戦時下の性暴力に終止符を モニカ・ハウザー

2008/12/8(Mon)
Video No.: 
3
12分

もう1人のライトライブリフッド賞受賞者は、ドイツのモニカ・ハウザー医師です。婦人科医のハウザーは、戦時下の女性や女児に対する性的暴力を防止し、処罰するための活動に取り組むNGOメディカ・モンディアル(medica mondiale)の創立者です。ドイツに本部を置く同組織は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、リベリア、アフガニスタンなどの紛争地域で性暴力を受け、心の傷を負った7万人を超える女性たちを支援してきました。

旧ユーゴやアフリカの紛争では、民族対立がジェノサイドに発展し、その一環として女性に対するレイプが戦争の手段として大々的に行なわれています。しかし戦時下の女性暴力を防ぐための措置は遅れています。2008年には国連安保理で、レイプは戦争犯罪であると明確に規定する決議(1820)がなされましたが、国際政治の中で政治家の関心は薄く、実際にそれを適用して処罰するには至っていません。ハウザー医師は、戦時下のレイプを犯罪として取り締まり、きちんと処罰することが、予防措置として不可欠であると訴えます。(中野)

★ ニュースレター第17号(2009.8.10)

*モニカ・ハウザー(Monika Hauser) ドイツの婦人科医、メディア・モンディアルの創始者。

Credits: 

字幕翻訳:関房江 校正:永井愛弓
全体監修:中野真紀子