FCCが自由で開かれた環境を守る「ネットの中立」規定を提案

2009/9/22(Tue)
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オバマ政権で評価されることの一つは情報通信政策です。FCC(米連邦通信委員会)もブッシュ時代の規制緩和路線から様変わりしました。新委員長ジュリアス・ジェナカウスキー氏は2009年9月、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)が特定のオンラインサービスを妨害したり、遮断したりするのを防ぐ一連の提案を発表しました。

無料のインターネット電話や、ファイル共有ソフトなどによる特定のデータの流れを妨害することも規制されます。また今回は無線電話事業者も初めて規制の対象になります。開かれたアクセスを保証するこれらの措置は、「ネットの中立性」推進派から大いに歓迎されています。

高速接続の利用者や携帯電話からのアクセスが増えるにつれ、情報へのアクセスを自分でコントロールする人が増えます。インターネットにはすべてのメディアが流れ込むので、テレビやラジオのような従来型のコンテンツもネットでアクセスできるようになります。でも、それは、こうしたサービスを提供してきたケーブルTVなどの従来型の事業者にとっては大きな脅威です。自分たちの配信システムを守るため、ユーザーが自由に選べないような仕掛けを彼らがつくろうとする可能性は大いにあります。

既存のビジネスモデルを守るために自由で開かれたインターネットが犠牲にされることのないように、情報の利用は末端のユーザーが決めるという原則を保証することが今求められているようです(中野)。

*ディモシー・カー Timothy Karr メディア改革団体「フリープレス」のキャンペーンディレクター。ブログは MediaCitizen

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字幕翻訳:駒宮俊友/校正・全体監修:中野真紀子