シアトルの反WTO闘争から10年 前編

2009/11/30(Mon)
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10分

<前半>調査ジャーナリストのグレッグ・パラストは、ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部で、パスカル・ラミー事務局長に直撃インタビューを行い、WTOが過去10年の間にどれほど変化したか、また同組織にとっての優先事項がどう変わったかをさぐりました。

ことに米国発の金融危機をまたたくまに世界全体に広げ、ヨーロッパのを財政破綻の危機に陥れ、アジアに不況を撒き散らした「障壁撤廃」の破壊力を目の当たりにした今、やみくもに市場開放を求める姿勢を少しは反省したのでしょうか?

いやいや、改悛の様子はみられません。現在WTOが第三世界に迫っているのは、デリバティブやヘッジファンドなど規制のできない金融商品に対して市場を開放することなのです。金融規制の撤廃は、農業交渉と並んで今後のWTO交渉の注目ポイントになりそうです (中野)。

*グレッグ・パラスト(Greg Palast)イギリスのBBC やガーディアン紙を中心に活躍するアメリカ人ジャーナリスト。主な著書に『金で買えるアメリカ民主主義』(角川書店)、Armed Madhouse( 『 武装したマッドハウス』)、Democracy and Regulation 『(民主主義と法』)などがある。

*パスカル・ラミー(Pascal Lamy)フランス出身の官僚、国際公務員、実業家。世界貿易機関(WTO)事務局長。元欧州委員会欧州委員(貿易担当)。 マーティン・コー(Martin Khor) エコノミスト、ジャーナリスト。マレーシアに本部を置くNGO第三世界ネットワーク(Third World Network)の事務局長。 同団体は、環境問題や持続可能な経済、企業中心のグローバリゼーションなどの問題について途上国の市民団体の声を伝えている。 

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字幕翻訳:小椋優子/校正:大竹秀子 全体監修:中野真紀子・付天斉