一石二鳥のグリーンカラー経済

2008/10/28(Tue)
Video No.: 
1
8分

米国が抱える問題は金融危機ばかりではありません。経済格差も危機的といってよい水準です。国連の調査によれば、NY,ワシントンDC,アトランタ、ニューオリンズなど米国の主要都市における貧富の差は、アフリカの主要都市と同じレベルであり、OECDの調査でも、米国の貧富の差はメキシコとトルコに次いで世界3位であり、ブッシュ政権の下で一段と拡大しました。

一方、米国が最大の排出国である温暖化ガスによる気候変動は、地球全体を危機に陥れていると警告されています。「グローバル・カーボン・プロジェクト」は、CO2排出量が2007年に3%近く増加したと報告しています。3%という数字は、世界の代表的な気象学者たちが、「気候変動に関する政府間パネル」IPPCで警告した臨界点の水準です。

コミュニティ活動家のバン・ジョーンズ弁護士は、この二つの大問題を、同時に解決する一石二鳥の秘策としてグリーンカラー・エコノミー(環境保護と経済を融合させたシステム)を提唱しています。オバマ新政権の誕生による「グリーンケインズ主義の台頭」を待望するバン・ジョーンズの話に耳を傾けましょう。(中野)

バン・ジョーンズ(Van Jones)「グリーン・フォア・オール」代表で、The Green Collar Economy: How One Solution Can Fix Our Two Biggest Problems(『緑色の経済 米国の2つの大問題を一気に片付ける方法』)の著者。また米国のケイジ裁判制度における人権侵害を告発する「エラ・ベーカー人権センター」を創設した。

Credits: 

字幕翻訳:桜井まり子/校正:関房江
全体監修:中野真紀子