ディープ・パケット・インスペクション:イラン政府のネット検閲を支援する欧米の通信企業

2009/6/23(Tue)
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イランでは何千人もの人たちが、世界に向けて自分たちの声を届けようとインターネットを利用していますが、イラン政府はネットの情報も集めています。欧米の通信会社が、インターネット検閲のための世界最先端システムをイラン政府が開発するのを支援しているのです。その技術は、すでに米国で使われています。

ディープ・パケット・インスペクションと呼ばれる技術は、インターネット接続業者のサーバーに設置した専用の機器をくぐらせることにより、利用者が閲覧したサイトや検索した言葉などすべての情報を読み取ることを可能にします。ネット広告のターゲットを絞り、精度を上げるために利用されたりしますが、プライバシーの侵害につながることが危惧されます。

この技術では他人のメールをこっそり読み取ることも可能です。政府がこれを使えば、ネット上に監視システムをはりめぐらせ、検閲することも可能です。米国ではプロバイダーに利用者の情報を提出させるには裁判所の令状が必要ですが、ブッシュ政権は「テロとの戦争」のからみで国家安全保障局(NSA)が令状なしに一般市民の通信内容を傍受することを合法化してしまいました。オバマ大統領もその方針を踏襲しています。(中野真紀子)

*ジョシュ・シルヴァー(Josh Silver) メディア改革団体フリープレスの事務局長

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字幕翻訳:桜井まり子/全体監修:中野真紀子/ウェブ作成:丸山紀一朗