世界を戦場にしていい理由 9.11から無人機攻撃まで

2013/5/17(Fri)
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米国防総省の高官たちが、「アルカイダとその関連組織」との戦争は「少なくとも今後20年は続く」可能性があるとの見通しを述べました。この発言が出たのは2013年5月16日に開かれた上院公聴会であり、その目的は、9.11事件を受けて2001年に米国合同議会が可決した武力行使権限決議」(AUMF:テロリストに対する武力行使権限授与の決議)の見直しでした。

この公聴会で国防総省の担当者は、 「軍が敵とみなす者がいるところが戦場」であり、武力行使権限決議(AUMF)は、シリアやイエメン、コンゴを含む世界のどこででも期限を切らない戦争を遂行できる権限を大統領に与えていると証言しました。これに対し、毅然と意義を唱えたのが、メイン州選出の無所属じアンガス・キング上院議員でした。「こんれほど不愉快で、呆れた公聴会ははじめてだ。あなたたちは今日いまこの場で憲法 を書き換えたと同じことをしたんですよ」。

2015年末の時点で振り返ると、なんだかひどく既視感のある光景です。米国のテロ戦争の議論から日本の安保法制議論がどれほど拝借しているのか考えてみるのも面白いですね。(桜井まり子&中野真紀子)

*アンガス・キング(Angus King, Jr.):メイン州選出の独立系上院議員。1995年から2003年までメイン州の州知事を務めた。

*ジェレミー・スケイヒル(Jeremy Scahill):Dirty Wars : The World Is a Battlefield(『汚い戦争:世界は戦場だ』)の著者

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字幕翻訳:佐藤真喜子 校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子