「3兆ドルの戦争」スティグリッツとビルムズがイラク侵攻と駐留経費の真実を語る

ブッシュ政権はイラク戦争が米国の経済に悪影響を与えているという批判を否定していますが、米国きっての経済学者は、この戦争の経費は控えめに見積もってもすでに3兆ドルに達していると推定しています。ノーベル経済学賞受賞者で元世界銀行首席エコノミストのジョセフ・スティグリッツ教授とハーバード大学のリンダ・ビルムズ教授の共著による『世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃』で論じられている数字です。この2人の経済学者は、ブッシュ政権が常に戦費を過少に発表してきたと言います。さらには、国民から隠している非公表のウラ収支報告さえあるとさえ主張します。出版に際して、初めて行われた全国放送の著者インタビューをおとどけします。(43分)

ニューヨーク初のアラビア語公立学校にバッシング

アラビア語とアラブ文化の教育に力を注ぎ、ニューヨーク市初の公立アラビア語学校の設立に努めてきた教育者デビ・アルモンタザーが、開校を前に校長辞任に追い込まれました。ハリール・ジブラーン国際学園の設立計画には、右翼メディアや親イスラエル勢力から組織的な妨害運動が続いていました。今回の事件は、アルモンタザー校長がニューヨーク・ポスト紙の質問に答えて「インティファーダ」のアラビア語の原義は「払いのけること」だと述べたことに端を発し、校長はテロリズム支持者だとマスコミの集中非難を浴びせられたことが原因でした。事件の真相と、イスラム文化へのいわれのない中傷をめぐって2人のゲストに話を聞きます。(18分)

カーター・センターに集う世界の女性人権活動家

アトランタのカーター・センターからのライブ中継で、世界で活躍する女性人権擁護活動家3人の話をききました。マレーシアの著名なフェミニスト、ザイナー・アンワールは、一定のイスラム解釈によって女性差別を正当化し、憲法が保障する人権を侵害していることは、イスラムを利用した女性差別の永続化であると指摘します。イスラム国家とは異なり、国民の4割が非ムスリムの多民族国家マレーシアでは、ムスリムと非ムスリムの家族法の相違が、同一国家における女性の権利の格差という問題を生んでいます。一方、紛争が続くケニアの活動家カーリベティ・ムルンギは、戦争と危機に対処する女性たちを支えることが活動の目標だといいます。 (13分)

女性の権利とエジプトの民主化を求め続けるナワル・エル・サーダウィ

中東の大国エジプトは、合衆国から年間20億ドルに上る多額の援助を受けていますが、現ムバラク政権は民主主義に逆行する政策をとっています。著名なエジプト人フェミニスト、心理学者、脚本家のナワル・エル・サーダウィをファイヤー・ハウス・スタジオに向かえ、2007年3月のエジプトの憲法修正の動きをはじめとするエジプトの政治、宗教、フェミニズム運動などについて聞きました。(12分)

「アパルトヘイトではなく平和を」ジミー・カーター、パレスチナを語る

アトランタを訪れたエイミーが、ジミー・カーターに初めてインタビュー。ホワイトハウスを去った後のカーターは、「カーターセンター」を基盤に人道支援や民主的な選挙の推進などの分野で精力的な活動をつづけており、元大統領の立場を有意義に使った人権外交は現役大統領時代よりも高く賞賛され、2002年にはノーベル平和賞を受賞しています。今回のインタビューの目玉は、2007年に刊行された著書『カーター、パレスチナを語る アパルトヘイトではなく平和を』です。イスラエルがパレスチナ占領地への入植拡大を続けていることこそが中東和平を阻む最大の障害だと論じたこの本は、「アパルトヘイト」ということばを使ったことへの反発もあって、賛否両論の大論争を引き起こしました。本人に、この本を書いた動機や、パレスチナ問題解決の展望について、踏み込んで話を聞きます。(40分)

「水色の約束」 モード・バーロウと水の正義を求めるグローバルな運動

水はタダでいつでも必要な時には永遠にあるものだと私たちは思っています。水はどこから来るのかを考えたことはありません。 「そんな時代は終わった」とモード・バーロウは言います。カリフォルニア州では20年以内に、ニューメキシコ州では10年以内に、今ある水を使いつくしてしまいます。米国では水の大きな供給源だった、五大湖やコロラド川でも水が不足しており、世界的に有名なナイル、黄河などの大河も水不足のため、川が海まで流れて行っていないことを皆さんはご存知だったでしょうか? 人間は水なしでは2~3日しか生きていかれません。その大事な水を軽んじてきた結果、いま私たちは人類の歴史で最大の危機に直面しているのです。原因は気候変動です。しかしそれ以上に、水の汚染と水管理の失敗により、水の本来の循環を止めてしまったことが大きな原因です。(19分)

ポール・クルーグマンの「リベラルの良心」 後編

著名な経済学者ポール・クルーグマンへのインタビューをお届けします。ポール・クルーグマンはプリンストン大学教授で国際貿易論の第一人者です。またニューヨークタイムズ紙の論説コラムニストでもあり、最近、『エディター&パブリッシャー』誌によって年間最優秀コラムニストに選ばれました。今日は彼の新著The Conscience of a Liberal(『リベラルの良心』)について、本人からお話を伺います。

ポール・クルーグマンの「リベラルの良心」 前編

著名な経済学者ポール・クルーグマンへのインタビューをお届けします。ポール・クルーグマンはプリンストン大学教授で国際貿易論の第一人者です。またニューヨークタイムズ紙の論説コラムニストでもあり、最近、『エディター&パブリッシャー』誌によって年間最優秀コラムニストに選ばれました。今日は彼の新著The Conscience of a Liberal(『リベラルの良心』)について、本人からお話を伺います。

メディア系列化容認に動くFCC クロスオーナーシップ 後編

米国ではメディア集中排除の見地から、一つの企業が新聞社とテレビ・ラジオ放送局を同じ都市において所有することが禁じられてきました。このメディア系列化規制の緩和に向けた動きがここへきて再び活発化し、激しい攻防が繰り広げられています。もともとメディア系列化(クロスオーナーシップ)が規制されていない日本では、この問題はあまり重要なものと捕らえられていないようです。なぜ米国では大勢の市民が反対の声を上げているのかを考えることは、メディアの系列化に鈍感になってしまった私たち自身を振り返る、よい機会でしょう。 昨年10月にケビン・マーティンFCC委員長がメディア所有規制容認の提案を出した時点のものと、12月18日のFCCの決議直前に放送されたもの、2本をご覧下さい。(6分)

メディア系列化容認に動くFCC クロスオーナーシップ 前編

米国ではメディア集中排除の見地から、一つの企業が新聞社とテレビ・ラジオ放送局を同じ都市において所有することが禁じられてきました。このメディア系列化規制の緩和に向けた動きがここへきて再び活発化し、激しい攻防が繰り広げられています。もともとメディア系列化(クロスオーナーシップ)が規制されていない日本では、この問題はあまり重要なものと捕らえられていないようです。なぜ米国では大勢の市民が反対の声を上げているのかを考えることは、メディアの系列化に鈍感になってしまった私たち自身を振り返る、よい機会でしょう。 昨年10月にケビン・マーティンFCC委員長がメディア所有規制容認の提案を出した時点のものと、12月18日のFCCの決議直前に放送されたもの、2本をご覧下さい。(10分)

FCCが公共電波の大量競売へ

2007年8月始め米連邦通信委員会(FCC)は公共電波の競売に関する一連の規則を承認しました。これにより、FCCは無線ネット接続や携帯電話に利用できる周波数帯の使用権を入札によって売却することになります。マードックによるダウ・ジョーンズ社買収のニュースに隠れて注目されることはありませんでしたが、この決定は米国内でインターネットや携帯電話を利用するすべての人々に影響を及ぼす可能性があると考えられています。この決定がどのような意味を持つのか、2人のゲストを招いてお聞きします。(10分)

「20世紀のメディア王」ルパート・マードック

2007年8月、ルパート・マードック率いるニューズ・コープ社が、米国でもっとも信頼されてきた大手新聞の一つ、ウォールストリート・ジャーナル紙を所有するダウジョーンズ社の買収に成功しました。この時点でニューズ・コープ社は世界中で176の新聞を所有したことになります。米国ではここ数年、マードックのような“メディア王”による報道機関の占有が進んでいます。報道の公正さと質の低下を危惧するジャーナリストたちは、利益追求を優先させる企業家によってメディアが売買される状況を深刻な危機であると声を上げています。(24分)

政治を変える一票? 大統領候補の影に残虐行為の首謀者たちが

世界最高の政治権力者である米国大統領の選挙は、各候補の一挙手一投足が世界中の注目を浴びます。ブッシュ路線を継承し、必要ならイラクに百年でも留まることを主張するマケイン候補が既に共和党の指名を獲得したのに対し、民主党側は「変化」を掲げるバラク・オバマ候補と、「経験」を売り物にするヒラリー・クリントン候補が熾烈な予備選挙を続けています。日本でも選挙の一連の経緯はつぶさに報道されていますが、実はほとんど報道されないことがあります。当選すれば政権の中枢を支えることになる各候補の顧問団です。すでに大統領選から撤退した候補も含め、両党の「主流派」候補全員の顧問の経歴と政策を徹底検証します。(32分)

チャベス大統領の改憲案 国民投票で否決

アメリカのブッシュ大統領の圧力に負けず、中南米で左派勢力を広げる中心的役割を果たしてきたチャベス・ベネズエラ大統領。大統領の連続再選は1回までとしている現憲法に対し、任期の制限を撤廃する内容を含んだ改憲案を出していましたが、昨年12月の国民投票で、僅差で否決されました。チャベス大統領はこの敗北を受け、2012年に退陣すると発表しました。(13分)

チャベス政権、民放テレビ局を閉鎖 是非をめぐり徹底討論

ベネスエラのチャベス大統領は2002年、軍部によるクーデターで48時間監禁され、命を脅かされたことがありました。大統領を支持する圧倒的な民衆の力で政権を回復したチャベスは、クーデターを支持した民放を閉鎖することもなく、5年を経ました。ところが、昨年5月、民放局RCTV(ラジオ・カラカス・テレビ)の放送免許を更新しない方針を政府が決定し、賛成・反対両派による数千人規模のデモが、4日間に渡って繰り広げられました。このセグメントでは、今回の政府によるRCTV「閉鎖」の是非をめぐって、徹底的に討論します。(27分)

チャベスと希望の枢軸 タリク・アリの新著『カリブの海賊』

1998年の初当選以来、中南米の台風の目となってきたチャベス大統領は、従来の対米従属に代わる新しい世界観を打ち出し、キューバやボリビアを巻き込んで希望の枢軸を形成していると、タリク・アリは述べます。「イラクの状況は、あまりにも絶望的です。いま必要なのは、世界は変えられるという希望を与える本だと思いました。アラブ世界の絶えまない流血は心を暗くしますが、中南米に目をやれば、かつては米国の支援する独裁者が民衆の運動を力で抑えていたのに、いまやチャベスやモラレスが民主的に選出され、選挙で公約したとおりの政策を実行しています。新自由主義の深い眠りから、この世界をゆり起こすのは可能なのです」。 (17分)

インドネシア独裁を支援した米民主党

アラン・ネアンによるリチャード・ホルブルック(元国連大使で現在はヒラリー・クリントンの外交顧問)とビル・クリントン元大統領へのインタビューを再放送します。ネアンはホルブルックとクリントンに、残虐な人権侵害の事実があるにもかかわらず、カーター政権とクリントン政権がなぜスハルトを支援したのかを聞きました。(18分)

東ティモールの虐殺

1991年秋。インドネシア占領下に置かれていた東ティモールの首都、ディリは緊張につつまれていた。11月に予定されていた(旧)宗主国ポルトガルの議員団の訪問取りやめが10月26日に発表された。その2日後、議員団にインドネシア不法占領下の恐怖生活を訴えようと準備していた若者の一人、セバスチャン・ゴメスが、インドネシアの秘密警察に射殺された。11月12日、モタエル教会で行われたゴメス追悼ミサには数千人が参加した。人々はミサのあと、サンタクルス墓地に行進し、そこで解放を求める横断幕を掲げ、独立をアピールした。インドネシア軍が墓地を取り囲み、武器を持たない人々に向けて無差別発砲を開始した。発砲により、270人以上の人々が殺された。インドネシア軍はさらに、怪我人をトラックで病院に運び毒殺した。このとき、ポルトガル議員団の訪問予定にあわせて、ディリには外国のジャーナリストたちがいた。デモクラシー・ナウ!のエイミー・グッドマン、このセグメントに登場するアラン・ネアンと英国のマックス・スタールもやはりディリにいた。何人かのジャーナリストと人権活動家の協力により、虐殺の光景を納めたビデオが国外に持ち出され、西側のテレビで放映された。それにより、サンタクルス虐殺は世界に知られることとなった。(17分)

インドネシアの元独裁者スハルトが死去

約1万7000の島からなり、世界第4位の人口(約2億5000万人)を擁する多民族国家インドネシア。石油や天然ガス、銅、スズ、ボーキサイトなどの豊かな天然資源に恵まれたこの国を32年にわたって支配したスハルト元大統領が2008年1月27日、病気で死去しました。多くのメディアが、スハルト元大統領の死に際し、その功績を積極的に評価する論調の記事を掲載しました。スハルトの永年にわたるインドネシア支配は、本当のところ、何をもたらしたのでしょうか。(19分)

ダイヤモンド商レバイエブの副業は パレスチナ占領地の入植地と壁の建設

2007年11月、ニューヨークのマジソン・アベニューにレバイエブ宝石店が開店しました。開店後、この宝石店の前では毎週、抗議デモが続けられました。抗議をしている「アダラー・ニューヨーク」は、レブ・レバイエブ氏とニューヨークの不動産業者ボイメルグリーン氏が、ヨルダン川西岸のパレスチナ占領地で違法なユダヤ人専用の入植地の建設、拡大を行っていることを指摘します。(11分)
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