カーライル・グループ 民間軍事諜報企業ブーズ・アレン・ハミルトン買収へ

カーライル・グループは未上場企業投資を専門に行う世界でも最大級の投資ファンドです。 一方、最もなぞに満ちたファンドでもあり、数々の政治家との深い関係から「元大統領のクラブ」と呼ばれていました。近年同社の取引に厳しい目が向けられてから、軍事契約数や問題の多い政治家との関係を減らす傾向にありました。しかしそのコースは変更されたと見え、今年5月には諜報コンサルティング企業であるブーズ・アレン・ハミルトン(以下ブーズ・アレン社)がその政府関連部門をカーライル・グループに売却すると発表しました(その買収は事実上7月に完了しました)。ブーズ・アレン社は民間の軍事諜報企業の大手であり、現在米国で進行中の「政府の諜報活動の民営化」の一端を担う企業で、米国の諜報活動において戦略的に重要な役割を負っています。(30分)

「米国覇権の経由地パキスタン」タリク・アリ

2008年9月15日パキスタンの国境警備軍が、アフガニスタンからパキスタン領内に侵入しようとした米軍を撃退したと報じられています。これ以前にも米軍の越境攻撃でパキスタンの村人が殺害されており、数週間にわたり空爆も続いており、パキスタン国内には米軍への敵意が高まっていました。パキスタンと米国の危険をはらんだ関係を新たな視点で描いた新作『対決:米国覇権の経由地パキスタン』を発表したタリク・アリに話を聞きます。(18分)

バラク・オバマと米国の外交政策の今後

2008年11月4日の夜、歴史的勝利が判明すると、次期大統領バラク・オバマに世界中から続々と祝辞が寄せられました。米国民のみならず世界の多くの人々にも、オバマ選出は時代の画期ととらえられました。しかし実のところオバマの外交政策の姿勢とはどのようなものなのでしょうか?また米国の外交政策の戦略ポイントに位置づけられる国々の住民は、新政権に何を期待しているのでしょうか?(46分)

ニューディールを支えた女性 ルーズベルト政権の労働長官フランシス・パーキンスの人生

現在の状況と1930年代との比較から、フランクリン・デラノ・ルーズベルト 大統領のニューディール政策が再び注目されています。金融業の規制や思い切った公共事業投資による需要と雇用の創出に加え、公的な社会保障のプログラムを導入したことも画期的でした。社会保障政策の検討にあたりルーズベルト政権内で最も影響力のあった人物は、米国史上初の女性閣僚であるフランシス・パーキンス労働長官だったと論じる本が最近出版されました。著者のカーステイン・ダウニーは、パーキンスの精力的な働きの原点にあるのは、1911年ニューヨークの工場火災で150人の子供たちが犠牲になった悲惨な事件だったと言います。(19分)

コナー・フォーリー「人道主義は いかに戦争へと向かったか」

紛争が民衆にもたらす暴力や人権侵害を解決する方法として、しばしば「人道的介入」の必要性が語られます。しかし、コソボ自治州(その後2008年に独立を宣言)におけるアルバニア系住民の保護を名目にしたNATOによるセルビア空爆、フセイン政権によるクルド人やシーア派住民への弾圧が導火線の一つとなった英米軍主体のイラク侵略など、実際の例をみると、むしろ紛争を拡大し、民間人の被害の深刻化をもたらす例が目につきます。ゲストは『細い青い線─人道主義戦争への道』(The Thin Blue Line: How Humanitarianism Went to War)の著者コナー・フォーリー氏。数多くの紛争地帯で人道援助活動に携った経験をもとに、人道的介入論の起源と問題点を分析します。(13分)

先住民作家ルイーズ・アードリックの独立系書店

第一作『ラブ・メディシン』で全米書評家連盟賞を受賞して以来、数多くの作品を葉表してきたアメリカの先住民系作家ルイーズ・アードリックに聞きます。彼女が家族と経営するミネアポリスの独立地方書店バーチバーク・ブックスは、先住民コミュニティを活性化する知的活動の場を提供し、集会場や展示場、サロンの役割もそなえたユニークな書店です。母方は先住民、父方は白人という異文化混合の家庭で育ったアードリックは、さまざまな文化の混合こそが現在の米国の姿なのだと言います。(9分)

「ベルゲン=ベルゼンの日記 1944-45」 アミラ・ハスが問う母の沈黙

イスラエルの優良紙『ハアレツ』のコラムニストで、占領下のパレスチナに住み、パレスチナ住民がイスラエルから受ける迫害を伝え続けている数少ないユダヤ人記者アミラ・ハスは、両親ともにホロコーストの生存者です。母のハンナ・レヴィ=ハスは、北部ドイツのベルゲン=ベルゼン強制収容所に収容されていた当時、禁を犯して日記をつけるほど文章表現に長けた人でした。しかし収容所から解放され、イスラエルに移住した後は書かなくなってしまいます。むしろホロコースト後の世界に絶望したのだと娘のアミラは言います。(14分)

ダルフール殺戮でスーダン大統領にICCの逮捕状 是非をめぐる討論

2009年3月4日、国際刑事裁判所(ICC)は、2003年以降続いているスーダン西部のダルフール地方における内戦で行なわれた戦争犯罪と人道に対する罪に責任があるとして、スーダンの現職大統領オマル・バシールに逮捕状を出しました。2005年の国連安全保障理事会による付託を受けてのものです。しかしスーダンはICC規定の締結国ではなく、バシール氏が拘束される可能性のない時点で逮捕状を発行したことには、様々な観点から賛否両論が提示されています。事実、スーダン政府は決定に反発し、国内で人道支援活動に従事する欧米系の支援団体の多数がスパイ行為を行っていると非難して追放を決定しました。和平への取り組みに関与するアフリカ連合も逮捕状発行に反発しています。<br><br> 番組では、今回の決定を支持するヒューマン・ライツ・ウォッチ理事でICC設立のための運動を主導したリチャード・ディッカー氏と、ハーバード大学の学部横断組織人道主義プロジェクトの纏め役で、今回の決定を「象徴的な動きに過ぎず、却って人道危機を招きかねない、性急な行動」だと批判するアレックス・デ・ウォール氏を招きます。(14分)

エクアドルのコレア大統領へのインタビュー

中南米の左傾化の一翼を担うエクアドルのラファエル・コレア大統領への単独インタビューをお届けします。2009年6月下旬、国連で行われた世界金融・経済危機と開発への影響に関する高官レベルの会合に出席するためニューヨークに滞在中のコレア大統領にお話を伺いました。 グローバル資本主義、マンタにある米軍基地協定の更新拒否、アマゾンに暮らす数千人の先住民が毒性の強い油井汚染に関して石油メジャーのシェブロン社に120億ドルの損害賠償を求めている訴訟、エクアドルとコロンビアの関係、そしてコレア氏のオバマ大統領に対するアドバイスを聞きました。(28分)

コンゴ内戦の性暴力とアフリカの「資源の呪い」 前編

8月にアフリカを訪問したヒラリー・クリントン国務長官は、コンゴ民主共和国の東部のゴマ市に立ち寄り、内戦による性暴力の被害者たちと面会しました。コンゴではレイプが戦争の手段として使われ、おびただしい数の犠牲者が出ています。(10分)

米連邦最高裁 ムミア・アブ=ジャマール死刑囚の再審請求を却下

2009年4月6日、連邦最高裁判所は元ブラックパンサー党員でジャーナリストの死刑囚ムミア・アブ=ジャマールの再審請求を却下しました。ムミアは1981年に白人警官殺害の容疑で起訴され、陪審員の大部分を白人が占める異論の多い裁判によって有罪判決を受けました。ムミアは、この裁判は陪審から意図的に黒人を排除するなど、人種的偏見により公正さが損なわれたものだったと主張し、判決の無効と裁判のやり直しを一貫して要求してきました。(11分)

隣の奴隷 現代アメリカの人身売買と奴隷制

現代の奴隷制撲滅運動のリーダーケビン・ベイルズに話を聞きます。ベイルズの推計によれば、現在約2700万人が奴隷的労働に就いています。これは人類史上最多の数字です。ベイルズはまた米国での現代奴隷制の摘発に協力してきました。米国には毎年、1万4000人から1万7500人の人々が人身売買で送り込まれていると彼は見ています。現代の奴隷制の実態に目を向けてみましょう。(15分)

ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で

プリンストン大学で宗教哲学とアフリカ系アメリカ人研究を教える有名教授コーネル・ウエストが、待望のメモワールを発表しました。表題は『ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で』。そこには、小学校をドロップアウトし監獄行きも時間の問題だった不良少年の時代から、心気一転して優等生に変身し、陸上に、音楽に、勉学に、生徒会活動にと多彩な才能を発揮したウエストの魂の軌跡がつづられています。その生い立ち、コミュニティ、宗教との出会い、人生における音楽の役割、オバマ政権への期待と失望、公的医療保険制度について、じっくり語ってもらいました。(32分)

ピッツバーグG20 サミット抗議鎮圧で出現した「警察国家」の光景

2009年9月16日、米国ペンシルバニア州のピッツバーグでG-20金融サミットが開かれました。世界の富裕国の首脳が一堂に顔をあわせる会合です。厳重な警戒態勢の中で米国各地から集まった数千人が抗議行動を行いましたが、重装備の機動隊が出動し、非暴力のデモ隊に催涙ガス、音響手りゅう弾、発煙筒、さらには鋭い不快音を浴びせて動けなくする長距離音響装置(サウンドキャノン)も国内で初めて使用されました。2日間の会合で少なくとも175人が逮捕されました。反戦活動家シンディ・シーハンは、「まるで警察国家のような光景でした」とブログに書きました。続けて、アルンダティ・ロイが世界最大の民主主義国インドの「警察国家民主主義」の実態と、グローバル化の中で変容する民主主義について語ります。(10分)

カリフォルニア巨大刑務所システムの内情

カリフォルニアの刑務所には約16万人が収監されています。州の受刑者数は全米最多であり、収容施設の定員の2倍を超えています。しかし、カリフォルニア州は深刻な財政危機のまっただ中にあり、刑務所予算の削減も必至の状態です。刑務所の過密収容状態を問題視した連邦裁判所は2009年8月、カリフォルニア州に対し、今後2年で収容者の数を4万人以上減らすよう命じました。州知事による延期の嘆願も却下され、一部囚人の早期釈放を認める法案が提出されました。(9分)

エコノミックヒットマンが明かす世界金融市場崩壊の理由とやり直しの道

サブプライムローン市場の暴落、金融破綻、失業率の激増──こうしたことはみな、ジョン・パーキンスにとっては、なじみ深い光景です。ただし、かつては第三世界に特有の現象でした。パーキンスは、まさにその事態を引き起こすための工作を密かに仕掛けるエコノミックヒットマンでした。彼の新著は、金融市場を崩壊にもたらした原因を説明し、世界経済たて直しの処方箋を提案します。(14分)

米支援のエルサルバドル軍によるイエズス会司祭6人の殺害から20年

米ジョージア州フォートベニング基地では、毎年恒例となった抗議集会に数千人の人々が集まり、かつての陸軍米州学校(SOA:スクール・オブ・ジ・アメリカス)の廃止を求めています。中南米の軍人に反政府運動の撲滅の手法を教えた「暗殺学校」です。修了生たちは帰国して、米国の支援する独裁政権を支えて中南米各地で最悪の人権侵害を引き起こしました。 米国が支援するエルサルバドル軍にイエズス会の司祭6人の司祭が殺されて20年になります。司祭たちは「解放の神学」を掲げ、貧者の側に立って政府の人権侵害を批判したため、1989年11月16日、中央アメリカ大学の敷地内で射殺されました。作戦を遂行したのは暗殺学校の修了生たちです。(19分)

見えない戦争 経済制裁措置によるイラクの破壊

7年以上に及ぶ米国の軍事占領は、イラクにさまざまな災禍をもたらしました。しかしイラクへの攻撃が始まったのは20年前、米国の主導で国連安全保障理事会がイラクに対する経済制裁措置を決議したときからです。1990年8月、サダム・フセイン大統領のクウェート侵攻に対して発動された厳格な経済制裁措置は2003年5月まで続きました。その後の軍事侵攻と占領の陰に隠れて見過ごされがちですが、この残酷な経済制裁措置はイラクの国民生活を徹底的に破壊した見えない戦争でした

共和党のゴモラ 党を破壊した運動の内幕

50年前マッカーシー議員や極右団体から攻撃されたアイゼンハワー大統領は、「彼らはそんな資格も専門知識もないのに、ただ騒ぎ立てることで意見を押し通そうとする」と党内の急進派の台頭を懸念しました。今の共和党の状況を不気味なほど言いあてていると、マックス・ブルーメンソールは語ります。共和党はキリスト教右派に乗っ取られてしまい、アイゼンハワーの共和党はいまやサラ・ペイリンの党になったのです。

マイケル・ムーア自らを語る 映画づくりと政治活動(後半)

「ブッシュ大統領、恥を知れ」。罵りと同時にマイクがさがり始め、それまでの満場の拍手がブーイングの嵐にかわる。極めて異例のアカデミー賞受賞スピーチ映像がテレビを通じて世界中を駆け巡ってから、もう7年。1989年の劇場用長編ドキュメンタリー映画『ロジャー&ミー』による衝撃的デビュー以来、多国籍企業の専横と暴力信仰に代表される米国の政治文化と、強欲が支配する現代社会の在り方を一貫して批判し、次々と問題作を発表し続けている映画作家のマイケル・ムーアが、20年にわたる映画人生を振り返る特別インタビュー。
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