ウィスコンシン州知事が「反組合法」に署名、18万人が抗議デモ

2011/3/14(Mon)
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10.5分
東日本大震災が起きた3月11日、米国のウィスコンシン州では10万人を超える人々が州都マディソンに集結し、前代未聞の大規模な抗議行動を繰り広げていました。州知事が提出した反組合法案をめぐる1カ月近い衝突のクライマックスです。

最初の抗議行動は2月14日、共和党のスコット・ウォーカー知事が提出した「財政再建法案」に反対して起こりました。予想される36億ドルの赤字を解消するために、州職員に対し年金積み立てや医療保険の掛け金の自己負担率の引き上げを要求し、さらにほとんどの州職員組合から団体交渉権を剥奪する内容でした。民主党と組合側は、社会保険の自己負担増は受け入れるが団体交渉権は譲らないと主張し、知事や共和党と対立しました。

共和党が多数を占める上院では、票決を阻止するために14人の民主党議員が州の外に逃亡するという行動に出ました。このため財政関連の法案議決に必要な定数を満たせぬ状態が3週間にわたって続きましたが、3月9日夜になって突然、共和党上院議員と知事は「財政再建法案」から財政関連の条項をすべて取り除き、組合弱体化をねらった部分のみを独立させて、民主党議員不在のまま採決を強行しました。財政建て直しのためというのは組合つぶしの口実にすぎなかったのです。

この暴挙に対し、州職員のみならず一般市民や学生のあいだにも大きな抗議のうねりが広がりました。ウィスコンシンの外からも連帯する人々が駆けつけて、州の歴史に残る大規模な抗議行動となりました。デモクラシー・ナウ!のチームも現地に飛び、マディソンの街頭からデモの様子を報告します。(中野)

ウィスコンシン州マディソンから現地報道: エイミー・グッドマン、マイク・バーク、ニコール・サラザール

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字幕:中野真紀子