『鉄路の血痕』 ベトナム帰還兵ブライアン・ウィルソン氏が語る反戦運動

2011/10/28(Fri)
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52分

ゲストの反戦活動家ブライアン・ウィルソンさんは、これまでの生涯で二度も文字通り死線を彷徨いました。最初はベトナム戦争従軍時。大義などとは無関係な戦場の残酷な現実を目の当たりにして現役兵時代に反戦活動に身を投じたウィルソンさんは、退役後にエルサルバドルやニカラグアを訪問し、米国政府の代理戦争の被害者と交流して米国の外交政策の過ちに確信を強め、1987年9月1日、カリフォルニア州にある基地の近くで軍事物資の輸送を止めようと線路に座り込みました。恐るべきことに、軍用列車は停止するどころか却って速度を上げ、轢かれたウィルソンさんは奇跡的に九死に一生を得たものの、頭蓋骨を割られ両脚を切断しました。

轢断の瞬間を捕えた衝撃映像が全世界に報道された結果、ウィルソンさんは反戦運動の英雄として世界中に招かれ、平和を訴え続けています。現在はPTSDに苦しみながらも他の退役軍人と共に反戦運動を続け、ウォール街を始めとする各地の「占拠」運動への支援も行っています。初の自伝『鉄路の血痕─S・ブライアン・ウィルソンの人生と時代』(Blood on the Tracks: The Life and Times of S. Brian Willson)を上梓したウィルソンさんが、巧まざるユーモアを交えてこれまでの経験を語ります。(斉木裕明)

*ブライアン・ウィルソン(S. Brian Willson):ベトナム戦争従軍後、反戦活動家として活躍。2011年にはオキュパイ運動に連帯し、車椅子式の手動自転車で退役軍人らと西海岸を回った。

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字幕翻訳:田中泉 校正:斉木裕明 全体監修:中野真紀子
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