チョムスキー:キャラバンは米国がつくり出した悲惨と恐怖から逃れてくる人々

2018/11/2(Fri)
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10分

2019学生字幕翻訳コンテスト  課題4:「国境壁と移民」の受賞作です

中米から米国をめざして移動してくる難民集団(キャラバン)の数はどんどん膨れ上がっています。これに対しトランプ政権は彼らの入国を断固阻止すべく国境に兵士を派遣すると脅しています。トランプ大統領は、キャラバンには犯罪者や中東テロリストが潜んでいるなどと根拠なく言い放ちますが、難民たちの多くは女性や子供です。彼らが逃れて来たのは、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラといった国々で、いずれも長年にわたる米国の内政干渉の結果として社会の崩壊、テロと極度の貧困が蔓延しています。米国の外交政策の犠牲者といえる哀れな難民たちをテロリスト呼ばわりするなんて、なんとも下劣なふるまいです。

でも長年、米国と中南米の関係を見て来たチョムスキーには、これも既視感のある光景のようです。親米政権の暴政と虐殺には目をつむり、米国の言うことを聞かない政権は極悪非道として描き出す、マスメディアを使った外交プロパガンダのお決まりのパターンなのです。(中野真紀子)

* ノーム・チョムスキー(Noam Chomsky):言語学者、反体制派知識人。半世紀あまり教鞭を取ったマサチューセッツ工科大学(MIT)を離れ、現在はアリゾナ州立大学で教えている。

Credits: 

字幕翻訳:前田優奈,丸川未来 ノートルダム清心女子大学3年(2019年コンテスト当時)   監修:中野真紀子