NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 2: 記者会見

2014/4/14(Mon)
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22分

4月11日ニューヨークで行われたジョージ・ポーク賞の授賞式で、式典に行われた記者会見のダイジェストです。今回の受賞で初めて帰国したローラ・ポイトラスとグレン・グリーンウォルドの二人に、これまで帰国を控えてきた理由や、米当局によるジャーナリズムへの有形無形の圧力について記者たちから質問が飛び交いました。

米国政府の内部告発への弾圧のほかにも、ロシアに一時的亡命を認められたエドワード・スノーデンの近況、ポイトラスが事務所を置くドイツをはじめ今回の告発に対する海外の反応、eBay創始者ピエール・オミダイヤの出資で立ち上げた新しいタイプの報道メディアThe Interceptと告発のツールについて、民間企業と一体化した米国の監視体制の行方など、さまざまな話題が取り上げられています。なかには質問がホットすぎて、「そういうことは記者会見の席ではなくて、デモクラシー・ナウの番組の中できちんとスクープすることにしています」なんて、エイミーが切り返される場面も。まだまだ報道は序の口だそうで、これから何が出てくるのか、ほんとうに楽しみです。

ジョージ・ポーク賞は米国の有名なジャーナリズム賞です。今年の受賞者には、国家安全保障局(NSA)に関する報道を行ったガーディアン紙のグレン・グリーンウォルド、ユエン・マカースキル記者、ワシントンポスト紙のバートン・ゲルマン記者、映像ジャーナリストのローラ・ポイトラスの4人がいます。この受賞の直後にはピューリツァー賞がNSA関連の報道でガーディアン紙とワシントンポスト紙に贈られました。彼らに情報を提供したエドワード・スノーデンは依然として米国政府から犯罪容疑者として扱われていますが、お尋ね者の告発を記事にした人々がジャーナリストとしての最高の栄誉を受けたことには、米国の報道業界の心意気を感じさせます。

ジャーナリズムに政府が大きな圧力をかけているのは、米国でも日本と同じです。むしろ国家安全保障のためには暗殺も辞さないと公言しているような米国のほうが潜在的な脅威はずっと大きいといえるでしょう。それを跳ね返す気概を示せるかどうかが、報道業界全体の生死を決めるのかもしれません。願わくば今回の彼らの受賞が、本当に潮目を変える出来事となり、その勇気が日本にも伝わりますように。(中野真紀子)

*グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)エドワード・スノーデンの内部告発を最初に公開したジャーナリスト。当時はガーディアン紙のコラムニストであり、同紙のバックアップを受けてNSAの秘密盗聴に関する新事実を次々と発表し、世界を震撼させた。その後、ガーディアン紙から独立して、ローラ・ポイトレス、ジェレミー・スケイヒルとともに独自の報道メディアThe Intercept を立ち上げた。インターセプトはeBay創始者ピエール・オミダイヤの出資。
*ローラ・ポイトラス(Laura Poitras)ドキュメンタリー映画作家。イラク戦争関連の記録映画を撮っていらい米当局のブラックリストに載り、出入国のたびに執拗な捜査や尋問を受けてきた。エドワード・スノーデンの内部告発の報道で決定的に重要な役割を果たした。グリーンウォルドとともに、新メディアインターセプトを創始した。

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字幕翻訳:齋藤雅子/ 校正:中野真紀子