マイケル・シュナイダ―は、28年間エネルギー問題を追い続けている理由を「エネルギーの利用や生産が政治権力と結びついている」からだと説明します。もともとはドイツの反戦活動家で、良心的兵役拒否者だったと言います。社会奉仕活動を課せられた後、世界を渡り歩き、フランスに落ち着きます。しかし軍事問題への関心を持ち続けたシュナイダ―は、軍事用核と民生用核の問題に気づき、独自に調査を始めます。1992年以降、環境団体と協力して『世界の原子力産業現状報告』を発行、原発産業の動向を報告してきました。報告の中でシュナイダ―が一貫して指摘しているのは、原発産業は1980年代末にピークを迎えた斜陽産業だということです。しかし「原子力ルネサンス」は「安全神話」と共に世界中で喧伝されました。シュナイダ―は、「原子力ルネサンス」は権力構造を維持するための壮大な「誇大宣伝」であり「ペテン」だと言っています。効率的なエネルギー生産という名のもとに世界をだます「無用の長物」だと。半年後の2011年3月11日、日本でそれが証明されることとなりました。(17分)