元NSA職員ウィリアム・ビニーが国民監視体制の拡大を警告

2012/4/20(Fri)
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国家安全保障局(NSA)が密かに進める大規模な通信監視プログラムの危険性について、元職員ウィリアム・ビニーが警告します。前回、この番組に登場したウィリアム・バンフォード記者の主要な情報源となった人物です。ビニーは長年NSAに努め、ネット時代に対応した情報収集システムの開発に深くかかわってきましたが、2001年9.11同時多発テロ事件が起きる直前にNSAを辞職しました。すでにその段階でNSAは違法で危険な大規模監視プログラムの開発に舵を切っていたからです。以後はマスコミを通じて計画の危険性を訴えてきましたが、そのためにFBIの家宅捜索を受けるなどの当局による威嚇も受けてきました。

ビニーは、オバマ政権下の国内の監視システムはジョージ・W・ブッシュの時代よりも拡大していると思うと明かします。彼の推測ではNSAがアメリカ人から集めた情報のやり取りは、携帯電話通話やEメール、他のデータ交換も合わせて20兆件にのぼるそうです。ほとんどの米国在住者がやり取りしたEメールは、ほぼすべて含まれている可能性が高いのです。ビニーは米国愛国者法のセクション215に言及し、NSAは米国市民に関する情報を傍受していないというNSA局長キース・アレクサンダーの主張に異議を唱えます。

*ウィリアム・ビニー(William Binney)に30年以上にわたり国家安全保障局(NSA)で働き、一時期は世界の地政学および軍事分析報告グループの主任を務めていた。2001年にNSAを辞して以来、同機関のデータマイニング・プログラムの肥大化が国家による国民監視体制を招くと警告し続けている

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字幕翻訳:大竹秀子/全体監修:中野真紀子