「企業人格化」を否定するため憲法修正を推進する人々

2011/11/9(Wed)
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3.5分

米国では企業が個人と同等の権利を有するという「企業人格化」の概念が極端に解釈され、企業にも合衆国憲法第一条(表現、出版、集会結社の自由)が適用されるので政治キャンペーンにどれほどお金をつかっても制限できないとする最高裁判所の判決(シチズンズ・ユナイテッド判決)が2010年に下されました。これによって米国の選挙では企業の資金が絶大な力をふるうことになります。これに反対する活動家たちが、憲法修正を求める運動を始めました。新たな修正条項をつくり、「企業は人権をもたない。主権を持つのは人間であり、議会や政府には企業を規制する権限はある」と明記するよう求めるものです。

こんなことを憲法に明記しなければならないというのもオドロキですが、すでに2012年の大統領選挙には過去最高の資金が注ぎ込まれると予想されており、このままでは金権選挙への道をまっしぐらです。抗議に集まった人々のプラカードには、「企業が人間だというのなら、テキサスで処刑して見せろ」とか「企業が人間だというのなら、ちゃんと税金をとれ」とか、なかなか鋭いスローガンがあったようです(中野真紀子)。

*ジョン・ボニファス(John Bonifaz) 憲法専門の法律家で、フリースピーチ・フォー・ピープルの共同設立者。

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字幕:桜井まり子/全体監修:中野真紀子/サイト作成:丸山紀一朗