「占領を祝うな!」トロント映画祭のテルアビブ特集に文化人らが抗議

毎年9月のトロント国際映画祭(TIFF)は北米最大の重要な国際映画祭ですが、今年はイスラエルがらみで大荒れでした。今年から始まった「注目都市」の企画で、第1回にイスラエルの中心都市テルアビブが取り上げられたからです。多数のアーティストや作家たちが、これに反対を表明しました。ジェーン・フォンダ、デービッド・バーン、ダニー・グローバー、ハリー・ベラフォンテ、ジュディス・バトラー、スラヴォイ・ジジェク、ケン・ローチら1500人以上が抗議文に署名しています。 このタイミングでテルアビブにスポットをあてるTIFFの決定は、パレスチナ占領を継続するイスラエルの文化戦略への加担だと、彼らは批判します。ガザ地区への攻撃で国際的な評判が堕ちたイスラエルは、イメージ回復を図ってイスラエルの芸術家や俳優や作家を積極的に国外に送り出し、占領や戦争犯罪から目をそらそうとしているからです。抗議文の作成にかかわったナオミ・クラインは「イスラエルのブランドリニューアル」と呼びます。(20分)

GMの金のなる木 ブラジルの森林から見るカーボン取引の矛盾

地球温暖化への対策が生み出した新手のビジネスに注目しましょう。温室効果ガスの排出削減の決め手とされるのは、「排出量取引」(キャップ・アンド・トレード)制度です。これは国や企業ごとに排出量の上限(キャップ)を定め、その枠を超えて排出してしまった分は、排出枠が余っている国や企業から権利を買い取る(トレード)仕組みです。ここから、CO2を吸収する森林がカーボン・ビジネスの鍵となる商品になりました。世界の温暖化ガス排出の大要因である伐採を防ぎ、森林を保護すれば、他のところで起きたCO2排出を相殺できるからです。企業は削減目標の未達分を、どこかよその森林の保護によって相殺することができます。でもその実態はどんなもので、森林地帯に住む人びとの生活にどんな影響をあたえているのでしょう?(14分)

エルサレムの歴史的ムスリム墓地をつぶして「寛容の博物館」?

ロサンゼルスで「寛容の博物館」を運営し、人種差別をなくすための啓蒙教育を行っているユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センターは、日本では雑誌『マルコポーロ』の廃刊事件のおかげで、「ホロコースト否定論」や「ユダヤ陰謀説」に目を光らせて取り締まる圧力団体のイメージの方が強いかも知れません。この団体は今、エルサレムにも「寛容の博物館」を建てる計画を進めていますが、その予定地には十字軍の時代に遡るパレスチナのイスラム教徒の墓地(マミラ墓地)があります。何世代にもわたる歴史的な墓地をつぶして、いったいどうして「寛容」という名の博物館が建つのでしょう。この事件に象徴されるイスラエルによるパレスチナ人の存在の末梢と歴史の書き換えについて話を聞きます。(10分)

歴史家ハワード・ジン(1922-2010)追悼 ノーム・チョムスキー、アリス・ウォーカー、ナオミ・クライン、アンソニー・アーノーブ

1月27日に心臓発作により87歳で急逝した歴史家・著述家・活動家のハワード・ジンの追悼番組です。古典的な名著『民衆のアメリカ史』は、米国人の歴史の見方を変えたと言われます。通算100万部以上を売り、最近『民衆は語る』というテレビ番組も作られました。ジン本人の映像につづき、彼を最も良く知っていた盟友のノーム・チョムスキー、教え子のアリス・ウォーカー、ナオミ・クライン、アンソニー・アーノーブの諸氏により、ハワード・ジンの功績と、今日における重要性を語ってもらいます。(40分)

ティキパヤで「気候変動と母なる大地のための世界民衆会議」開催

ボリビアで2010年4月に開催された「気候変動と母なる大地の権利のための世界民衆会議」の現地取材映像です。コチャバンバ近郊の小さな町ティキパヤに世界中から代表が集まっています。15000人が参加した20日の開会式は、アンデスの民族音楽や踊りが満載でした。先住民出身のエボ・モラレス大統領の開会宣言は、2009年12月にコペンハーゲンで開かれた国連気候変動会議(COP15)において先進国が有効な温暖化ガス削減目標を決められなかったことに憤慨し、汚染国が牛耳る国連会議とは異なる道を明快に打ち出すものでした。(6分)

マイケル・ムーア 医療保険制度改革法案は「資本主義にとっての勝利」

オバマ大統領が内政上の最優先課題とする医療保険制度改革は、3月21日ついに下院で改革法案が可決されました。民主党は60年代の公民権運動以来の最大の社会改革と自賛しますが、他の先進国並みの公的医療保険制度を望んでいた米国民には、ひどい期待はずれでした。国民皆保険に近づいたとはいえ、政府が運営する公的保険はオプションとしてさえ導入されず、民間企業の提供する医療保険への加入を義務づけられるのです。映画『シッコ』で医療保険制度の欠陥を強烈に批判し、大統領選挙でオバマ候補を積極的に支持したマイケル・ムーア監督は、この結果をどう見るのでしょう?(30分)

アリス・ウォーカーの新作 ルワンダ、コンゴ、パレスチナで見た地獄

2010年のピュリッツァー賞が発表されました。ハリケーン・カトリーナ被災で孤立した病院で患者の生死の選択を迫られた医師たちの苦悩を描く記事で受賞した「プロプブリカ」のシェリ・フィンク氏は、非営利報道機関によるはじめての受賞という快挙でした。今日はアフリカ系アメリカ人女性として初めて同賞を受賞した作家、詩人、活動家のアリス・ウォーカー氏を招いて、新刊書について話を聞きます。タイトルは、『絶句を乗り越えて ルワンダ、コンゴ東部、パレスチナ=イスラエルで詩人が遭遇した恐怖』です。(17分)

ジョン・ピルジャー「大メディアの役割は人々の目をふさぐことだ」

アフガニスタン駐留軍を率いるスタンリー・マクリスタル司令官が、ローリング・ストーン誌に掲載された記事がもとでオバマ大統領に解任されました。側近たちと一緒になって大統領や政府要人らを笑いものにしたことが暴露されたからです。マスコミは現地司令官たちをかばい、記事を書いたマイケル・へイスティングス記者に激しい批判を浴びせました。「お国に尽くす軍人」が酒の席で口走った失言を暴き立てて、ジャーナリズムの"基本"を破り信頼関係をぶちこわしたと、袋叩きの様相です。しかしジョン・ピルジャーは、ヘイスティングス記者は本来ジャーナリストがやるべき仕事をしただけだと言います。(20分)

見えない戦争 経済制裁措置によるイラクの破壊

7年以上に及ぶ米国の軍事占領は、イラクにさまざまな災禍をもたらしました。しかしイラクへの攻撃が始まったのは20年前、米国の主導で国連安全保障理事会がイラクに対する経済制裁措置を決議したときからです。1990年8月、サダム・フセイン大統領のクウェート侵攻に対して発動された厳格な経済制裁措置は2003年5月まで続きました。その後の軍事侵攻と占領の陰に隠れて見過ごされがちですが、この残酷な経済制裁措置はイラクの国民生活を徹底的に破壊した見えない戦争でした

共和党のゴモラ 党を破壊した運動の内幕

50年前マッカーシー議員や極右団体から攻撃されたアイゼンハワー大統領は、「彼らはそんな資格も専門知識もないのに、ただ騒ぎ立てることで意見を押し通そうとする」と党内の急進派の台頭を懸念しました。今の共和党の状況を不気味なほど言いあてていると、マックス・ブルーメンソールは語ります。共和党はキリスト教右派に乗っ取られてしまい、アイゼンハワーの共和党はいまやサラ・ペイリンの党になったのです。

証券詐欺訴訟の和解でゴールドマン・サックスの株価上昇

下落をみこんでいた住宅ローン担保証券を優良商品として顧客に販売して証券詐欺で訴えられていたゴールドマン・サックスは、5億5千万ドルの罰金を支払うことで証券取引委員会(SEC)と和解しました。SECは米国金融史上最大の和解金と自賛しましたが、傍から見れば首をかしげるような少額です。この程度ならゴールドマンは2週間で稼ぎ出すでしょう。市場の反応は正直で、ゴールドマンの株価は和解発表後5%も上昇し、時価総額の増加分だけで和解金を上回りました。同社の衝撃的な経歴をあばいたマット・タイビ記者に話を聞きます。

ジュリアン・アサンジが語る『ウィキリークス』

デモクラシー・ナウ!にとって、2010年は、ウィキリークスの年でした。デモクラシー・ナウ!では、米軍のヘリコプターの狙撃兵がイラクの民間人をまるでビデオゲームを楽しむかのように銃撃し、計12人を殺害したときに録画された2007年の生々しいビデオをウィキリークスが公開し世界を震撼させた2010年4月、当時ワシントンDCにいたウィキリークスの共同創設者で編集長のジュリアン・アサンジを中継で番組に登場させたのを皮切りに、6月の9万点以上に及ぶアフガニスタン戦争の米軍機密文書公開、10月の39万点余のイラク戦争に関する機密文書公開に際しても、主要メディアに先駆けて、ジュリアンをマークし本人や関係協力者の声を大きく取り上げ続けました。

メルトダウンの危機

福島第一原子力発電所の事故に関しては、被害の範囲をできるだけ小さく見せようとする報道がめだち、海外メディアの報道とは大きなずれを生じています。いちばん情報を持っているはずの政府と東京電力が発表することが信用されなくなれば、パニックがますます拡大します。責任問題は後日かならず追及されるべきですが、今はとにかく情報を隠さないでほしい。

J・スティグリッツ  緊縮財政の推進が世界経済を破滅にみちびく

銀行側の住宅差し押さえ手続きに組織的な不正があったことが発覚し, 米国の住宅差し押さえ問題は新たな段階に入りました。内容の確認をおろそかにして大量の差し押さえ書類を作成したことが発覚し、全米に懸念が広がっています。一方ヨーロッパでは、財政危機を理由に緊縮政策を推進する政府に対し民衆の抗議運動が各地で盛り上がっています。ノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・スティグリッツ教授が米国と世界経済の現状を語ります。

「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る 3

 カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインが話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)を語ります。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。第三部は、ショックドクトリンの社会的な適用例を見ます。最初の実権は1973年のチリのクーデター後に実施されたシカゴ大留学者たちによる新自由主義経済改革でした。その成果はやがて米国内にも導入されます。ブッシュ政権の国防長官に就任したドナルド・ラムズフェルドは、米軍を大リストラして民間軍事企業への委託をすすめます。(18分)

ナオミ・クライン:究極の危機「気候変動」を利用して軍国主義が台頭?

民主主義の否定に利用されかねない最大の危機としてクラインが恐れるのが気候変動です。ここ数年で気候変動を信じる人の割合は急激に減少しましたが、その現象は英語圏に偏っています。その理由は、気候変動を信じるかどうかはもはや科学ではなく政治信条の問題になっているからだと、クラインはオーストラリアの政治学者クリーブ・ハミルトンの論考(かつて相対性理論をめぐる論争が政治論争化したこととの興味深い比較)を紹介します。気候変動を信じないことは、いまや右派にとって右派であることの証明です。彼らが信じない理由は、気候変動論は「富の再分配を狙った社会主義者による陰謀」だからです。こんな言いがかりつけて忌み嫌うのは、気候変動に有効な対策をとろうとすると、ことごとく右派の主張を否定しなければならないからです。エネルギー効率を考えれば、輸送によるロスを抑える地産地消が必須になりますが、それは「自由貿易」の終わりを意味します。そして先進国は自分たちが引き起こした問題の被害者である途上国に、つけを支払わなければなりません。自由貿易とグローバル化という右派の2枚看板を下ろし、富の再分配によって南北格差を是正するように迫られます。(16分)

マイケル・ムーア「米国は破産なんてしてない」 ウィスコンシン州労働デモで演説

 相次ぐ労働運動に対する攻撃に対抗して行われたウィスコンシン州のデモでの、マイケル・ムーア監督の応援演説を中継します。米国は破産などしておらず、数百人が人口の半分を合計した以上の富が、まともに税金も払わないわずか四百人の「ムバラク」の手中にある米国の社会構造そのものが問題だと明解に指摘し、「まともな仕事⇒まともな給与⇒生活のための消費⇒雇用」という実経済の循環を再建すること、「若い世代のための教育⇒新しい発想⇒起業・雇用促進⇒税収増」という財政の基本を取り戻すことこそが求められている、と力強く呼びかけます。(13分)

公共支出の大幅削減にロンドンで50万人が抗議デモ

3月26日ロンドンで50万人を超えるデモ行進が行われ、戦後最大となる公共支出の削減に抗議しました。英国では昨年5月に13年ぶりの政権交代で保守党と自由民主党の連立政権が成立しました。新政権がまっ先に掲げた重要課題は、GNP比で1割以上に達した財政赤字への取り組みでした。そのために政府が打ち出した大胆な緊縮政策は、医療も教育も社会福祉もあらゆる公共サービスを縮小し、30万に及ぶ公共部門の雇用をカットするというものでした。デモの引き金となったのは、このような計画を進める一方で、法人税の減税試算が示されたことでした。問題は緊縮財政だけではなく、負担の不公平と極端な富の集中です。中流階級から下の人々には社会福祉の削減と増税が重くのしかかりますが、企業や投資家は税負担を軽減されるのです。大金持ちは税金を払っておらず、金融危機を引き起こして財政危機の原因を作った人々がますます富を溜め込む仕組みになっています。

バンダナ・シバとモード・バーロウ 母なる大地の権利を語る (アースデイ特番)

2011年4月22日、アースデーを記念する特別番組です。デモクラシー・ナウ!では、政治・経済のグローバル化とからんで深刻化する地球温暖化問題を熱心に追ってきました。2009年のコペンハーゲンでの国連気候変動サミット(COP15)、ボリビアで開かれた「気候変動と母なる大地のための世界民衆会議」、カンクン国連気候サミット(COP16)など節目の取材はもちろん、BPの石油流出、石油・天然ガス開発に関するタールサンドやフラッキングによる汚染、石炭の山頂除去採炭、ゾンビ原発の危険など。もちろん、日本の福島原発事故にからむ問題に熱心に追っています。バンダナ・シバとモード・バーロウという世界的に著名な2人の環境保護活動家が登場するこの「アースデイ特番」のセグメントも、まずはインド出身の活動家、シバさんへの、「日本の原発大事故はインドにどんな影響を与えるのか?」という質問から始まります。(33分)

エコロジー運動の哲学詩人デリック・ジェンセン

エコロジー運動の哲学詩人、デリック・ジェンセン――物静かな語り口とは裏腹に、その言葉は時に美しく、時に鋭く、読む者・聴く者に突き刺さります。カリフォルニア北部で持続可能な暮らしを続けるトロワ・インディアンの土地で暮らす彼は、「持続可能な技術水準はひとつしかないんだよ。石器時代だ」と言う彼の心を揺さぶった友人の言葉を伝えてくれます。ジェンセンには「文明」には、暴力と破壊が付きものだと言う認識があり、すでに「終末」が始まっているという危機感があります。だから、彼自身も含めた環境保護主義者たちの敗北の連続がはがゆいし、生ぬるい環境運動家が許せない。(20分)
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