ブロキュパイ運動 ユーロ圏の「緊縮政策の実験」を止めよ フランクフルトで数千人のデモ

2014/3/19(Wed)
Video No.: 
1
9分

☆ この動画は2015学生字幕翻訳コンテストで取り上げた課題(2) 「欧州に広がる反緊縮、反格差運動」の受賞作品です

2014年3月18日、ドイツのフランクフルトで数千人のデモが警官隊と衝突し、双方で数十名の負傷者が出ました。この行動を起こしたのは、この日に催された欧州中央銀行(ECB)の新しい本店タワービルの落成記念式典を阻止するブロキュパイ(Blockupy)運動の活動家たちでした。ブロキュパイは、多数の左翼団体や社会正義を求める団体の連合体です。彼らがECBを攻撃するのは、ユーロ圏で緊縮政策を推進する国際機構の中心だからです。この政策が欧州全体に貧困と失業をもたらし、特にギリシャなどの周縁諸国にひどい影響を与えていると、「ブロキュパイ」デモに参加したドイツ人の気候正義活動家タジオ・ミューラーは語ります。

欧州で「緊縮政策」と呼ばれて槍玉にあがっているものは、他の地域では「新自由主義」と呼ばれたり、「構造調整プログラム」と呼ばれたりしていますが、いずれもIMFや巨大銀行が自分たちの融資の返済を最優先させて経済全体を衰退させてしまう政策です。欧州ではギリシャ危機をきっかけにユーロ圏の矛盾が露呈し、全欧州的な抗議運動になっている様子が動画から伺えます。

昨年後半からは移民問題が全面に出て、反緊縮運動は一時息を潜めていたようですが、また最近フランスで不安定雇用に反対する大規模なデモが起きました。オキュパイ系の運動は、まだまだしぶとく続いていきそうです。(中野真紀子)

*タジオ・ミューラー(Tadzio Mueller): ドイツの気候正義活動家。2014年3月18日フランクフルトで起きた「ブロキュパイ」抗議行動に参加。

Credits: 

字幕翻訳:雑賀 光 (早稲田大学3年) 2015学生字幕翻訳コンテスト受賞作品
監修:中野真紀子