ガンジーの非暴力とは~ガンジーの言葉を通して

2012/6/5(Tue)
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9
17分

ノーマン・フィンケルスタインは、イスラエル・ロビーに対する厳しい批判で知られるパレスチナ・イスラエル問題の論客です。ガンジーの時代のインドにパレスチナとの共通点をみつけ、ガンジー全集98巻の半分を読破したというフィンケルスタイン。そこでガンジーの非暴力が正しく知られていないことがわかったといいます。ガンジーにとって非暴力とはどういうものだったのでしょう。

2011年の東京電力福島原発事故を機に、日本でも大規模なデモが行われるようになりました。警察の取り締まりに抵抗せず、逮捕者が出なかったことが非暴力の証であるように語られることもあります。しかしガンジーの説いた非暴力とは、危険や衝突を避けることではありませんでした。それはガンジーがもっとも軽蔑した臆病で卑劣な行為でした。非暴力が価値をもつのは、身を挺し、死をもいとわない不服従を傍観者に示した時です。それが傍観者たちの良心を目覚めさせ、行動にかりたて、巨大な権力を倒す大規模な大衆運動になるからです。(桜井まり子)

*ノーマン・フィンケルスタイン(Norman Finkelstein):政治学者で活動家。新著はKnowing Too Much: Why the American Jewish Romance with Israel Is Coming to an End (『知りすぎた:米国のユダヤ人とイスラエルのロマンスが終焉を迎えた理由』)と What Gandhi Says: About Nonviolence, Resistance and Courage (『ガンジーの言葉:非暴力、抵抗、勇気について』)。

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字幕翻訳:桜井まり子 校正:大竹秀子 協力:中野真紀子