ボリビア改憲案に反対し 裕福な東部4県が自治宣言

2007/12/17(Mon)
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 ボリビアの憲法改正プロセスは、反対派の妨害で長い間中断されていましたが、モラレス大統領と、彼の率いるMAS(社会主義運動党)は、ついに新憲法の草案を一時承認し、大統領に手渡す儀式を行いました。これを歓迎する西部高地の住民は数万人集まり、首都ラパスで行進を繰り広げました。一方、改憲に強く反対しているサンタクルス、タリハ、ベニ、バンドの4県は、自治宣言を行い、その「祝賀」を大々的に行いました。

 ボリビアでは、東部の低地に天然資源や石油資源がほとんど集まり、外国資本と結びついて富も集まっています。住民も先住民と白人の混血が多数を占めています。一方、西部の高地では、資源はほとんどなく、住民も先住民族が多数を占めています。天然ガス・鉄・マグネシウムなど豊富な資源にもかかわらず貧しいボリビアは、「黄金の玉座に座る乞食」と呼ばれていたこともありますが、これも、資源から得る利益が、外国企業および一部の富裕層にしか行かないからです。

 モラレス大統領は、石油と天然ガスを国有化し、土地の再分配も行って、貧富の差をなくそうという政策を進めていますが、それでは既得権益のあった東部4県は不服。モラレス大統領に真っ向から挑戦しています。

 モラレス大統領は、この4県の自治は、ボリビアを分裂させるものなので認めないと主張、最終的には、大統領と4県の知事の進退を問う国民投票を行うべきだと提案しています。 (古山)

ボリビアのコチャバンバ県にある民主主義センター代表理事。ボリビアに関するブログを書いている。コチャバンバから、電話出演。

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翻訳字幕:斉木裕明
全体監修:古山葉子