナーは、ウォール街占拠運動の法務班がブルックフィールド不動産に宛てた書簡の共同署名者です。同不動産はこの「民間所有の公園」を公衆に開放する義務を負っています。書簡は、同不動産が公園清掃を理由にニューヨーク市に要請した措置は憲法修正第一条などに抵触する恐れがあると主張し、裁判所の令状なしに警察が同公園で法執行を行うことは違憲であり違法であると警告しています。また、ウォール街占拠組織者の1人に10月15日の「世界・明日への行動の日」の「United for #GlobalChange」(#世界変革のための連帯)と称した計画について話を聞きます。(11分)

タハリールの攻防

2011/2/4(Fri)

2011年1月25日からエジプトで続いた民主化デモの正念場の1つに、2月2日、タハリール広場で繰り広げられた大統領支持派と市民の攻防戦があります。一夜明けたタハリール広場で、シャリフ・アブドゥル・クドゥースが市民にインタビューしました。市民が一様に口にしたのは、ムバラク派の暴徒が馬やラクダで突っ込み、銃、火炎ビン、ナイフやパイプなどの武器を使って襲ってきたことでした。橋の上など高所からの狙い撃ちもありました。

シアトルの戦いから20年:バンダナ・シバとロリ・ウォラックがWTO抗議運動を語る(前半)

2019/11/27(Wed)

2020学生字幕翻訳コンテスト  課題6:「グローバル貿易協定への抗議」の受賞作です。

1999年11月30日、世界中から数万人の市民活動家がシアトルに結集し、世界貿易機関(WTO)の閣僚会議を中止させました。WTOで交渉されるグローバルな貿易協定は、非民主的で、世界中の労働者の権利や環境や先住民に害を与えていると多数の人々が考えるようになったのです。会場となったシアトル・コンベンションセンターを抗議者たちが人間の鎖で囲み、中心街を占拠しました。警官隊は、大半が平和的に抗議していた群衆に、催涙ガスとゴム弾を発砲しました。抗議行動は5日間続き、600人が逮捕されましたが、WTO協議はとん挫し、シアトル警察署長は辞任しました。WTO批判の先頭に立つ2人の重要人物、インドの物理学者で活動家のバンダナ・シバとNPO団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラックに、20年後に話を聞きました。(10分)

「白い肌のテロリスト」 反アパ ルトヘイトの詩人ブレイテンバッハ 前編

2008/12/26(Fri)

ブレイテン・ブレイテンバッハ)は反アパルトヘイト運動で有名な南アフリカの亡命詩人です。アフリカーナとよばれる南ア白人の家庭に生まれましたが、60年代 初めにパリに移り住み、そこで反アパルトヘイト運動に深く没入しました。1975年、偽造パスポートでひそかに南アに戻ったところを逮捕され7年間投獄されました。この獄中体験を綴ったのが、代表作『白い肌のテロリストの真実の告白』です。11月26日に放送された第一回は、反アパルトヘイト闘争と解放後の南アフリカの失敗について詳しく聞きました。続編にあたる今回は、アフリカ大陸全体の現在に視野を広げます。(20分)

「民主主義への渇き」 緊縮行政が引き起こしたミシガン州フリント市の深刻な水道汚染を現地取材

2016/2/17(Wed)

米国より、先進国での出来事とは信じがたい水道水汚染の報告です。2014年4月、フリント市に供給される水道水の水源がフリント川に変更されました。フリント市は、かつては自動車関連の製造業で栄えた労働者の街でしたが、19世紀後半にその産業は衰退、市は多額の負債を抱えるに至り、2002年以降、市の財政はミシガン州の知事が独自に任命した非常事態管理者の管理下におかれていました。今回の水源の変更は、市の財政を立て直す一環として非常事態管理者が決定した、より安く水道水を提供する水道会社への切り替えを行うための一時的な措置でした。ところが、水源の変更直後から住民が水道水の質の著しい悪化を訴え始めます。最初に問題となったのは、細菌による汚染でした。この対策として、市は殺菌剤である塩素を投入しましたが、発がん性物質であるトリハロメタンの生成も同時に招く結果となりました。2015年11月までに、汚染された水道水が原因とみられるレジオネラの感染者は87名、そのうち10名が死亡しています。細菌汚染への対応を行う中で、新たな問題も明らかになりました。フリント川の水は、それまで使用していた水源の水に比べ腐食性が高く、水道管に含まれる鉛やその他重金属が溶け込みやすい状態でした。その結果、水道水から基準値を大幅に上回る鉛が検出され、住民の健康被害も数多く報告されています。鉛に暴露された結果起こる症状は、貧血、倦怠感や身体の痛み、消化器や神経系への異常など多岐に渡りますが、特に恐ろしいのは、成長過程にある子供への影響です。鉛は、脳や神経の発達に悪影響を及ぼし、治ることのない障害をもたらします。(20分)

「ファミリー」米国権力の中枢にひそむキリスト教原理主義

2009/8/12(Wed)

ムスリム撲滅の使命に燃えるエリック・プリンスのような狂信者とは異なり、米国のキリスト教右派の中にはもっと実利的で、力と支配を追求する勢力もいるようです。世間には知られない最強のキリスト教原理主義運動といわれるのが、「ファミリー」と呼ばれる政治秘密結社です。有力メンバーには、米国の連邦議員や財界人、軍幹部、また外国の国家元首などが名を連ね、共和党も、民主党もなく、すべての党派に勢力を分散させ、「聖書資本主義」と呼ばれる徹底した自由競争を追求します。まさに市場の「見えざる手」への信仰なのです。『ファミリー』の著者ジェフ・シャーレットが、この秘密集団について驚くべき発見を語ります(19分)

「アイスランドに倣えば石油戦争も温暖化もなくなる」オノ・ヨーコ 前編

2007/10/16(Tue)

 芸術家、音楽家、平和活動家として活躍するオノ・ヨーコ。「ジョン・レノンの妻」として扱われがちですが、このセグメントでは、ヨーコ自身の魅力を48分間ご覧いただきます。また、12月8日から日本でも公開されているドキュメンタリー映画『アメリカ対ジョン・レノン』についても、ヨーコに語っていただきます。ジョンの誕生日(10月9日)から命日(12月8日)までのみ空に光を放つ「イマジン・ピース・タワー」。そんなモニュメントを、オノ・ヨーコがアイスランドに作り、10月に除幕式を行いました。 (30分)

NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 2: 記者会見

2014/4/14(Mon)

4月11日ニューヨークで行われたジョージ・ポーク賞の授賞式で、式典に行われた記者会見のダイジェストです。今回の受賞で初めて帰国したローラ・ポイトラスとグレン・グリーンウォルドの二人に、これまで帰国を控えてきた理由や、米当局によるジャーナリズムへの有形無形の圧力について記者たちから質問が飛び交いました。(10分)

米国のイエメンでの秘密戦争 J・スケイヒル 

2011/3/22(Tue)

 イエメンでは、米国が支持するアリ・アブドラ・サレハ大統領政権から閣僚らが離反し、危機が高まっています。2ヶ月にわたる全国的な抗議運動の中、3月18日に首都サヌアでイエメン軍がデモ隊に発砲し45人が死亡、350人が負傷したことを受け、10人以上の軍の高級将校らが3月21日デモ参加者を守ることを宣言しました。ここ数年、米国はイエメンに数億ドルの軍事保障支援を提供してきました。「オバマ政権はイエメン国内での秘密戦争を拡大させ、イエメン軍、中でも特に米国の特殊作戦部隊によって訓練された精鋭の反テロ部隊への財政支援を激増させました」と、デモクラシー・ナウ!の通信員で独立系ジャーナリストのジェレミー・スケイヒルは言います。「もしアリ・アブドラ・サレハが米国が訓練した反テロ部隊を自分の国民に向けて放つことにしたら、事態はさらに悪化するでしょう。

国連宣言 水は基本的人権

2010/7/29(Thu)

国連総会は、水と公衆衛生は基本的人権であるという史上初の宣言を行いました。7月28日におこなわれた歴史的な投票で、122カ国の支持を得て決議が成立しました。米国とカナダ、一部のヨーロッパの国々、その他の先進工業国など40カ国以上は棄権しましたが、さすがに決議に反対した国はありませんでした。長年にわたる水の権利活動家、モード・バーロウに、この画期的な決議について聞きます。

シアトルの反WTO闘争から10年 後編

2009/11/30(Mon)

<後半>10 年前の1999年11月30日、米全土そして全世界から何万人もの人々がシアトルに集結し、WTO会議を中断に追い込みました。これに対し警官隊は、催涙ガスやゴム弾で応戦し、数百人が逮捕されました。企業中心のグローバリゼーションに対する市民側からの抵抗運動の始まりとなった伝説の「シアトルの闘い」について、マスコミがゆがめた真相やその後の展開、現在の関心などについて、当時シアトルの抗議運動を組織した2人の活動家に聞きます。 (11分)

ハイチの苦難の歴史 黒人奴隷革命から大統領拉致まで ランダル・ロビンソン 前編

2007/7/23(Mon)

 民主的に選ばれた大統領が、未明に官邸を襲った他国政府の要員によって拉致され、国外に追放される。こんな無法な事件が4年前ハイチで起こりましたが、その事実は大手メディアでは報道されていません。カリブ世界の最貧国、政情不安のつづく破綻国家で、またもや軍事クーデターが起こったと片付けられているようです。ハイチはフランス革命時代に黒人奴隷が蜂起しフランスから独立した世界最初の黒人共和国です。その輝かしい歴史のために、この国は大きな代償を支払わされてきました。独立以来たえまなく続く欧米の敵意と干渉について、2004年のクーデターの詳細と、その後の現地情勢を調査したランダル・ロビンソンが語ります。 (33分)

「警察は合法的な集会を監視してはならない」ハイテクを駆使して市民集会を監視するNY市警

2007/2/19(Mon)

 9・11以降、ニューヨークでは元CIAの情報担当警察副本部長のもとで、一般市民のさまざまな集会がハイテクビデオ機器を駆使して監視されています。政治や宗教の集会を行うのは憲法が保障する権利であるにもかかわらず、「テロ対策」では合法的に行動している一般市民も犯罪捜査の手法の対象になってしまう。こうした警察による人権侵害に対して、2007年2月15日ニューヨーク連邦地裁が画期的な判断を下しました。警察は犯罪性のない市民の集会を監視してはならず、あえて監視する場合には令状をとることが必要、とする80年代のハンチュー合意が再確認されたのです。(14分)

USAIDは新たなCIA? 反カストロを煽動するSMSサービスを密かに構築

2014/4/4(Fri)

AP通信の特ダネ記事によって、キューバ「民主化」支援を隠れ蓑にした米国国際開発庁(USAID)による偽ツイッター作戦が暴露されました。キューバの俗語でハチドリの囀り声を指す「スンスネオ」(Zunzuneo)と名付けられた隠密作戦は、銀行の偽装口座やダミー会社など、国際諜報活動の古典的手法を駆使し、当初は当たり障りのない生活情報などを提供しつつ個人情報を違法に収集して若年層のネットワークを構築し、時が熟せば「キューバの春」を演出して社会不安を招き、革命体制転覆へ導くことを究極の目的として始められたものの、2012年半ばには極秘裏に活動を終えたとされています。米大統領府は「議会の承認を得た正規の人道支援だ」と強弁していますが、中央情報局(CIA)や国家安全保障会議などお馴染みの謀略・国防組織ではなく、表向き人道目的を掲げた中央官庁が主体となった工作活動は、米国社会に衝撃をもたらしました。ジョージ・ワシントン大学にある公益研究機関、国家安全保障関連資料館の「キューバ記録事業」責任者ピーター・コーンブルーに取材します(13分)

CIA職員がイタリアで有罪に オバマ政権は拷問を免罪パート2

2012/9/21(Fri)

2001年9月11日にNYの世界貿易センタービルが崩壊してから10年余がたちました。ウィスコンシン大学マディソン校のアルフレッド・マッコイ教授は、「この10年は米国の政治史において、きわめて異例な10年でした」と驚きをもって語りました。米国は、国際社会が禁止した拷問を、政府の正式な政策として採用したのです。もちろん拷問とはいいません。別の名前をつけたのです。「強化尋問テクニック」です。ブッシュ政権が打ち出したこの拷問政策を担ったのはCIAでした。米国の敵とされたアルカイーダ要員は世界中にいます。そのため、米国は、米国が容疑者とみなした人物を尋問するために、グアンタナモ収容所あるいは拷問をしてくれそうな第三国に移送する必要がありました。そのための移送にも特別な名前をつけました。「特例拘置引渡し」です。(9分)

映画 『トランプランドのマイケル・ムーア』(1)トランプ 白人男性 断末魔の恐竜の叫び

2016/11/4(Fri)
https://www.democracynow.org/2016/11/7/disenfranchised_by_misinformation_victoria_law_on

トランプ政権発足から1年余りが経ちました。大統領選時から「トランプ」の名前がメディアに登場しない日はほぼないと言っても過言ではなく、最近ではアフリカやハイチ、エルサルバドルといった国々に対する「肥溜め」発言など一国のトップとしては信じられない言動は、むしろ拍車がかかっているようにも見えます。しかし実のところ、私たちはトランプ大統領の発言の品位のなさや主張がころころ変わることなどにもはや耐性がついてきて、ひどいニュースにも「またか」と驚かなくなってきているのではないでしょうか。そういった意味でも、大統領選直前に作成されたマイケル・ムーア監督の映画『トランプランド』を取りあげた動画を見て、当時を振り返ることには意義があると思われます。(11分)

サパティスタ蜂起から20年 NAFTAに立ち向かったメキシコ先住民が築いたオルタナティブ社会

2014/1/3(Fri)

NAFTAは米国、カナダ、メキシコの北米3カ国のあいだで結ばれた、TPPの元祖みたいな地域間自由貿易協定です。締結当時のうたい文句とは裏腹に、この20年で米国の雇用は失われ、メキシコではトウモロコシの生産が壊滅的な打撃を受けて農村地帯が困窮し、仕事を求めて米国に流入する無資格移民が百万人を超えています。自由貿易協定が引き起こすこのような悲惨な結果を当初から予測し、反対の声をあげて立ち上がったのが、メキシコの奥地の貧しい先住民たちだったことは、記憶に刻んでおきたいものです。NAFTAが発効した1994年1月1日、チアパス州の先住民が「NAFTAは自分たちへの死刑宣告だ」と訴え、自由貿易協定を推進するメキシコ政府に宣戦を布告しました。武装蜂起した農民中心のサパティスタ民族解放軍は、瞬く間にチアパス州の5つの主要な町を制圧しました。巧妙なメディア戦略も奏功して、この蜂起は世界に大きな衝撃を与えました。
あれから20年、サパティスタはチアパス州のおよそ3分の1を掌握し、サパティスモ(サパタ主義)と呼ばれる独自の方法論に基づいた自治を確立しています。(12分)

パキスタンの米軍と前代未聞の洪水被害

2010/9/13(Mon)

2009年8月に発生した大洪水によって、パキスタンは国土の5分の1が浸水、約2千万人が被災したと言われています。発生1カ月たっても水は引かず、被災者は寸断された道路やシェルターに取り残されたままでした。未曾有の災害となった洪水の救援活動から戻ったばかりのフェリヤ・アリ・ガハルさんに聞きました。パキスタン出身の俳優、映画監督、作家、人権運動家のガハルさんは、米国の無人機攻撃と洪水との間に具体的な関係があると言います。

戦争の地獄を持ち帰る者たち イラク帰還兵による殺人、自殺、誘拐

2009/7/30(Thu)

イラクやアフガニスタンからの帰還兵の証言で、見えない敵を相手にテロとの戦争をする米軍が、疑心暗鬼にかられて非武装の民間人をいとも簡単に殺傷する状況が明らかになっていますが、こうした民間人への攻撃に習熟し、殺人の訓練を受けた兵士たちが復員した後、故郷の日常の生活に簡単に復帰できるものなのでしょうか?コロラド州の新聞が、殺人の訓練を受けた兵士が民間人に戻ることの難しさを検証する衝撃の記事を掲載しました。(24分)

『マルコムX 自伝』を問い直す マニング・マラブルの新たなマルコム像

2007/5/21(Mon)

ブラック・ムスリム運動の指導者マルコムX は20世紀アメリカで最も影響力を持った政治活動家の1人でした。無神論者でハーレムのチンピラだったマルコム・リトルは、「ネイション・オブ・イスラム」に入信してマルコムXと改名し、白人社会への同化ではなく分離独立をめざす、黒人民族主義運動の傑出したリーダーとなりました。当初はキング牧師に代表される非暴力主義や公民権運動には批判的でしたが、メッカ巡礼などを契機に世界的な視野を獲得するに至り、1965年2月に凶弾に倒れる直前には汎アフリカ主義に基づく西半球のアフリカ系住民全体の団結と権利拡大を提唱していました。このような変化から、彼の人生は変身転の連続であったとの見方が主流です。その基になったのはアレックス・ヘイリーと共著で出版した『マルコムX 自伝』です。歴史学者マニング・マラブルは、この見方に異を唱え、従来の研究とは異なるマルコム像を語ります。(50分)

消えた石油はどこへ? ハリバートン社のドバイ移転を考える

2007/5/15(Tue)

 ここ4年間で、イラクの石油が1日10万-30万バレルの割合で行方不明になっており、汚職や密輸に使われた可能性があることが、アメリカ政府監査局の調べでわかりました。油田に油量計を取り付けるという普通の簡単な作業を、請負会社がなかなか遂行しなかったのが原因のひとつだと、CorpWatchのプラタップ・チャタジー氏は述べています。その請負会社が、ハリバートン社なのです。(12分)

チャベスの遺産とベネズエラの未来 追悼座談会 前篇

2013/3/6(Wed)

14年間にわたってベネズエラ大統領を務め、「反米」左翼政権の代表として国際的な注目を浴びると同時に、国内世論を二分し続けたウゴ・ラファエル・チャベス・フリアス氏は、2年間の癌闘病の末、2013年3月5日に58年の短い生涯を終えました。地方の庶民家庭に生れたチャベス氏は、青年期からフィデル・カストロやシモン・ボリバルの中南米独立思想に強い影響を受け、長じては職業軍人として軍内に革命運動組織を創設。1992年には当時のカルロス・アンドレス・ペレス政権による国民抑圧に反抗し、クーデターを起して未遂に終るものの、投降時の記者会見では多くの国民の共感を呼び、若き政治指導者として急速に支持を得ました。(25分)

生まれ変わるメーデー: オキュパイ運動が労働者や移民運動と共闘

2012/5/1(Tue)

ウォール街占拠運動がメーデーに復活しました。全米各地で抗議行動が行われます。しかも、これまでメーデー抗議行動の推進力だった移民運動や労働組合としっかり協力関係を築き、メーデーそのものに新しい息を吹き込みました。今年のメーデーの意義とオキュパイ運動の最前線を4人のゲストが語ります。(30分)

企業に無制限の選挙献金を許すシチズンズ・ユナイテッド判決に異議あり!

2010/10/28(Thu)

2010年の米中間選挙では、記録破りの選挙費用が使われました。その理由のひとつは、最高裁判所が1月に出したシチズンズ・ユナイテッド判決です。 この判決は、会社法人には、合衆国憲法修正第1条に基づく権利(信教、言論、出版、集会の自由、請願権)が保障されているとみなし、政府が企業の政治的な言論に制限をくわえることはできないとしています。この判決によって、企業や特殊利益団体が政治的な影響力を振るうために、公職選挙に特定候補を支持して無制限の金を使う道が開けました。 まさしく、金で買える民主主義の到来です。(17)

ガザ救援物資コンボイを率いた英国議員カナダで入国拒否

2009/4/1(Wed)

カナダ政府は2009年3月20日、辛らつな発言で有名な英国のジョージ・ガロウェイ(ギャロウェイ)下院議員が遊説のため入国するのを拒否しました。理由は国家安全保障にかかわるテロ支援の疑いです。2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙で圧勝し、現在はガザ地区のみを支配するハマス政府に援助を行ったことをさします。 2008年末から22日間にわって続いたイスラエルによるガザ攻撃を受けて、ガロウェイ議員はガザに救援物資を届ける「ヴィヴァ・パレスチナ」キャンペーンを企画し、1カ月で100万ポンド相当の支援と数百人のボランティアを集め、消防車や救急車を含む120台の車両に生活物資を満載し、陸路ガザをめざすコンボイを実現させました。(10分)

スティーブン・キンザー(1):米国のレジームチェンジと内政干渉の百年史 イラン、ニカラグア、ハワイ、キューバ

2018/3/12(Mon)

過去100年の米国の外交政策のキーワードは「レジーム・チェンジ」(体制転覆)です。これは米国に従わない他国の指導者をCIAがクーデターを画策して倒し、親米体制に替えることを指します。この政策がもっとも露骨に現れているのが、グアテマラ、ニカラグア、ハイチ、ドミニカ共和国など、カリブ海や中南米地域の国々です。20世紀初頭のグアテマラ大統領ホセ・サントス・セラヤが独自の外交姿勢を鮮明にしてつぶされたように、この地域では対米自立はご法度です。米国は民主主義の保護者を標榜しながら、選挙の結果、自国の利益を優先する指導者が出現した時には卑劣な手段で民主主義もろとも葬り去り、都合の良い独裁者を押し付ける。このパターンは現在も続いており、2009年のホンジュラスの軍事クーデターでも民主政権が倒され、独裁体制の下で暴力が蔓延し、ホンジュラスから逃げ出した人々が難民キャラバンとなって大挙して米国を目指しています。(17分)

現代の戦争の姿を決定づけた自動小銃の発明者ミハイル・カラシニコフ 94歳で死去

2013/12/24(Tue)

元ソ連軍の技術者ミハイル・カラシニコフが設計したカラシニコフ自動小銃、別名AK-47は、世界で最も多く使用されている銃器の一つで、現在およそ1億丁が出回っているとみられます。人気の秘密は簡単な構造で、安価で信頼性が高く、手入れも簡単なことです。かつては反植民地、反帝国主義の解放闘争で大活躍した「革命」を象徴するような武器でした。冷戦時代にソ連が植民地の独立運動など西側に対抗する勢力に無償でどんどん配り、世界中に広まったためです。欧米のポップカルチャーでは今もゲリラ、というか「敵」を示すアイコンです。しかし、ソ連体制が崩壊した後は、状況が一変します。膨大なカラシニコフの在庫は国家の管理をはなれ、利益だけを求める闇商人の手に落ちて、紛争地で大量に売りさばかれるようになりました。特にアフリカの独裁者たちに銃を与えて天然資源を獲得する戦争ビジネスは、コンゴ シエラレオネ、アンゴラなどの紛争を長引かせ、子ども兵士が利用されるという問題も生み出しました。国際政策センターで武器と安全保障問題を担当するウィリアム・ハートゥングは、カラシニコフ銃こそが戦争を可能にしている20世紀最大の大量殺人兵器だと言い切ります。

「20世紀のメディア王」ルパート・マードック

2007/8/2(Thu)

2007年8月、ルパート・マードック率いるニューズ・コープ社が、米国でもっとも信頼されてきた大手新聞の一つ、ウォールストリート・ジャーナル紙を所有するダウジョーンズ社の買収に成功しました。この時点でニューズ・コープ社は世界中で176の新聞を所有したことになります。米国ではここ数年、マードックのような“メディア王”による報道機関の占有が進んでいます。報道の公正さと質の低下を危惧するジャーナリストたちは、利益追求を優先させる企業家によってメディアが売買される状況を深刻な危機であると声を上げています。(24分)

混迷を深めるシリア内戦 パトリック・コウバーンの提言

2013/6/5(Wed)

シリアの内戦についてパトリック・コウバーンは、いまや内戦はシリア政府側と反政府側という構図に、反体制派の一部をなすアルカイダ系組織や少数宗派を含む対立が重なり、多層的な紛争に変容したといいます。欧米はアサド大統領の辞任を要求してきましたが、それをよそにシリア政府軍は着実に勝利を重ね、抗争は全体的には膠着状態にあるとコウバーンは言います。局地的にでも停戦を実現して暴力を減らすことが先決であり、それがないままいくら話し合いをしても無駄だと提言しました。化学兵器の使用についても政府軍が使用した証拠はないとしています。(20分)

【Express】辻信一「すべての原発の即時停止を」

2011/3/17(Thu)

ナマケモノ倶楽部の世話人を務める辻信一(大岩圭之助)氏は、このインタビューで世界中の原発の停止を呼びかけました。また福島原子力