何が資本主義を崩壊させたのか? ヤニス・バルファキス、新著とアサンジを釈放すべき理由を語る

2024/4/16(Tue)
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☆学生字幕翻訳コンテスト2024の授賞作品です

経済学者で政治活動家のヤニス・ヴァルファキスは、元ギリシアの財務大臣です。ロンドンのベルマーシュ刑務所に収監中のウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジの解放を求める運動に積極的にかかわってきました。オーストラリア政府は最近ようやく自国民であるアサンジの釈放を求めて動き始めましたが、彼らが推進する司法取引は、釈放と引き換えにアサンジに有罪を認めさせるものです。バルファキスは、「ジュリアンが有罪を認めることは決してないでしょう。それではまるでジャーナリズムが犯罪だということになってしまいますから」と言います。

バルファキスはまた、新著『テクノ封建制 資本主義を殺したもの』についても語ります。彼によれば、買い手と売り手が開かれた市場で活動するという市場経済の原則を、アマゾンのような巨大プラットフォームによって破壊されました。市場はデジタル領地に取って代わられ、売り手の利益は地代(レント)として吸い取られます。囲い込まれたユーザーたちは、活動をするたびにデータを収集され、ただ働きで貢ぐことになります。ウィルスが変異によって毒性を強めたように、無敵に進化した資本が宿主である資本主義を殺してしまったと彼は主張します。

☆追記:ジュリアン・アサンジは米国との司法取引に応じ、2024年6月に解放されてオーストラリアに身柄を引き渡され、同国で療養中です。

*ヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis):経済学者、元ギリシャ財務大臣。

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字幕翻訳:竹林芙美(慶應義塾大学薬学部3年 受賞時)