バンダナ・シバ 第三世界への環境汚染アウトソーシングを批判

2007/9/14(Fri)
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17分

グローバリゼーション国際フォーラム開催のティーチイン「地球の3つの危機:気候変動、ピーク・オイル(安価なエネルギーの終焉)、地球資源枯渇」を前に、会議で発言する予定のデイビッド・コーテンとバンダナ・シバの話を聞きます。

企業中心のグローバリゼーションを批判する『グローバル経済という怪物―人間不在の世界から市民社会の復権へ』で知られるデイビッド・コーテンは、YES! A Journal of Positive Futures(『YES! 前向きな未来の雑誌』)の発行人です。新刊のThe Great Turning: From Empire to Earth Community(『偉大なる転換;帝国から地球コミュニティへ』)で、現在のグローバリゼーションの動きを人間社会の5000年にわたる「帝国」の歴史に据えてみています。彼の言う「帝国」とは支配者の上下構造を基にした人間社会の関係性を示す言葉ですが、そのような支配力による発展は人間社会や環境システムが支えられる限界に達していると彼は主張します。未来を肯定的なものにするためには、人類は「帝国」の力の支配から「地球コミュニティ」の共同参加型の社会へと転換していかねばならないと説いています。

インド出身の思想家で環境問題に指導的役割を果たしてきたバンダナ・シバは、インドの現状を中心に地球資源の枯渇と環境汚染の第三世界への押し付けについて語ります。「インドはいま、資源エネルギー大量消費型産業の生産と汚染をアウトソーシングする最適の場所として世界から注目されています。安価な労働力や情報技術部門のアウトソーシングはよく話題に取り上げられますが、第三世界への環境汚染アウトソーシングについてはめったに語られません」(中野)

* デイビッド・コーテン(David Korten)『グローバル経済という怪物―人間不在の世界から市民社会の復権へ』)の著者で、YES! A Journal of Positive Futures(『YES! 前向きな未来の雑誌』)の発行人。

* バンダナ・シバ(Vandana Shiva) 世界的に知られる環境問題の指導的活動家、思想家。物理学と環境学を教え、「科学・技術・環境科学のための研究基金」の理事をつとめる。原産の種子の使用と多様性を訴える「ナブダニャ(9つの種子)」運動を創始した。1993年に「もう1つのノーベル賞」を受賞した。『アース・デモクラシー―地球と生命の多様性に根ざした民主主義』など著書多数

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字幕翻訳: 中野真紀子