ノーム・チョムスキー「ガザ危機へのオバマの立場はブッシュと同じ」

2009/1/23(Fri)
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イスラエルの攻撃が続くなかで、バラク・オバマは沈黙を通していました。1月22日、就任以来はじめて国務省に出向いたオバマ大統領は、ようやく中東情勢に関する初めての発言を行いました。最初の言葉は、イスラエルの安全を守ることへの強い決意の表明でした。ガザからイスラエル南部に向けて無座別に発射されたロケット弾は非難しても、イスラエルの攻撃に対する非難はありません。ただしパレスチナ人の苦しみには同情を示し、ガザ地区への救援物資の搬入のため封鎖を解除すべきだとも言いました。

しかしノーム・チョムスキー教授は、イスラエルに封鎖解除を求めるオバマの発言は単なるリップサービスだと一蹴します。ブッシュ時代に比べれば表現はソフトになりましたが、実際はイスラエルが一貫して続けている政策を肯定しているのだとチョムスキーは言います。建国以来つづくその政策とは、軍隊による民間人への攻撃です。イスラエルに敵対するゲリラ勢力の掃討を理由に民間人を大量に殺せば、住民たちが抵抗組織に対して反感を持つようになるからです。(中野)

ノーム・チョムスキー Noam Chomsky マサチューセッツ工科大学の言語学教授を半世紀以上もつとめ、百冊以上の著書がある。

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翻訳:斉木裕明/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子・高田絵里