コチャバンバ「水戦争」から10年 民営化阻止の民衆闘争をふり返る

2010/4/19(Mon)
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20分

ボリビアのコチャバンバでは10年前、最も大切な天然資源である水をめぐり、壮絶な「水戦争」が起こりました。その数カ月前にはシアトルで、WTOへの抗議行動で総会が中止になっており、時を同じくして米大陸の南北で企業中心のクローバリゼーションに対する民衆の抵抗を象徴する事件が置きました。コチャバンバ市では政府が米国企業ベクテルに水道管理権を売り渡したことに危機感を抱いた民衆が一斉に立ち上がり、契約取り消しをもとめて広場を占拠しました。政府は軍を投入し、戒厳令を発令して弾圧しましたが、「水の権利」を守ろうとする民衆の反乱には勝てず、結局は民衆の要求に屈しました。2月と4月の二度にわたる壮絶な街頭闘争の結果、ボリビアの民衆はベクテル社を追い出しました。水戦争の当時、住民側の組織で重要な役割を担当したはたしたマルセラ・オリベラに当時の話を聞きます。

誰がどのように反対運動を組織したのか、「広場の占拠」が始まった経緯は、エボ・モラレスの役割は、などなど興味深い話がつづきます。「勝てるなんて誰も思っていなかった」というマルセラ・オリベラは、民衆が立ち上がれば何一つ変えられないものはない、政府の既定路線であってもひっくり返すことができると水戦争が教えてくれたと言います。「広場の占拠」が闘争の中心になったのは、公共のものである広場を市民が使うことは市民の権利であると主張するためでした。この闘いは水だけの問題ではなく、自然や住民の生活にとって重要なことを誰が決めるのかを問う民主主義の闘争であり、民営化に対抗する別の道を見出すための第一歩でした。(中野)。

*マルセラ・オリベラ(Marcela Olivera)
「水と生活の防衛連合」の国際連絡担当主任

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字幕翻訳:小椋優子/校正:大竹秀子

全体監修:中野真紀子・付天斉