ナオミ・クラインは、2007年に発表した『ショックドクトリン 惨事便乗型資本主義の正体を暴く』の中で、社会が大きな危機に見舞われたとき民衆がまどわされ、目の前にある救済策に飛びつくのを利用して、本来なら容易に受け入れられない企業寄りの政策を強行するネオリベ政府の手口を論じています。今回の石油価格高騰を受けたブッシュ政権の対応も、まさしくこの火事場泥棒の手口に他ならず、本当の問題解決にはならないけれど、石油企業は念願の海底掘削権を手に入れるのだと論じます。後編は気候変動をビジネスにしようとするモンサント社について、また北京オリンピックに乗じて中国政府に国民監視システムを売り込む欧米ハイテク企業について語ります。(10分)