ダイヤモンド商レバイエブの副業は パレスチナ占領地の入植地と壁の建設

2008/2/14(Thu)
Video No.: 
3
11分

2007年11月、ニューヨークのマジソン・アベニューにレバイエブ宝石店が開店しました。開店後、この宝石店の前では毎週、抗議デモが続けられました。抗議をしている「アダラー・ニューヨーク」は、レブ・レバイエブ氏とニューヨークの不動産業者ボイメルグリーン氏が、ヨルダン川西岸のパレスチナ占領地で違法なユダヤ人専用の入植地の建設、拡大を行っていることを指摘します。

レバイエブ氏はダイヤモンド加工で財を築き「デビアスのカルテルに風穴を開けた男」と言われたイスラエルの事業家で、不動産業も手がける富豪です。2007年にニューヨーク・タイムズのビルを購入したことでも話題になりました。デモクラシー・ナウ!では、アダラー・ニューヨークのケイティ・アンガー氏、ルブナ・ミケル氏に話を聞きます。

ルブナ・ミケルさんは、ヨルダン川西岸のパレスチナ占領地で行われているユダヤ人専用入植地の建設の多くは、レバイエブ氏らの会社が手がけているものだと言います。パレスチナのビリーン村では、パレスチナ人の土地をさらに奪うようにしてイスラエルが建てている壁に対し、非武装の抗議活動が続けられています。

この「分離壁」は2004年に国際司法裁判所が違法であると勧告していますが、壁の建設はその後も続けられています。これらの入植地と壁は、パレスチナ人の土地をばらばらにし、パレスチナに住む人々が学校や病院へ行くといった普通の生活を著しく困難にしています。

ケイティ・アンガーさんは、アンゴラでのダイヤモンド生産に関して、レバイエブ氏が人権侵害に関わったとして抗議しています。 (桜井まり子)

☆ 番組中に出てくる分離壁の建設とビリン村の抵抗運動については、佐藤レオ監督のドキュメンタリー映画『ビリン闘いの村』が渋谷アプリンクで初夏公開の予定です 

☆ 参考:紛争フリーダイヤモンド

紛争フリーダイヤモンドとは、生産地の認証によって、採掘からカット、研磨までの生産の全工程において暴力や人権侵害や児童労働や環境破壊などを伴っていないことが認証されたダイヤモンドのことです。しかし注意を要するのは、国連の定義する「紛争ダイヤモンド」とは、アンゴラやシエラレオネのように内戦が長期化している国において、反政府勢力の資金源となり紛争の長期化を助長するとみなされるダイヤモンド(およびその他の宝石)のみを指すということです。すなわち、国連がお墨付きを与えるキンバリー・プロセス認証は、国際的に承認された政府に対抗する勢力の支配下の地域から輸出されたものではないことを保証するにすぎません。したがって、国際的に承認された政府の下で生産されたものでさえあれば、どのような人権侵害や環境破壊があっても問題とはされず、アンゴラのダイヤモンド鉱山での劣悪な労働環境が問題視されていたとしても、キンバリー・プロセス認定書を添付する妨げにはなりません。

*ルブナ・ミケル(Lubna Mikkel) 「アダラー・ニューヨーク」メンバー、
パレスチナ人弁護士

*ケイティ・アンガー(Katie Unger) 「アダラー・ニューヨーク」
「占領に反対するユダヤ人」メンバー

Credits: 

字幕翻訳:桜井まり子 / 全体監修:中野真紀子