「ウォール街を占拠せよ」 抗議運動のはじまり

2011/9/19(Mon)
Video No.: 
1
15.5分

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昨年秋から話題をさらったウォール街占拠運動。最初は無視していた大手メディアも、運動が拡大するにつれて大きく取り上げ始めました。デモクラシー・ナウ!では抗議運動の当初から密着取材を続けました。「ウォール街占拠」の発端は、アラブの春や欧州の緊縮財政反対デモに刺激され、カナダのバンクーバーに本拠を置くカルチャー誌『アドバスターズ』が7月にウォール街に抗議しようと呼びかけをしたことです。その日かぎりの抗議ではなくウォール街の一角を占領してしまう作戦でした。9月17日の最初の抗議行動から3日目の報道で、現場のビデオレポートとブロガーによる最新情報、そして占拠運動の呼びかけ人の1人で、「集会」(General assembly)の運動化を提唱した人類学者デイビッド・グレイバーに話を聞きました。

「集会」のモデルは、水平に人々がつながるヨーロッパの直接民主主義です。問題を起こした側に絡め取られた既存政党に問題解決は期待できません。こうなったら自力で解決していくしかないので、大勢で広場に止まりこみ、徹底して話し合うなかから理想の社会を築いていこうという、集会そのものの運動化です。米国でもカイロやマドリッドと同じように、大学を出ても就職できない若者たちが学生ローンの負債にあえぎ、世直しを必要としているのです。(中野真紀子)

 

*デイビッド・グレイバー(David Graeber)ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで文化人類学を教える。2011年7月に出版されたDebt: The First 5,000 Years(『負債論~貨幣と暴力の5000年』)など、著書多数。

Credits: 

字幕翻訳:小椋優子/校正:桜井まり子 全体監修:中野真紀子/サイト作成:丸山紀一朗

English Script: 
http://www.democracynow.org/2011/9/19/occupy_wall_street_thousands_march_in