大きすぎて投獄できない銀行 ウィキリークスへの攻撃

2011/10/26(Wed)
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14.5分

前のセグメントからの続きで、グレン・グリーンウォルドがウォール街占拠運動についてコメント。占拠の運動の推進力は、税金で救済された銀行の目に余るふるまいに対する怒りです。金融危機の原因は経済政策の誤りだったとしても、それを何倍にも増幅させて経済を破壊したのは金融業界の巨大な不正でした。それなのに銀行に対しては起訴はおろか犯罪捜査さえ行われません。一方、庶民は些細さな違反でも逮捕・投獄されるようになり、この40年間で米国の囚人の総人口に対する比率は5倍に跳ね上がっています。特権階級に対する司法と庶民に対する司法の差をこれほどあからさまに示すものはありません。しかも政府の金で救済された金融投資家たちは、その金を使って選挙に介入し、自らの特権をさらに固めているのです。

こうした司法の二階層化の始まりとしてグリーンウォルドが指摘するのは、ウォーターゲート事件でニクソン大統領が辞任した後、後継のフォード大統領がニクソンの明らかな違法行為を恩赦したことです。このフォード大統領の判断が、特権階級が政務で犯した罪は責任を問わないという主張を正当化し、やがて免責の範囲は企業の行動にまで広がっていったのだとグリーンウォルドは言います。(中野真紀子)

*グレン・グリーンウォールド(Glenn Greenwald)Salon.comの政治、法律関連ブロガー。新著はWith Liberty and Justice for Some: How the Law is Used to Destroy Equality and Protect the Powerful.

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字幕翻訳:大竹秀子/全体監修:中野真紀子/サイト作成:丸山紀一朗