チャルマーズ・ジョンソン死去 アメリカ共和国最後の日々

2010/11/22(Mon)
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19分

著名な国際政治学者で東アジア地域の専門家チャルマーズ・ジョンソン(1931-2010)が他界しました。11月20日午後、カルフォルニアの自宅で亡くなりました。享年79。現代の帝国としての米国による世界支配の姿を浮かび上がらせたもっとも重要な知識人のひとりです。

朝鮮戦争に従軍し、冷戦時代には米中央情報局(CIA)のアレン・ダレス長官の顧問を務めました(1967-73年)。ベトナム戦争を支持する保守タカ派として出発したジョンソンですが、後に一転して米国の軍事主義・帝国主義の有力な批判者となりました。

1953年に海軍将校としてはじめて訪れて以来のつきあいで、文化人類学者のシーラ夫人とともに何年にもわたり日本で働いた経験があります。日本との長年の関わりで在日米軍基地の実態をみたことも、ジョンソンの思考の転換を促す一因になったようです。

2000年に発表した『アメリカ帝国への報復』は9/11攻撃の後にベストセラーとなりました。その後2冊の著作を執筆し、アメリカ帝国をテーマとした三部作を完成させました。

最後のインタビューとなった、2007年のチャルマーズ・ジョンソンのインタビューから、一部を再放送しました。

*チャルマーズ・ジョンソン Chalmers Johnson: カリフォルニア大学バークレー校やサンディエゴ校で30年にわたり国際政治学を教えた。バークレーの日本政策研究所の所長。元CIA顧問。著書に、『アメリカ帝国への報復』、『アメリカ帝国の悲劇』、Nemesis: The Last Days of the American Republic(『ネメシス:アメリカ共和国の終焉』 )など。

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字幕翻訳:下條匠/校正:古山葉子 全体監修:中野真紀子