アサンジ亡命を認めたエクアドルの勇気

2012/8/16(Thu)
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ジュリアン・アサンジがロンドンのエクアドル大使館に駆け込んでから2カ月、エクアドル政府はアサンの政治亡命を認める決定を発表しました。前夜に英国政府が大使館に立ち入ってアサンジを逮捕すると脅しをかけたことがネットなどで広まり、夜中から駆けつけたアサンジ支持者たちと、大使館を囲む警官たちが対峙する、ものものしい雰囲気の中での発表でした。今回のエクアドルの決定の重要性について、また決定に至った経緯について、アサンジ弁護団の一員マイケル・ラトナー弁護に聞きます。

エクアドルによる外交保護の決定は、スウェーデンから米国に引き渡された場合、アサンジはブラッドリー・マニング上等兵と同じように拷問に匹敵する独房監禁におかれ、秘密裁判にかけられる危険性があると正式に認めたということです。つまり米国は人権侵害を合法としている「ならず者国家」だと宣言したに等しいのですが、グアンタナモやアブグレイブ収容所などで行ってきたことの当然のつけが回ったのです。
外国大使館に警察が踏み込んで政治亡命者として保護されている人物を逮捕するような行為は、伝統的に築かれてきた外交特権を踏みにじる暴挙だとラトナー弁護士はいいます。なぜ英国はそんな無茶苦茶な脅しをかけてまで、スウェーデンへの引き渡しにこだわるのでしょう。正式起訴もされていないレイプ容疑の尋問が、ベネズエラという国との断交という大きな代償につりあうのでしょうか?(中野真紀子)

*マイケル・ラトナー(Michael Ratner)ニューヨークのNPO「憲法上の権利センター」の名誉会長で米国法律家ギルドの元代表 ジュリアン・アサンジの法律顧問

Credits: 

字幕翻訳 中野真紀子