ネバダの空軍基地で無人機攻撃に抗議
2009年4月、米国ネバダ州にあるクリーチ空軍基地に14人の反戦活動家が集まりました。同基地はパキスタンとアフガニスタンでの米空軍の無人機プログラムの本拠地の一つです。米軍がアフガニスタンやパキスタンで行なっている無人偵察機による爆撃は米国内の基地から操作されており、ロボット化される戦争の象徴と言ってもいいでしょう。
活動家たちの目的は、軍がアフガニスタンで行なっている無人機爆撃に抗議することでした。10日間の抗議集会(ビジル)の後、14人は基地の司令官に抗議声明文を手渡すために基地に入りましたが、すぐ逮捕され不法侵入罪で起訴されました。2010年9月14日に開かれた初公判直前に、この抗議行動を率いたキャシー・ケリー氏に聞きました。ケリー氏は非暴力反戦団体 Voices for Creative Nonviolence(創造的非暴力の声)のコーディネーターです。
ケリー氏は「今回の行動は市民的不服従ではありません。米国が行なっている無人機爆撃は、裁判なしの死刑(extrajudicial execution)であり、国際法違反です。これに反対することは市民の義務です」と語ります。公判には元司法長官ラムゼイ・クラーク、憲法上の権利センター(Center For Constitutional Rights)のビル・キグリーら著名な有識者が弁護側の証人として証言しました。
2011年1月27日に言い渡された判決では14人全員が不法侵入罪で有罪となりましたが、刑期はすでに終了したものとされました。14人はひきつづき、無人機攻撃に対し非暴力で抗議を続けるとのコメントを発表しています。
米軍によるパキスタン内への無人機爆撃はオバマ政権になってから増加の一途をたどっており、国連人権理事会からも非難する報告書が出されています。(桜井)
*キャシー・ケリー(Kathy Kelly) 非暴力反戦団体 Voices for Creative Nonviolence(創造的非暴力の声)のコーディネーター
字幕翻訳:桜井まり子/校正・全体監修:中野真紀子