本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。