核ホロコースト 増大する核兵器事故の危険性とその秘密主義

著書『ファストフードが世界を食いつくす』で有名なエリック・シュローサー記者の新著<cite>Command and Control: Nuclear Weapons, the Damascus Accident, and the Illusion of Safety</cite>(『指揮と統制:核兵器、ダマスカス・アクシデント、そして安全幻想』)によると、米国はこれまで何度も、すんでのところで自国での核爆発事故を避けてきました。それどころか、考えられないような単純なミスが原因で、戦争勃発まで間一髪の状態になったことすらあるのです。(16分)

政府の学生ローンが若者を餌食に生み出す第二の住宅バブル

この夏、連邦政府が貸し出す学生ローンの金利をめぐって議会が紛糾しました。スタッフォード・ローンの金利低減措置が7月1日で失効するため、一部のローンでは金利が3.4%から6.8%へと2倍に跳ね上がり、何百万人の学生が負担の増加に直面することになります。この事態を緩和するための措置が議論され、8月になってようやく、2015年までは低金利に据え置くという超党派の法案が可決しました。しかし、これは一時しのぎにすぎず、長期的には返済の負担は増加すると予想されています。でもローリング・スト ン誌の政治記者マット・タイビによれば、政府系学生ローンに絡む本当のスキャンダルは、ローン金利の問題ではありません。本当に悪質なのはローン元本そのもの、つまり際限のない学生ローンの提供が招いた授業料の異常な高騰という、一種の学費バブルです。(17分)

米国 軍事分野の輸出規制を緩和 経済効果とリスクのバランス

米国の規制改革の一環として武器輸出の緩和が2013年10月から施行されました。この緩和の目玉は、国務省が許認可を管轄している武器品目を部分的に商務省に移し、輸出の推進を図ることと言われます。武器と汎用品の境界があいまいになるなか、米国の軍事技術がより多く売り出されることはどのような影響を及ぼすのでしょうか。(8分)

米国が対エジプト軍事援助を一時停止 その実態は

米政府は2013年10月9日、エジプトへの軍事援助の一部を一時停止すると発表しました。1979年のイスラエル・エジプトの平和条約以降、イスラエルに次いで多額の軍事援助をエジプトへ供与してきた米国が実際に援助停止を決定したことは大きなニュースとして報じられました。しかし、アルジャジーラ英語放送でエジプトを取材したアンジャリ・カマトは、援助停止は暫定措置で象徴的行為にすぎないと指摘します。(13分)

サウジのバンダル王子がシリア反政府勢力を支援 1980年代の再現か

シリア騒乱が2011年に始まってから、もうすぐ3年になろうとしています。騒乱が長引くにつれて国際社会からの非難は高まり、最近では他国の軍事介入の是非をめぐって、国連内でも激しく意見が対立しています。シリア関連の記事が新聞のトップニュースに見られる日も少なくありませんが、騒乱への国際社会の関与について、今回また新たな側面が暴露されました。(12分)

「アパルトヘイトへのロードマップ」 バンツースタン化するパレスチナ国家

ネルソン・マンデラ氏の逝去でアパルトヘイト体制の打破について多くのことが語られています。良い機会ですので、パレスチナ自治政府とアパルトヘイトの相似性を検証した一年前の動画を掲載します。1012年11月29日、国連総会でパレスチナを主権国家として認める決議が圧倒的多数で採択されました。主権を認められたことの意義は大きく、歴史的な一歩だったのかもしれません。でも、現実に目をやれば、もろ手を挙げて歓迎というわけにはいきません。決議案を提出したマフムード・アッバース大統領の自治政府には、主権国家の実体がないからです。(19分)

ワシントンポストを買ったベゾスのアマゾン・ドット・コムはグローバル企業の象徴

ワシントンポスト紙がアマゾン・ドット・コムCEOのジェフ・ベゾス氏に売却されたことは、凋落が続く米国の新聞産業の転換点となるのかもしれません。2億5千万ドルという買収金額も、大富豪のベゾス氏にとっては資産の1%にもとどきません。米国を代表する有力新聞がポケットマネーで買えちゃう時代、言論もお安 くなったものです。文化も畑もまったく異なる国際ネット通販の創業者が、ワシントンポスト紙なんか買って何をするつもりか、いろいろ憶測を呼んでいます。 新聞事業の赤字体質は解消できるのか、大胆なオンライン化が突破口となるのか、などと。でも、もしかしたらベゾスさんは赤字のままでぜんぜん平気なんじゃ ないかしら。なにせ、ご本尊のアマゾン・ドット・コムが利益を出さない企業なのですから。(33分)

「ゴリアテ」─イスラエルで加速するレイシズム

ネタニヤフ政権下のイスラエル社会の変化について詳しく紹介するマックス・ブルーメンソールの新著Goliath: Life and Loathing in Greater Israel (『ゴリアテ-憎しみの国 大イスラエルでの生活』)が刊行されました。ブルーメンソールはネタニヤフ政権下のイスラエル社会について、「占領がイスラエル内に戻ってきた」と表現しています。西岸地区の過激な入植者たちがイスラエル内に戻ってデモや占拠を行い、イスラエル内に居住するアラブ系住民やアフリカからの移民とのあいだに大きな摩擦が生じているのです。イスラエルの新聞ハアレツ紙も アフリカ系移民に対する差別が加速していると伝えています。(12分)

メタデータによる処刑 NSAの暗殺関与

ガーディアン誌を去ったグリーンウォルド記者が、DN出身のジェレミー・スケイヒルらと立ち上げた新メディア事業ファースト・ルック・メディアのデジタル・マガジン「ジ・インターセプト」。お披露目の記事は2人の共著で、国家安全保障局(NSA)の諜報活動に関する新たな発見です。エドワード・スノーデンの告発以来、NSAが世界中で行っている通信傍受については次々と新事実が明かされていますが、今回のスクープはそうした監視活動の枠を超えた、実戦におけるNSAの関与です。(32分)

アパルトヘイトへの挑戦 ポラロイドのBDS運動

1970年代初め、マサチューセッツ州にあるポラロイド社の労働者は、南アフリカのアパルトヘイト体制に抗議する投資撤収(ダイベスト)運動を始めました。勤務先であるポラロイド社の技術がアパルトヘイトを支える身分証明書の作成に使われていることに気づいたキャロライン・ハンターとケン・ウィリアムズの2人は、会社に抗議して「ポラロイド労働者革命運動」を結成、会社に南アからの事業撤退などを要求しました。(16分)

公民権活動家ユリ・コウチヤマの回想 マルコムXとの友情、日系人収容所の経験

公民権運動の活動家で日系二世のユリ・コウチヤマさんが、2014年6月1日カリフォルニア州バークレーで、93歳で亡くなりました。第二次世界大戦中に日系人収容所に入れられ、米国南部の人種差別を目の当たりにしたことから政治活動にめざめたそうです。日系人への差別と黒人差別に共通するものを見出し、人種間の平等や社会正義の実現を求めて闘うようになりました。後に夫のビル・コウチヤマと共にニューヨークのハーレムに住みつき、黒人解放やブラックパンサーの運動を支援し公民権運動に深くかかわりました。

NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 1: 受賞スピーチ「真の受賞者はスノーデン」

4月11日、米国のジョージ・ポーク・ジャーナリズム賞の授賞式がニューヨークで行われ、国家安全保障局(NSA)の監視に関する一連の報道で中心的な役割を果たしてきたグレン・グリーンウォルドとローラ・ポイトラスが揃って出席しました。内部告発者エドワード・スノーデンにインタビューするため香港に飛んで以来、初めての帰国です。二人の受賞スピーチをお聞きください。(10分)

マイケル・パウエルの置き土産とネット中立性を守るバトルの再開

この夏、米国ではインターネットの未来を決定する重大な決定が下されようとしています。コムキャスト、タイムワーナー・ケーブル、AT&T、ベライゾンなどの巨大ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)が一致団結してFCC(連邦通信委員会)に圧力をかけ、「ネットワーク中立性」を葬り去ろうとしているからです。この闘いを率いるのは、全米有線テレビ事業者連盟(NCTA)の会長で元FCC委員長のマイケル・パウエルです。彼はジョージ・W・ブッシュ大統領の国務長官を務めたコリン・パウエル将軍の息子です。パウエル長官といえば、2003年2月5日に国連安保理事会でイラクが大量破壊兵器を保有しているという誤まった報告を行いイラク侵攻への道を開いたことで歴史に記憶される人物ですが、本人はこれを生涯の汚点として後に悔やんでいます。息子のマイケルは当時FCCの委員長を務めていましたが、メディアの所有規制の緩和を企てたものの国民的な反対運動を招いて失敗し、2005年1月に退職した後はケーブル業界最大のロビー団体に天下りしました。今度は「ネット中立性」をつぶすための闘いでリベンジを狙っているようです。(22分)

石炭企業からの投資撤退 スタンフォード大学の決断

米カリフォルニア州の名門校スタンフォード大学が、学生主導の運動に賛同して、石炭生産会社への投資を停止すると発表しました。アメリカの大学の多くは、寄付金や収益の蓄積を“Endowment”(基金)として運用し、その運用益を大学経営に当てています。スタンフォード大学の運用額は、世界でも最大規模であり、その総額は187億ドル(約1兆8000億円)にも上ります。今回投資停止の対象となった具体的な金額は公表されていませんが、実際に化石燃料への懸念を理由に投資を撤退した主要大学はスタンフォードが最初であり、注目の的となっています。(11分)

「戦争犯罪人は来ないで」 コンドリーザ・ライスがラトガーズ大学卒業式典を辞退

神戸女学院大学の翻訳チーム第二弾は、先週の動画に引き続き、米国の大学キャンパスでの積極的な直接行動の事例です。ジョージ・W・ブッシュ大統領の国務長官を務めたコンドリーザ・ライスは、ニュージャージー州の名門公立校ラトガーズ大学の卒業式典に招かれ祝辞を述べることになっていましたが、学生や教職員の強い抗議を受け、ライス本人の辞退によって取り止めになりました。(8分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル~(2) 彼は超優秀なサイバー・スパイだった

特別長編インタビュー第一日目の後半部分では、これまで語られてこなかったエドワード・スノーデンの人物像が詳細に語られます。スノーデンが育った家庭環境や政治信念、そして米国の安全保障機構の中での急速な昇進と、そこで果たしていた役割など、従来のマスコミ報道とはまったく違った人物像が浮かび上がります。これらは内部告発に至った動機や、彼の告発の重大性を理解するのに決定的に重要な事実といえるでしょう。(22分)

USAIDは新たなCIA? 反カストロを煽動するSMSサービスを密かに構築

AP通信の特ダネ記事によって、キューバ「民主化」支援を隠れ蓑にした米国国際開発庁(USAID)による偽ツイッター作戦が暴露されました。キューバの俗語でハチドリの囀り声を指す「スンスネオ」(Zunzuneo)と名付けられた隠密作戦は、銀行の偽装口座やダミー会社など、国際諜報活動の古典的手法を駆使し、当初は当たり障りのない生活情報などを提供しつつ個人情報を違法に収集して若年層のネットワークを構築し、時が熟せば「キューバの春」を演出して社会不安を招き、革命体制転覆へ導くことを究極の目的として始められたものの、2012年半ばには極秘裏に活動を終えたとされています。米大統領府は「議会の承認を得た正規の人道支援だ」と強弁していますが、中央情報局(CIA)や国家安全保障会議などお馴染みの謀略・国防組織ではなく、表向き人道目的を掲げた中央官庁が主体となった工作活動は、米国社会に衝撃をもたらしました。ジョージ・ワシントン大学にある公益研究機関、国家安全保障関連資料館の「キューバ記録事業」責任者ピーター・コーンブルーに取材します(13分)

『戦争の身体』~(2) トーマス・ヤングのインタビュー 2008年3月

帰還兵の悲痛な境遇を体現する人物トーマス・ヤングが、退役軍人の日の前日、妻に看取られてひっそりと亡くなりました。イラクで負傷し、半身付随になりながらも薬物中毒から立ち直り帰還兵の反戦運動に身を投じた活動家です。彼を描いた2008年のドキュメンタリー映画Body Of War (『戦争の身体』)は大きな話題になり、他の帰還兵たちよりも脚光を浴びましたが、背後には同じような悲劇が無数に存在します。日々の生活の格闘から遂に力尽きるまでの彼の人生の軌跡は、9.11事件後の世界で戦争に突き進んだ米国の悲劇をきれいになぞっています。 後半部分です (18分)

暴露 スノーデンが私に託したファイル ~(4)既存メディアには現状を変えられない

グレン・グリーンウォルドへの長時間インタビューの締めくくりとして、ピュリツァー賞の受賞についての感想や米国の既成ジャーナリズムについての考えを聞きます。スノーデンの内部告発を徹底して報道したことに対しては、当時のNSA長官キース・アレグザンダーが「人命を危険にさらした」と厳しく非難しましたが、グレンにとっては権力者の怒りを買うことは「ジャーナリストとしての勲章」です。ところが暴露記事が続々と発表されるにつれ、同業者であるジャーナリストたちまで敵対的な態度を取るようになりました。「これはもはやジャーナリズムではない」と言うのです。彼らのジャーナリズムとは、どんなものなのでしょう?(11分)

NAFTAの20年で雇用流出 所得格差 環境衛生基準の劣化 なぜ阻止できなかったのか?

NAFTAは米国、メキシコ、カナダの3国間に結ばれた多国間自由貿易協定で、現在交渉中のTPPやTAFTAの原型といえるものです。締結に至るまでには、その経済的、社会的な影響をめぐって賛否両論の大論争が起こりましたが、多くの異論を押し切る形で締結され、1994年1月1日に施行されました。惨憺たる結果が十分に予想されていたのに、協定が成立してしまったのは何故なのか?これを検証することが、「NAFTAの強化版」(NAFTA on steroids)といわれるTPPやTTIPを阻止するために重要なヒントになります。(12分)
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