安価な抗エイズ薬の製造は是か非か? アボット社VSタイ政府

 世界で3430万人いるといわれているHIV感染者/AIDS患者(1999年 UNAIDS調べ)。今では抗エイズ薬の開発のおかげで、かなりの長期にわたってHIVウイルスの増殖を防ぎ、AIDSの発症を抑えることが可能になっています。しかし、数百億かかるという開発費を捻出するために正規薬の値段は高く、2000年現在のアメリカで年間1万2000ドル(約150万円)に達していました。最もAIDSの被害を受けている発展途上国では、到底手が届かない価格です。(28分)

「自分が言わなければ誰が言う?」 ジョン・バティスト退役陸軍少将、イラク戦争反対を唱えCBSニュースを解雇される 前編

 ジョン・バティスト陸軍少将は、31年間も米軍に仕えたエリート軍人でした。イラク駐留米軍将校の中で第2位の高官にあたる中将への昇進を勧められるまで昇り詰めたのですが、この戦争の進め方に反対して、退役することを選んだのです。彼はCBSニュースでニュースコメンテーターを勤めていましたが、イラク・アフガン退役軍人によって設立された政治活動委員会VoteVets.orgのコマーシャルでブッシュ政権の戦略を批判した後、CBSはバティスト氏を解雇。そのことに抗議した活動家団体MoveOn.orgがバティストの再雇用を求める嘆願書に署名を呼びかけたところ、23万人もの署名が集まりました。(30分)

「イエスは何を買うだろう?」 ビリー牧師と無買聖歌隊の「買い物やめろ」伝道

米国では、年間で最も繁盛するクリスマス商戦の幕開けが11月第4木曜日の感謝祭です。商業主義にのっとられ消費の祭典と化したクリスマス・シーズンに向け、「より安くより沢山」消費せよという風潮が、間接的にアメリカ人の暮らしを蝕んでいるのではないかと問いかける新作ドキュメンタリーがニューヨークで公開されました。『イエスは何を買うだろう?』は、ビリー牧師と無買教会のゴスペル聖歌隊のアメリカ横断「買い物やめろ」伝道を追います。(23分)

女性の権利とエジプトの民主化を求め続けるナワル・エル・サーダウィ

中東の大国エジプトは、合衆国から年間20億ドルに上る多額の援助を受けていますが、現ムバラク政権は民主主義に逆行する政策をとっています。著名なエジプト人フェミニスト、心理学者、脚本家のナワル・エル・サーダウィをファイヤー・ハウス・スタジオに向かえ、2007年3月のエジプトの憲法修正の動きをはじめとするエジプトの政治、宗教、フェミニズム運動などについて聞きました。(12分)

飽食と飢餓 世界食糧システムの隠れた戦い 前編

4月頃から食糧価格の急騰で、ハイチやエジプトを始め東南アジアやアフリカの各地で食糧暴動が起こっています。世界銀行の推定では世界の食糧価格は過去3年で8割も上昇し、少なくとも33カ国で社会不安が拡大しています。国連世界食料計画は5億ドルの追加支援が必要と訴え、6月には国連主催の「食糧サミット」が開かれました。でも途上国の食糧暴動をテレビで眺める私達の食卓には、栄養豊富な加工食品が並んでいます。時間も手間もいらず、体によい食品のはずなのに、米国では病的な肥満が急増しています。しかも貧しい人々ほど肥満に陥りやすい。10億人が飢える一方で、8億人が肥満という現代世界の矛盾はどこから来るのでしょうか。少数の巨大食品企業が生産と流通を支配し、生産者価格を最低に押さえ込む一方で、大都市の貧しい消費者には高カロリーの工業食品を大量に消費させる現在の世界的な食品供給システムの矛盾に、ラジ・パテルが切り込みます。(11分)

マイケル・ポーラン アメリカ人の危険な食生活

「今日たいていのアメリカ人が口にしているものは食物ではなく、食物に似た工業製品だ」──マイケル・ポーラン教授によれば、米国の食生活を危機に陥れている元凶は2つです。第一に、自然の食品に付加価値をつけるため、高度な加工処理を行い、食物を工業製品化する食品産業です。思いのままに栄養素を強化し、いつまでも腐らない工業食品がスーパーの棚にあふれ、自然食品は手に入りにくい、ぜいたく品となります。第二に、食品そのものよりも、そこに含まれる栄養素が大事だと唱える「栄養学主義」です。これはイデオロギーであって科学ではないとポーランは批判します。科学的根拠の乏しい「善玉」「悪玉」のきめつけや、「栄養素」万能の食品評価などによって、食生活を歪ませていると。このような怪しげな科学に基づいて私達の食生活が変えられるのは恐ろしいことです。どうしてこんなことになってしまったのでしょう?ポーラン教授は、具体的な事例によってわかり易く説明してくれます。(36分)

ペンタゴンの御用「軍事専門家」 国防省のプロパガンダ策を検証

ニューヨークタイムズ紙は、米国防総省がイラク戦争開戦前、イラクを差し迫った脅威として描き出すために、いわゆる軍事アナリストとしてテレビ出演させる目的で75人以上の元米軍仕官を雇ったことを明らかにしました。国防総省は、ブッシュ政権の戦時演出に有利なニュース報道を生み出す宣伝攻勢のために、こうしたアナリストたちを使い続けていると同紙は報じています。元空軍大佐のサム・ガーディナーと、フェアネス・アンド・アキュレシー・イン・レポーティング(報道の公正と正確さを追求する会)のピーター・ハートから話を聞きます。(25分)

バーバラ・エーレンライク「捨てられるホワイトカラー」

労働運動
アメリカ屈指の社会評論家バーバラ・エーレンライクが、求職中の中高年専門職に身をやつして求職活動に挑戦、現代アメリカの企業社会でホワイトカラーの仕事を得るとはどんな体験なのか、体当たりで取材しました。そこでわかったのは、大学に行き、会社に入って忠実な社員になる優等生コースをめざす人達が、しばしば破産に追いやられていることでした。(15分)

イラクで拷問を採用したことが何千もの米兵を死に追いやった

2年前イラクで尋問チームを指揮していた元米軍特殊諜報活動員が仮名の下に、米軍がイラクで行なった拷問による尋問の効果を疑問視する本を出しました。安全上の理由からマシュー・アレグザンダーのペンネームを用いるこの人物は、イラクで自分が指揮したチームは拷問を用いる代わりに、正統的な心理戦術による尋問方法によってずっと大きな成果を上げたと主張します。なかでも最大の功績はアル=ザルカウィをしとめたことだと彼は言います。(26分)

日用品の毒性規制の遅れが米国製品の市場を狭める

調査ジャーナリストのマーク・シャピロを迎え、おもちゃや化粧品など日常的に使用する製品に含まれる化学物質の人体や環境へ安全性の基準が緩められていることが、米国製品の国際競争力を失わせると論じる最近の著作について語ってもらいます。 米国では化学薬品や工業製品の安全性を守る規制が、企業ロービーの圧力によってどんどん緩和され、有名無実化しています。企業側の主張は、規制を緩和しないと競争力が損なわれるという、おなじみのものです。しかし、本当にそうなのでしょうか?(31分)

ペルー警察、アマゾンのジャングルで先住民虐殺か

2009年6月5日早朝、ペルー北部のアマゾン県にあるバグア郡で、政府が進める採鉱と石油採掘計画に反対していた先住民の活動家たちと警官隊のあいだで衝突が起き、数十人が死亡しました。ペルー当局は外出禁止令を発令し、治安部隊がアマゾンの熱帯雨林に散在する都市をパトロールしています。ペルー当局は、警察官22人が殺害され、2名が行方不明であると発表しています。先住民側は、週末の衝突で子供3人を含む少なくとも40人が警察により殺害されたと語っています。アマゾン地域社会の発展をめざす先住民連合体AIDESEPの代表アルベルト・ピサンゴ氏には抗議行動を扇動した罪で逮捕状が出され、地下にもぐっています。(15分)

CIAやFBIの権力乱用を捜査したチャーチ委員会

米国はブッシュ政権のもとで、テロ戦争を口実にCIAや米軍による民間人の拉致や拷問が容認され、国内でも捜査令状なしに電話を盗聴することが認められる一方、政府の情報開示は著しく制限される一種の暗黒時代に入りました。オバマ政権に交代した後も、公約とは裏腹に政府の秘密主義や情報機関の逸脱は改められていないようです。これと似た状況が、1970年代にもありました。政府の不法行為を捜査してきた米上院委員会。その中でも最も有名な70年代半のチャーチ委員会を振り返ってみましょう(24分)

米国内の秘密刑務所CMU 体験者が初めて明かす獄中生活

米国内にはCMU(コミュニケーション管理ユニット)と呼ばれる秘密刑務所があります。受刑者たちが外界と接触することを極端に制限する特殊な設備で、ブッシュ政権の下でインディアナとイリノイの2カ所にこっそりと設置されました。収容されているのは殆どがイスラム教徒の男性であり、そうでなければ環境活動家や動物愛護運動の活動家などです。ACLU(米国自由人権協会)は、CMUの合法性を問う訴訟を起こしています。この秘密刑務所の中で何が行なわれているのでしょう。(30分)

「ファミリー」米国権力の中枢にひそむキリスト教原理主義

ムスリム撲滅の使命に燃えるエリック・プリンスのような狂信者とは異なり、米国のキリスト教右派の中にはもっと実利的で、力と支配を追求する勢力もいるようです。世間には知られない最強のキリスト教原理主義運動といわれるのが、「ファミリー」と呼ばれる政治秘密結社です。有力メンバーには、米国の連邦議員や財界人、軍幹部、また外国の国家元首などが名を連ね、共和党も、民主党もなく、すべての党派に勢力を分散させ、「聖書資本主義」と呼ばれる徹底した自由競争を追求します。まさに市場の「見えざる手」への信仰なのです。『ファミリー』の著者ジェフ・シャーレットが、この秘密集団について驚くべき発見を語ります(19分)

ナオミ・クライン 地球の運命は「気候正義」を求める大衆運動にかかっている

コペンハーゲン開催の国連気候変動枠組条約第15回締結国会議(COP15)で、デモクラシー・ナウ!取材班は会場のベラセンターに陣取り、2週間にわたる現地からの生放送をしました。欧米先進国と中国などの新興国の利害の対立や駆引きに注目が集まり、主流メディアではあまり報じられなかった途上国や貧国の気候変動による犠牲者たちの要求や、彼らと連帯する活動家たちの行動を伝えるためです。会議が終盤を迎え各国首脳が続々と到着する中で、気候変動の被害者の声は露骨に締め出されていきました。COP15に対抗してコペンハーゲン市内で連日開催された市民気候サミット「クリマフォーラム」には『ショックドクトリン』の著者ナオミ・クラインがパネリストとして参加し、気候債務の返済を先進国に迫るには、大衆的な行動に訴えるしかないと檄を飛ばしました。(11分)

アリス・ウォーカーの新作 ルワンダ、コンゴ、パレスチナで見た地獄

2010年のピュリッツァー賞が発表されました。ハリケーン・カトリーナ被災で孤立した病院で患者の生死の選択を迫られた医師たちの苦悩を描く記事で受賞した「プロプブリカ」のシェリ・フィンク氏は、非営利報道機関によるはじめての受賞という快挙でした。今日はアフリカ系アメリカ人女性として初めて同賞を受賞した作家、詩人、活動家のアリス・ウォーカー氏を招いて、新刊書について話を聞きます。タイトルは、『絶句を乗り越えて ルワンダ、コンゴ東部、パレスチナ=イスラエルで詩人が遭遇した恐怖』です。(17分)

オリバー・ストーンが中南米の政治変動に取り組んだ新作『国境の南』 前編

10月27日アルゼンチンのネストル・キルチネル前大統領が心臓発作で亡くなりました。90年代に極端な新自由主義路線を突っ走って経済破綻したアルゼンチンを、財政再建を迫るIMFの干渉をふり払った経済重視の政策で見事に立ち直らせた英雄です。訃報を受けて中南米諸国に大きな衝撃が走り、ブラジルのルーラ、ベネズエラのウーゴ・チャベス、ボリビアのエボ・モラレス、エクアドルのラファエル・コレア、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大など、南米諸国の大統領たちが、3日間の喪に服すと発表したそうです。中南米の指導者の間には今、1820年代の独立革命以来といわれる強い結束が生まれています。でも、この中南米の大きなうねりは、米国のメディアに無視されたり、歪曲して伝えられています。オリバー・ストーン監督の新作ドキュメンタリー『国境の南』は、南米6カ国の7人の大統領に直撃取材を行い、南米大陸を席巻する革命のほんとうの姿を伝えようとするものです。(30分)

オリバー・ストーンが中南米の政治変動に取り組んだ新作『国境の南』 後編

10月27日アルゼンチンのネストル・キルチネル前大統領が心臓発作で亡くなりました。90年代に極端な新自由主義路線を突っ走って経済破綻したアルゼンチンを、財政再建を迫るIMFの干渉をふり払った経済重視の政策で見事に立ち直らせた英雄です。訃報を受けて中南米諸国に大きな衝撃が走り、ブラジルのルーラ、ベネズエラのウーゴ・チャベス、ボリビアのエボ・モラレス、エクアドルのラファエル・コレア、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大など、南米諸国の大統領たちが、3日間の喪に服すと発表したそうです。中南米の指導者の間には今、1820年代の独立革命以来といわれる強い結束が生まれています。でも、この中南米の大きなうねりは、米国のメディアに無視されたり、歪曲して伝えられています。オリバー・ストーン監督の新作ドキュメンタリー『国境の南』は、南米6カ国の7人の大統領に直撃取材を行い、南米大陸を席巻する革命のほんとうの姿を伝えようとするものです。(15分)

日本の放射能漏れが続く中、バーモントヤンキー原発は運転継続を認めよと州政府を提訴

 2012年に操業40年となるバーモント・ヤンキー原発の期限延長をめぐって、米国で議論となっています。バーモント州議会は同原発の運転延長を認めない決定をしましたが、原子力規制委員会は今年3月21日、20年間の操業延長を許可しました。しかも、同原発を所有するエンタジー社は4月18日、州の決定権に異議を唱えて訴訟を起こしました。原子力技術者として長い経験をもつアーニー・ガンダーセンさんは、バーモント・ヤンキーの原子炉が福島と同じマークI型(関連情報2参照)である点を懸念しています。

アルジャジーラの革命中継が見られないエジプトとアメリカ

エジプトの民衆革命をライブ放送で伝え、一躍その存在感を高めた中東の放送局アルジャジーラ。タハリール広場からの中継にはネットからも視聴者が殺到し、しばしばダウンしました。通常のアクセスの25倍に跳ね上がったそうですが、その6割は米国からのものだったそうです。アルジャジーラの英語放送は世界中の2億世帯にとどくのに、米国ではほとんどの商業放送から排除されており、首都ワシントンを除いて視聴できる地域はほんの数ヵ所です。エジプト当局がアルジャジーラのアラビア語放送を弾圧したことは論議を呼びましたが、米国でもアルジャジーラは視聴できず、結果的に「報道管制」ではないかと批判されています。米国でのアルジャジーラ不振の理由について、同局の営業戦略顧問トニー・バーマン氏に聞きます。
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