「アパルトヘイトではなく平和を」ジミー・カーター、パレスチナを語る

2007/9/10(Mon)
Video No.: 
1
40分

ジョージア州アトランタの「カーターセンター」を訪れたエイミーが、ジミー・カーターに初めてインタビュー。ホワイトハウスを去った後のカーターは、同センターを基盤に人道支援や民主的な選挙の推進などの分野で精力的な活動をつづけており、元大統領の立場を有意義に使った人権外交は現役大統領時代よりも高く賞賛され、2002年にはノーベル平和賞を受賞しています。

今回のインタビューの目玉は、2007年に刊行された著書『カーター、パレスチナを語る アパルトヘイトではなく平和を』です。イスラエルがパレスチナ占領地への入植拡大を続けていることこそが中東和平を阻む最大の障害だと論じたこの本は、「アパルトヘイト」ということばを使ったことへの反発もあって、賛否両論の大論争を引き起こしました。本人に、この本を書いた動機や、パレスチナ問題解決の展望について、踏み込んで話を聞きます。

その他にも、現役大統領時代を振り返り、インドネシア軍に武器を供与し、結果的に東ティモール占領を支援することになったことや、イラン国王との取引についても、エイミーはするどく切り込んでいます。また現在のイラク戦争に対する見解も披露しています。世界における選挙監視活動と医療活動を行うNPO法人「カーター・センター」の25年間の活動についての説明もあります。

80歳を超えてなお矍鑠として有意義な活動を続ける元大統領は、エイミーの鋭い、時には答えにくい質問にも率直に答えて好感が持てます。(中野)

なお、大きな反響を呼んだカーターの著作は、晶文社から翻訳書がでました。この番組をブログで紹介したことから出版の運びになったもので、翻訳者の2人はいずれもデモクラシー・ナウ!のメンバーです。このインタビューの抄訳も収録されています。ぜひ、ご一読下さい。

『カーター、パレスチナを語る アパルトヘイトではなく平和を』

ジミー・カーター(Jimmy Carter) 第39代アメリカ合衆国大統領(1977-81年)。ジョージア州で農業経営の傍ら政界に進出し、ジョージア州知事をつとめた。大統領時代にイラン革命とアメリカ大使館員人質事件が起こった。外交的には中東和平に力をいれ、キャンプデービッド交渉を通じてイスラエル=エジプト講和条約の締結を成功させた。

Credits: 

字幕翻訳:北丸雄二 / 全体監修:中野真紀子