ロッキーマウンテン・ニューズ紙が廃刊に

2009/2/27(Fri)
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新聞業界は大手新聞の休刊や売却が相次ぐ米国の新聞業界で、2月末には米デンバーに本社を構える老舗ロッキーマウンテン・ニューズ紙が2月27日付けの発行をもって廃刊となりました。親会社であるE.W.スクリップス社が、売却先が見つからなかったため、創刊150周年を2カ月先に控える同紙の廃刊を決定したのです。

ロッキーマウンテン・ニューズ紙の廃刊が特に惜しまれるのは、近年の同紙がマイノリティを積極的に採用する政策をとっていたからです。デモクラシー・ナウ!の共同司会者フアン・ゴンザレスが全米ヒスパニック系ジャーナリスト協会の会長をつとめていた当時、中南米系の人々を積極的に採用してラティーノ社会に関する米国の報道のあり方を改善しようという運動に協力し、その方面の先駆けとなったのです。

同紙にとって、これは大きな自己変革のきっかけでした。コロラドでは19世紀に「サンドグリーク虐殺」と呼ばれるネイティブアメリカンの集団虐殺事件が起こりますが、ロッキーマウンテン・ニューズ紙はこれを扇動したという過去があります。しかし今では、同紙はネイティブアメリカンの採用も積極的に行なっていました。(中野)

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翻訳 藤賀晃/字幕:中野真紀子
全体監修:中野真紀子・付天斉