ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で

2009/9/30(Wed)
Video No.: 
2
32分

プリンストン大学で宗教哲学とアフリカ系アメリカ人研究を教える有名教授コーネル・ウエストが、待望のメモワールを発表しました。表題は『ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で』。そこには、小学校をドロップアウトし監獄行きも時間の問題だった不良少年の時代から、心気一転して優等生に変身し、陸上に、音楽に、勉学に、生徒会活動にと多彩な才能を発揮したウエストの魂の軌跡がつづられています。その生い立ち、コミュニティ、宗教との出会い、人生における音楽の役割、オバマ政権への期待と失望、公的医療保険制度について、じっくり語ってもらいました。

また母校であり長年教えてきたハーバード大学を去りプリンストン大学に移ることになった経緯や、当時の学長ローレンス・サマーズとの確執についても語っています。サマーズはクリントン政権で財務長官をつとめ、退官後ハーバード大学の学長に就任しましたが、女性蔑視の発言で辞任に追い込まれました。現在はオバマ大統領の経済顧問です。

なお、サマーズが世界銀行チーフエコノミスト時代に、途上国に公害産業を輸出することの経済的合理性を論じて物議を醸した「サマーズ・メモ」は、彼の人柄がよくわかる興味深いメモですが、番組の中でウエストが「アフリカの過剰人口対策だ」と述べているのは、少し誤解のようです。サマーズ・メモの内容はこちら (中野)

*コーネル・ウエスト Cornel West 宗教哲学およびアフリカ系アメリカ人研究を教えるプリンストン大学教授。『人種の問題』など人種と政治にかかわる著書が多く、最近メモワールを出版したBrother West: Living and Loving Out Loud(『ブラザー・ウエスト:生きるも愛すも大声で』)

Credits: 

字幕翻訳:玉川千絵子 / 校正:大竹秀子
全体監修:中野真紀子・高田絵里