ユタの大学生 原野を救うため飛び入り入札で権利買い占め 後編

2009/2/5(Thu)
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7分

後半:新政権はブッシュ政権の環境投げ売り政策を無効化

ブッシュ新政権発足草々、ケン・サラザール内務長官はブッシュ政権が任期切れ直前に断行して物議をかもした、ユタ州南部の原野約6万ヘクタールの入札を無効にしました。 入札者を装って広大な土地を落札し、売却の遅延を成功させたユタ大学の学生デクリストファーの喜びの声を聞きましょう。

●その後の展開

ティムはその後、入札妨害の罪で4月始めに起訴されました。有罪になれば最大で禁固10年、75万ドルの罰金が課せられます。4月29日、彼は無罪を主張し、法廷での闘いが始まりました。ティムの行動には多くの人々の支持が集まり、ソルトレークシティーでは200人の支持者が集会を開きました。初公判は7月です。

2009年4月3日 ブッシュ政権の国有地売却を妨害したユタ大学生 競争入札妨害で起訴

結果的に起訴されることになり投獄の恐れもありますが、彼の信念は返って深まったようです。学生ですから心細い面もあったようですが、全米各地から彼に対する強い支持が寄せられたことも注目されます。行動を起こした人物を孤立させず、強力なバックアップ体制がまたたくまに築かれるのが米国の素晴らしさでしょう。

一方、米内務省は6月12日、ブッシュ政権末期のユタ州における採掘権競売は法的手続きが不適当であったと非難する報告書を発表しました。 (中野)

★ DVD 2009年度 第1巻 「環境とエネルギー」に収録

ティム・デクリストファー(Tim DeChristopher)
環境活動家、ユタ大学の学生。
http://www.bidder70.org/

Credits: 

字幕翻訳:川上奈緒子/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子・付天斉