アメリカの急進派 ノーマン・フィンケルスタインの記録映画が登場

2010/3/23(Tue)
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10分

ノーマン・フィンケルスタインは、容赦ないイスラエル批判で知られる米国の政治学者です。イスラエルはホロコーストを利用していると批判した『ホロコースト産業』は、ヨーロッパでベストセラーになりました。でも米国ではイスラエルを擁護する人びとから組織的な攻撃を受け、ついにドポール大学を辞職することになりました。

米国の言論界や政界における最大のタブーの一つ、イスラエル批判政治に果敢に挑んだフィンケルスタインが、新作ドキュメンタリー映画の主題になりました。本人をスタジオに招いて、イスラエル=パレスチナ問題の現状分析を聞くと同時に、めったに聞けない彼自身の個人的な成長の体験や信念について話してもらいました。

容赦ないイスラエル批判で知られるフィンケルスタインですが、彼自身は両親が強制収容所を体験したホロコーストの生き残りです。とくに大きな影響を受けたという母親は、戦争について理知的に語るのを嫌ったそうです。母親を裏切るような気がして、戦争について理路整然と話すことができなかったという彼は、チョムスキーの著作に出会って変わったそうです。フィンケルスタインのファンは必見かも。(中野)

*ノーマン・フィンケルスタイン(Norman Finkelstein) 政治学者。イスラエルはホロコースト犠牲者の立場を濫用していると批判してヨーロッパで話題になった『ホロコースト産業』のほか、『イスラエル擁護論批判』、Image and Reality of the Israel-Palestine Conflict (『イスラエル=パレスチナ紛争のイメージと現実』)などの著書がある。新著はガザ攻撃開始から一年後に発表されたThis Time We Went Too Far: Truth and Consequences of the Gaza Invasion(『今度はやりすぎた:ガザ侵攻の真実と結果』取り扱いはOrBooks.comのみ)。彼を主人公とする新作ドキュメンタリー American Radical: The Trials of Norman Finkelstein(『アメリカの急進派:ノーマン・フィンケルスタインの試練』)も作られている。

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字幕翻訳:桜井まり子
校正・全体監修:中野真紀子・高田絵里