マビマルマラ号から持ち出されたビデオに映るイスラエル軍の襲撃と殺戮
2010/6/10(Thu)
Video No.:
2
19分
襲われたマビマルマラ号から密かに持ち出された未公開・未編集ビデオを、他に先駆けてデモクラシー・ナウ!が公開しました。同日の午後にNY国連本部で記者会見が開かれ、正式に公表される予定の映像です。
およそ1時間分の生映像の持ち出しに成功したのは、マビマルマラ号に乗り合わせた数少ない米国人の一人、映像作家で活動家のイアラ・リーです。彼女の証言によれば、イスラエル軍はメディアルームに侵入し、衛星通信による外界との交信を遮断した後、乗客の映像機材をすべて没収しました。襲撃の様子が記録された映像を、いっさい外に出さないためです。すべての情報を握ったうえで、イスラエルは都合よく映像つないで編集したビデオをYouTubeに流し、乗客が凶暴化して兵士にリンチを加えたため、やむなく実弾で応戦したというストーリーをでっち上げたようです。
リンの持ち出した映像には、イスラエル軍の攻撃が始まる直前のマビマルマラ号船内の動揺と緊張が映し出されています。重装備の兵士による致死的な攻撃を受けた人権活動家たちの反応、民間人を攻撃するのはやめよとマイクで呼びかける声、予想もしない重傷者の続出に船内の医療体制が追いつかず、なすすべもなく死んでいく人々、そんな中で負傷したイスラエル兵にも手当を施す医師たちの奮闘。 拿捕されて他の乗客たちと共にイスラエルの収容施設にいれられたリーの体験談も、興味深いものです。(中野)
*イアラ・リー(Iara Lee) 映画作家、世界のアーティストと活動家が参加する「抵抗の文化」ネットワーク( the Cultures of Resistance network)の責任者
Credits:
字幕翻訳:玉川千絵子/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子・付天斉