オリバー・ストーンの「語られざる米国史」前篇

アカデミー賞受賞監督オリバー・ストーンが、歴史家でアメリカン大学教授のピーター・カズニックと共同で、10回シリーズのテレビ番組Oliver Stone's Untold History of the United States(『オリバー・ストーンの 語られざる米国史』)を撮り、大部の書籍『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』(早川書房)を刊行しました。記録資料からの新発見や最近になって公開された公文書に依拠しながら、日本への原爆投下から冷戦、共産主義の凋落、そしてオバマ政権へとつながる米国史の全ての道程を批判的に検証しています。いわゆる「秘史」というよりも、顧みられず忘れられた米国政治の歴史を、政府や企業メディアが提示する公式見解とは違う視点で語り直すことに主眼を置いています。(23分)

米国の監視体制をあばいたNSA内部告発者エドワード・スノーデンが名乗り出る  インタビュー

米国政府が密かに行っている大規模な通信監視を暴露する内部資料が流出し、波紋を広げています。6月6日にはグーグル、マイクロソフト、アップルなど大手ネット企業9社の中央サーバーにNSAが直接アクセスして利用者の個人情報を入手する秘密プログラムPRISMの存在が明らかになりました。NSAの監視体制についてはこれまでも告発されてきましたが、動かぬ証拠となる内部資料がリークされたのは初めてです。マスコミも初めて大きく騒ぎ出し、ペンタゴン文書を超える破壊力を持つ米国史上最大のリーク事件です。6月9日、これらの内部資料を提供した人物が自ら名乗り出て、滞在先の香港のホテルでガーディアン紙のインタビューに応じました。エドワード・スノーデン氏は元CIA職員で現在はNSAのシステム管理者を務めるブーズアレン・ハミルトンの社員です。好条件の仕事と安楽な生活に恵まれた29歳の米国青年が、全てを投げ打って内部告発に踏み切った理由、そして名乗り出た理由をカメラの前で語りました。(15分)

『戦争の身体』~(1) イラク傷痍軍人トーマス・ヤングの反戦運動を描く映画 

トーマス・ヤングが、退役軍人の日の前日、妻に看取られてひっそりと亡くなりました。イラクで負傷し、半身付随になりながらも薬物中毒から立ち直り帰還兵の反戦運動に身を投じた活動家です。彼を描いた2008年のドキュメンタリー映画Body Of War (『戦争の身体』)は大きな話題になり、他の帰還兵たちよりも脚光を浴びましたが、背後には同じような悲劇が無数に存在します。日々の生活の格闘から遂に力尽きるまでの彼の人生の軌跡は、9.11事件後の世界で戦争に突き進んだ米国の悲劇をきれいになぞっています。(31分)

「地球温暖化に取り組まないのは、何億もの貧しい人々に死刑を宣告するようなもの」:英国の環境活動家が訴える環境問題の倫理的側面

 イギリス「ガーディアン」紙のコラムニスト、ジョージ・モンビオ氏は最近『ヒート:燃える地球をどう救うか』という本を出版しました。彼は世界の科学者が主張する基準、2030年までに温室効果ガスを60%削減すること、を実現できれば、まだ地球を救う可能性は残っていると言っています。そのためには一部の人たちが心配しているように、自家用車の使用をあきらめたり、産業化社会を放棄することはなく、今人類が到達している技術を駆使することで十分に健全な地球を取り戻すことが出来るというのです。問題は技術ではなくむしろ人間の倫理なのだと彼は指摘します。各国政府の政治的な思惑が、技術的には可能な温暖化対策を妨げているのです。(25分)

気候変動の第一人者ジェイムズ・ハンセン博士に政府の弾圧

ジェイムズ・ハンセン博士は、地球規模の気候変動に関する米国きっての専門家として広く知られています。25年にわたり、NASA(米航空宇宙局)のゴダード宇宙研究所の所長をつとめてきた彼は、1988年の議会証言で地球温暖化について警告し、この問題に初めて世界の注意を促しました。2006年1月ハンセン博士は、気候変動に早急に取り組む必要があるという研究結果の発表をブッシュ政権から妨害されたとニューヨークタイムズ紙に伝え、世界のメディアに大きく取り上げられました。ハンセン博士その人をスタジオにお招きして、お話を聞きます。(38分)

オバマの金融チームは金融危機を招いた張本人たち バーニー・サンダース

オバマ大統領が商品先物取引委員会の委員長にゲーリー・ゲンスラー元財務次官を指名したとき、無所属議員バーモント州選出のサンダース上院議員が反対を表明しました。反対の理由は、ゲンスラーがフィル・グラム上院議員やアラン・グリーンスパン元FRB議長と一緒に、金融派生商品クレジット・デフォルト・スワップの規制撤廃を推進した張本人であり、それが保険会社AIGの破たんと巨額の公的救済措置につながったからです。(15分)

"アメリカでいちばん危険な男"ダニエル・エルズバーグとペンタゴン文書

ベトナム反戦運動のハイライトとなった歴史的事件を二つ特集しました。ペンタゴン・ペーパーズの暴露については、すでに一度紹介しましたが、今回はその中心人物ダニエル・エルズバーグを取り上げます。ランド研究所のトップアナリストが、政府に背き終身刑を覚悟で内部告発をした動機はなんだったのでしょうか?(29分)

「ナイロビの蜂」原作者ジョン・ル・カレ特別インタビュー: グローバリゼーション、イラク戦争、情報操作

本日の番組では、世界的に著名な英国出身の小説家、ジョン・ル・カレ(本名:デビッド・コーンウェル)に長時間のインタビューを行いました。ル・カレの作家キャリアは50年に及び、スパイ小説の大家としての地位を築きました。今週刊行予定で、彼の22冊目の著作となる最新小説の題名は、Our Kind of Traitor(「こっちに寝返るやつ」)です。デビッド・コーンウェルは1950年代後半から60年代初頭まで英国の情報機関に勤めていました。冷戦のまっただ中の時代でした。3作目の小説「寒い国から帰ってきたスパイ」は国際的なベストセラーとなりました。冷戦終結後もル・カレは意欲的に執筆活動を行い、さらにグローバリゼーションの不公平さや、歯止めの効かない多国籍企業の力、さらに企業の利益を保護するために国家のスパイ機関が果たす役割などに関心を向けるようになりました。「株主の名のもとに行われていることは、私にとっては、神の名のもとに行われる事と同じように恐ろしい」と、ル・カレは述べます。おそらく冷戦以後の時代の作品で最も知られているのは、何も知らされていないケニア人たちを危険で時には死に至る薬物試験に搾取する製薬会社を描いた「ナイロビの蜂」でしょう。米国で行われた貴重なインタビューの中で、ル・カレは、イラク戦争に対する英国のトニー・ブレア元首相の果たした役割、米政府の対イラン政策、国際的なマネーロンダリングについても語りました。

フランスはハイチの「独立債務」を返還せよ

奴隷 ハイチ
ハイチは2011年5月現在も、死傷者約22万人、被災者370万人といわれた2010年1月の地震からほとんど復興していません。地震から半年後の2010年8月、著名な知識人らが「フランスはハイチに課した賠償金400億ドルをハイチに返済すべし」という公開書簡をガーディアン紙に掲載しましたが、サルコジ大統領は取り合いませんでした。ハイチの窮状が続く背景は何なのでしょうか。

チョムスキー・ジン異例の共同インタビュー 市民的不服従の勧め

ボストン発のデモクラシー・ナウ!の特別配信の第二弾です。アメリカ独立戦争が始まったレキシントンの戦いを記念して、マサチューセッツ州では4月16日が「愛国記念日」という祝日です。この日、ボストンに住む反戦運動の大御所ノーム・チョムスキーとハワード・ジンが、ふたりそろってインタビューに応じるという豪華な企画が実現しました。2日目(17日)の放送では、大学における言論弾圧の問題から発展して、国家が誤っているときには、その命令に従わない権利があるという「市民的不服従」の考え方をいま一度、心にたたむべきだとハワード・ジンが強く勧めます。(16分)

オバマの戦争 アフガニスタン干渉の過去、現在、未来 前編

ソ連軍のアフガン撤退から今年で20年。10年に及ぶアフガン占領を終えた直後にソ連邦は崩壊しました。米国のアフガン占領はすでに7年目です。「オバマの戦争」ともいわれるアフガニスタンへの軍事介入強化の是非をめぐり、5人のゲストを迎えて、歴史をさかのぼって徹底検証しました。(11分)

あなたもISPになれる デジタル格差を埋める非営利プロバイダ創始の手引き

連邦通信委員会(FCC)は4月8日、米国の全家庭に高速インターネット回線を普及させる計画に着手しました。72億ドルの景気対策予算がブロードバンド推進にあてられ、特に地域社会を基盤とする団体が助成対象となります。これは住民型ワイアレス・プロバイダの創設に絶好の機会だと、ノースカロライナの非営利プロバイダMAINのウォリー・ボウエン氏は言います。大手通信事業者に支払われるサービス料金は中央に吸い上げられ、ウォール街の投資家を潤すだけですが、このデジタル支出の一部を押さえて地域社会に還元し、住民メディアを支援しようというのが、地元奉仕型の非営利プロバイダの発想です。プロバイダ収入を、非営利番組の取材や制作の費用に充てることも可能です。(10分)

『リデンプション』 大都市の片隅で空き缶回収で暮らす人々

多くの受賞歴を持つ映像作家コンビが、空き缶拾いで暮らす人々をカメラで追いました。長引く経済の低迷で、かつてはミドルクラスの収入を得ていた人たちが職を失い、空き缶回収で日々をしのぐ人がニューヨークで目立って増えてきたことがこの映画を作る背景だと言います。(8分)

「アパルトヘイトへのロードマップ」 バンツースタン化するパレスチナ国家

ネルソン・マンデラ氏の逝去でアパルトヘイト体制の打破について多くのことが語られています。良い機会ですので、パレスチナ自治政府とアパルトヘイトの相似性を検証した一年前の動画を掲載します。1012年11月29日、国連総会でパレスチナを主権国家として認める決議が圧倒的多数で採択されました。主権を認められたことの意義は大きく、歴史的な一歩だったのかもしれません。でも、現実に目をやれば、もろ手を挙げて歓迎というわけにはいきません。決議案を提出したマフムード・アッバース大統領の自治政府には、主権国家の実体がないからです。(19分)

パレスチナの詩人マフムード・ダルウィーシュ死去

パレスチナを代表する詩人、マフムード・ダルウィーシュが8月に亡くなりました。持病の心臓病の悪化のため米国で手術を受け、そのまま帰らぬ人となりました。遺体はパレスチナのラマラに運ばれ、ヤセル・アラファートに次ぐパレスチナで2人目の国葬が執り行われました。彼の死を悼み、パレスチナでは3日間の喪服期間が宣言されました。一介の詩人が、これほどまでに人々に敬愛され惜しまれるのはなぜなのでしょう? 「敗北したトロイの語り部になろうと決意した」というダルウィーシュが、パレスチナやアラブ世界全体にとってどんな存在意義を持ったのか話し合います。(28分)

スラヴォイ・ジジェク:欧州で勢いを増す反移民感情・極右発言

「寛容」を誇ってきた欧州で反移民的な言論が勢いを増し、一般市民の常識の歯止めを壊してひろがろうとしています。たとえば、2010年夏、フランスのサルコジ政権は少数民族ロマの国外「追放」政策を打ち出し、欧州連合(EU)諸国から激しい批判を浴びました。10月になると、1960年代以来、外国人労働者を受け入れてきたドイツのメルケル首相が、同国は多文化主義の社会構築に「完全に失敗した」とし、移民にドイツ社会への統合を迫りました。さらに2011年2月には英国のキャメロン首相が同国で育ったイスラム教徒の若者がテロの土壌となっているイスラム過激思想に走っているとし、英国の移民政策の基本となってきた多文化主義の政策、すなわち「異なる文化が互いに別々に、社会の主流から離れて存在することを勧めてきた」英国の政策は失敗だった、今後は「寛容さ」ではなく、西洋の価値観を守り国家アイデンティティーを強化する「より積極的で強力な自由主義」が必要だとする見解を表明しました。2010年10月、メルケル首相発言直後に行われたデモクラシー・ナウ!とのこのインタビューで、スラヴォイ・ジジェクは、極右の反移民的な言論を許容し発言権を与えてしまった欧州社会を厳しく批判しています。

元NSA職員ウィリアム・ビニーが国民監視体制の拡大を警告

国家安全保障局(NSA)が密かに進める大規模な通信監視プログラムの危険性について、元職員ウィリアム・ビニーが警告します。前回、この番組に登場したウィリアム・バンフォード記者の主要な情報源となった人物です。ビニーは長年NSAに努め、ネット時代に対応した情報収集システムの開発に深くかかわってきましたが、2001年9.11同時多発テロ事件が起きる直前にNSAを辞職しました。その段階でNSAがすでに違法で危険な大規模監視プログラムの開発に舵を切っていたからです。以後はマスコミを通じて計画の危険性を訴えてきましたが、そのためにFBIの家宅捜索を受けるなどの当局による威嚇も受けてきました。(18分)

グーグルがCIAと共にネット監視技術企業に出資

米中央情報局(CIA)とグーグルの投資部門が「レコーデッド・フューチャー(Recorded Future)」という企業を支援しています。この会社は、数限りないウェブサイトやブログ、ツィッターのアカウントをリアルタイムで監視し、そこから浮かび上がる特定のパターンやイベントや人間関係から将来を予測しようとしています。グーグルはこの他にも、いわゆる「Wi-Spy(ワイ-スパイ)」疑惑が持ち上がったばかり。グーグルのストリート・ビュー撮影車両が世界約30カ国で過去3年にわたって個人のWiFiネットワークをスパイしていたというスキャンダルです。(10分)

WikiLeaks: モンサントの遺伝子組み換え作物を拒む欧州に米国が報復を検討

ウィキリークスがリリースした外交公電によると、フランスがモンサント社の遺伝子組み換えコーンを禁止したことを受けて、ステイプルトン元駐仏大使は2007年、EUへの報復を米政府に要請していました。ゲストのジェフリー・スミスによると、ブッシュ政権時代、フランスだけでなく駐スペイン米大使もモンサント社の幹部からヨーロッパの政治状況の説明を受け、GM普及策を一緒に練っていたのです。ウィキリークスの公表により、モンサント社の世界戦略とブッシュ政権のむすびつきが確認されたわけですが、このような強引な販売戦略によりモンサント社は米国産大豆のほぼ100%、トウモロコシは約70%を占めたといわれます。(13分)

「ウォール街を占拠」2週目に突入 非暴力デモで80人逮捕

とうとうウォール街にも「アラブの春」が飛び火。「ウォール街を占拠せよ」キャンペーンが始まって10日目の現場ルポです。9月17日以降、金融機関が集中するウォール街に数千人の若者が集まり、人間より利益を優先する拝金主義に抗議しています。24日土曜日には、デモ参加者80人以上が逮捕されました。現場にいた人々の証言では、非暴力のデモ参加者に対してNY市警がトウガラシスプレーを使ったり、髪をつかんで地面を引きずりまわしたりの暴行を働きました。「私たちを守るはずの警察が彼らを守っています。こんな不正に抗議しているのです」とデモ参加者の一人は言います。(6分)
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