ローリー・アンダーソンの新作「ホームランド」

2008/7/23(Wed)
Video No.: 
3
8分

パフォーマンスアーティストのローリー・アンダーソンとの会話をお送りします。70年代の前衛アートシーンに登場した彼女は独特な実験的スタイルで一躍有名人になりました。その後も優れたアーティストたちとの協力で数多くの作品をつくってきました。最新作はニューヨークのリンカーンセンターでお披露目された「ホームランド」です。最新作の意図について、アーティストとしての自分の役割について、またイラク侵攻後に「自分の国をなくした」と思う理由などを聞きました。

「ホームランド」は、米国人にはあまり使われない、意味のあいまいな単語です。自分の生まれた国を意味したり、ある民族と強く結びついた土地のことを言ったりします。ドイツ人のいう祖国(Fatherland)のようにも聞こえます。

これに「セキュリティ」をつけたのが、911以降にブッシュ政権が定めた「ホームランド・セキュリティ」法(国家安全保障法)です。はたして、この言葉を選んだ理由はなんなのでしょう?この言葉を使って、いったいなにを話しているのでしょう?

「語られた物語が、どんなふうに人びとの心を変えたのか? ここが私のアートと政治の接点です」と、ローリー・アンダーソンは新作「ホームランド」について語ります。パフォーマンスの一部も見られます。(中野)

* ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson) パフォーミング・アーティスト。1970年代から実験的な作風で世界的に知られる前衛アーティスト、作家。アラン・ギンズバーグ、フィリップ・グラス、フランク・ザッパ、夫ルー・リードなど数々のアーティストと共同で作品を残している。

Credits: 

字幕翻訳:佐藤生実/校正・全体監修;中野真紀子