アラブ人作家2人の共同インタビュー アラブの春とイスラエル=パレスチナ

2011/4/27(Wed)
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9
21分

ジャーナリストで作家のルーラ・ジブリールと、エジプトの著名ブロガーのイサンドル・アル・アムラニが、アラブの春とパレスチナについて話します。エジプトの民衆蜂起のさなかに行われたこともあり、アラブの春への二人の期待が伝わるインタビューとなっています。

イスラエル生まれのパレスチナ人で、東エルサレムの孤児院で育った経歴を持つジブリールは、「エジプトのタハリール広場で起きたことはパレスチナでも起きました」と、エジプトの民衆蜂起とパレスチナの抵抗運動インティファーダの共通点を挙げました。1987年のインティファーダの際には、ジブリール自身も「警察に髪をつかまれ、叩かれ、あらゆる嫌がらせをされた」と述べています。

アラブ世界についての情報を幅広いメディアに発表しているアムラニは、「エジプトの民主化はイスラエル・パレスチナ紛争への世界の認識を改めさせるだろう」と述べ、パレスチナ人の抵抗運動は、イスラエルの占領に対してだけでなく、パレスチナ自治政府への抵抗でもあると指摘しました。

このインタビューの1年後、エジプトの民主化は政権を握った軍部による活動家への弾圧などで遅々として進まず、パレスチナでは依然として住民に対する暴力が続いています。(桜井まり子)

*ルーラ・ジブリール(Rule Jebreal) :イスラエル生まれのパレスチナ人。イタリアのボローニャ大学でジャーナリズムと政治学を専攻、イタリアでトークショーのホストも務める。自伝小説『ミラル』は映画化され、日本でも公開された。
*イサンドル・エルアムラニ(Issandr El Amrani) カイロのジャーナリスト、作家。ブログは Arabist.net

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字幕翻訳:桜井まり子/全体監修:中野真紀子/サイト作成:丸山紀一朗