真の公平性とは?メアリー・ロビンソンの提言

2012/12/4(Tue)
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2012年、カタールのドーハで開かれた国連気候変動会議に出席したメアリー・ロビンソンは、「衡平性」(equity )を「不公平な事実を考慮すること」と説明しました。途上国と先進国の間に大きな差がある中で、公平に責任を負担し、恩恵を分けあうことを考えることは、気候正義(Climate Justice)を追求することでもあります。第三世界の資源を使って富を得た先進国は途上国に対して負債があるとする気候負債の考えも、衡平性(equity )を達成するための申し立てと言えるでしょう。

気候変動会議は全参加国の合意によって決定するという原則を採用していますが(Consensus decision-making)、貧しい国々は国際会議への参加が難しく、会期が2週間と長いため、参加しても最後までいられないことも珍しくありません。会議へのアクセスが保障されないことは、最終合意が先進国に有利に運ばれることにつながります。真の公平性を確保するにはどうすればいいのか?メアリー・ロビンソンの提言の趣旨はそこにあるようです。(桜井まり子)

*メアリー・ロビンソン(Mary Robinson):アイルランド大統領や国連人権高等弁務官を歴任後、現在「メアリー・ロビンソン財団:気候正義」(Mary Robinson Foundation–Climate Justice )の代表

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字幕翻訳:川上奈緒子/校正:永井愛弓/Web作成:桜井まり子