「地獄に作られた楽園」カトリーナ被災地で生まれた驚くべき共同体

2009/8/31(Mon)
Video No.: 
3
13分

大規模な自然災害によるパニックの中で、人間社会の掟は崩れ、人は野獣になるのでしょうか?

ハリケーン・カトリーナは、ニュー・オーリンズで約1400人の犠牲者を出しました。このうち少なくとも11人のアフリカ系アメリカ人男性は、ハリケーン後に殺害されました。白人地区で、白人自警団に撃たれたのです。地元警察はこの死に関して捜査しませんでしたが、2008年12月に調査報道NPOプロプブリカの記者A.C.トンプソンがネイション誌に発表した記事をきっかけに、FBIが調査を開始しました。被災直後のパニックの中で自警団が過剰な暴力で反応したのです。

自然災害に対する人間の反応について考えさせる新著『地獄に築かれた楽園』を書いた歴史家レベッカ・ソルニットは、被災直後に力のある者たちが犯罪行為を犯したのは事実だけれど、それでも大多数の人々は危機のさなかに他人のために働き、寛大で勇気のある行動をとったのだと指摘します。(中野)

レベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit)
作家、歴史家、活動家・ 新著はA Paradise Built in Hell: The Extraordinary Communities that Arise in Disaster(『『地獄に築かれた楽園:被災地に生まれた驚くべき共同体』』)

参考URL
Katrina’s Hidden Race War: In Aftermath of Storm, White Vigilante Groups Shot 11 African Americans in New Orleans

Credits: 

字幕翻訳:小田原琳
校正・全体監修:中野真紀子・付天斉