資源搾取はもう許さない ボリビアの鉱山スト

2010/4/20(Tue)
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気候民衆会議が開かれる矢先に、ボリビアにある世界最大級の銀山で、亜鉛や鉛も産出するサンクリストバル鉱山で大規模なストライキが起こり、鉱山労働者たちが道路を封鎖して輸出がストップする事態が続きました。鉱山の所有者は住友商事です。会社側は地域の開発を約束したのに、電気も道路も電話も水道も実現しておらず、砂漠で大量の水を消費して住民の生活用水を奪っておきながら、水に対する税金は一銭も払っていないそうです。抗議行動の背景には重要資源を産出しながらほとんど利益を得てこなかった搾取の歴史への不満があります。ボリビアの鉱山の歴史を聞きます。

近年は電気自動車やノートパソコンのバッテリーなどに使われ、次世代エネルギー源の一つとして注目されているリチウムの膨大な埋蔵量も関心を呼んでいます。モラレス大統領は、単にリチウムを採取して輸出するだけでなく、リチウム電池を使用する車も自国で作れるようになりたいと抱負を語ります。これまで南半球の国々は原料を輸出するだけでそれに付加価値をつけた商品で結局は外国企業がもうけてきましたが、これからは自国で付加価値製品をつくれるようにしたい」。こうした天然資源に対する政策の転換は果たして成功するのかどうか、今後も見守りたいものです。

*ジーン・フリードマン=ルドフスキ(Jean Friedman-Rudovsky)
リチウムが採鉱されるウユニ塩湖を何度も取材したジャーナリスト

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字幕翻訳:阿野貴史/校正:永井愛弓
全体監修:中野真紀子・付天斉