アルジャジーラの革命中継が見られないエジプトとアメリカ

2011/2/1(Tue)
Video No.: 
3
14分
エジプトの民衆革命をライブ放送で伝え、一躍その存在感を高めた中東の放送局アルジャジーラ。タハリール広場からの中継にはネットからも視聴者が殺到し、しばしばダウンしました。通常のアクセスの25倍に跳ね上がったそうですが、その6割は米国からのものだったそうです。

アルジャジーラの英語放送は世界中の2億世帯にとどくのに、米国ではほとんどの商業放送から排除されており、首都ワシントンを除いて視聴できる地域はほんの数ヵ所です。エジプト当局がアルジャジーラのアラビア語放送を弾圧したことは論議を呼びましたが、米国でもアルジャジーラは視聴できず、結果的に「報道管制」ではないかと批判されています。米国でのアルジャジーラ不振の理由について、同局の営業戦略顧問トニー・バーマン氏に聞きます。

一方、エジプトではカイロ支局が閉鎖され、露骨な弾圧を受けました。民衆を扇動したという理由ですが、アルジャジーラが標的になったのは視聴率が最も高く一番影響力が大きいからです。CNNやBBCなどの国際放送はアラビア語放送ほど見られておらず、中東の人々の主な情報源はアラビア語の国際放送アルジャジーラなのです。エジプト革命の中でアルジャジーラの果たした役割はなんだったのか、アルジャジーラのアラビア語放送と英語放送はどう違うのか、両者の関係はどのようなものなのか、これからの米国進出の戦略は、等々を聞きます。(中野)

*モハメド・アブドゥル・ダエム(Mohamed Abdel Dayem)ジャーナリスト保護委員会の中東・北アフリカ地域プログラム担当
トニー・バーマン(Tony Burman)アルジャジーラ・ネットワークの米大陸主任戦略顧問

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字幕翻訳:玉川千絵子  校正:桜井まり子 
全体監修:中野真紀子 サイト作成:丸山紀一朗