ALECが民営刑務所業界と結託して囚人労働による組合労働者の置き換えを画策

2011/8/5(Fri)
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米国立法交流評議会(American Legislative Exchange Council)、通称ALECは、州議会にかけられる前の段階で、議員と企業が一緒に草稿中のモデル法案を検討する評議会です。超党派の団体を名乗ってはいるものの、その姿勢は明らかに保守的で、右翼団体と称されることも度々です。

また、ALECが作成に関わった法案が社会に影響を及ぼした具体的な例に、米国の囚人数の増加があります。1980年代に矯正施設運営企業の支援を受けて以来、ALECは州が刑務所を私営化し、服役期間を延ばす法案を推進してきた、とネイション誌のマイク・エルク記者は共同執筆した記事「ALECと囚人労働の知られざる歴史」の中で暴露しました。ALECの働きかけの結果、囚人労働者は急増し、組合労働者の仕事が脅かされる状況が生まれています。また、ウェブサイト「ALEC Exposed」で公開されたモデル法案の分析が進むにつれ、労働組合の縮小、教育の民営化、銃規制や環境保護規制の緩和、移民管理の強化などに関する数々の悪名高い法案の作成にALECが関与していたことが明らかになり、世間の目がますます厳しくなっています。事態を重く見たいくつかの企業はALECからの脱退を表明しましたが、問題はエルク記者が述べるように、「どんな状況でもALECは企業スポンサーを見つける」ことです。これからその名前がニュースに出ることが多くなるであろうALECについて知る上で、見逃せないセグメントです。(永井愛弓)

*マイク・エルク(Mike Elk): ネイション誌に投稿している労働問題レポーター

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字幕翻訳 永井愛弓/全体監修 中野真紀子/サイト作成 桜井まり子